小倉鍛冶町・実南(みなみ)さんで春をいただく。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

小倉鍛冶町・実南(みなみ)さんで春をいただく。

このところ春の恒例行事となりつつある、小倉鍛冶町・実南(みなみ)さんでのお食事。今年も行って参りました。藤吉憲典の器を使ってくださっている料理人さんのところに食事をしに行くのは、この仕事をしている自分たちへのたまのご褒美であり、貴重な勉強の機会であり、大きな楽しみです。

カウンター5席に個室がひとつ。小さいながらも徹底的に無駄がそぎ落とされた空間は、一歩足を踏み入れると、背筋が伸びつつホッとします。まず目に留まった、大将・南さんの花生けは、どんどん大胆になってきているようです。空間に伸びる立派な枝ものが、紙一重で邪魔になりそうなところ、逆に広さを感じさせる演出となっている不思議。

実はこのところちょっぴり胃腸が疲れ気味でしたので、お店に入る前は「万全で来たかったなぁ」と思ったりもしていたのですが、最初の一皿を食した瞬間に、杞憂となりました。みごとにすべてのお料理が、しみじみと体に沁みる美味しさで、呼吸するようにすんなりとお腹に入っていきます。一皿一皿、「旬のもの」と「地のもの」に最大の心配りがなされているのを感じました。

お料理とおしゃべりと空間自体をゆっくり時間をかけて楽しむ贅沢。日本の料亭文化は「総合芸術」だと言われます。料亭と大げさに言わずとも、そのような美意識を五感で味わうことのできる実南さん。今回も大満足でした。