「産学官」が目の前に現れて、それぞれに特徴的で、違いが面白かった。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

「産学官」が目の前に現れて、それぞれに特徴的で、違いが面白かった。

わたくしごとですが、先週、息子の大学入学式がありました。お天気も良く、満開の桜のもとでの入学式なんて、とてもラッキーだったと思います。そしてコロナ禍以降、小中高大ともに学校関係の大きなイベントをYouTubeでライブ配信するようになってきたのは、良い変化の一つかもしれません。その恩恵で、仕事をしながら大学の入学式を楽しむことが出来ました。

さて「産学官」。字面ではよく目にしたり耳にしたりしますが、これが思いがけず目の前に具体的に現れて、とても興味深い入学式でした。まず登場したのは「学」。大学の学長挨拶です。きちんとした佇まいに、古典からの引用や比喩をいくつもちりばめたお話は、いかにも学術的な雰囲気で、これからの大学での勉強こそが、子どもたちにとって本来の学問であることを思い出させてくれるものでした。就職の手段として学ぶのではなく、学びの結果が将来につながっていくのだということを、考えさせてくれるお話でした。

次に登場したのは「産」。こちらは大学理事長という肩書でのご登場でしたが、場馴れした雰囲気は、見るからにいかにも経済界の人です。その話の内容がまた実践的で、経験に基づくのであろう示唆に溢れ、とても心強さを感じるものでした。あとから大学の役員名簿を確認したところ、地場大手企業の顧問を務めておられ、商工会議所会頭等も歴任された、バリバリの実業家。こういう方が大学経営のなかにいらっしゃるのは、素晴らしいことだと思いました。

そして最後に「官」。より正しくは、官を動かす長たる市長ですが。こちらはやる気(または野心)オーラを、全身から発しているような方でした。お話が、とてもこなれていてよかったです。紋切り型の聞き飽きたような挨拶ではなく、ご本人の思いがきちんと込められていると感じました(スピーチライターはいらっしゃるにしても)。なにより、地域をあげて全力で大学・学生をサポートすると宣言してくださったことは、すべてを鵜吞みにしないまでも嬉しいことでした。

三者三様の特徴がはっきりと出て、とても面白かったです。当の学生たちは、もしかしたら「早く終わらないかなぁ」という気持ちで聞いていたかもしれません。というのも、わたし自身、自分の大学の入学式のことなんて、まったく覚えていないというのがほんとうのところですので。今だからこそ、話してくださっている内容が沁みるのかもしれませんね。ともあれ息子のおかげで、なんとも楽しい入学式を味わうことが出来ました。