こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。
今年も引き続き、額縁&表装の楽しみ。
昨年末に作った「藤吉憲典の縞馬陶板」の額装が、とってもいい感じに仕上がったので、
調子に乗って増殖しました。額装にしても表装にしても、自ら作品を生み出すことのないわたしにとって、多少なりとも創作物に関わることができるのは、とっても楽しく嬉しいことです。どのような装いにするか、作者・藤吉憲典と相談し、ある程度の方向性を決めて臨みますが、額縁屋さんとのやり取りと最終的な決定は任されていますので、美意識が問われる場面でもあります。
今回も博多の大崎周水堂さんにお世話になりました。額装することによって「どう見せたいか」「どのようなイメージか」。わたしの拙い言葉でも、どのようなものを期待しているかを察知して提案してくださいますので、安心してご相談できます。今回も、あれこれと試しては「これじゃない」「もっとこんなふうなの」「惜しい」「もう少しこんなふうなの」とバンバン取捨選択し、二つの陶板の装いを決定するのに、30分もかかりませんでした。初めて作ったときには、ひとつの額装を検討するのに1時間半かけてやっと2パターンに絞り込み、一度持ち帰ってからようやく決定!という感じでしたので、雲泥の差です。
で、その最新作ふたつがこちら。
前回のウッディでクラシックな雰囲気から、ガラッと変えて、メタリックでコンテンポラリーな雰囲気を目指しました。現代的なスペースにしっくりくるといいな、とイメージしつつ。と同時に、完成品を目の当たりにして浮かんだのは、「陰影礼賛」の言葉でした。谷崎潤一郎の言った、暗闇のなかでこそ灯る光の美しさ。飾ってみたら、花祭窯の純日本家屋かつやや暗めのギャラリースペースにも、ばっちり映えました。
藤吉憲典の縞馬陶板シリーズは、3月岡山のギャラリー栂さんでの藤吉憲典展でまとめてご覧いただくことが出来ます。ぜひ会場で実物をご覧になってください。