卒業式楽譜

一生懸命のところに感動が生まれる。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

もうすぐ春休み。今年度の息子の担任の先生は、とっても熱い先生でした。その先生が終業式1週間前に保護者に向けて書いた手紙の内容が、これでした。

一生懸命のところに感動が生まれる。

その数日後に行われる卒業式で、在校生が卒業生に合唱をプレゼントすることになっていました。練習やリハーサルの特訓を通して、先生が子どもたちに一番伝えたかったことがお手紙に書いてありました。「このくらいでいいや、そう思って手を抜いてしまえば楽です。でもそこには何の価値も生まれません。一生懸命だからこそ、素晴らしい価値が生まれます。」

思春期にかかる子どもたちに「あつくるしい、うざい」と言われながら熱血指導を貫いた先生。その結果、卒業式前の最終リハーサル、卒業式本番と、素晴らしい合唱を披露し、先生方も涙していたということでした。

「歌う側」であった息子にも話を聞いてみると、一生懸命歌ったら、歌いながら涙が出てきたと恥ずかしそうに言いました。「ちょっとおかしいんやけど」というので、「全然おかしいことじゃないよ。よかったね、先生が熱血指導してくれたおかげだね」と話をしました。

 

先日、セミプロを名乗る音楽家の演奏を聴く機会がありました。そのとき、明らかな手抜きというか、まったく気が集中していない演奏であったのが、素人の自分でもわかるように伝わってきて、とても残念でした。生演奏を聴きながら苦々しい気持ちになったのは久しぶりのことでした。

心を動かすのは小手先のテクニックではなく、一生懸命さだと、しみじみと感じた二つのできごとでした。

 

 

 

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。