花祭窯の12月の庭。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

花祭窯の12月の庭。

2021年も残すところ1週間。福岡地方、明日の天気予報には雪マークが並び、年末らしい雰囲気が増してきました。露地の枯れた草や枝を掃除しなきゃと思いながら、まだ手が付けられずにいます。毎年末大掃除の目玉は、露地掃除とガラス窓拭き。今年もギリギリになりそうです。

↓すべての写真はクリックすると拡大を見ることができます↓

花祭窯の露地

まず目をひくのは、サザンカの花弁の絨毯。

花祭窯の露地

水仙がグーンと伸びてきました。つぼみがついているのが見えるでしょうか。

花祭窯の露地

上を見上げると、こんなふう。

花祭窯の露地

南天の赤い実がこんなにしっかりついたのは、数年ぶりのことです。

花祭窯の露地

お茶室も掃除しなければ。

花祭窯の露地

11月下旬に仕込んだ干し柿もいい感じに育ってきました。

梅もどき

玄関には、ご近所さんからおすそ分けいただいたウメモドキ。

小さな露地ではありますが、季節ごとの顔を持っています。毎日少しづつの変化を感じるのが、とても楽しいのです。

「肥前磁器作家の仕事」を取り巻く仕事。の、後日録。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

「肥前磁器作家の仕事」を取り巻く仕事。の、後日録。

いつもお世話になっている陶土屋さん=渕野陶磁器原料さんから、毎月「ニュースレター」が郵便で届きます。毎回一番楽しみにしているのは「会長さんの昔話」で、渕野陶土さんの現会長が陶土屋さんの歴史を語るコーナー。これを読むと、佐賀肥前地域の磁器産業を支える陶土業界がどのように変遷してきたか、技術進化の推移や、そのときどきでのご苦労を知ることができます。もう25年も磁器の仕事をしているのに知らなかったことばかりで、これまでの勉強不足を反省する機会にもなっています。

さてその最新号=上の写真がつい先日手元に届き、びっくり。巻頭に大きく「磁器作家藤吉憲典の挑戦」展覧会を紹介してくださっていました。福岡アジア美術館での展覧会に、渕野社長が佐賀から駆けつけてくださったのは、11月14日のこと。本展覧会では 「肥前磁器作家の仕事」を取り巻く仕事を紹介しようと、ふだんからお世話になっているお取引先の皆さんに資料提供をお願いして、展示コーナーを作っておりました。

喜んでくださったご様子を拝見し、そのときも「展示をやってよかった!」とホッとしたのでした。今回あらためてこのように記事にしてくださったのを拝見し、その思いを再確認。よくよく花祭窯は、お取引先の皆さんに恵まれています。ほんとうにありがたいことです。

渕野陶磁器原料さんのニュースレター「ジキよまんば」バックナンバーは、サイトでもご覧いただくことができます。また渕野陶磁器原料さんの扱うものは、ネット通販でも購入できます。全国各地だけでなく海外にまでも原料を発送しておられます。プロはもちろん趣味の陶芸でのご利用にも対応なさっていますので、興味のある方はぜひ覗いてみてくださいね。

↓福岡アジア美術館での展覧会についての記事は、下記から辿ることができます↓

古伊万里の変遷と未来 古典からアートへ 磁器作家藤吉憲典の挑戦 @福岡アジア美術館

陶板(レリーフ)に額縁、第一弾が完成。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

陶板(レリーフ)に額縁、第一弾が完成。

「久しぶりの額縁やさん。」とブログを上げていたのは、十二月の初旬のことでした。「出来上がりました」のお電話をいただき、ワクワクしながら再び額縁屋さんへ。この2週間「待つ楽しさ」を存分に味わいました。上の写真が、その出来上がり^^

思った以上にしっくりと馴染んだ仕上がりで、大満足です。選ぶときは、部分的に額縁のサンプルをあてて、出来上がりをイメージします。全体を囲んだ姿を見ることはできません。額縁をつけることでシマウマの躍動感が損なわれないように、と思っていましたが、杞憂でした。むしろその先への広がりを感じる仕上がりとなり、ニンマリ。色合い、質感、幅…この額縁だからこそ、の仕上がりです。

縞馬陶板 藤吉憲典

↑これが、↓こんなふうに。

藤吉憲典 縞馬陶板

通常絵画などを入れる場合は、ガラス(アクリル)をかぶせますが、陶板の半立体を直接ご覧いただきたかったので、かぶせていません。「縁」のみです。縁をつけることで、より立体感を感じる仕上がりとなり、それは当初のイメージ以上の効果でした。写真では伝わりにくい所でもありますので、興味のある方はぜひ花祭窯にお越しになって実物をご覧くださいね。

額縁に入ると、壁にかけたくなりますね。とりあえず写真を撮りたくて掛けてみましたが、飾る場所と飾り方をどう選ぶかも課題です。花祭窯のギャラリースペースの「白壁」は漆喰なので、鋲を打ち込むのは難しく。どこに何を使えば良い感じにピッタリはまるか、展示のテクニックもちょっと考えたいところです。

こうして一つ、仕上がりが目に見えたことで、俄然面白くなってきました。実はもうひとつ、縞馬陶板の額装を進めています。こちらは藤吉憲典のアート作品を扱ってくださるインポートインテリア・ドーノさんにお願いしています。インテリアアートを提唱するオーナー上田桐子さんのセレクトを圧倒的に信頼しており、全面的にお任せしています。まったく違う雰囲気のものが出来上がってくるのは確実で、とっても楽しみです。

「暫(しばらく)」がやってきた♪

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

「暫(しばらく)」がやってきた♪

来年度以降に向けて、花祭窯(=磁器作家・藤吉憲典)としての新たな挑戦をいろいろと考えています。この11~12月と、そのための情報集め・資料集めと、「お試し」を実践していく期間となっています。明確に意図したわけではなく機会が次々やってきているので、きっとそんなタイミングなのでしょう。

さて「暫」は歌舞伎の演目です。知識がありませんでしたので、ウェブサイト「歌舞伎演目案内」で解説を拝読しました。豪快痛快な勧善懲悪もので、見せ場に「元禄見得」を切るとのこと。このたび我が家にやってきたのは、その浮世絵版画です。古典の浮世絵を現代に復刻したコレクションのひとつ。絵師は、江戸の浮世絵ブーム後期を風靡したという歌川派の歌川国政。役者絵のなかでも「大首画」と呼ばれる「首から上の半身像(胸像)」を描くのを得意としたそうで、我が家にやってきた「暫」も、その大首画。幾何学的な構図と大胆な配色が華やかです。

さっそく床の間に飾ってみると、華やかでありながら落ち着きを感じました。版画ゆえの質感と発色が、全体をやさしく調和させています。技術・色彩感覚の確かさに加え、紙にはオリジナルと同様手漉き和紙を使い、絵具もオリジナルに近い顔料を使用するといった制作工程によるものでしょう。もっと大きなサイズでもよかったかも、と思いました。

実寸は測ればわかりますし、お店(ギャラリー)で実物を見ることもできますが、実際に飾る場所に掲げてみて初めて、そのサイズ感を体感します。実寸より大きく感じたり小さく感じたり、背景(空間)の色によって派手に見えたり地味に見えたり。飾る場所により印象が変わるのも、アートを自分の空間に取り入れる面白さのひとつだと思います。

復刻版画を手掛けたのは、新宿にあるアダチ版画研究所さん。その名も「アダチ版復刻浮世絵木版画」。日本の伝統美術である木版の技術保存、技術者育成をなさっている版画やさんです。上の写真は、アダチ版画研究所の木版解説資料。版画と一緒に届きました。木版についての解説と、題材である「暫」についての解説と、ともに英語表記が併記されており、国内はもとより世界に向けての文化発信の熱意を感じました。

伝統木版は江戸時代から約300年の歴史であるいうことを、今回初めて知りました。日本の磁器の歴史が江戸初めからの約400年ですから、100年ほどの違いはあれど、ともに江戸の文化を体現し、背負って来たものなのですね。特に浮世絵版画は、江戸の庶民文化・流行を色濃く反映したものなのだと思います。肥前磁器が大量生産されるようになったころと重なるのだな、などと思いつつ。蕎麦猪口の文様にも江戸文化の流行は多様に反映されています。俄然親しみがわいてきました。

花祭窯は小さい事業ながら、特にここ10年ほどは毎年「ガチャンガチャンと音を立てて変わっていく」ものがあります。内側からの変化と、外の変化への対応と。そんななかで、今回到着した浮世絵版画。これからの事業に向けて、たくさんのヒントが詰まっていそうです。座敷に行っては床の間を眺め、ニヤニヤしております。

読書『水木しげるのラバウル戦記』(ちくま文庫)水木しげる

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『水木しげるのラバウル戦記』(ちくま文庫)水木しげる

ご存じ「ゲゲゲの鬼太郎」の水木しげる先生の戦記物。水木しげるさんが戦争で南方に行かれたこと、そこで片腕を失ったこと、『ラバウル戦記』はじめ戦争に関するものをいくつか書いて(描いて)いること。知ってはいたものの、ちゃんと読んだのは今回が初めてでした。

淡々と書かれているからこそ、考えさせられました。さまざまな不条理に対する水木二等兵の素朴な感想を読むほどに、状況に惑わされずものごとをそのまま見ることのできる人の強さを感じました。特に心に残ったのが「植物や石は平穏に暮らしているのに、なんで人間だけがのたうちまわらねばならんのだろうと思った。」の一文。ほんとうに、なんで人間だけが、と思います。

それにしても、現地でのスケッチをたくさん持って帰ってくることができたというのも、奇跡的に感じます。本書をテーマとした展覧会があってもよいだろうなぁと思いつつ。

福岡アジアビジネスセンター「令和3年度海外ビジネススキルの学習と実践による海外展開支援事業」に参加しています。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

福岡アジアビジネスセンター「令和3年度海外ビジネススキルの学習と実践による海外展開支援事業」に参加しています。

海外に渡航できないときこそ、海外ビジネスの基礎体力を上げておこう!ということで、参加申し込み。2021年9月から月1回開催で2022年2月までの6回。半年かけての取り組みです。1回の講座は2時間ですから、学習時間自体は長時間というわけではありませんが、半年と考えると長いスパンです。参加するからには、半年後に一つでも二つでも、実質的な成果(=商談成立)を得たい!と考えてのエントリーでした。

この事業の最大のウリは、海外ビジネススキルの学習だけでなく、学んだことを実践しながら具体的な成果=商談成立を目指すところ。BtoBの商談プラットフォームを活用することにより、商社などの輸出業者任せではなく、誰でも自社で海外取引を広げていくことができますよ!といううたい文句です。

先日第4回目までが終わりました。6回のうちの4回目ですから、3分の2が終了したところです。海外営業に必要な資料とその理由を学び、実際に自社仕様の資料を作成していくところまで進みました。既に海外取引をスタートしている事業者にとっては、新しい学びではありませんでしたが、おさらい・見直しの機会となりました。わたし自身、資料作成を通して、あらためて文字にして書き出すことで、頭の中の整理整頓ができました。

ただ本音を言えば、その先、つまり実際にBtoBのプレゼンテーションを行っていくことを期待しての参加でしたので、現段階でまだその兆しが見えないのは、少々時間がかかり過ぎな感じです。現実的に考えて、あと2回(=2か月)のうちに商談成立に到達するには、余程のラッキーな出会いが必要でしょう。

ということで、当初目論見のように半年の事業期間内に「学習+実践」とうまくいくかどうかは、かなり怪しくなって参りましたので、勝手に最終目標を変更することに(笑)。おかげさまで海外進出に必要な資料をアップデートすることができましたので、これを大きな成果ととらえ、あらためて独自に海外営業に取り組むことにいたします。うん、結局は自分で動くのが一番ですね。

研修自体は年明けにあと2回が残っています。この2回で学べることを、一つでも多くゲットしていきたいと思います^^

2021年度学芸員研修「博物館リンクワーカー人材養成講座」第6回。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

2021年度学芸員研修「博物館リンクワーカー人材養成講座」第6回。

2021年度学芸員研修の6回連続講座の最終回でした。第1回目からの報告は下記の通り。

最終回は、福岡市美術館から「アート活動で高齢者と美術館をつなぐ」と題した発表があり、その後グループに分かれての意見交換。多様な立場の皆さんのお話を伺うことで、気づかされ、励まされました。

以下備忘。


  • 例えば「梅と桜」のように、わかりやすく普遍的なテーマ設定ができれば、いろいろな作品が鑑賞法(回想法を含む)の題材となりえる。
  • 肝はテーマ設定。「どの資料を使うか」よりも「何をテーマとするか」。
  • ギャラリートーク(解説・対話型など)→ブレイクタイム(お茶・おしゃべり)→簡単な制作→制作物を自分に届ける。
  • 制作物を後日(1日後、1週間後、1か月後、1年後など)自分に届ける=今やっていることを未来(の楽しみ)につなげる。
  • どこでも美術館=アウトリーチ。
  • 子ども(学校)向けだけでなく、高齢者(施設)向け、そのほかすべての「美術館に来にくい、来れない人」へ。
  • レプリカ、持ち出し用の(持ち出し可能な)ほんもの。
  • 認知症対応マナー研修。
  • 美術館・博物館→社会教育施設→生涯学習拠点。
  • 文化施設=いかにして社会的に頼られる存在になれるか、その使命。
  • 実物(ほんもの)+オンライン。
  • そのプログラムは、自分が参加して楽しいと思えるプログラムか。自分が作ったプログラムに、将来的に自分が参加することを想定して考える。

アートエデュケーターとしての取り組みに今後取り入れていきたいことが、具体的たくさん出てきた全6回の研修でした。すぐにできること、長期的に周りに働きかけるべきこと、来年度以降に取り入れていけるもの。九州産業大学の緒方先生が中心となって開催してくださる学芸員の研修事業は、学究的である以上に実践的であることが、毎回特徴的です。今年もとても勉強になりました。ありがとうございました!

商工会で情報集め。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

商工会で情報集め。

久しぶりに商工会へ。花祭窯がお世話になっているのは、福津市商工会。商工会員向けに無料の税務相談があるので、時々思い出したようにお世話になります。危急の案件ではないけれど気になっていること、機会があれば確認したいと思っていることを、気持ちと時間に少し余裕があるときに片づけるのに、最適です。「無料だし、今のうちにちょっと聞いておこうか」という感じ。ありがたいサービスです。

今回ご案内いただいたのは、令和5年10月から導入される「インボイス制度」について税理士さんが解説しますよ、というもの。概要を伺ってきました。1年半先の話ではありますが、一度こうしてお話を聞いておくと、自分自身のアンテナの立ち方が変わってきます。それから、せっかく税理士さんに直接お話を聴けるの機会でしたので、年明けから施行される「電子帳簿保存法」についても概要を確認。よく考えてみたら、こちらの方が時期的には差し迫っていました(笑)

1社30分という短時間であり、いずれもこれから施行される内容でしたので、ざっくり概要を伺う程度となりましたが、マンツーマンでしたので「うちの場合は?」の気になるポイントを確認することができました。ネットを開けば税務署からの情報も見ることができますし、会計事務所さんなどが出している情報もあります。でも面と向かってお話を聞くことで、会話のなかから新たに気づくこともありますね。足を運んでよかったです。

郷育カレッジ講座受講報告「学ぼう!スペイン」。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

郷育カレッジ講座受講報告「学ぼう!スペイン」。

福津市民のための生涯学習システム「郷育カレッジ」。来年で20周年を迎える郷育カレッジの人気講座のひとつに「多文化交流会グラスルーツ」がコーディネートする国際講座があります。 多文化交流会グラスルーツ では、福津市内や近郊にお住いの外国人の方に、ボランティアで日本語教室を開いており、文字通り多文化の方々が交流する拠点となっています。

毎年、その日本語教室に参加なさっている外国人の方に母国の文化を紹介していただく講座を、郷育カレッジで開催しています。担当の国(=講師を担当してくださる方)は年ごとに変わり、国際色豊か。実際にそこで暮らしてきた方から文化を学べるとあって、毎年受講者は抽選になる人気講座です。わたしも毎回申し込みをしていますが、今年やっと当たりました!

今年は「スペイン」。国の歴史、民族・宗教観、主要産業、食習慣、世界遺産、美術…60分のなかで、概要をコンパクトに解説してくださいました。ユーモアを交えた語り口で(日本語で!)、とてもわかりやすかったです。特に、歴史の流れと民族や宗教についての概略は、これまで本を読んでもあまりよくわからなかったことが、すとんと腑に落ちました。言葉で説明していただくことで、途端に理解できることがありますね。これはとても不思議で嬉しい体験でした。質問タイムを30分とってありましたが、時間いっぱいまで盛り上がりました。

ところでこの講座は、すべて日本語で進行します。講師を担当してくださる方は、この日のために日本語でのプレゼンテーションを特訓するということでしたが、それにしても流暢で、すごいなぁと思いました。また彼らの日本語習得をボランティアでサポートしている「多文化交流会グラスルーツ」の方々の熱意にも頭が下がりました。

スペインはまだ行ったことがありません。俄然行きたくなってきました^^

読書『読書大全 世界のビジネスリーダーが読んでいる 経済・哲学・歴史・科学200冊』(日経BP)堀内勉著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『読書大全 世界のビジネスリーダーが読んでいる 経済・哲学・歴史・科学200冊』(日経BP)堀内勉著

先日の読書『取材・執筆・推敲 書く人の教科書』(ダイヤモンド社)に引き続き、今回も分厚いです。486ページ。師走に入り、仕事も立てこみ気忙しいさなか、時間を見つけて黙々と読んでいます。昨日アップした『日本の美意識で世界初に挑む』(ダイヤモンド社)もそうでしたが、2021年も最終月になってなお、この年のベスト本候補との出会いが続々。なんともありがたく幸せなことです。

さて 『読書大全 世界のビジネスリーダーが読んでいる 経済・哲学・歴史・科学200冊』 、タイトルが長いですね(笑)。個人的には「世界のビジネスリーダーが読んでいる」という部分は不要だったのではないかと思います。なぜなら、もっと普遍的に、読みたい本、おススメしたい本のオンパレードでしたので。

古今東西の200冊が紹介されている第2部が保存版であるのはもちろん、個人的にはその前にある「はじめに」と「第1部」の読みごたえに唸りました。「はじめに」では著者自身のことが語られているのですが、読書が我々に与えてくれるものについて考えさせられる場となっています。続く第1部では「人類の知の進化」と題し、「第1章宗教と神話」「第2章哲学と思想」「第3章経済と資本主義」と、それぞれの概要・歴史的流れが、わかりやすくまとめられています。かなりのボリュームですが、これらの前提があることで、第2部の選書が説得力をさらに増しています。

200冊のうち、読んだことのある本はどれくらいあるかしらと数えてみました。各分野とも、読んだことのない本が大半…。これはつまり、今後の読書の楽しみがまた増えたということです。

本書は図書館の選書ツアーでチョイスし、カメリアステージ図書館の蔵書として認められた本です。分厚くて、価格もそれなりですので、まずは一人でも多くの方が図書館で借りてみてくださるといいな、と思っています。わたし個人にとっては、借りて読むだけではなく、そばに持って置きたい本でした。というわけで、自分へのクリスマスプレゼントに購入です^^