読書『ちいさな手のひら事典 クリスマス』(グラフィック社)ドミニク・フゥフェル著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『ちいさな手のひら事典 クリスマス』(グラフィック社)ドミニク・フゥフェル著

今日から12月。今朝は今シーズン一番の冷え込みで、まさに冬が来た!という感じです。いつものカメリアステージ図書館で見つけた本書は、季節的にもぴったり。赤と金の装丁のインパクトに惹かれて手に取りました。

『ちいさな手のひら事典 クリスマス』(グラフィック社)ドミニク・フゥフェル著

「事典」のタイトルの通り、クリスマスについての豆知識が78項目。それぞれページ見開きで左側に解説テキスト、右側に絵、の構成です。上の写真のような感じですね。本の半分は絵が占めているわけで、パラパラとめくって「可愛い!子ども向けに良さそう!」と思いながら借りてきました。ところがなんのなんの、左側のテキストページに書いてある解説は、しっかり大人向けと言いましょうか、シニカルと言いましょうか…な感じです。実は、そこがとても気に入りました。

のっけから「その長い歴史は4世紀にさかのぼり、ローマ教皇リベリウスが12月25日を公式にイエスが誕生した日と定めました。しかし、歴史的な根拠はありません。」と、キビシメです。その他にも「クリスマスの日、子どもにプレゼントするおもちゃは、19世紀以降、お金儲けの絶好の機会になりました。」「そりをサンタクロースの移動手段にしたのは、米国の牧師です。」(『ちいさな手のひら事典 クリスマス』より)など、美しいページをめくりながら、思わずニヤッとしてしまいました。

「ちいさな手のひら事典」は、シリーズでいろいろと本が出ているようです。巻末に既刊の一覧が載っていまして、それによると、現時点では本書を含めて14冊。飾っても可愛らしいので、興味のあるテーマから少しづつ買い集めてみようかな、と思います。

NEW PORCELAIN SCULPTURE by Kensuke Fujiyoshiの動画が届きました。

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NEW PORCELAIN SCULPTURE by Kensuke Fujiyoshiの動画が届きました。

現在ロンドンSladmore Contemporaryで開催中の、藤吉憲典個展。先日オープニングを終えて本人は帰国したところですが、さっそくギャラリーからショート動画が届きました。

Sladmore Contemporary前オーナーGerryの息子さんWillは、映像を仕事にしているプロ。今回藤吉のロンドン滞在中に、さっと撮って、さっと編集して送ってくださいました。とっても格好良くまとまっていて、嬉しい限りです♪

ロンドンでの展示の雰囲気、皆さまにもちょっぴり楽しんでいただけると幸いです。

英語学習の近況など。

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英語学習の近況など。

つい先日、高校生の息子が実用英語検定の2級に合格し、そろそろ「お母さん、ちょっと教えて」と言われていた立場から逆転される日も近そうです。嬉しいですね。わたしも頑張ろう!と、英語学習へのスイッチが入り直した今日この頃です。

日常的に使う教材としては、「The Japan Times Alpha」から「ENGLISH JOURNAL」へと変更した後、この夏からENGLISH JOURNALも停止しています。1冊に含まれる学習材料がとてもたくさんで充実しているのに、すべてを使いこなすことが出来ていなかったのが不本意で、まずは今手元にある号をしっかり学習してから新しいものに進もう!との考えからでした。

教材を停止してわかったことは、「定期的に次がやってくる」プレッシャーは、英語学習に向かって確実に背中を押してくれていたのだな、ということ。「使わないともったいない!」の精神が、少しの時間でもテキストを開き英文を読むという行動に駆り立ててくれておりました。そのことに気づいてしまった今、やはり何らかのテキスト購読を再開すべきなのか…という葛藤の真っただ中(大げさですが)です。

そんななか、続いているのは「英語で3行日記」と、月1回英会話のマンツーマンレッスン、そしてBBC放送を聴くこと。こうして書き出してみると、いずれも「楽しいばかりでまったくストレスにならない」のが特徴です。

先日からスタートしたジェトロさんの「中小企業海外ビジネス人材育成塾」に含まれる英語研修「英文ビジネスe-メール編」も無事終了したところでしたので、そろそろまた新しい学習に取り組むことを考える時期に来ているようです。息子から「英検準1級一緒に受ける?」と誘われ、それも一つの方法かとも思いつつ、試験は嫌かなぁとも思いつつ。

新年を迎える前に、なにかもうひとつ「楽しいばかりでまったくストレスにならない」英語学習の習慣をプラスしたいと思案中です。

干支の盃と、干支の置き物。

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干支の盃と、干支の置き物。

12月は目の前、という今の時期に「来年の干支はどうしようかなぁ」と頭をひねっている陶芸家はあまりいないと思いますが、藤吉憲典は今まさに考え中。ふつうに考えれば、時期的には、すでに来年の干支をモチーフにした作品をギャラリーさんにお届けするころ、というのが商業的には正解でしょう。

そもそも花祭窯で干支の記念になるものを作り始めたのは、ふだんお世話になっているご近所の方々にお年始としてお礼かたがたお届けするのが目的でした。つまり、売るものではありませんでした。それが、次第に「販売してほしい」という声が増えてきて、お分けするようになり、という次第。

スタートは「干支の盃」でした。干支を1周12年(12個)作り終えたところで、「干支の箸置き」になり、その「箸置き」も次第にオブジェ的要素の方が強くなりながらさらに1周12年。干支の盃の配りものをはじめたのは、独立から何年か経ってからだったかしら、とも思いましたが、今年が独立25周年でしたから、ちょうど計算が合いますね、すぐに始めていたようです。盃、置き物とまわって、来年の干支はどうしよう、というところです。

当初の制作の目的に立ち返ると、まず第一に考えるべきは、お世話になった方々への贈り物としての干支。どんなふうになるものかソワソワしつつも、ここは作り手に任せるしかありませんので、のんびり楽しみに待ちたいと思います。

ちなみに2022年の干支はこんなふうでした^^

博物館リンクワーカー人材養成講座『第3回「地域の生活」を美術館で展示する』に参加いたしました。

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博物館リンクワーカー人材養成講座『第3回「地域の生活」を美術館で展示する』に参加いたしました。

11月上旬からスタートした学芸員研修の連続講座「博物館リンクワーカー人材養成講座」。

その第3回目は、熊本県は阿蘇小国町にある坂本善三美術館の取り組みを拝聴しました。町内の医療・福祉分野の皆さんとの連携による活動でしたが、その活動のベースにある確固たる信念に感嘆する発表内容でした。

以下、備忘。


  • コレクション・リーディング:収蔵品を再解釈する展覧会。異分野の方をゲストに招き再解釈するシリーズ。
  • 「もの」を取り巻く、人・エピソードの面白さ。展示するのはそのすべて。
  • その人らしい生き方=暮らすことは表現すること。
  • ではあるが、そのままではアート足り得ず、見るべき価値のあるモノとして価値づけされることを通してアートとなる。
  • 足元にあるモノを拾い集める。→再編集。
  • 地域の歴史・文化から、何を発信できるか?
  • ありものの展示を持ってきて展示会にするのは安易だが、それよりも自分たちで(そこに居る自分たちにしか作れない)展覧会を作り上げることの価値。
  • 異業種の連携。(新たに仕事を増やすのではなく)日々の仕事でいっぱいいっぱいの現場が、それぞれ(美術館・医療福祉)の現場でやっていることを持ち寄ることによって実現する。

取組自体の面白さを感じるとともに、それを支える館のスタンスに感嘆しました。あるいは学芸員さん個人のスタンスでもあるかもしれませんが、ベースに「坂本善三」という揺るがない価値があればこそ挑戦できるという自覚、自館のもつ価値への再評価・再解釈を恐れない信頼が、素晴らしいと思いました。

また、そこにあるものを「見るべき価値あるもの」として価値づけること自体がアートであるという視点は、まさに現代アート的な視点だと思いました。そこにあるモノをいかに編集して観る人の前に差し出すか、これぞキュレーターたる学芸員の存在意義・腕の見せ所ですね。

というわけで、展示・取り組み内容そのものはもちろん、その背景にある取組姿勢に大きく感動した第3回講座でした。次回も楽しみです♪

郷育カレッジ「コラージュ講座へようこそ」開催いたしました。

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郷育カレッジ「コラージュ講座へようこそ」開催いたしました。

「コラージュ」はフランス語で「糊付け」の意味。ハサミで紙を切り、糊で台紙に張っていく作業を通して、自分の内側を覗き見てみましょう、という講座です。美術の表現技法のひとつでありながら、心の安らぎ・健康を目指す側面を伴うのは、わたしが最初にコラージュを学んだのが、心理療法として長年臨床で取り組んでこられている先生の講座であったからにほかなりません。

かといって、わたしは心理の専門家ではありませんので、アート・エデュケーターとしての範囲内でのナビゲーションになります。それでも、コラージュ制作を通して得られる心理的効果は、自分自身がとても感じています。まずは受講生の方々にいかに楽しんでいただけるかが一番!

例えば「今から絵を描きましょう」と言われたら、ちょっとしり込みしてしまいますが、コラージュなら気軽に手を動かすことが出来る。それが、わたしがコラージュが好きな理由のひとつです。とても優れた美術的表現方法だなぁ、と思います。

講座を開催するごとに、集まる方々は十人十色ですから、進め方も少しづつ変わります。今回、受講生の皆さんはほとんど迷うことなく、すぐに制作・思索に取り掛かられたので、ナビゲーションは必要最小限にして、見守りに徹するかたちで進みました。グループの規模もちょうど良かったのかもしれません。計画していた時間内で、皆さんほぼ完成させることが出来ました。

出来上がった作品には、それぞれの個性がとてもよく表れていて、拝見していて嬉しくなりました。一人一人違うと分かっていても、毎回実際にそれを目の当たりにすると、やっぱりすごいことだなぁと嬉しくなるのです。そして今回は、作品完成後に、グループでそれぞれの作品の「分かち合い」をすることが出来ました。「分かち合い」では、出来上がった作品に対して、自分の思いを説明するとともに、他の方の作品には一言コメントをプレゼントすることです。コロナ禍下で対話が憚られていた時期にはこれが出来なかったのでしたが、やっぱり、お互いに作品の感想を分かち合うと、作品の解釈がさらに広がって、とてもいいですね。

講座終了後に、皆さんが晴れやかなお顔になって会場を後にするのを見送り、ホッと致しました。講座後の受講生アンケートでも、皆さん嬉しい感想をたくさん寄せてくださいました。なかでも「日常思っていることを、コラージュ制作を通して整理することが出来ました」「『テーマ』を決めて創り出す、迷ったら『テーマ』に立ち返る。このポイントをこれからも生かしていきます」というご感想は、まさにわたしのコラージュ講座が一番伝えたいことであり、ほんとうに嬉しく思いました。

楽しく取り組んでいただくのがなによりのコラージュ講座。受講生、運営の方々のおかげで、無事に開催することが出来ました。ありがとうございました!

アート三昧の後は、器三昧。

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アート三昧の後は、器三昧。

南青山の百福さんから個展案内状が届いた!と喜んでいたのは10月中旬のこと。気がつけば、もう今週末11月26日土曜日が個展初日です。あっという間ですね。

11月はロンドン個展(アート)と、百福さんでの個展(器)がひと月のなかに入りましたので、作家・藤吉憲典は、器をしっかり作り込んだうえで、まずは先にオープンするロンドンの個展へ。その間、わたくしは百福さんでの個展の準備です。個展に出す器のリストを作成し、梱包し、発送する、というところまで。展覧会のスケジュールが混んでいたからこそ、早め早めに器が出来上がっていたというのは、発送作業をする者にとっては助かりました。

今回の個展に向けては、久しぶりに蕎麦猪口を少し多めにご用意することが出来ました。ご飯茶碗もいろいろと作っていますので、新年に向けて新しいご飯茶碗を見繕うのも楽しいと思います。『美の壺』放映以来問合せの増えていたマグカップも少し多めにご用意しましたので、こちらはクリスマスプレゼントに良いかもしれません。そして、いつものことですが、ぐい呑、盃、片口…と酒の器がたくさん。

自分用に、贈りもの用に、ハレの日に、ふだん使いにと、選んでいただけると思います。ぜひ藤吉憲典の器を楽しみに、百福さんにいらしてくださいませ。


藤吉憲典展(磁)
百福 momofuku
2022年11月26日(土)-12月2日(金)※会期中無休
12時-18時※最終日17時まで
東京都港区南青山2-11-6-1F
TEL03-6447-0952

映画『恋におちたシェイクスピア』-午前10時の映画祭を観て参りました。

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映画『恋におちたシェイクスピア』-午前10時の映画祭を観て参りました。

2022年の目標「月に1本は(映画館で)映画を観る!」。この11月は、月初に『アムステルダム』を観て参りましたので、二本目となりました。

『恋におちたシェイクスピア』良かったです!当初喜劇になる予定であった『ロミオとジュリエット』(最初はタイトルも違いましたが)の稽古がはじまり、ストーリーが当初予定から外れながら悲劇へと変わってゆき、演出が出来上がっていく過程の、出演者、劇場関係者の空気感の変化がたまらなく良かったです。そして、演劇を待ちわびる市井の人々の期待、熱狂。セリフのなかに名言もたくさん出て参りましたが、映画を観終わったら忘却の彼方です。

シェイクスピアの人となりについての本などはまったく読んだことが無く、果たして本当にこの映画のような感じの人だったのかはわかりません。真偽は別として、その魅力を(ダメダメぶりも)たっぷり堪能できる映画でした。久しぶりに本棚からシェイクスピアを引っ張り出して読もうかな、という気持ちになっています。

午前10時の映画祭は、8月に駆け込みで『レインマン』を観てきて、あれも見たいこれも見たい…となっていたところでしたが、ようやくの2本目鑑賞となりました。次は年明けに上映予定の『キャバレー』を観たいな、と企み中。

JETROの「中小企業海外ビジネス人材育成塾」がはじまりました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

JETROの「中小企業海外ビジネス人材育成塾」がはじまりました。

中小企業の海外展開をサポートするジェトロが開催する人材養成塾のご案内をいただきました。2022年11月からスタートし、週1日のペースでオンラインでの基礎講座を5日受講し、その後2023年3月にかけて、事業計画の個別添削や海外現地専門家によるアドバイス、仕上げ研修にフォローアップ研修という、親切なプログラムです。輸出に関わる実務が基礎から学べるとあり、なんとなく我流でここまで来てしまった感のある身としては、あらためて勉強し直すありがたい機会。さっそく申し込みをいたしました。

のべ5日間の基礎講座は朝10時~17時まで。昨日がその初日でした。オンラインとはいえ、カメラはつなぎっぱなしですので、久しぶりに学校にでも行っているような気分になりました。参加者は全国から約20名。「中小企業」の括りであるとはいえ、規模も業種もさまざまです。共通するのは広い意味で「デザイン」分野における海外ビジネスであることと、本気で海外展開に取り組んでいること。

初日は終日座学でしたが、2回目からはグループワークや発表の機会も増えそうです。一人で仕事をするのに慣れてしまっているわたくしとしては、すっかり気が緩んでいるところに喝を入れられるような感じ。カメラ越しに顔ぶれを拝見したところ、受講者の属性もさまざまのようですので、しっかり皆さんのお話を聞いて、視野を広げることが出来ればと思っています。

本講座の一方では、「英文ビジネスe-メール編」と「輸出商談編」の2コースの「貿易実務オンライン講座」を受講することが出来ます。こちらは自習で、期限までにオンライン講座を受講し、確認テストまで行って修了しないと、受講料を請求されるというもの。逆にすべてのコースを修了すれば、無料で学ぶ機会を提供していただけるのですから、なんともありがたい仕組みです。

来週開催の2回目に向けては、宿題が出ました。きちんと取り組んで、この機会を来年の事業成果につなげたいと思います。

立花実山居士献茶式とお茶会でした。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

立花実山居士献茶式とお茶会でした。

10月に香椎宮での献茶式が久しぶりに行われたところでしたが、こちらも三年ぶりの献茶式でした。少しづつ「いつもの年中行事」が復活してくる喜びを感じています。相変わらずお茶会の朝は着物との格闘が続いており、着付けがうまくいくことはまず無くて、ソワソワします。それでもやっぱり着物を着てお茶会に参加するのは、とても嬉しいことなのですから、不思議なものですね。

わたしが入門している茶道は、円覚寺に伝承される『南方録』による茶道。『南方録』にはその根っことなる人物が三名います。千利休、南坊宗啓、立花実山。その一人、立花実山を祀る茶会が毎年秋十一月に行われます。円覚寺本堂での献茶式とご焼香に続いては、和尚さんによる『南方録』の読解。毎回少しづつ、読み解いてくださります。そういえばこのところ、南方録の解説書を自習で読むのをすっかりサボっておりました。

献茶式が終わると、残茶拝服です。広間に移り、二席に分かれていただきます。自分が席入りしないときは、水屋のお手伝い。コロナ感染対策をしながらとあって、濃茶は無くお薄のみ。お菓子もお干菓子が一人分づつ袋に入れられています。いろいろと気遣いながら、できる方法で少しづつですね。相手のことを考えて心を配る、という意味では、お茶の心も感染症対策もまたしかり、なんてことを思いつつ。

年内のお茶会はこれでお終いです。次は年明けの初釜を楽しみに、お稽古に勤しみます。