多言語化支援セミナー~ChatGPTとDeepLの活用による翻訳業務の改善~に参加いたしました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

多言語化支援セミナー~ChatGPTとDeepLの活用による翻訳業務の改善~に参加いたしました。

長年お世話になっている、福岡アジアビジネスセンターさんが主催するZoomセミナーに参加いたしました。

ここ数年のわたしの翻訳仕事は、もっぱらDeepLをメインで使用しておりましたが、今年に入ってから、ChatGPTも併用するようになっていました。とはいえ、ChatGPTについては「活用」と言えるほどではなく…という状態であったところに、ドンピシャ!なタイトルのZoomセミナーのご案内をいただき、飛びつきました。

以下、備忘。


  • 機密情報を翻訳するなど、AIにトレーニングさせたくない場合の対処:設定→データコントロール→モデルの改善を「オフ」
  • それぞれの「訳し方の癖」を理解する。
  • 日本語としての自然さ:DeepL>ChatGPT
  • 逐語的な訳:DeepL<ChatGPT
  • いずれも、英→日のほうが、日→英よりも精度が高い。
  • DeepLは、かたまりとしての文章の訳が得意。
  • DeepLで自然な文章を作り→ChatGPTで逐語的に追って訳漏れを防ぎ→人によるチェック・修正をかける。
  • 翻訳作業におけるChatGPTの役割:翻訳・書き換え・校正・辞書。
  • 訳文の種別・表現・スタイルを指定できるのがChatGPTの強み=言葉で簡単に支持できるので、「訳し方」のカスタマイズが容易。
  • ChatGPTでは「リファレンス」を示すことにより「訳し方」を指示することが可能。
  • AIの判断で付け加えられる情報があるので、人の目によるチェック・修正が必須。
  • ChatGPTは、最新の情報やニッチな情報については弱い。
  • 「文法上の誤りを修正して」の指示で、校正が可能。
  • ChatGPTで類語や例文をたくさん出してもらうと、より適切な表現が見つかりやすい。

ITを活用した多言語化支援セミナー~ChatGPTとDeepLの活用による翻訳業務の改善~(福岡アジアビジネスセンター)より


基礎的な事柄を中心にした内容でした。かなり期待値を高くしての参加でしたので、「あら、もうおしまい?」という感じがなかったと言えばウソになります。が、実際に使っていてなんとなく感じていたことに、翻訳のプロの目線から裏付けをいただくことが出来たのは、大きかったです。

今回も福岡アジアビジネスセンターさんに、たいへんお世話になりました。ありがとうございました!

博多阪急さんでの藤吉憲典個展、無事会期終了いたしました―ご来場ありがとうございました!

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

博多阪急さんでの藤吉憲典個展、無事会期終了いたしました―ご来場ありがとうございました!

花祭窯のある福津市を拠点に活動するクリエイターの仕事を紹介するイベント「ふくつのね」。そのなかのひとつとしてお声掛けいただいたところからスタートした、博多阪急さんでの藤吉憲典個展です。今年も盛会のうちに終了となりました。取りまとめをしてくださった実行委員の皆さま、いろいろと心配りしてくださった博多阪急スタッフの皆さまに、心より感謝申し上げます。

ふくつのね公式インスタグラム https://www.instagram.com/fukutsunone

個人的には怒涛の七月で、博多阪急さんでの藤吉憲典個展が会期終了まで無事に運営できたことに、ホッとしているところです。

遡れば2021年の福岡アジア美術館での展覧会が、福岡で藤吉憲典の作品を紹介する機会のはじまりでした。

アジ美での個展から、ご案内のたびに毎回足を運んでくださるお客さまもあり、少しづつながら、地元ファンの皆さまにご覧いただける場所を作れていることを、嬉しく思っています。一週間の会期中に二度三度とご来場くださった方も複数あり、地元での展示を喜び楽しんでいただけていることが伝わってきたのは、わたしたちにとっても嬉しいことでした。

ご来場くださいました皆さま、誠にありがとうございました!

はじめて短期スタッフをお願いしてわかったこと―人材ビジネスの価値・ありがたさ。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

はじめて短期スタッフをお願いしてわかったこと―人材ビジネスの価値・ありがたさ。

今回の博多阪急さんでの個展で、半日だけ単発で会場に在廊するスタッフをお願いすることになりました。知人に相談してみたところ、人材派遣や紹介を手掛ける福岡の会社で、福岡市内の百貨店への人材派遣に特化したところがあるということで、会期のひと月ほど前にお話を聞いてみました。

営業担当の方が、すぐに必要な時間帯で動いていただける人材を探してくださいました。今回は単発の短時間ですので、派遣ではなく紹介。一点だけ確認されたのが「年齢層のご希望、上限などはありますか?」ということ。まったくありませんでしたので、何歳の方でもしっかり仕事さえしていただければ大丈夫です、とお返事しました。サービスを利用する側としては、まず「百貨店に派遣されている人」ならば、接客マナー・ビジネスマナーの点である程度安心できるだろうという期待がありました。そしてもし年配の方であれば、年相応の落ち着きや経験値から来る安定感があるだろうな、と。

たった半日の勤務ですが、軽い面接というか、スタッフさんに事前にお会いしました。服装、話し方、控えめながら言葉の端々に現れる意欲が好感を持てて、即決。わたしより一回り以上年上の方で、百貨店への派遣歴も長く、どんどん進化するレジなど売り場でのあれこれに対応するため、自発的に各種研修に出かけているということでした。お会いした日も、これから新しいレジに対応するための研修に出かけるところでした、と。おかげさまで、スタッフさんの勤務日当日は滞りなく運び、わたしも安心してその日を務めることが出来ました。

実はわたしの社会人経験は、法人人事部へのサービスを展開する会社で、人材採用・教育・評価・人事制度構築などのコンサル的な仕事でした。ですので、人材ビジネスを供給する側としては、じゅうぶんに仕組みや価値、使い勝手を理解していたつもりでした。30年を経て、今回初めて逆の立場でその仕事を眺めたときに、役に立つ仕事をしていたことを実感することができ、そんな意味でもとても良い経験となりました。今回の経験のおかげで、今後はもっと気楽に人材サービスのサポートを使っていけるように思います。何事も経験と勉強ですね。

津屋崎祇園山笠奉納、無事終わりました―今年は感慨もひとしおです。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

津屋崎祇園山笠奉納、無事終わりました―今年は感慨もひとしおです。

個人的に怒涛の七月。津屋崎祇園山笠が土日に無事執り行われ、ようやくホッと一息です。今年は、銀座黒田陶苑さんでの個展と、博多阪急さんでの個展と、山笠が重なりました。ふだん超マイペースで仕事をしており、出来るだけ重要な予定を重ねないように調整しているので、この七月はスケジュール帳を睨みながら「大丈夫なのか、ワタシ!?」と思っていたのでした(笑)。

祝!復活50周年 勇壮な夏、福津の夏「津屋崎祇園山笠2024」

花祭窯は「新町流」です。今年は息子が「お宮出しの台上がり」という、一生に一度の華やかな役目をいただき、喜びもひとしおでした。地域の皆さんに「息子さん台上がりおめでとうございます!」と声をかけていただき、いつにも増して嬉しい山笠でした。

津屋崎祇園山笠2024

前日・当日と、ごりょんさんの一番忙しいときに博多阪急さんが重なり、じゅうぶんにごりょんさん仕事を果たせなかったのが、唯一申し訳ない反省点でしたが、そこは来年以降頑張って挽回して参ります。サポートしてくださった皆さまに、心より感謝申し上げます。ありがとうございました&また来年もよろしくお願いいたします!

銀座黒田陶苑さんでの藤吉憲典個展、無事会期終了いたしました―ご来場、誠にありがとうございました!

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

銀座黒田陶苑さんでの藤吉憲典個展、無事会期終了いたしました―ご来場、誠にありがとうございました!

個展最終日、銀座黒田陶苑【新本店】におじゃまして参りました。今回は、博多阪急さんでの展覧会もスタートしていたので、バタバタではありましたが、新しくなった黒田陶苑さんでの展示を自分の目で観たかったので、日帰り出張。

素晴らしかったです。リニューアル後に黒田陶苑さんに行ったという友人が「まるで美術館」といっていた通り、ほんとうに作品ひとつひとつをじっくり見ていただくための、素晴らしい環境でした。黒を基調とした空間に、スポットライトを浴びた作品が浮かび上がる様は、眼福そのもの。6時間余りの滞在でしたが、行ってきて良かったと、つくづく思いました。

わたしは17時半ごろまで在廊することが出来たのですが、最終日にも関わらず開店からずっとお客さまが途切れることなくお越しくださり、ありがたい限りでした。東京での個展のたびに足を運んでくださる方々にご挨拶することができたのが、なにより嬉しかったです。足を運んでくださった皆さま、ほんとうにありがとうございました。

今回の個展に向けて作家がメインに持ってきた「向付」の数々も、とても喜んでいただけたようで、嬉しくホッと致しました。制作のご注文をいただいた皆様には、半年ほど時間をいただきました。お待たせいたしますが、何卒よろしくお願いいたします。

5日間の期間中お世話になりました皆さま、ご来場くださいました皆さまに、あらためてお礼申し上げます。どうもありがとうございました!

東京出張からのお土産の定番は、舟和の芋ようかんとあんこ玉。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

東京出張からのお土産の定番は、舟和の芋ようかんとあんこ玉。

あんこ玉が光ってぼけぼけの写真になってしまいましたが…先日ダンナが東京出張に行ってきましたので、久しぶりに舟和の芋ようかんとあんこ玉をいただいています^^。出張帰りに毎回お土産があるわけではありませんし、期待しているわけでもありませんが、あれば嬉しい。それが舟和の芋ようかんであれば、間違いありません。ちなみにわたし自身は、国内での出張先からお土産を買ってきたことは、ほぼありません^^;

熱いお茶に芋ようかん。あるいは熱いお茶とあんこ玉。幸せです。「これを買っておけば、間違いない」というお気に入りがあるのは、とても嬉しいこと。東京だとあとはお茶の水にある小川軒のレイズンウィッチ(レーズン、ではなく、レイズンだそうです)あたりでしょうか。そういえばこちらはだいぶ食べていません(笑)。舟和は羽田空港内にあるので、お土産として求めるのに便利なのですね。

気がつけば、昨年も同じような時期に、同じような投稿をしておりました。そしてとっている写真もほぼ同じ…無意識に同じ皿を使っているというのがなんとも、ですが(笑)この赤絵万暦の豆皿が、サイズといい文様の雰囲気といい、わたし的にはあんこ玉にぴったりなのです。

↓こちらが去年とったやつで、

舟和のあんこ玉

↓こちらが今年とったもの…

舟和のあんこ玉

写真のぼけ具合まで近いという…^^;

現在はオンラインショップでも購入できるようですが、わたし的には、そうじゃないのです。そのうち浅草にある本店の喫茶でいただきたいな、と思いつつ。仕事で上京しても、浅草までなかなか足を延ばしませんので、それを目的とした旅行でも計画する必要がありそうです。そんな妄想をするのも面白く。

舟和のホームページ

博多阪急さんでの「藤吉憲典個展」初日です―会期は7月23日(火)まで。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

博多阪急さんでの「藤吉憲典個展」初日です―会期は7月23日(火)まで。

花祭窯のある福津市を拠点に活動するクリエイターの仕事を紹介するイベント「ふくつのね」。三回目(=三年目)となる今年も、花祭窯は博多阪急3階の特別室で展覧会を開催することとなりました。本日初日。

ふくつのね公式インスタグラム
https://www.instagram.com/fukutsunone

博多阪急さんとご縁が出来るまで、百貨店さんとのお付き合いをしてきておりませんでしたので、通常のギャラリーさんで開催してくださる個展とは、いろいろと勝手が異なるのが面白いところでもあります。今回は特別室での展示が2回目とあって、だいぶ要領がつかめてきたかな?というところ。

まず第一に、展示用の什器やキャプションボードの準備などは、こちらの要望に応じて相談に乗ってくださり、そのうえで阪急さんの方で制作・準備してくださいますが、作品の展示方法に関しては、こちらに任せられています。ふだんあまりしない仕事なので、これはけっこう楽しい。お客さまが入ってこられる動線を考慮しつつ、どこに何を並べようか、どのように並べようかと頭をひねるのは、面白い仕事です。

それから、会期中は作家かわたしのどちらかが、滞在している時間が長いということ。通常の個展では、すべてギャラリーさんにお任せで、作家は1~2日あいさつ程度に顔を出す感じですが、阪急さんでの接客は基本的にこちらに任せられているということです。レジなどは阪急さんのスタッフがしてくださるのですが。感覚としてはポップアップショップに近いのかなと思いましたが、よく考えたら、百貨店内に並んでいるブランドショップにしても、自社から店員さんを派遣する仕組みになっていますから、なるほどもともと慣習的にそのようになっているのかもしれません。

ともあれ、地元福岡県での個展開催。この機会に、お近くの皆さまに足を運んでいただけるととっても嬉しいです。この1週間は、週末には津屋崎祇園山笠も重なって、少々バタバタしそうですが、楽しんでまいります^^

2024博多阪急 藤吉憲典個展

藤吉憲典 個展

場所:博多阪急 3階特別室 (福岡市博多区博多駅中央街1番1号)

会期:2024年7月17日(水)-7月23日(火)

時間:10時~20時(最終日のみ17時閉場)

花祭窯の文月七月の庭―今年もカノコユリが咲きました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

花祭窯の文月七月の庭―今年もカノコユリが咲きました。

雨がよく降りました。今週後半には梅雨明けするのではないかと言われています。まずは晴れたら洗濯物をバンバン干したいな、と。下の写真は、津屋崎浜から見た雨の合間の晴れた夕方の様子です。空気中の塵や埃が洗われて、湾をぐるりと回った対岸の福岡市内の様子が、きれいにくっきり。夕方暮れかけていて、ぽつりぽつりと点滅する灯りが見えます。ちょうど海が満潮でしたので、すぐ近くに海面があります。わたしの好きな景色のひとつです。

津屋崎浜

さてタイトルに上げた、カノコユリ。花祭窯の露地で初めて咲いたのは2018年の夏、いただいた種を植えてから、3年目の夏のことでした。

それからずっと、毎年2つづつ咲いてくれていたのが、この夏は初めて、4つのツボミがついていました。いつ咲くかなと毎日眺め、昨日ひとつが色づいて見えるのに気が付き、今朝はこの通り。

カノコユリ

とっても嬉しいです♪

フウセンカヅラ

昨年お茶の先生から種をいただいたフウセンカヅラは、秋に種を集めることが出来ましたので、今年は前の年の倍以上の種を蒔くことが出来ました。梅雨前にまいていたのが、どんどん伸びて、小さく白く可憐な花がたくさんついています。風船になるのが楽しみです。

全体としては「グリーン」が強い庭のなかに、ところどころ花の色が射している状態は、目に嬉しいです。

↓カノコユリ、昨年の様子はこちら↓

郷育カレッジ開講式2024―今年度も郷育カレッジがスタートしました!

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

郷育カレッジ開講式2024―今年度も郷育カレッジがスタートしました!

週末土曜日は、令和6年度郷育カレッジの開講式でした。

『郷育カレッジでは、福津の「ひと、もの、こと」を題材に、ふるさと、健康福祉、環境、生きがいなど、さまざまな分野の講座を開催しています。
令和6年度は、7月から令和7年3月までに100講座を開催予定です。
小学生以上で市内に在住、通勤、通学をしている人ならどなたでも入校できます。』

福津市公式サイトより)

今年のオープニングイベントは、神興小学校5年生による「へらそう!食品ロスプロジェクト~活動報告~」の発表と、おなじく神興小学校2年生による合唱でした。例年通り「名誉郷授」と「学位認定者」の表彰に続いて、オープニングイベント、その後第2部の公開講座となりました。

公開講座は今年も放送大学とのコラボレーション。放送大学客員教授・九州大学大学院農学研究員教授の佐藤匡央先生の「“One World, One Health”(一つの世界、一つの健康)における栄養学の役割」のお話がありました。わたしは運営委員として受付担当でしたので、残念ながら講座をお聴きすることが出来なかったのですが、ラッキーなことに、講座が始まる前の待ち時間に先生とおしゃべりできるタイミングがありました。とても視点が面白く、そのうえ今日の講座に合わせてでしょう、福津市とその近隣の市(宗像、古賀)について下調べをしてくださっていたようで、雑談の中でたくさんの示唆をいただくことが出来ました。役得です。

郷育カレッジの開講式は、毎回集客に課題が残ります。今回ももっとたくさんの人に聴いていただきたい内容だったのですが、力及ばずな感じで、先生には申し訳ありませんでした。講座を聴いた皆さんの帰りの様子から、満足度がとても高そうだったのが嬉しかったですが、そうであれば尚のこと、もっとたくさんの人に来ていただくようにしなければなりませんでした。もったいない。参加してくださった市議の方からも、同様のご意見をいただきました。来年に向けての最優先反省事項です。

ともあれ今年も郷育カレッジが無事スタート。これから三月末まで、100講座が皆さまをお待ちいたしております!

郷育カレッジ2024(令和6年度)講座一覧と申込はこちらから
※受講できるのは、福津市内にお住まいの方と福津市内に通勤通学の方のみです。

読書『ユニクロ』(日経BP)杉本貴司 著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『ユニクロ』(日経BP)杉本貴司 著

週末読書は久しぶりにビジネス書。経営者お友だちの方々から「面白かった!」と声が上がっていた、ユニクロ柳井さんを追ったノンフィクションです。かれこれ30年ほど前、サラリーマンをしていた時に「山口の宇部にあるファーストリテイリングって知ってる?宇部空港からタクシーの運転手さんに聞いても知らないって言われちゃって、何にもないところにある会社なんだけど、すごく面白いんだよ」と西日本を管轄していた支社長から聞かれて、「知りません」と答えたことを思い出します。わたしは学生時代を山口で過ごしましたが、知りませんでした。ところが、その後あれよあれよという間に誰もが知る「ユニクロ」となり、世界企業になるのですから、なるほど感慨深いものがあります。

本書では、その第三者から見れば「あれよあれよという間」のように感じた企業の成長の「実際のところはどうだったのか」を読むことが出来ました。496ページ、分厚い一冊です。わたしが会社で「ファーストリテイリングって知ってる?」と聞かれたときは、古参の社員さんがほとんど辞めてしまったあとで、これからの会社の人材をどのように集め、どのように組織化していくか、というようなタイミングだったと記憶しています。でも既に社名は「ファーストリテイリング」でしたので、柳井正氏が継いでからある程度時間が経っていたということですね。わたし自身は担当していたわけではありませんでしたので、いろいろなことを先輩からの聞きかじっていました。なるほど内情はそんな感じだったのね、ということを、30年も経ってから本で読むことになるとは、面白いものです。

さて、ザ・ワンマン経営者のイメージのある柳井正氏の物語は、たくさんの失敗と、たくさん失敗したからこその成功の物語でした。怒涛のスクラップアンドビルドの繰り返しと、大きくなり続けることを止められない経営者の凄みが迫ってきます。本書内でも何度も出てくる「ユニクロとはなにか」の問いは、あらゆる経営者・事業者に求められる問いだと思いました。ことあるごとにこの根本的な問いに立ち返り、その答えを突き詰めていくことで何度も壁を突破していくさまには、読んでいてハッとさせられました。

本書を読みながら、圧倒的にすごいなと思いながらも、では、そこにあこがれるかと問われれば、個人的には決してそうではない経営者の姿がそこにはありました。「成功するまでやり続ければ、失敗は失敗にならない」という言葉そのままの姿。その基本的な姿勢には強く共感できるものが多々あるのだけれど、柳井さんはそれらが桁外れに極端なように見えました。その極端さと執念がどこから生まれてきたのか、本書を読めば、生い立ちだとか環境だとかに結び付けることも出来そうでもあるのですが、個人的には、生まれながらに持っている気質が強いのではないかと感じました。

日経BP社のサイトでの紹介には「この国に存在する名もなき企業や、そこで働く人たちにとって希望になるであろう物語である」とありましたが、実際にこれを希望として「自分にもできる!」と考えるに至るには、かなりの覚悟と根性が求められるだろうというのが、正直な感想です。ともあれ、学ぶこと多々。「ユニクロとはなにか」の根本的な問いは、そのまま自分達に置き換えて、これからの指針としていけるものだと思います。

『ユニクロ』(日経BP)杉本貴司 著