花祭窯の卯月の庭。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

花祭窯の卯月の庭。

ここ津屋崎では花散らしの雨が降り、桜シーズンもそろそろお終いです。新芽も雑草もすくすくと伸び出しました。これからは新緑が楽しみですね。そんな雨上がりの露地を撮ってみました。

スノーフレーク

↑カブが年々増えて行くスノーフレーク。他の花のスペースを侵食するので、適度に間引かねばなりません。

庭

↑植えてはいないけれども、どこからともなく蔓が伸びてきて、夏になると色を添えてくれます。

庭

↑二階から庭を見下ろしていて、たくさん赤い蕾がついているのを見つけたのは、ほんの数日前。一気に花が開いてきました。

柘榴の木

↑ザクロの木の赤い新芽がたくさん出ています。今年も花が咲いてくれることやら、楽しみです。

庭

↑昨年は花がつかなかった芍薬。今年は咲くといいなと期待しています。奥にはカノコユリの葉も伸びてきています。

芝桜

↑シバザクラも一気に花が咲きました。これからしばらく楽しめます。

映画『生きる LIVING』を観て参りました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

映画『生きる LIVING』を観て参りました。

「月に1本映画を観に行く」。2023年はスタートから「月1回」の波に乗れなかったので、「月1回ぐらいのペース」ということで、仕切り直し。2023年の2本目は、いつものご近所イオンTOHOシネマではなく、博多で。というのも、久々に「これは絶対観たい!」と思った最寄りの館が博多だったのです。

さて『生きる LIVING』。絶対観たいと思った理由は、脚本がカズオ・イシグロだったから、の一点です。黒澤明の映画『生きる』が元であり、イギリスを舞台に撮り直したもの、ということで話題になっていますが、わたしは黒澤版を観ておらず、ストーリーも何もまったく知らない状態で、映画館に参りました。

カズオ・イシグロ脚本の『生きる』。舞台は第二次世界大戦後のイギリスです。余命宣告を受けた市役所職員の主人公が、「死ぬ前に、生きたい」と願うところから動き出すストーリー。全編にただよう静かさが、登場人物の心の変化や揺らぎを際立たせていました。主人公の抑制された雰囲気が、物語をぐいぐいと引っ張っていく不思議な感覚。時代もストーリーもまったく異なりますが、カズオ・イシグロ原作で映画になった『日の名残り』をほうふつとさせるものを感じました。

周りの観客は、ほぼわたしより上の年齢層の皆さま。平日の午前中にもかかわらず、わりと席が埋まっていたのは、やはり「黒澤明」と「カズオ・イシグロ」効果かしら、と思いつつ。本家の黒澤版も観てみたいと思いました。

読書『ガウディの遺言』(PHP研究所)下村敦史著

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読書『ガウディの遺言』(PHP研究所)下村敦史著

ガウディといえばサグラダファミリア、サグラダファミリアといえば某インスタントコーヒーのテレビCM「違いがわかる男」外尾悦郎氏。と連想するのは、ある年齢層以上の方には思い当たるのではないでしょうか。ガウディについて、すごい!面白い!との認識はもちろんありましたが、その作風があまり好みではなく、深堀りしたことはありませんでした。個人的にはどちらかというと、パトロンであったグエル氏への興味の方が強かったかもしれません。

ですが本書を読んで、建築物サグラダファミリアに興味が湧いてきました。宗教観と、それを形にする方法としての建築、現場を動かす職人たちの誇り。本書はジャンルで言えばおそらくミステリーで、その謎解きを通してガウディ建築の謎と魅力が語られています。フィクションですので、物語に登場するエピソードを全て鵜呑みにするものではもちろんありませんが、それでもこれまでにない興味深さが読後に残りました。

上の写真は、2021年度の郷育カレッジ講座での「学ぼう!スペイン」の資料。このときに講座を担当してくださった方が、スペインバルセロナに残るガウディの仕事というか、グエル氏の仕事というか、を、とても誇らしく解説してくださったことを思い出しました。

この本を読んだ後にサグラダファミリアに行けば、建築物の見方が変わるだろうな、という一冊。わたしはまだ一度もスペインに行ったことがありませんので、今後バルセロナに行くことになったときには、本書を読み直して復習してからサグラダファミリアを観に行きたいと思いました。

ガウディの遺言』(PHP研究所)下村敦史著

お気に入りのパン屋さん。

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お気に入りのパン屋さん。

気がつけばここ数年で、花祭窯のある福津市内は「パン屋さん激戦区」となっていたようです。「美味しいパン屋さんが近くに無いから」という理由でホームベーカリーを手に入れ、自分でパンを焼くようになったわたしにとっては、とってもありがたい状況です。もともとパン作りやお菓子作りが得意だったわけでもないわたしが焼くよりも、プロのパン屋さんが焼いた方が、美味しいパンが出来るに決まっているのですから。実は数カ月前からホームベーカリーの調子が悪くなり、パンを焼きにくくなっていましたので、これを機会にしばらく手作りパンをお休みしています。

上の写真は、現在最も利用頻度の高いご近所のパン屋さん、Boulangerie pomme de terre ポムドテール福津。バケットが美味しい、食パンが美味しい、クロワッサンが美味しい、カヌレが美味しい、クリスマスのシュトーレンも美味しかった…つまり、今のところどれをとっても外れ無しなのです。なかでもわたしのお気に入りはクリームパン。自家製カスタードクリームがどっしりと入ったクリームパンを、クリームを落とさないようにとニヤニヤしながらかじるのは、最高の贅沢です。

我が家から自転車で10分ほどの距離にあるので、食べたい!と思ったときにすぐに行けるというのもまた嬉しく。週末は特に混むので、平日の午前中11時ごろが狙いどきです。それより早いと、バケットがまだ焼き上がっていないことがあり、お昼近くになると今度はお客さまが増えて混むので。

パン好きの方、福津方面お越しの際には、ぜひお試しください。「光の道」で人気の高い宮地嶽神社の参道から少し歩いたところにありますので、参拝帰りにでも♪

春の福岡は美術展が熱い!

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春の福岡は美術展が熱い!

振り返れば先月は、3つの展覧会に足を運んでいました。アートエデュケーションを仕事にしている者としては、決して多い回数ではありませんが、「ついでに」ではなく、その展覧会を観ることを目的に足を運ぶときは、それなりにエネルギーも必要です。古今東西、作家が自分自身をかけて全力で作った仕事に向き合う、というのは、そういうことだと思います。思いがけずフットワークよく動くことができたので、「わたしもようやくコロナ禍下の行動パターンから意識が抜け出しつつあるのだな」という確認になりました。おかげさまで、良いインプットになりました。

さて新年度。4月スタートの福岡の美術館・博物館での特別展も、熱いです。もちろん個人的な好みはありますが、おそらく大人気だろうな、という展覧会が3つ。ここに記録することで、観に行くぞ!の決意表明です。

古代エジプト美術館展 福岡アジア美術館

年初めに『おとなのOFF 2023年絶対見逃せない美術展』をチェックした際、観に行きたい展覧会ベスト3に入れていたものです。

先ほどあらためて展覧会の特設サイトをチェックしていましたら、展覧会の「学術協力」のところに、近藤二郎氏のお名前発見。この方の著書『古代エジプト解剖図鑑』を図書館で見つけて面白く拝読したのは、ちょうど2年前のことでした。ますます、展覧会への期待が高まります。

ミュシャ展 福岡市美術館 
◆アール・ヌーヴォーのガラス 九州国立博物館

ほぼ同じタイミングで、県内でこの二つの展覧会が開催されることの不思議。どちらも観て「アール・ヌーヴォー」にどっぷりと浸かる、ことを促されていると考えざるを得ません。この時代のデザインに惹かれる日本人は、とても多いですよね。2018年~2019年に開催した福岡ACAD.「世界史を建築家の視点で学ぶ!」の講座でも、アール・ヌーヴォー、アール・デコの時代は、大人気だったのでした。

展覧会の告知チラシを見ただけでも、ワクワクしてきます。福岡市美術館のミュシャ展も、九州国立博物館のアール・ヌーヴォーのガラス展も、全作品写真撮影OK(ただしフラッシュ撮影、動画撮影は禁止)ということで、昨今の流れではあるものの、嬉しい限りです。

福岡にお住まいの方、福岡方面お越しの方、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか^^

読書『書籍修繕という仕事』(原書房)ジョエン 著/牧野美加 訳

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読書『書籍修繕という仕事』(原書房)ジョエン 著/牧野美加 訳

韓国ソウル市内で「ジョエン書籍修繕作業室」を営む書籍修繕家・ジョエンさんによるエッセー。エッセーというよりは、著者の書籍修繕の記録であり、書籍修繕という技術・仕事を紹介する本であり。なによりも、書籍修繕という仕事に対する著者の誇りと愛情と、魅力がバンバン伝わってくる本でした。

プロローグに「この本を読んで、皆さんの心の中に、修繕してこれからも大切にしたいと思う本が一冊くらいは思い浮かびますように。」と書いてありました。本書を読み終わってわたしが最初にしたことは、まさにその「修繕に出す候補の本」を本棚から引っ張り出すことでした。書籍修繕をしてくれる人があるのかどうかも分からないまま、ですが。

そしてまた著者は「「将来なりたいもの」を聞かれて書籍修繕家と答える子どもが出てきますように。」とも書いています。わたしはあいにくもう大人ですが、もし子どものときに、この職業の存在を知っていたら、なりたい仕事のひとつに上げていたかも、と思いました。本が好きで手先の器用な子がいたら、ぜひおすすめしたい仕事だと思いました。

ジョエンさんは韓国の美術大学で純粋美術とグラフィックを学んだあと、アメリカの大学院に進学してブックアートと製紙を専攻し、専攻内容をより早く深く理解するためにはじめた「書籍保存研究室」でのアルバイトで書籍修繕の技術を身に付けています。それが天職となっているのですから、面白いものですね。

書籍文化がどんどん廃れているとされる昨今の出版界の状況と反比例して、紙の本が遺してくれる価値の大きさがどんどん大きくなることを予感させる本でした。

『書籍修繕という仕事』(原書房)ジョエン 著/牧野美加 訳

藤吉憲典の書画、本格的にスタート。

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藤吉憲典の書画、本格的にスタート。

ブログ記事を検索してみたら、「書画陶芸」と言い出したのが、ちょうど約1年前だったことが判明。今年から本格的に、「書画家・藤吉憲典」がスタートします。先日アップした、額縁屋さんでのあれこれも、すべてここからつながる仕事。

そもそもはお父さんが書家でしたので、藤吉憲典は幼少期から書道のスパルタ教育を受けています。本来は左利きですが、ペンと箸を持つ手は右利きに訓練されているのは、こうした環境によるところが大きいようです。筆を持つこと、筆で書くこと・描くことがあたりまえに身に付いていたことは、磁器作家としての絵付のスキルにいかんなく発揮されてきました。

同じ空間内で藤吉憲典の書画作品と磁器作品を見ていると、書画のモノクローム(白と黒)の世界と、染付のブルー&ホワイト(青と白)の世界とは、表現における共通点がとても多いことに気がつきます。「余白」を生かすデザインセンスとバランス感覚は、書画と染付の両方において磨かれてきたものだとわかります。

そんなふうに見ていくと、藤吉憲典の作品世界における「書画陶芸」は、実はずっと前から想定されていて、ごく自然な流れであったのだという感じがします。あたりまえに生活のなかにあった書画が、作品として昇華される機が熟したということなのだと思います。書画家・藤吉憲典にも、ぜひご期待ください。

額縁屋さんで、あーだこーだと。

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額縁屋さんで、あーだこーだと。

昨日は博多の額縁屋さんへ。今年から藤吉憲典の書画作品を本格的に売り出すにあたり、自分自身が、飾ったときのイメージをいろいろと試しておかなければ、お客さまへのご提案もできないよね、というところで、花祭窯の展示スペースに飾る書画を額装する第一弾です。

お手伝いいただくのは、額装も表装も手掛ける老舗の額縁屋さん。前に藤吉憲典の陶板レリーフの額装もしていただきました。今回「書というか水墨画だけれども、あえて表装ではなく額装で」の意図を伝えたところ、いろいろなご提案で助けて頂きました。

毎回そうなのですが、額縁屋さんに行くと、まずその「縁=フレーム」のサンプルの多さに圧倒され、軽くパニック状態になります。今回は「どこに飾るか」を決めたうえでの相談でしたので、飾る場所がどんな場所であるか、から考えをまとめていきました。額縁屋さんからは「その場所にある『素材』」「その場所にある『色』」を細かく聞かれ、そのうえに、どんなイメージにしたいかという方向性を載せていく、という手順です。

フレームの候補を数点に絞り込んだうえで、作品周りのライナー(あるいはマット)と呼ばれる部分の候補を合わせていきました。紙にするか、布にするか、そのなかでどのような素材・色を選ぶか。まだまだ額縁初心者のわたしとしては、目の前で合わせて、自分の目で見てみないことには、どのように仕上がるかのイメージがわきません。そして実際のところ、そのように合わせてみて初めて、ガラッと雰囲気が変わることに驚かされます。一度却下したフレームをもう一度引っ張り出して合わせてみたりもしながら、いろいろと試しました。

下の3つはある程度方向性が決まったあとの組み合わせイメージのテスト。ここにたどり着くまでに1時間半かかりました。

藤吉憲典の書画

藤吉憲典の書画

藤吉憲典の書画

スタッフの方がいろいろと素材を出してきては、目の前で組み合わせて見せてくださるのですが、一緒に面白がってくださっているのが伝わってきたので、助かりました。結局この場では決定に至らず、いくつかの候補を頭と写真に残し、一度持ち帰ることに。スタッフさんが「たくさん見過ぎて、たぶん頭のなかがごちゃごちゃしていると思います。ここで決めてしまうより、一度額縁から離れたほうが決めやすいかもしれませんよ」と、アドバイスをくださいました。

その言葉通り、額縁屋さんを出てしばらく歩いていたら、どれにすべきかが自分のなかでスーッと降りてきました。帰宅して、実際に飾る場所を再度確認して、確信を持つことも出来ました。「一度離れた方が決めやすいかも」とは、さすがプロですね。長時間お付き合いいただいたうえに、心遣いのアドバイスまでいただき、感謝感謝です。仕上がりは、ゴールデンウィーク頃にはご紹介できるのではないかと思います。とても楽しみです。

電車でコトコト1時間の贅沢。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

電車でコトコト1時間の贅沢。

ここ数年の楽しみになっている、小倉鍛冶町・実南(みなみ)さんでのお食事。藤吉憲典の器を使ってくださっている料理人さんのところに食事をしに行くのは、この仕事をしている自分たちへのたまのご褒美であり、大きな楽しみです。

JR鹿児島本線で、最寄りの福間駅から門司港方面へ約1時間。まだ暗くなる前の小倉駅前はたくさんの人でにぎわっていて、昨年の静かさとは打って変わり、活気がありました。完全予約制の実南さんも、だんだんと予約が取りにくくなってきているようです。空きが数か月後になってしまいそうななか、なんとか3月中に伺うことが出来ました。

カウンター5席、狭いながらも徹底的に無駄がそぎ落とされた空間は、いつ行っても気持ちよいものです。今回は入ってすぐに掛花の木瓜が目に留まりました。立派な枝が、空間の邪魔にならないギリギリの広がりで力強く生けてありました。

カウンター越しに大将の仕事を拝見しながらのお食事は、毎度の楽しみ。どれだけ丁寧にお仕事をなさっているのか、目の前に見えるのですから、こんな贅沢はありません。旬の食材が次々に登場します。食材は、九州<福岡<北九州と、できるだけ近いもの、地のものをという気持ちが伝わってきます。派手さはありませんが、凛と美しく、しみじみと体に沁みる美味しさです。すべての御料理が、呼吸するようにお腹に入っていきます。

この春の初ものの筍に舌鼓。筍は個人的にも毎年たくさん採って食べますが、まったくの別物に感じられます。筍自体の違いや時期の違いもさることながら、下ごしらえの違いが大きいのだろうと思います。そういえば初めて伺ったときも、初ものの筍を、ここでいただいたのでした。

大将、おかみさんとのなにげない会話から学ぶことも多く、とても満たされた時間となりました。小倉鍛冶町・実南(みなみ)さん、親しい方との少人数でのお食事、静かに楽しむお食事に、おススメです。

久しぶりの久留米市美術館。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

久しぶりの久留米市美術館

お友だちからチケットを頂いたので、久留米市美術館で開催中の展覧会「リアル(写実)のゆくえ-現代の作家たち 生きること、写すこと」を見て参りました。

10年以上ぶりの久留米市美術館。いえ、前回行ったのは、まだ石橋美術館だったころでしたので、そう考えると初訪問です。石橋美術館であったころには存在した収蔵品の数々、特に久留米に縁のある日本の近現代画家の作品が、ほとんど東京のアルティゾン美術館(旧石橋美術館)に引っ越ししてしまったのは残念なことでしたが、2012年に建て替えられたという新しい館は、とても快適な展示空間=鑑賞空間となっていました。

さて展覧会「リアル(写実)のゆくえ-現代の作家たち 生きること、写すこと」。期待以上に面白かったです。まず佐藤洋二さんの「義手」「義足」シリーズに引きつけられました。必要から生まれ、発展した作品群は、これぞリアルでした。素材としてのシリコーンのすごさをまざまざと感じる作品でした。次にいいな、と思ったのは満田晴穂さんの「自在」シリーズ。昆虫を作る金工作家さんです。すべての関節が動くという緻密さは、以前から話には聞いていましたが、今回初めて実物を拝見。その造形のリアルさには昆虫への愛情がにじみ出ていて、眺めながらニヤニヤしてしまいました。

そんななか、わたくし的今回の一番の傑作は、漆器の若宮隆志さんの「曜変天目蒔絵椀」。ご存じやきものの世界では過剰な(笑)脚光を浴びている「曜変天目」ですが、それを漆で再現していました。そのユーモアといいましょうか、皮肉といいましょうか、美術工芸界への批判的な視点が伝わってきて、とても面白く拝見しました。もちろん、見た目の再現性も素晴らしかったです。わたしは、現代アートの求める「メッセージ性」が、言葉で説明しないと伝わらないものには、まったく魅力を感じないのですが、この「曜変天目蒔絵椀」は、言わんとすることが一目瞭然。こういう作品は大好きです。

上の写真の通り、小雨が降るあいにくのお天気ではありましたが、石橋文化センターの庭園では「春の花まつり」がちょうどスタートしたところで、満開の桜と咲きはじめのチューリップ、もうすぐお終いのツバキも楽しむことが出来ました。庭園をぐるりと一周すれば、すっかり華やかな気分に。市街地にこのようなオアシス的空間があるのは素晴らしいですね。