読書『ルコネサンス』(集英社)有吉玉青著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『ルコネサンス』(集英社)有吉玉青著

いつものカメリアステージ図書館新刊棚にて発見。名前に聞き覚えがあるなぁと思ったら、作家・有吉佐和子氏がお母様ということで。エッセイなのか、小説なのか、あまり気にしないままに読みはじめました。「あれ?これはエッセイ???」と思ったり「いや、これはフィクションよね」と思ったり。そのうちストーリーの面白さに引き込まれ、ジャンルなどどうでもよくなりました。

読了後に集英社のサイトにあった本書『ルコネサンス』についての、阿川佐和子氏との対談を拝見し、なるほど「自伝的フィクション」なるジャンルであることが判明。道理で読みながら「???」となったはずです。ちょうど新聞の文化欄で「私小説とは何か」「私小説の復権」なる記事を拝見したところで、本書との出会いのタイミングの良さに驚きつつ。

有吉玉青×阿川佐和子 『ルコネサンス』刊行記念対談
https://www.bungei.shueisha.co.jp/interview/reconnaissance/

主人公(≒著者)の正直すぎる姿が切なく、恥ずかしく、苦しくなりながら読みました。わたし個人は境遇に重なる部分はまったく無いにも関わらず、主人公の抱いている感覚が「なんとなくわかる(覚えがある)」と思わせる場面の数々に、すっかり感情移入してしまいました。著者は1963年生まれといいますから、年齢的には6つ違いますが、それでも時代の空気感がなんとなくわかるのも、大きかったかもしれません。

上の写真は、この小説のラストシーンにちなんで、山桜。有吉玉青さんの著書は今回が初めてでした。文章のテンポがとても気持ち良かったので、また読んでみたいと思います。

『ルコネサンス』(集英社)有吉玉青著

ワタリウム美術館で、鈴木大拙展 Life=Zen=Art。

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ワタリウム美術館で、鈴木大拙展 Life=Zen=Art。

東京南青山(あるいは神宮前)にあるワタリウム美術館。その前を通ったことは何度もあり、ずっと気になりつつも、館内に足を踏み入れたことがありませんでした。今回の東京出張では、ちょうどアポイントの隙間のタイミングで訪問が実現。ラッキー♪

わたしのなかでは、ワタリウム美術館=現代アート。「鈴木大拙展」と聞いて、その組み合わせに意外性を感じました。でもワタリウム美術館のサイトを拝見すると「南方熊楠、岡倉天心といった日本の文化を支えた人物についても調査し、独自の視点で発表しています。」という表記がありました。もともと取り組んでいらした分野なのですね。

鈴木大拙といえば、「禅」の導師。わたしは禅寺で茶道に入門しておりますので、その方向から馴染んでいるお名前です。そのお名前がアート方面からのアプローチで登場したので驚きつつも、直感的に「面白そう!」と思い、観に行くことに。

面白かったです。作品を点数で見せる展覧会ではなく、「いかに編集するか」にぎゅーっと工夫が凝らされたことを感じる展示でした。パンフレットには、鈴木大拙はじめ、この展覧会に作品展示のある人物紹介がなされています。人によっては関連する作品が1点のみだったりもするのですが、鑑賞者がその文脈をいかに解釈するか、キュレーターさんからの投げかけを感じました。

それにしても、ワタリウム美術館の建物の内側が面白かったです。バリアフリーからは程遠いつくりではありますが、創設者の想いが感じられるような気がしました。この空間を展示会として組み立てるには、相当にクリエイティブな力が要求されるに違いありません。展示会によって、雰囲気がずいぶん変わるのだろうな、とイメージできました。

鈴木大拙展、チケット代は大人1500円で、本人確認さえできれば、会期中はなんどでも入ることが出来るようになっています。これは嬉しいですね。出張から家に帰ってきて、あらためてパンフレットを眺めて気がついたことがありました。それは、今回のサブタイトル「Life=Zen=Art」は、わたしなりの視点で追及していくことのできるテーマかも知れない!ということ。ほんの1時間の鑑賞でしたが、これからの動き方に大きな影響を与える1時間であったかもしれないという予感がしています。

2022年度郷育カレッジ開講式が開催されました。

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2022年度郷育カレッジ開講式が開催されました。

福津市民・福津市に通学通勤する方々のための社会教育システム「郷育カレッジ」。令和4年度の郷育カレッジ講座がいよいよスタートします。

ここ数年は、開講式自体を開催できるのか、開催できるとして、どのような規模にできるのか、試行錯誤が続きましたが、2022年度の開講式を無事開催することが出来ました。時節柄、あまり派手な宣伝はできませんでしたが、郷育カレッジ開校から20周年の節目の年でしたので、無事にスタートを切ることが出来て、運営委員の一人としてホッとしています。

今年は開講式イベントも復活、市内の書道家の方に、書道パフォーマンスをお願いすることが出来ました。下はその写真。力強い文字を書いていただきました。

郷育カレッジ開講式パフォーマンス

ここ数年恒例となった、放送大学とのコラボ講座は、九州大学大学院総合理工学研究員教授・谷本潤教授による「ヒートアイランドと大江戸の街並み」。学究的で少々難しい内容ながらも、ユーモアを交えた軽妙な語り口に引き込まれました。

開講式が無事終了すると、いよいよ講座がスタートします。今年度も、一人でもたくさんの市民の皆さんの学びの場となれるよう、運営委員一堂、頑張ります!

読書『図書館の外は嵐』(文藝春秋)穂村弘著

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読書『図書館の外は嵐』(文藝春秋)穂村弘著

いつものカメリアステージ図書館新刊棚。中身はまったく予想がつきませんでしたが、タイトルと表紙の装丁に惹かれて迷わず手に取った一冊です。小説のようなタイトルですが、書評集。いえ、書評集という言い方も正しくないような気がします。本書の表紙にあるように「穂村博の読書日記」というのが、そのまま正解です。

図書館で借りたときは気づかなかったのですが、表紙の画は、ヒグチユウコさんでした。道理でスーッと惹かれたはずです。有無を言わせない世界観。そしてこれがまた、本書にぴったりなのです。

さて、著者の穂村弘氏は、歌人・詩人。本書内での読書記録は「×月×日」というように、日記形式で進みます。そこで紹介される本は、タイトルだけでなく、引用文も紹介されているのですが、その引用に、「ことば」への鋭い感覚があふれています。感覚的に合う合わない(あるいは好き嫌い)がはっきり分かれるかもしれません。わたしは、とても興味をそそられました。

読書日記に登場するのは、小説はもちろん、詩集、歌集、漫画と多彩です。セレクトの視点も面白い。そして繰り返しになりますが、ご本人が歌人=言葉を生業にする人であるだけに、ことば・言葉の組み合わせへの鋭い反応がとても興味深いです。本書内で紹介されているものを、ひとつづつ、読んでいきたいと思います。

読書『この道の先に、いつもの赤毛』(早川書房)アン・タイラー著/小川高義訳

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読書『この道の先に、いつもの赤毛』(早川書房)アン・タイラー著/小川高義訳

我が家では、九州福岡のローカル紙・西日本新聞を購読しています。未だ「紙」版重視です。電子版も使ってはおりますが。西日本新聞では、毎週土曜日に書評面「読書館」が見開きであり、毎週末の楽しみです。

ひと月ほど前だったでしょうか。その書評面で読んだうちの1冊に、本書がありました。そのときは「面白そうな本」だと感じたのみで、探すには至らず。それがつい先週、図書館の新刊棚に並んでいるのを発見。わたしは本のタイトルを覚えるのは苦手なのですが、書評で読んだタイトルと、タイトルの裏話が面白かったので、珍しく覚えていました。

これは縁があるのだろうと、さっそく借りて参りました。やさしい文章で、サクサク読み進み、週末の一日で読了。なんてことのない、ある四十男の日常と、彼の現在の恋と、過去の恋のお話。読みはじめてすぐに、主人公のイメージがなぜか歌舞伎役者・尾上松也氏の姿に脳内変換されました。作者アン・タイラーさんはアメリカ人で、主人公もまたおそらくアメリカ人。年齢的には主人公よりも松也氏の方が若いのですが…。

ともあれ、なんだかとてもやさしい読後感の残る小説でした。こういうものを読んだのは久しぶりかもしれません。新聞で目にした書評にはストーリー概要も載っていたはずですが、覚えていたのはタイトルだけで、逆にもし概要を覚えていたら、手に取らなかった本だったかも、と思いつつ。こういう選び方がたまにあることで、読書傾向の固定化が防げそうです。

読書『エリザベス女王 史上最長・最強のイギリス君主』(中公新書)君塚直隆著

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読書『エリザベス女王 史上最長・最強のイギリス君主』(中公新書)君塚直隆著

サブタイトルがすごいな、と思いつつ。またまたエリザベス2世。祝・女王在位70年プラチナ・ジュビリー!と意図したわけではありませんが、マイブームは継続中です。先日、見てきたドキュメンタリー映画も、とても興味深かったのでした。

本書は、エリザベス女王(2世)の人生をなぞることで、彼女と英国王室の歩みを振り返るだけでなく、現代史(世界史)をも紐解く手掛かりになる1冊です。映画でも感じたことでしたが、近現代史を知るためのひとつの視点として、とても興味深く、わかりやすいと思いました。

本書を読んで、これまで読んできた本、見た映画の内容が、どんどんつながっていくのを感じました。

例えば、チャーチル

サッチャー

もっと遡って、英国王家の歴史

連合王国としての英国と各国との関係

などなどなど。

映画『エリザベス女王陛下の微笑み』を見ていたので、その映像と、本書の文字情報とが、うまい具合に合致する部分が多々。我ながら良いタイミングで読んだなぁ、と思いました。それにしても、見たり読んだりするたびに、その人物の奥深い魅力にどんどん引き込まれます。すごい方です。

エリザベス女王-史上最長・最強のイギリス君主 (中公新書)

読書『小林一三 逸翁自叙伝』(日本図書センター)

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読書『小林一三 逸翁自叙伝』(日本図書センター)

ご存じ阪急グループの創始者であり宝塚歌劇の生みの親、小林一三氏の自叙伝です。30年近く前のことになりますが、会社員として大阪に勤務していたころ、阪急宝塚線沿線の石橋(池田市)に住んでおりました。まさに逸翁のお膝元。さらに会社では法人営業職で阪急グループを担当する機会に恵まれ、そのころはしょっちゅうグループ各社の本社におじゃましていました。そのようなわけで、勝手に親近感を持ち続けている小林一三氏。

ところがその当時は「忙しい」を言い訳に、住処からすぐ近くにあった逸翁美術館にはついに足を運ぶことなく。今考えるとなんてもったいないことを!です。仕事で阪急さんを担当していたので、法人のこと、創業者のことを知っておくべきであり、それなりに資料は読んでいたつもりでしたが、本をしっかり読む時間はとれず、これまた今思えば継ぎ接ぎの情報集めでした。若かったとはいえ、恥ずかしい限りです。

ともあれ、そんな継ぎ接ぎの情報から垣間見えた創業者像と、実際にその会社で働く方々の姿を通して感じた阪急さんの社風が、わたしは好きでした。大阪で仕事をしていた当時、すごい経営者・創業者の存在をたくさん知りましたが、なかでもわたしにとっての一番は、日清食品の安藤百福氏と、阪急の小林一三氏だったのです。そんなわけで、ずいぶん経った今になって、ゆっくり時間をかけて逸翁自叙伝を読むことが出来たのは、とても幸せな時間となりました。

さて本書を開けば、なんともまぁ、時代とご本人の気質を感じる風雅な文章です。私小説的な、とても個人的な記録に読みました。正直に言えば、今のご時世でこのような内容を公に文章にしたら、批判されかねないであろう要素も盛りだくさん(笑)。けれどもすべてが「そんな時代だったのだなぁ」というほかはありません。ビジネスの人というよりは、文化芸術の人であることが明らかな小林一三氏の、随所に見え隠れする気骨が魅力的です。

学校を出てから、阪急を作るまでが綴られています。個人的には、そのもっと先までを読みたいと思ったのですが、自叙伝ゆえの難しい部分もあったかもしれないな、と思いつつ。ご本人による「結び」=あとがきの日付が昭和27年で、御年80の寿の年。そう考えると、やはり途中で終わっている感はぬぐえません。これはこれとして、別の方が書いた伝記というか、ノンフィクションを読みたい気持ちが、読後に沸々とこみあげてきました。

ちょっと探してみようと思います。

読書『I’ll Drink To That』(集英社)ベティ・ホールブライシュ&レベッカ・ベイリー著/野間けい子訳

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読書『I’ll Drink To That』(集英社)ベティ・ホールブライシュ&レベッカ・ベイリー著/野間けい子訳

日本語タイトルは『人生を変えるクローゼットの作り方』。今どきの流行り要素がばっちりと組み込まれたタイトルに、なるほどヒットさせようと思うとこうなるのね…と驚きつつ。I’ll Drink To Thatを訳すと「乾杯」とか「一杯やろうか」というような感じです。確かにこれでは本の内容は伝わりにくいですね。そこで原著のサブタイトルが『A LIFE IN STYLE, WITH A TWIST』。「波乱万丈の人生」とでもいったものですが、「with a twist」で「波乱万丈」や「ひとひねり(ひと工夫)」的な意味になりますので、LIFEを生活ととるならば「ひと工夫ある生活」でもいいですね。

実際に読んでみると「波乱万丈の人生」であり「ひと工夫ある生活」でもありました。ニューヨークの高級デパートで、富裕な顧客へのファッションアドバイスを40年以上続けている、ベティ・ホールブライシュの自叙伝です。90歳になってもパーソナル・ショッパーとしての仕事を続ける彼女は、映画にもなっているそうです。わたしはそんなことはまったく知らず、いつものカメリアステージ図書館で見つけ、緑色のカバーとご本人の魅力的な表情に惹かれて手に取ったのでした。

結論からいえば、この本を読んで、邦題となっている『人生を変えるクローゼットの作り方』を実現できるのは、ファッションに資金を十分に投入できる方、という限定付きのお話になります。実も蓋もない言い方になってしまいますが。実際本書のなかでも、彼女のサービスの恩恵を受けることが出来るのは「富裕層」であることが大前提になっていることは、文中に何度もストレートに出てきます。そういう意味でも、邦題からイメージされるようなノウハウ供与の本では、まったくありません。さらに邦題サブタイトルが「あなたが素敵に見えないのは、その服のせい」となっているのですが、刺激的な文言ではあるものの、これまた本書の内容とはリンクしていません。

本を読み終わっての感想は、まずこの邦題タイトルと、内容とのズレの大きさ。著書『人生がときめく片づけの魔法』で大成功を収めている「こんまり」こと近藤麻理恵さん的なタイトルは、売るためのマーケティング戦略ゆえでしょう。なんだかなぁと思いつつも、この本を読んで良かったと思えたのは、ベティ・ホールブライシュご本人の生き様が興味深かったからに他なりません。ご本人がとってもチャーミングで素敵な方であろうことが、ビシビシと伝わってきました。なにより90代にして販売の第一線で仕事を続けているというのは、とても魅力的です。『ニューヨーク・バーグドルフ 魔法のデパート」(2013年)で、動く彼女を拝見することが出来るようですので、ちょっと見てみたいと思います。

『I’ll Drink To That 人生を変えるクローゼットの作り方』(集英社)

映画『エリザベス 女王陛下の微笑み』を観てきました。

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映画『エリザベス 女王陛下の微笑み』を観てきました。

2022年の決意のひとつ「月に1本は映画を観る!」。5月はうっかり映画館に行き損ねてしまいました。その分6月中に2本観ようと思いながらも、すでに後半。まずは絶対に見ておきたい、エリザベス女王の映画に行って参りました。上の写真は3年前に観た展覧会「英国ロイヤルスタイル」のもの。

英国ではこの6月に、女王在位70年を祝うプラチナ・ジュビリーの一連の行事が行われていました。この映画もそのお祝いに合わせての公開でしょう。1930年代から2020年代までのアーカイブ映像を、様々な視点でつなぎ直したドキュメンタリー。これだけの映像や音声が残っていることがすごいなぁと、まずはそこから感嘆。

現代史を生きてきた女王の姿に圧倒されました。編集意図があるのは重々承知のうえでも、「記録映像」そのものの持つ力、被写体となっているエリザベス女王の存在感。とにかくすごい人だなぁ、と。語彙が貧弱ですが、ほかに適当な言葉が見つかりません。歴代首相が女王と定例で意見交換をする習慣がずっと続いていて、それが単なるご挨拶の時間ではないことが、映像やインタビューから伝わってきました。チャーチル首相からはじまっているのですから、政治家にとっても、女王はまさしく国のかじ取りの生き字引的存在。単なるシンボルではない王冠の重さを垣間見ました。

また「開かれた王室」の在り方を、あらためて見せつけられました。あくまでも映像のイメージではありますが、国民との関係性も、政治とのかかわり方も、日本の皇室とは全く異なるように感じました。ひとことで言うと、近い。市民へのインタビューで「お母さんのような存在」というのが、文字通りの印象で伝わってきました。だからこそ、王室に対して愛情いっぱいに親しみを込める一方、間違っていることをしていると感じると、遠慮なく怒る。

エリザベス女王のアーカイブでは、プラチナ・ジュビリーに合わせてBBCが特集した「写真で見る」記事も、見ごたえがあります。日本語になっているので、ご興味のある方はぜひご覧になってみてくださいね。

BBC News JAPAN【写真で見る】 在位70年、96歳のエリザベス英女王 写真で96年を振り返る

読書『はじめての越境EC・海外Webマーケティング』(WAVE出版)徳田祐希著

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読書『はじめての越境EC・海外Webマーケティング』(WAVE出版)徳田祐希著

先日お世話になった、中小機構さんのEC活用支援アドバイス。

担当してくださったアドバイザー・世界ヘボカン株式会社 代表 徳田祐希さんの著書があると聞いて、遅ればせながらゲットし拝読しました。面談前に読んでおくべきだった…と思っていたのですが、面談後に読んだのは、今回わたしにとっては正解でした。理由のひとつは、わかったつもりにならず、まっさらな状態で面談に臨めたから。そして、面談のなかでは理解が不十分だったところを、文字で確認し直し復習できたから。

以下、備忘。


  • 強い覚悟。
  • ニッチャー:独自市場・オンリーワン・価格は高く設定・独自の価値を切り出す。
  • ローカライズ:赤。余白が大きくシンプルなデザイン。
  • ドメイン:サブドメイン+手動翻訳で多言語展開。en.〇〇〇.com
  • コンテンツSEO。
  • トップページ:あらゆる検索意図をカバーできるような、ナビゲーションに近いページを目指す。
  • 商品カテゴリページ:具体的にどんな商品が並んでいるのかイメージが湧くタイトルで、カテゴリ分け。
  • 商品詳細ページ:お客様が商品を探すときに基準となる情報を漏れなく記載。トップページや商品一覧で狙っているワードは、無理のない範囲で商品詳細ページでもそのまま使う。
  • ブログ記事:トップページや商品一覧・商品詳細でカバーできなかったキーワードは、ブログ記事をつくることでカバー。
  • 「検索ユーザーが知りたいことは何か?」
  • メルマガ・ブログ・SNS運用:マニアックな質問に対してマニアックな回答を返す。
  • 人気コンテンツ=顧客が知りたい情報。
  • 投稿に一貫性を持たせる(少なくとも9つ)。
  • MATCHA
  • メールマーケティング。
  • オフライン流通。
  • オリジナルハッシュタグ。
  • Webサイト上に写真を多く掲載:使ってみた様子は?/どんな人が購入?/どのように梱包配送?
  • 実店舗の住所や写真を掲載:実店舗・取引先
  • カテゴリーページに説明コンテンツを挿入:カテゴリー上部に、特徴・選び方・おすすめアイテムを端的に説明するショートコンテンツ(100words程度)。
  • 商品価格に配送料を組み込む。
  • 送料・関税・配送日時などが海外顧客に最適化されているか細かく確認。
  • 限られたリソースを今どこに投資(投入)すべきか?
  • 資料請求:自社の価値を伝えるよう設計。
  • トップページでは企業モットーではなく「どんな課題を解決できるのか」を事例とともに訴求。
  • PR動画(5~10分):どのような会社なのか/代表はどのような人なのか/日本での販売状況は/商品の特徴や強みは/どうしてこの商品を作ったのか。
  • アウトバウンドの営業資料:顧客は誰か/顧客にどのような価値を提供できるのか。を、言語化できるようにする。
  • 役に立つホワイトペーパー。
  • 専門性の高さ:自社にとっての「当たり前」は、その業界や海外顧客にとって「当たり前」ではない。
  • 階段設計:問合せの一歩手前に資料請求のステップ。
  • 認知・情報収集→興味関心・課題形成→比較検討→商談・購買

『はじめての越境EC・海外Webマーケティング』より


「マーケティング」がタイトル前面に押し出されていますが、最後に「法律・制度」の章があり、越境EC事業の実際をたくさん扱っておられるボカンさんならではの知見と心遣いを感じました。と同時に、主に本の前半で語られるウェブマーケティングノウハウについては、越境に限らず国内ECにも同じことが言える部分が多く、広くECに取り組む事業者に役立つものだと思いました。

巷にあふれる動画のノウハウレクチャーはわかりやすい半面、個人的にはスピード感についていけないところも正直あります(汗)。なので、手元でたくさん書き込んだり付箋をつけたりしながら辞書的に使える本は、とても助かり。ボカンさんもYouTubeですごい数の動画を上げておられ、ノウハウを惜しげもなく公開なさっていますので、困ったときは関連動画と本を組み合わせつつ自分に理解を促す、という形をとることが出来ます。

面談していただいて、本も読んで、あとは実行。頑張ります!

はじめての越境EC・Webマーケティング(WAVE出版)徳田祐希著