Meet Me at Art スタート。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

Meet Me at Art スタート。

Meet Me at Art。「アート(美術)を通じて自分と出会う」をテーマに、さまざまなサポートを展開します。


美術や美術的な空間を使って

  • 自分の内側(ルーツ)をのぞき込み、自分の価値観をつくっている人生観・世界観・美意識を点検し再構築していく個別ワーク。
  • 個人の価値観・世界観を確認することからはじめ、「一人一人が違うことを受け入れる土台をつくる」ためのグループワーク。
  • 不確定要素の多いなかで質の高い意思決定を後押しする価値観(美意識)を鍛えるための、観察と言語化のトレーニング。

美意識とか感性とかいうぼんやりしたものを自覚するところからスタートします。

関連したセミナー・勉強会・ワークショップも、その道の熟練したプロフェショナルに力をお借りして、「プロ・プロ候補向け」「一般向け」など計画していきます。

より詳しくは、Meet Me at Art 現在ページ制作中です。
花祭窯のフェイスブックページ(https://www.facebook.com/Hanamatsurigama/)から「メッセージを送信」でお気軽にお問い合わせください。

 

 

続・読書『イギリスと日本ーその教育と経済ー』(岩波新書)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

続・読書『イギリスと日本ーその教育と経済ー』(岩波新書)

先日、読書録をアップしたばかりでしたが、

読書『イギリスと日本ーその教育と経済ー』(岩波新書)

いくつか残しておきたいものがあったので、以下備忘。


  • たとえば、イギリスの中産階級以上のほとんどすべての女の子は、おばあさんの使った人形を使って遊んでいます。人形というものは何代にもわたって使うんだというのが英国人の感覚であります。
  • 大帝国を断念して、ウェルフェア・ステートに切り替えるという転換はきわめて見事であったと思います。
  • これらの努力は一人当たり国民所得の大幅な増加をもたらしませんでしたが、それでも、その結果イギリスがいっそう住みやすい国になったことは事実です。
  • イギリス人は寛容であるということを、非常に大切な徳であると信じています。
  • 日本をここまで引き上げたのは、日本人の俗物根性であり、英国を没落させたのは英国人の教養であったと考えられます。イギリスの教育は成功したがゆえに没落をもたらしたのですが、このように教育が成功すると、人はお金よりも文化的たのしみを選ぶようになります。
  • 教育とは個人の持っているいろいろの資質を耕す(カルティベイト)ことであって、型にはめることではないと考えているようです。その結果、教育と文化(カルチュア)が直結する。

『イギリスと日本ーその教育と経済ー』(岩波新書)森嶋通夫 著 より

 

 

読書『なぜ、これがアートなの』(淡交社)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

読書『なぜ、これがアートなの』(淡交社)

1998年初版です。美術館で鑑賞教育を語るときや、教育普及の学びの場面で、バイブル的に登場するというこの本。わたしがこの本の存在を知ったのは、つい数年前。美術館・博物館の学芸員技術研修会で教育普及の講座に参加したときでした。

著者のアメリア・アレナスさんは、1984年から1996年までニューヨーク近代美術館(MoMA)で美術館教育プログラムの専門家として活動なさった方で、対話型鑑賞法の第一人者とされています。

「はじめに」で「これはモダン・アートの概論でも、あるいは過去百年間にアートの世界でなにが起こったかという美術史の解説でもありません。」(『なぜ、これがアートなの』より)と書かれているとおり、美術に関する知識を扱った専門書ではありません。美術鑑賞の方法について書かれた本なのですが、かといって美術鑑賞の方法論を説いたものでもなく。おおよそ70点の作品について、「作品を鑑賞していくための、いくつかの例」が紹介されています。

美術の業界の人や専門家に向けて書いたのではないと言われるこの本ですが、少々難しく感じるところも。ただ、この本を読み終わった時に、モダン(近代)・アートもコンテンポラリー(現代)・アートも、近代以前のアートも、もっと自由に絵やアートを見て楽しんでいいのだと思える人が一人でも増えてくれたら嬉しいな、と。

お酒を呑みながら建築のお勉強・その8

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

お酒を呑みながら建築のお勉強・その8

毎回楽しみな隣町・宗像にお住まいの建築家、株式会社藤井設計室・藤井さんご夫妻のご好意で開催されるスライドショー&勉強会。今回も素晴らしい時間でした。

昨年来、西洋美術史関連の本を読み漁りつつ、わかってきたことがあります。それは「お酒を呑みながら建築のお勉強」で少しづつ素地を積み上げてきたおかげで、西洋美術史の本に書いてあることへの理解が格段に深く良くなっていること。あくまでも自分比ですが(笑)

すなわち西洋史のなかで、建築史=美術史をほぼ同義に読みとることができる時代が長いということなのですね。多くの芸術家が建築家であり彫刻家であり画家であり、というような時代はもちろん、その前後においても、建築と芸術は切り離せないものだとつくづく。

さて今回のスライドショーは、番外編。「住む」という「必要性」にスポットが当てられた内容でした。ヨーロッパ各地の、「ここに住むしかなかった人たち」が築いた、住み家・街の景色とその背景についての解説。状況が語る悲壮感に反して家や街に質素な美しさがみられることに、人間の強さと美意識を感じました。

それにしても、切り口(テーマ)によるさりげない問題提起も含め、藤井さんの実体験に基づいたスライドショーならではの奥深さ。このような機会に参加できることが、ほんとうにありがたいのです。

 

「英語でアート!in 福岡」に参加してきました。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

「英語でアート!in 福岡」に参加してきました。

正確なイベント名は「英語でアート!著者が語る 海外を目指す アーティストへ伝えたい事 in 福岡」。

少し前に読書記録を書いておりました『英語でアート』(マール社)の共著者のお一人であり、Art Alliance「英語を使ってアートを学ぼう!」主催の宮本由紀さんが、なんと福岡にいらっしゃるということで、1day講座に参加してまいりました。

「海外へ向けてのアーティストへのアドバイス」、「人とつながるための英会話」と「美術英語の基本のキ」。定員25名のスペースは満員御礼で静かな熱気に包まれていました。参加者の皆さんが「アート×英語」という目的意識を持っていることがひしひしと伝わってきました。

「たくさんお伝えしたいことがある」と当初予定を30分延長しての3時間。せっかくだから本には書かれていないことを中心に、というスタンスでお話をしてくださった宮本由紀さんの、世界を目指すアーティストを応援したいという気持ちがとても嬉しい3時間でした。

そして、もうひとつすごいなと感じたこと。今回の福岡での出版記念講座の開催は、ボランティアで事務局を務めてくださった方の熱意で実現したものでした。「ダメでもともと」と、宮本さんに福岡での1day講座を打診してくださり、会場手配から集客その他を引き受けてくださった事務局のお二方があってこその機会でした。

福岡まで足を運んでくださった宮本由紀さん、イベントをつくりあげてくださった事務局の皆さんに心より感謝いたします。ありがとうございました!

 

 

読書『イギリスと日本ーその教育と経済ー』(岩波新書)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

読書『イギリスと日本ーその教育と経済ー』(岩波新書)

先日、直方谷尾美術館に行ったときに、常設展示室で偶然開催されていた直方図書館の古書交換会で手に入れた一冊。ちょうどイギリスの教育に興味が湧いてきていたところにこの本を発見し、「若干情報が古いかも!?」と思いつつもありがたく頂戴してきたところでした。

読んでまず思ったのが、この本と出合えた幸運。著者の森嶋通夫さんは、経済学者でロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)の名誉教授。この本を執筆なさったときはロンドン大学教授の肩書です。2004年にご逝去されており、この本に出合わなければ、わたしは存じ上げることのない方だったかもしれません。

1975年の講演をもとに1977年に第一刷がでている本書。つまり40年前の本なのです。が、アマゾンで調べたら2003年1月21日刷がでてきました。それはつまり、40年前に書かれたこの本から、今もなお考えるべきことがたくさんあるということですね。

ページをめくると最初に現れる「はしがき」に、「日本でいま教育問題が大きな社会問題になっていますが、その解決策とまではいかなくても、せめて改善策を見つけるための、一つの資料を提供するという意図で、イギリスの教育についてお話したいと思います」と1977年当時の筆者が書いておられます。

が、2018年の現在も同様に日本は「教育改革」の方向性をいかにすべきか試行錯誤の状態。常にベターな状態を目指すべき「教育」ですから、「これが正解」に辿り着くことは永遠にないのかもしれません。そんな教育問題を考察するうえで大きな示唆のある本であると思いました。

1975年といえば終戦後30年。その当時の統計的裏付けを含みながらの、日本とイギリスの比較文化論。講演ならではのわかりやすい語り口の文章であることも相まって、とても興味深く面白く読みました。

教育の在り方について考察を深めたい方に、おススメの一冊です。

書道部@花祭窯、はじまりました。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

書道部@花祭窯、はじまりました。

4月は第一回目ということで「おためし」的にスタート。

今回は、「ひらがなからやりたい!」という方には「いろはにほへと」を字の成り立ちの解釈から手ほどき。「自分の名前をきれいに書きたい」という方には名前のお手本を書いて、書き方を手ほどき。「そのとき自分が書きたいと思ったものを書きたい」という方には、各種のお手本からピンとくるもの(今回は「論語」の書写でした)を探してもらってからのスタート。

「書道をしたい」想いは人それぞれですが、普通の書道教室では、なかなかそれが実現できないのですね。うちのダンナは教授級の腕前でありながら、それが仕事ではないので、柔軟にそれぞれに対応したお手本を書いたり説明ができます。身内ながらすごいことだなぁと、書道をするたび毎回思うのですが(笑)

月に一回、会費は参加できるときだけその都度のお支払い。道具もテキストもこちらで用意してありますので、初期費用がかからず気軽に始めることができるのが良いところ。

興味のある方はお尋ねくださいませ(^^)

 

九州EC勉強会;「こんなもの誰が買うの?」がブランドになる

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

九州EC勉強会;「こんなもの誰が買うの?」がブランドになる

九州EC(九州ECミーティング)平成29年度ラストの勉強会は、ブランドクリエイター阪本啓一さんをお招きしての勉強会でした。

「九州ECミーティング」は、2005年1月、EC事業に関する情報過疎地であった九州でも「大阪東京並みの情報を得られる場」を作る目的で結成されました。運営はボランティアによって成り立っています。

今回は、坂本啓一さんの新著『「こんなもの誰が買うの?」がブランドになる』で展開されている話を中心に、中小企業・個人事業主サイズのこれからの商売を考える勉強会となりました。

以下、勉強会備忘。


  • 非再現性
  • 自社にとって最適なサイズ
  • 宣伝ではなく広報
  • 手段=モノ+α
  • ユーザーエクスペリエンス
  • リポジション
  • 熱量
  • 狭く濃く
  • クライアントの意図
  • エコシステム
  • 強みだけに集中
  • 経験と知識
  • 安心ベース

 

ひさびさ京都(4)京都水族館

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

ひさびさ京都(4)京都水族館

京都2日旅、最後の訪問先です。「京都に水族館があったのね!」と思っていたら、2012年にオープンしたのですね。1日目に出かけた鉄道博物館も含め、梅小路エリアの目玉のひとつ。

京都駅前から市バスで梅小路方面に、鉄道博物館と水族館は同じバス。バス停での乗降客の顔ぶれから、水族館もまた鉄道博物館と同様、地元のお客さまが繰り返し訪問し、喜ばれている場所なのだということが伝わってきました。神社仏閣等歴史的な観光名所の多い京都にあっては、観光的に後回しになってしまうのももっともですが。

が!京都水族館、楽しいです(^^)

特に嬉しかったのは、オットセイ、アザラシ、ペンギン、オオサンショウウオ。そして「京の里山」と名付けられたビオトープ。2周見て回って、3周目に入りたいところにイルカのショータイムが終わり、観客がどっと増えたため、3周目は断念。それにしても人の混雑さえ緩和できれば、もっとゆっくり滞在したい、ゆっくり滞在できる水族館でした。

ひとつだけ残念だったのは、ミュージアムショップにあったらいいな♪と思っていたグッズがなかったこと。京都水族館には上の写真のように、素敵なイラストを多用した展示解説があり、入場チケットも同じイラストのオオサンショウウオでした。

京都水族館

このイラストがとってもよかったので、絵葉書とかグッズがあったら買って帰ろう♪と思っていたのですが、見つけられず…。次回訪問時には商品化されているといいな、と思いつつ。

ともあれ「梅小路エリア」、京都観光から外せません(^^)

 

 

 

読書『西洋美術史 世界のビジネスエリートが身につける教養』(ダイヤモンド社)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

読書『西洋美術史 世界のビジネスエリートが身につける教養』(ダイヤモンド社)

先日手に入れた2冊の『西洋美術史』。の、2冊目。

表紙をめくるとまず「美術とは“見る”ものではなく“読む”ものである」という、著者がこの本で伝えたい内容の象徴的なメッセージが目に飛び込んできます。文章が少々固いのが気になりましたが、たしかに「読む美術」の本でした。

以下、備忘。


  • 政治的にはギリシャを征服し植民地化したローマでしたが、文明的には逆に征服されてしまったのです。
  • ローマの古代美術は美の「規範(個展)」と見なされ現代にまで至ります。
  • 「目で見る聖書」としての宗教美術
  • 色彩は富の象徴でもあった
  • その人物の精神や知性が反映された作品が、「商品」ではなく「芸術品」と見なされるように
  • 経済の繁栄すなわち美術市場の活性化
  • フィレンツェ派の「デッサン(ディセーニョ)」に対して、ヴェネツィア派の「色彩(コロリート)」
  • いわゆるブルーカラーは、生活のために手を用いて仕事をする人々と考えられていたため、職人階級に属する画家や彫刻家はエリートとはかけ離れた存在
  • アカデミー的価値観に束縛されない自由な作風
  • 美術品が持つ「力」
  • 建築や美術のイメージの力を自分の政権と権力に結びつけ、自分の帝位と帝国のイメージつくりに利用する
  • 「理性」対「感性」
  • デッサンと理性(中略)色彩と感性
  • 「何を描くのか」ではなく「どう描くのか」
  • より物語性の強いものや、畏怖すべきものに美を見出すイギリス発祥の美の概念「崇高(sublime)」
  • ただ純粋に視覚的な喜びをもたらす審美性
  • 自分たちの原風景
  • 自分の審美眼に自信がなく、美術品に対しても美術アカデミーという「ブランド」を求め
  • 背景にあったのは、純粋な芸術・文化に対する憧憬
  • 伝統的に美術コレクションは個人(君主の場合は国家も)のステータスを高め、社会的に認知されるためのツール
  • アートと芸術家の大衆化は、(中略)市民社会ならではの産物
  • 芸術を庇護することは、(中略)「ノブレス・オブリージュ(高貴な人にとっての義務)」

『西洋美術史 世界のビジネスエリートが身につける教養』(ダイヤモンド社)より