お酒を呑みながら建築のお勉強・その5

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

お酒を呑みながら建築のお勉強・その5

隣町・宗像にお住まいの建築家、株式会社藤井設計室・藤井さんご夫妻のご好意で開催される勉強会。
https://www.facebook.com/Fujii.Design.Office

毎回、様々な建築様式が登場しますが、その時代背景・文化の流れとともに教えていただけるので、建築素人のわたしたちにもわかりやすく、お腹も心もいっぱいに満たされる勉強会です。

今回のお題は、ロマネスクとゴシック。

今回も前回のビザンチン建築同様、たくさんのキリスト教建築=教会が出てきました。

お酒を飲みながら建築のお勉強。その4

藤井さんが主に解説してくださったのは、ロマネスクとゴシックそれぞれの特徴、違い、進化の過程。これらをデザインと構造の関係や時代背景とともに解説してくださいました。

個人的に象徴的に変化を感じたのは、半円状のアーチから先が尖ったデザインへの変化と、バラ窓の出現、暗い屋内から光を採り入れようとする工夫に伴うステンドグラスの登場など。シンプルで力強い美しさから、デコラティブな美しさへの変化でした。

そして先日ロンドンで見てきたばかりの、セントオールバンズシティにある大聖堂(トップの写真)の景色が思い出されました。家に戻ってからこの写真をあらためてよく見ると、藤井さんがおっしゃった「古代からの歴史の流れを流れとしてきちんと説明できるものが建築には残っている」という言葉の意味が、しみじみと理解できたのでした。

セントオールバンズの大聖堂
https://www.stalbanscathedral.org/visit/what-to-see/

 

ロンドン7日目 コートールド・ギャラリーと自然史博物館

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。ダンナ・磁器作家 藤吉憲典の個展(Sladmore Contemporary @London)に伴うロンドン滞在レポート。

翌日は朝から空港に移動のため、実質的なロンドン滞在最終日でした。

ロンドン7日目(2)コートールド・ギャラリーと自然史博物館。

コートールド・ギャラリー The COURTAULD Gallery

印象派のコレクションをまとめて観ることができるって!」とダンナが言うので、行って参りました。到着してみたらとっても大きい建物でびっくり。

サマセット・ハウスと呼ばれる18世紀に造られた貴族の邸宅が、その建物でした。サマセット・ハウスのなかにロンドン大学付属コートールド美術研究所があり、コートールド美術研究所の主要施設のひとつがコートールド・ギャラリーというわけで、ギャラリー自体は程好いサイズで一安心。

ひとつひとつの絵画にゆっくり向き合うことのできる、ぜいたくな空間でした。ギャラリーの中心部にある螺旋階段がまた素晴らしく、思わず階段の写真ばかり撮ってしまいました。

コートールドギャラリー

自然史博物館 Natural History Museum

息子のリクエストにもこたえて、自然史博物館へ。とにかく広い自然史博物館。今回は2回目の訪問だったので、観たいところは決まっていました。が、この日は幼稚園生から高校生まで、学校からの来館者がとにかく多くて、なかなか観たいものがゆっくり見れず。

クジラ・ゾウ・サイなどの大きな動物のコーナーと、恐竜のコーナーを回ったところで、ちょっと人が多すぎるね、と断念。ミュージアムショップを楽しんでから帰りました。

現在部分的に建物・敷地の工事中とあって、今回は景観的に少々残念なところもありましたが、自然史博物館の建物もまた素晴らしい建物です(^^)

自然史博物館

 

 

ロンドン6日目(2)個展会場にて友人と再会。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。ダンナ・磁器作家 藤吉憲典の個展(Sladmore Contemporary @London)に伴うロンドン滞在レポート。

ロンドン6日目(2)個展会場にて友人と再会。

ダンナがロンドンを訪問するたびに、必ず会う友人がいます。セレクトショップ・Do-shopのLuca。磁器作家・藤吉憲典のアート作品の、ロンドンでの一番最初のファンです。

KENSUKE FUJIYOSHI EXHIBITION
Do-shopのお二人(LucaとAndrew)と記念撮影(^^)

2013年、海外から日本のデザイン製品を視察に来ていたLuca。彼がダンナ・藤吉憲典の作品を見て「素晴らしい!まだ海外に進出していないのならするべきだし、真っ先にロンドンに来てほしい!必ずハイエンドギャラリーに市場があるから」と言ってくれたのを真に受けて、ロンドンへの展開に思いっきり力を入れたのでした。

昨年のSladmore Contemporary での企画展のときも、ダンナに会いに来てくれたLuca。今年もひとつひとつの作品を眺めては、「beautiful!」「marverous!」と最上級の誉め言葉を並べてくれました。

「ユリ、いったいケンはいつになったら英語をしゃべるようになるんだ?」と冗談を交えながらも、お互いの気持ちはとてもよく伝わっています。今回もとっても嬉しい再会でした。

 

ロンドン6日目(1)ローマ時代の遺跡。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。ダンナ・磁器作家 藤吉憲典の個展(Sladmore Contemporary @London)に伴うロンドン滞在レポート。

ロンドンでお世話になっている、クリエイティブコンシェルジュさんがいます。仕事でここぞというときは、この方にアテンドをお願いすることにしています。今回は友人として、ロンドン郊外にあるおススメのエリアを案内してくださいました。

ロンドン6日目(1)ローマ時代の遺跡。

セント・オールバンズ・シティ St.Albance city

ローマ時代の遺跡や大聖堂に美術館、素敵な公園や英国で一番古いパブなどもある、昔の宿場町的な場所、ということで連れて行っていただきました。

ロンドン市内から電車で15分ほど。ここで古代ローマの遺跡を観ることができるなんて思ってもみなかったので、とても興奮しました。

stalbanscity

ローマ時代は、建物を壊したがれきを使って次の建物を建てたと言われています。

stalbanscity

大聖堂。この日は特別なミサが行われていて、たくさんの人が集まっていました。

stalbanscity

煉瓦で出来た円形の建物は美術館。

stalbanscity

現地に立てばつくりがなるほどと伺える円形劇場跡です。

半日では時間が足りず、また行ってみたい場所です(^^)

 

 

ロンドン5日目 サーチ・ギャラリーとウォレス・コレクション

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。ダンナ・磁器作家 藤吉憲典の個展(Sladmore Contemporary @London)に伴うロンドン滞在レポート。

学芸員技術研修会でお世話になっている九州産業大学美術館教授の緒方先生が「ロンドン市内でのおすすめ」と教えてくださったミュージアムに行って参りました。

ロンドン5日目 サーチ・ギャラリーとウォレス・コレクション

サーチ・ギャラリー Saatchi Gallery

思えば藤吉憲典の海外デビューは、このサーチ・ギャラリー。2015年に開催された美術工芸の国際アートフェア・COLLECTの会場だったのでした。アートフェア期間中は、通常の展示は一切ありませんでしたので、サーチ・ギャラリーとしての展示を拝見するのは初めて。

2008年に現在の場所にできたサーチギャラリーは、まだメジャーではない現代アーティストの作品を取り上げることで有名とのこと。今回訪問時に開催されていた企画展では過剰な難解さ(=作家の自己満足)が一切無くて、キャプション要らず、来館者を楽しませようというサービス精神あふれる写真作品やインスタレーションがたっぷりでした。それでいて、きちんと問題提起や社会批判も行っている。素直にすごいな、面白いな、と思いました。

ウォレス・コレクション Wallace Collection

個人的な感覚ですが、「〇〇コレクション」というものをみると、とても感じ入るものがあります。全体を眺めたときに、集めた人の偏愛ぶりが滲み出ているからなのだと思います。このウォレス・コレクションも、たいへん濃い内容でした。

ウォレスコレクション

建物が素晴らしい、部屋ひとつひとつの設え(家具)が素晴らしい、そして展示されているものが素晴らしい…。語彙が少なくてスミマセン。その部屋でしばらくじっとしていたくなるような、優雅で背筋の伸びる贅沢な空間でした。

 

ロンドン4日目 骨董街とヴィクトリア&アルバート博物館

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。ダンナ・磁器作家 藤吉憲典の個展(Sladmore Contemporary @London)に伴うロンドン滞在レポート。

ロンドン4日目 骨董街とヴィクトリア&アルバート博物館

ロンドンの骨董街

KENSUKE FUJIYOSHI EXHIBITION(藤吉憲典 個展)開催中のSladmore Contemporary は、文字通りコンテンポラリー(現代もの)のギャラリーです。SladmoreにはもうひとつSladmore Galleryがあり、こちらでは19世紀から20世紀初めの物故者の彫刻、つまり骨董を扱っています。

個展のオープニングでSladmore Galleryのディレクター・Edwardに挨拶することができたので、訪問してきました。「ケンスケの作品は現代ものだから、うちには置きたくても置けないんだよ。まだ生きてるし」と冗談を言っていましたが、『特別に』ウィンドウディスプレイに、藤吉憲典のキリンの陶箱を飾ってくださっていました(^^)

Sladmore Gallery

ピカデリーサーカスにほど近く、周辺にはアンティークを扱うギャラリーが軒を連ねています。すぐ近くにオークションハウスのクリスティーズがあり、中国陶磁をメインとしたオークションが公開されていたので、のぞいてきました。オークションハウス、誰でも入ることができるとは知らなかったので、ちょっとびっくりしました。

ヴィクトリア&アルバート博物館 V&A

世界最大規模を誇る美術工芸品の博物館です。足を踏み入れると、なんともゴージャスな気分になる空間。ここもまた広く、展示品の素晴らしさと多さに途中でお腹いっぱい(胸いっぱい)になります。

金属・陶磁・木工など、美術工芸品の素晴らしさを堪能したのはもちろん、今回個人的に面白かったのは、Theatre and Performance Collection。劇場模型や演劇・映画その他パフォーマーの衣装など、とても楽しめる展示でした。

一番上の写真のように、実際に手に触れて技術のすごさを知ることができるような仕組みがあったり、来館者がスケッチを作成して投稿できる仕掛けがあったり、子どもと一緒に楽しめる要素もたくさん。

すべてを回ることはできませんでしたので、また次回の愉しみです。

 

 

ロンドン2日目(2)KENSUKE FUJIYOSHI個展初日

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。ダンナ・磁器作家 藤吉憲典の個展(Sladmore Contemporary @London)に伴うロンドン滞在レポート。

ロンドン2日目(2)
KENSUKE FUJIYOSHI 個展初日

今回のロンドン訪問の最大の目的は、個展初日のご挨拶に伺うことでした。夕方18時からのオープニングには次々とお客さまがお越しになり、ややパニックになりながら(笑)なんとか応対。あまり英語が得意でないとわかると、皆さんこちらに合わせてゆっくりわかりやすい言葉を選んで話してくださり、頭が下がりました。

sladmorecontemporary KENSUKE FUJIYOSHI exhibition

お話をしていて驚いたのは、日本文化に造詣の深いお客さまの多いことでした。根付(ねつけ)をコレクションしているという紳士、刀剣のコレクションで特に鍔(つば)にこだわっているというご婦人、古九谷調の色使いが大好きだと喜んでくださったご婦人、桜が好きで来年日本に桜を観に行く予定だという紳士…。

ご来場くださった皆さんが、とても楽しそうに作品を眺め、作品について話をし、つくり手であるダンナに声をかけてくださったことが、ほんとうに嬉しくありがたい時間でした。

わたしとしては、もっと気を利かせてたくさんの方にきちんとご挨拶してご来場のお礼を言うことができたはずと、自分の気の回らなさと英語力不足を痛感したオープニングでもありましたが、ギャラリーオーナーの「Thank you for being so helpful on the night !」の言葉に救われました。

この場を作ってくださったSladmore Contemporary のGerryとスタッフ、そして足を運んでくださったすべての皆さまに感謝です。

 

ロンドン2日目(1)Tate Modern

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。ダンナ・磁器作家 藤吉憲典の個展(Sladmore Contemporary @London)に伴うロンドン滞在レポート。

ロンドン2日目(1)Tate Modern

ロンドン2日目は個展初日でもあったのですが、初日は18時~20時のドリンクパーティーでオープンだったため、まず午前中にテート・モダンへ行ってきました。

Tate Modern

近現代美術を集め、モダンアートと印象派が充実しているといわれるテート・モダンですが、今回訪問したかった一番の理由は、少し前に読んだ『楽園のカンヴァス』。「ニューヨークのMoMAに対してロンドンのTate Gallery」という位置づけで描かれたストーリーに、行かねば!の気持ちが大きくなり、実現。

http://www.tate.org.uk/visit/tate-modern

展示もそうなのですが、建物に圧倒されました。建物は大きいですが、展示自体は半日程度で十分見て回れます。あちらこちらに体感型の仕掛けもちりばめられ、子どもも一緒に楽しめました。

テートモダン

ミュージアムショップも広く、特に美術関係の書籍が充実していました。

 

アートの海外発送のこと。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

アートの海外発送のこと。

最近ときどき質問を受けます。とは言っても、質問なさる方がアートの海外発送の事態に直面しているということではないようなので、純粋に興味がわくのかもしれませんね(^^)

今回は「花祭窯からロンドンのギャラリーに作品を送る場合はこうしています」の一例をご紹介。

配送業者さんはFedEx(フェデックス)を使っています。

最初にロンドンのギャラリーさんから、国際配送では通常FedExかDHLを使っている(=お互いによくわかっている)というお話を聞き、現地に到着した際の入国・税関その他手続きがスムーズにいくということで、どちらかを選ぶことに。

FedExもDHLも日本語に対応したサイトがもちろんあります。で、単純に自分にとってネット上での操作性が良かった、という理由でFedexに決定。(これが2014年のことですので、もしかしたら現在はDHLもわかりやすくなっているかもしれません。)

FedExでは出荷に必要な書類・インボイスがネット画面から出力できるだけでなく、段ボールなどの梱包材が発注できたり、コストと時間の見積りが出せたり、集荷の予約ができたりします。もちろん出荷後の追跡、配送状況報告のメール登録もできます。文字通りの「ワンストップ」ですね。

配送料は、それなりに高いです。配送料に保険を合わせるとさらに高いです。一度小さめの荷物で国際郵便のEMSと比較したら、2.5倍以上の料金でした。ですが、安心には変えられませんので、納得して使っています。

必携書類Works of Art Declaration」。

アート作品の荷物を出すときは、英国向けの場合、出荷伝票(インボイス)以外に「Works of Art Declaration」という書類を作成します。これは、この荷物が単なる商業的取引のものではなく、「輸入関税の免除対象になるアート作品」であることを証明する書類になります。

この書類も、FedExのシステムでインボイスを出力する際に、「今回の荷物に、インボイス以外に必要な書類」として画面から出力することができます。

わたしも実際にお取引を始めてから知ったのですが、このような「アーティストから直接発信するアート作品の取引への配慮」がイギリスにはあるのですね。北米や欧州のその他の国でも同様のルールがある国があるようで、こういう配慮があるかないかでも、その国の芸術に対する価値の置き方が垣間見えるなぁ、と感じました。

 

海外発送、なかなか慣れず、毎回ドキドキの連続です。

 

 

津屋崎陶片ミュージアム:H29042001二重高台の大皿

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

津屋崎陶片ミュージアム。二重高台の大皿。

外側の高台が割れて削れてしまっていますが、二重高台です。器の径が大きいと、窯での焼成中に生地が変形してへたってしまうことがあります。それを防ぐ方法のひとつとしての、二重高台。支える点(線)を増やすことにより、底や腰が落ちるのを防ぎます。

津屋崎陶片ミュージアム

二重高台の大鉢や大皿は、上手(じょうて)と呼ばれる凝ったものも多いですが、これは絵付の大雑把な感じを見る限りでも、それほど上手のものでは無さそうです。上手のものは、裏もしっかり描きこんであるものが多いです。

これは高台の内側には線描きしか見えず、ちょっぴり残念。あんがい時代の若いものかもしれません。

津屋崎陶片ミュージアム

それでも、二重高台の陶片をあまり見つけることが無いので、嬉しい発見です(^^)