ご近所1ブロック内で見つける春。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

ご近所1ブロック内で見つける春。

日の出が少し早くなり、日の入りが少し遅くなって、明るい時間が増えています。とはいえ、毎年2月は一番寒い(笑)。今週はここ津屋崎でも雪がちらちらと舞いました。そんななか、ご近所散歩中に春を見つけると、無条件に嬉しくなる今日この頃。

まずは蝋梅(ロウバイ)。お正月にご近所さんからいただいていけて生けていたので、すっかりシーズンが終わったものと思っていたら、まだ良い香りをさせていました。植えてある場所により、少しづつ花の時期はことなるもので、ラッキーでした。

ちょっとぼんやりした感じの色合いが可愛らしい木瓜(ボケ)。花祭窯の庭にも欲しいなぁと思いつつ、植えるスペース確保ができるかどうかで検討中。わたしがあまりにもじーっと見ていたもので、ご近所のおじさんが「木瓜は枝を挿しておけば、根がつくよ」と教えてくれました。なるほど、それならまずは鉢植えで根付くかどうかチャレンジしてみようかな、と。

そして、目に嬉しい、お向かいのお庭の水仙の群生。ここ津屋崎に越してきてから毎春、まぶしいほどの水仙の景色が楽しみです。数年前に新しい方が越してきた時、熱心にお庭をいじっておられたので、水仙を残しておいてくれるといいなぁ、と願っておりました。おかげさまで今年もたくさんの水仙が香っています。

春はもうすぐ!

コラム「日常の禅語」は、素人による素人のための禅語考。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

コラム「日常の禅語」は、素人による素人のための禅語考。

お友だちが経営する株式会社Natu Rise(ナチュライズ)さんが発行するニュースレターに、コラム「日日是好日」の提供をスタートしてもうすぐ3年になります。毎月A4に1ページ分の文章。そのなかで読者の方々の意識が「ストレス解消」や「心地よさ」に向かうきっかけとなるテーマ提供を心がけています。

というのも、ナチュライズさんはその商品を通して「健康を実感する幸せ、こころが安定している幸せをぜひ感じていただきたい」と願っておられるから。最初にコラム執筆の打診をいただいたときに、その熱意をとても感じました。文章を通して、心と体が快い状態に近づいていくお手伝いが少しでも出来ればと。

そのコラムのなかに<日常の禅語>コーナーがあります。わたしは素人なので、当然、禅の教えを伝えるということではありません。市井の一般人として、なにげない日常のなかでの体験と、出会った言葉とが結びついた話題を提供できればと思っています。日々出会う数々の言葉のなかに、たまたま禅語がある、ということ。禅の道にある方々から見たら邪道に映るかもしれませんが、素人の立場で真面目に向き合っています。

これまでに取り上げた言葉は、日日是好日、市華開五葉、拈華微笑、行雲流水、本来無一物、洗面、歩歩是道場、一期一会、晴耕雨読、〇△□、脚下照顧、不立文字、色即是空、諸悪幕作衆善奉行、一掃除二信心、一、一笑萬人賀などなど。ひとつひとつに、わたしの個人的なエピソードがあります。最初は1年(12のストーリー)で完結と思ってスタートした<日常の禅語>でしたが、まだまだネタは尽きず、書いている本人が一番楽しんでいるところです。

ふじゆりコラム「日日是好日」

ふじゆりの<日常の禅語>は、コラムページ下方でご覧いただくことができます。

2月3日は節分豆撒き。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

2月3日は節分豆撒き。

季節の行事のなかでも、我が藤吉家が重視するイベントのひとつが、節分の豆撒き。我が家で豆撒きするのはもちろんのこと、ここ津屋崎に越してきてからは、この地域の氏神様である波折神社での豆撒き神事に毎年参加しています。

昨年に引き続き、今年も氏子総代の方々による神事のみとなりました。お参りしたあと、帰りに社務所で「福豆」のお土産をいただく仕組み。わぁわぁと豆を奪い合う(!?)賑やかな面白さはありませんが、みんなが穏やかに福豆をいただいて嬉しそうに帰路に就く様子は、眺めていて幸せな気持ちになる景色です。

風は冷たいながら、青空に神社の旗が美しくなびき、気持ちの良いお天気でした。自転車30秒で豆撒き神事に参加できるありがたさ。いつもは徒歩で出かけるのですが、今日は気がついたら豆撒き神事の時刻になっていて、あわてて自転車で参りました。時節柄、参加者は比較的少なかったのですが、たまにしか顔を合わせないご近所さんのお顔が見れたのも、地域行事のよいところ。

明日は立春、おかげさまで福福しい春迎えとなりました。

花祭窯の睦月の庭。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

花祭窯の睦月の庭。

もうそろそろ睦月もお終いという頃ではありますが。ここ数日は冷え込みもそれほど厳しくなく、水仙の黄色がまぶしいです。我が家の水仙は今が満開。

水仙

スノーフレークの葉っぱがどんどん伸びてきました。三月頃には白い花が咲くでしょうか。年々どんどん増えていて、嬉しいやら、ちょっぴり悩ましいやら。

サザンカもそろそろお終いです。掃いても掃いても、の図。

そろそろお終いとはいいながら、まだたくさん花も咲いています。力強さを感じるピンク色と黄色の組み合わせ。

ヤツデは葉っぱに気をとられがちですが、花も愛嬌があります。

そして、昨日の夕日が美しかったので、おまけ。刷毛で描いたような雲に、夕陽の赤でした。自然の生みだす色の美しさに脱帽です。

干支の寅。

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干支の寅。

お正月も明けて1か月が過ぎようとしているときに、この話題。ですが、3年前の亥年にも、同じようなブログが上がっていました。いわく、春節に間に合えばOKということで。恒例の干支の置きものと言いながら、いつもお正月に間に合うかどうかドキドキしています。今年は元旦の早朝に、寅の入った窯が上がりました。2月1日の春節(旧正月)には十分間に合っていますので、良しとしましょう。

干支寅 藤吉憲典
干支の寅 藤吉憲典

さて寅。上の写真を見て「あ!」と思ってくださった方、いらっしゃると思います。絵本『ちびくろサンボ』の一幕にインスパイアされたもの。最初に「ほら」とダンナ・藤吉憲典から見せられたとき、トラがぐるぐると回りながら、溶けてバターになってしまい、そのバターで作ったホットケーキがとても美味しそうだった、という記憶が即座によみがえりました。そんな、干支の寅。

毎回、その年の初めに作るだけで追加制作をしないので、在庫が無くなったらお終いの干支の置物。実は手元に残っていないものもあります。12年後の寅年には、どんなものが出来上がるのでしょうね。

季節の器はやっぱり楽しい♪

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

季節の器はやっぱり楽しい♪

和食器を扱う楽しさのひとつに、季節が反映された文様の面白さがあります。写真は、今週お客さまにお届けする器の顔ぶれ。左上から時計回りに、染付氷烈梅文飯碗、染付福鬼文蕎麦猪口、染錦なずな文玉縁小皿、染錦枝梅文5寸皿。いずれも作者は藤吉憲典。

肥前磁器の文様の楽しさは、これまでにもこのブログでたびたび書いてきました。江戸時代から描き継がれてきた文様がたくさんあります。藤吉憲典の現代作家としての使命は、そうした伝統文様を、現代に写し直すこと。そのままコピーするではなく、より美しく楽しくデザインし直すことに、作家としての仕事の価値があります。

たとえば「染錦枝梅文5寸皿」の文様は、多様な器に描かれている「枝に梅」のモチーフを、鍋島の文様パターンのひとつ(=お皿の形を生かして丸くデザイン)を借りて5寸の丸皿に落とし込んだもの。肥前磁器の骨董にこれとまったく同じものはありませんが、伝統的な文様と様式を用いて新たに展開したものです。

染錦枝梅文5寸皿 藤吉憲典

また、季節の行事や風物を文様化するのは、江戸時代以来の肥前磁器の得意技。下の写真、節分にちなんだ福鬼文様の蕎麦猪口は藤吉憲典オリジナルですが、器の面を四方に割って間取し、そのなかに文様を描く方法は、肥前磁器の古典的な様式のひとつです。

染付福鬼文蕎麦猪口 藤吉憲典

どちらも「古くからある文様です」と言っても通用する雰囲気でありながら、古臭さはありません。「現代的で新しいけれど、どこか懐かしい」のが、藤吉デザインの特徴のひとつでもあります。

季節の文様は、その器を用いる時期を限定してしまう一面もありますが、だからこそ使う嬉しさももたらしてくれます。とくに蕎麦猪口と小皿豆皿は、季節感を映し出す文様や形がたくさんで、肥前磁器の面白さをぎゅっと凝縮した器ジャンル。食卓に季節感を取り入れたいときに、真っ先におすすめするのが、この二つです。

花祭窯のオンラインショップ「蕎麦猪口倶楽部」では、藤吉憲典の作る蕎麦猪口と小皿豆皿をご紹介しています。

オンラインショップ花祭窯 蕎麦猪口倶楽部

「寒たまご」をいただきに、香椎宮・鶏石神社詣で。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

「寒たまご」をいただきに、香椎宮・鶏石神社詣で。

香椎宮といえば、わたしにとっては「献茶式と野点」です。入門している茶道南方流では、香椎宮への献茶式が昭和22年から70年以上続いています。わたしにとっても秋の恒例行事となっていましたが、この2年はコロナ禍で中止となっていました。そんなわけで、とても久しぶりの香椎神宮。

JR香椎駅から香椎川沿いを上っていきます。香椎川は細い川ながら、カメがいて、コイがいて、カモがいて、目を楽しませてくれます。カモの愛らしさを愛でつつ歩けば、目の前に鎮守の緑が現れて、そのなかが香椎宮。

香椎宮

今回の香椎詣での一番の目的は、掲題内にある鶏石神社にちなんだ「大寒たまご」。尊敬する経営者・卵の庄(有限会社畠中育雛場)の畠中さんが自らいらっしゃるということで、畠中さんにのお顔を拝見しに、そして大寒たまごをゲットしに出かけたのでした。

大寒たまご

大寒に生まれた卵、というだけでも縁起が良いのに、そのうえ香椎宮でお祓いまでしてもらったという縁起たまご。初日はスタートから30分で予定分が売り切れてしまったという人気ぶり。皆さん縁起の良いものは大好きなんですね。

香椎宮には何度も足を運んでいたのに、鶏石神社にお参りしたことはありませんでした。わたしは酉年なので、ぜひお参りしておかねば!です。神社の前には黄金の目を持った鶏の像が二羽。お参りしてトサカを撫でて参りました。

香椎宮 鶏石神社

畠中さんのおかげで、久しぶりの香椎宮参りができました。昨日までの寒さが噓のように暖かく、青空が広がり、気持ちの良い参拝となりました。帰宅してお昼ご飯は、炊きたてご飯にたまごかけご飯。たいへん美味しくいただきました。

ご近所の○○やさん、がある津屋崎千軒の贅沢。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

ご近所の○○やさん、がある津屋崎千軒の贅沢。

1並びの1月11日。鏡開きです。2022年の仕事始めから既に1週間経ってはいますが、鏡餅を下げると、いよいよスタートという感じがいたします。鏡餅を水に浸けて、あんこを用意して、今日の3時のおやつはぜんざいで決まり。

さてその「あんこ」。車で5分ほどのところに、和菓子屋さんも御用達の「餡やさん」があります。それだけでも近くて便利なのですが、最近は我が家から徒歩5分足らずの漁港にある「おさかなセンター」でも仕入れてくれていて、専門店のあんこを超近所で手に入れることが出来ます。贅沢。

「津屋崎千軒」の呼び名は、江戸後期から明治期にかけて海上交易と塩の製造で栄え、家が千軒もあるほどに繁栄していたという当時の隆盛ぶりから名前がついています。昭和初期までは、たくさんの商店や娯楽施設が連なり、人の行き交いが盛んだったとのこと。今はすっかりお店は少なくなってしまいましたが、それでもふだんの生活の中で「ちょっと○○屋さんに行ってくる」と立ち寄れる場所があります。

上の写真はそのひとつ、ご近所の豊村酒蔵さんで手に入れた酒粕。毎年この季節の楽しみです。12月頃になると、近所で若旦那や若奥さんを見かけるたびに「酒粕そろそろですか~?」とお伺い。あんまりしょっちゅう聞くもので、ついに「出来たらお届けしましょうか」とお気遣いさせてしまいました。寒い日は豊村さんの酒粕で作った甘酒を飲みつつ仕事をしております。

豊村酒蔵さんのついでに、お隣の藍の家を覗けば、軒先にお野菜やミカンが即売用に置いてあることがあります。藍の家はもともとお店ではないので、いつもあるわけではありませんが、あったらラッキー。「ちょっとなにか足りない」ときにお野菜ひとつ、おミカンひとつ加われば、食卓が潤うというものです。

それから、徒歩30秒!?のお茶屋さん。緑茶、干し椎茸、市指定ごみ袋などなど、こちらでいただいています。「あ、切らしてた!」と気づいたら、走って行って手に入れることができるというありがたさ。いつも買うものが決まっているので、わたしの顔を見ると察してくださいます。

お茶やさんからさらに徒歩1分ほど足を伸ばせば、着物リサイクル・レンタル・着付けの時代屋さん。先日はお茶会の数日前に着物の着付けに足りないものが発覚し、文字通り駆け込みました。困ったときの時代屋さん。世の中に着物やさんの数はどんどん減っているなかで、気軽に相談できる場所がこんなに近くにあるのは、ほんとうにありがたいこと。おかげさまで事なきを得ました。

気がつけばご近所ネタをたびたび書いています。「近所」でブログ内検索をしたら、けっこうな数が上がってきました(笑)。それだけご近所さんに助けられて日々を過ごしているということですね。ありがとうございます♪

福岡の地域情報誌『シティ情報ふくおか』のサイト【ふくつのふく】津屋崎千軒をめぐる~さくらのふくつ案内~で、津屋崎千軒の魅力を読むことができます^^

2022初釜に行って参りました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

2022初釜に行って参りました。

まるまる2年ぶりのお茶会でした。一昨年、初釜の記事を書いたときには、予想だにしなかったことです。これまでも毎年の初釜は特別な機会でしたが、今年はまた特に特別な初釜となりました。

2年間のお休みの間、庵主の和尚様はじめ、先生方は休むことなくいろいろと考えてくださっていたのだと思います。南方流として受け継ぎ守るべき伝統と、時代に合わせてしなやかに変化させていくべきこと・新たに取り入れるもの、そして有事の時にも継続していくための在り方と。その結果としてなのでしょう、南方流としては初めての立礼での初釜となりました。

初釜は、師である和尚様のお点前をじっくり拝見することのできる貴重な機会でもあります。今回わたしの席は幸運なことにほぼ正面からお点前を拝見することができる位置でした。すっかり忘れてしまっているお点前を一緒になぞりつつ、和尚様の所作のすべての美しさに感嘆しつつ、至福の時間となりました。この席にご一緒出来るだけで幸せを感じます。そんな場所を持つことができたことが、ほんとうにありがたいことです。

初釜恒例の色紙には、竹虎図とともに「一呼百諾来一笑萬人賀(いっこすればひゃくだくしてきたりいっしょうすればばんにんがす)」とありました。「一戸百諾」と「 来一笑萬人賀 」。一声かければ多くの人が応えてくれる、笑顔と心からの言葉には万人を幸せにする力がある、といった意味だそうです。笑顔と、心からの言葉。この一年、心にとめて参ります。

初釜はお茶室のお掃除からスタート。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

初釜はお茶室のお掃除からスタート。

一昨年の初釜茶会のあとから、コロナ禍でずっとお休みになっていたお茶のお稽古。2022年の初釜から再スタートするとのご連絡をいただいたのは、昨晩秋福岡県内での一日の感染者数がゼロに近くなってからのことでした。

まるっと2年間のお休みは、南方流に入門以来初めてのことでした。2年の間に少しでも家でお稽古すればよいものの、気持ちがついてこず、結局まったく我が家のお茶室・徳利庵に座ることなく過ごしてしまいました。お点前作法をすっかり忘れてしまった…という心配はあるものの、それよりもなによりも、またお茶のお稽古に伺えることの喜び、先生や先輩同輩の方々にお会いできる嬉しさが勝ります。

さてお茶会の前日は恒例のお掃除。久しぶりに皆さんにお会いできる嬉しさにワクワクしながら行って参りました。ご挨拶を交わし、黙々とそれぞれ仕事にかかります。わたしはつくばいと、その周りの露地のお掃除を担当。庭掃除は、きれいになったと思うとだんだんと細かいところが気になってきてキリが無いのですが、「まずはこれで良し」と思えるところまですると、気持ちまで整って参ります。

お掃除から戻ったら、これまた久しぶりに袖を通す着物の着付けを復習しなければなりません。着物だって、お茶の時でなくても着ればよいものを、こちらもやはり気持ちがついてこず、前回の初釜以降袖を通しておりませんでした。ただ、この間に着物ダンスの整理整頓だけはしておいたのが、良かったです。1週間ほど前に、初釜で着る組み合わせを決めて、風を通しておりました。

さて、着付けの復習。いつもお世話になっているYouTubeの「きものん着付け動画 『袋帯の結び方(二重太鼓結び)』」をチェックです。着付け方法の動画は、いろんな方がたくさんYouTubeに上げていて、助かります。なかでもわたしはこの「きものん着付け動画」シリーズがとても分かりやすくて気に入っています。今回は、帯の結び方→着物の着方→長襦袢の着方と、遡って復習。これで、当日着付けでパニックになることは無いでしょう(笑)

掃除して、着物を用意して、と、準備をしながらお茶会への気持ちも整って参ります。