小皿豆皿があれば、おせち料理が格好良く決まる。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

小皿豆皿があれば、お節料理が格好良く決まる。

今年のお正月は自宅でゆっくりでしたので、おせちもいつもより多めに作ってみました。不器用なわたくし、お重に詰めるのがなかなか上手にいかないので、毎年「お重+小皿」です。幸い仕事柄、小皿豆皿ならいろいろと手持ちがあります。盛り付けを考えることなく手軽にセットできるので、時間がかからないのも魅力です。

小皿豆皿でおせち 藤吉憲典の小皿豆皿

写真一番上から時計回りに下記の通り。いずれも藤吉憲典の器です。

  • 干し柿スライス:染付桜詰文ぐい呑
  • ごまめ:赤絵万暦六角豆皿
  • カボス甘露煮:染付芙蓉手六角豆皿
  • たたきゴボウ:染錦縁ダミ山水文六角豆皿
  • なます:染付地文桃型小皿
  • きんとん:白磁ぐい呑
  • 黒豆:赤絵万暦赤玉文六角豆皿
  • 柚餅子:青磁桃型小皿
  • 取り皿:染錦梅枝文五寸皿

このお正月は自分でいろいろと作ってみましたが、干し柿と柚餅子は料理やさんから頂いたものです。いつも言っているのですが、自分で作らなきゃと頑張らなくても、出来合いのものを盛りなおすだけでも、じゅうぶん「お家おせち」という感じになります。小皿豆皿は、忙しい人、盛り付けが苦手な人の、強い味方です。

藤吉憲典の小皿豆皿は、花祭窯オンラインショップでご紹介いたします。2021年1月6日現在リニューアル準備中です。1月中にはオープン予定です。どうぞお楽しみに♪

2021年書き初めは、長文に挑戦してみました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

2021年書き初めは、長文に挑戦してみました。

2021年書き初め

1月2日は書き初めの日。毎年何を書こうかと悩むのもまた楽しみのひとつです。昨年この歌に出会ってから、2021年の書き初めにはこれを書こうと決めていました。

「春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さへて 冷(すず)しかりけり」。

仏教曹洞宗の祖・道元禅師が詠んだ和歌と言われています。季節を詠んだ歌ですが、その背後には「あたりまえであること」や「ありのままを素直に見ること」の難しさが垣間見えます。ただ季節は流れ現象は移ろってゆくのだから、何も特別なことは言う必要がないのだと教えているようです。

常に字が大きくなりがちなわたしにとって、半紙一枚にこの文字数を収めるのは至難の業でした。文字がバラバラに散らばりそうになるのを少しでも押しとどめ、全体のバランスを維持するには集中力が必要で、これがいっぱいいっぱい。でも、まあ、自分の実力を考えれば、よくできた方かもしれません。

一方、磁器作家・藤吉憲典が書いたのは、こちら。

上田秋成の随筆『胆大小心録』にあるという名言を拝借していました。藤吉の亡き父は、大量の書籍を遺してくださったのですが、そのなかの一冊『日本名言名句の辞典』(小学館)から、見つけ出した言葉です。これを機会に、上田秋成を読んでみようかな、と思いつつ。

わたしは『胆大小心録』を読んだことが無いのでその前後の文脈を知らず、「わたくしとは才能の別名也」がどういう意図で書かれたのか、ほんとうのところはわかりません。そういうときは、自分に都合よく解釈。「わたくし」一人一人の存在が、個々にそれぞれ「才能」なのであると読めば、とても力強く感じます。

一年のうち一日でも、こうして筆を持って字を書くことに集中できるのは、とても楽しく充実した贅沢。毎回粘り強く書を指導してくれるダンナに感謝です。

2021年仕事始め。本年もよろしくお願い申し上げます。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

2021年仕事始め。
本年もよろしくお願い申し上げます。

元旦は長崎本線の車窓から初日の出を拝むのが恒例となりつつありましたが、2021年はここ津屋崎でのお正月をゆっくり楽しみました。上の写真は、大峰山のてっぺんから津屋崎浜を眺める初日の出。

朝一番に地元の氏神様である波折神社に散歩がてら参拝。波折神社では、例年大晦日は地元有志「笑福会」による蕎麦やぜんざいの出し物があったりして、こじんまりとした境内が賑やかになるのですが、今回はその催しもなく静かな年越しだったようです。早朝の境内は、当番の氏子総代さんが待機しておられるほかは人に会わず、ゆっくりとお参りできました。

波折神社から戻ってきたら7時を回ったところでしたので、「今から行けば初日の出にちょうどいいんじゃない!?」ということで、車で大峰山へ。駐車場から遊歩道を歩いて登っていくと、すでに初日の出を待ち構える方々が何組かいらっしゃいました。なかには自転車で山道を登ってきた高校生と思しきグループも。待つこと10~20分ほどで、初日を拝むことができました。帰りには、鳥居越しに東郷神社にお参り。

お雑煮を食べて、おせちを食べて、分厚い新聞を読んで、年賀状をチェックして、読書して。午後からは浜辺を散歩。津屋崎浜から宮地浜へ。宮地浜では宮地嶽神社の参道の鳥居から、本殿方面を仰ぎ見て参拝。期せずして、元旦に三社参りが実現しました。こんなにゆっくりしたお正月は久しぶりでした。

本日1月4日から2021年度のお仕事スタートです。本年もどうぞよろしくお願いいたします!

豆皿に羊羹(ようかん)。

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豆皿に羊羹(ようかん)。

先日読んだ、「酒と肴まつ」さんによる『豆小皿料理一〇一銭』(秀和システム)に触発されて、ふだん食卓で何気なく使っている小皿豆皿を、料理の載っている状態で撮って残していってみようと思い立ちました。とはいえ、ふだんからあまりにも当たり前に使っているため、気が付けば食事が終わり「あ!撮るの忘れた!」のオンパレード。まあ、一日三食、おやつを入れたらそれ以上に機会がありますので、気長に撮ることにいたします。

食事のタイミングだとバタバタしがちですが、おやつは比較的気持ちに余裕があり、最初の一枚は羊羹となりました。

村岡総本舗の切り羊羹(紅練)/染付霊芝文小皿 藤吉憲典

染付霊芝文小皿 藤吉憲典
村岡総本舗の切り羊羹(紅練)/染付霊芝文小皿 藤吉憲典

佐賀県小城市は羊羹の町。花祭窯が佐賀にあったときは、小城市内の羊羹屋さんを制覇すべく、毎週末のように羊羹やさんに足を運んでおりました。羊羹、お店によってずいぶん味も変わります。村雲羊羹(むら雲堂本舗)の白練りの羊羹もおいしいですし、八頭司伝吉の小豆羊羹も大好きです。

写真の、村岡総本舗さんの紅練りは、手軽に買える定番羊羹のひとつですが、色の美しさがたまりません。数種類ある切り羊羹のなかで、わたしが味的に一番好きなのは「本練り」なのですが、ビジュアル的に美しく決まるのは「紅練り」かもしれないな、などと思いつつ。毎年10月から1月までの期間限定商品でお正月に買っておきたい黒豆羊羹は、さらに華やかな美しさでおいしく、手土産にも最高です。

小皿豆皿の楽しさをアピールするはずが、いつのまにか小城羊羹の宣伝になっていました(笑)

続・蕎麦猪口棚。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

続・蕎麦猪口棚。

念願の蕎麦猪口棚!を大川家具ドットコムさんのご協力でフルオーダーメイドしたのは、この夏のことでした。花祭窯のギャラリースペースで、まさに才色兼備で働いてくれています。おかげさまで、いまだ日に何度も眺めては、ニヤニヤしています。

この蕎麦猪口棚を、大川家具ドットコムさんで商品化してくださいました。もともとのサイズは、花祭窯のオーダーに合わせて作ってありますが、お客様のご要望に合わせて作っていただけるそうです。セミオーダーですね♪一つ一つ、熟練の大川家具職人さんが手掛けてくださるからこそできることだと思います。

藤吉憲典の蕎麦猪口ファンのお客様のなかにも、なかなか思ったような飾り棚に出会えないというお声がありましたが、その解決の選択肢の一つになるのではないでしょうか。個人のお客さまだけでなく、お店の什器としてご検討のお客さまにも、おすすめできる蕎麦猪口棚です。手掛けてくださる家具職人さんの腕が素晴らしいです。

そして現在、この蕎麦猪口棚は家具の産地・福岡県大川市の「ふるさと納税」の返礼品として、ご紹介されています。ふるさと納税をご検討中の方で、コレクション棚をお探しの方は、チャンスです。

ふるさと納税サイト【ふるさとチョイス】福岡県大川市ふるさと納税返礼品 コレクション棚(蕎麦猪口棚・グラス・陶器)

家具は決して安いお買い物ではありませんが、素晴らしいものに出会えれば、日常空間を良質にしてくれるプライスレスの価値があると思います。ふるさと納税で地域に貢献しつつ、手に入れることができたら、最高ですね。

 

読書『豆小皿料理一〇一銭』(秀和システム)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『豆小皿料理一〇一銭』(秀和システム)酒と肴 まつ

小皿・豆皿を使った盛付写真がカラフルで楽しいレシピ本です。「豆小皿」という言い方があるのねと思ったら、これは、著者の造語だそうです。「豆小皿」可愛い響きです。

まずタイトルを見て、これは「小皿豆皿」を扱うものとしては読まなければ!と思い、中のページを開いて、そのビジュアルの楽しさにワクワクしました。骨董の器を数多くお使いです。手描きのものだけでなく、転写紙(シール)のものもあり、金継ぎでなおしたものも多く、よりどりみどり。いずれも道具に対する愛情を感じました。すべての料理について、レシピだけでなく器の出どころも書いてあるのが、嬉しいです。

メイン料理をドーンといただくのではなく、小さな器に多彩な料理を少しづつ盛っていただくことによって、自然とバランスの良い食事になり健康的でもあるというくだりには、なるほどと思いました。年齢を重ねるにつれて「ちょっとづつ、いろいろ食べたい!」と思うようになるのを感じていますが、それは身体がバランスの良い食事を欲しているからなのかもしれません。

レシピは、わたし個人的にはやや難易度が高く感じました。材料にしても、近所のお店でふだん使いの買い物では手に入りにくいものもあるかな、と。そこは、さすがプロのお料理屋さんのレシピということですね。この本を読んで自分で作るよりは、「酒と肴 まつ」さんにおじゃましてご馳走になりたいです^^

ということは、手に入りやすい普段の食材で、簡単な小皿豆皿料理をご紹介したら、それもまた喜んでもらえるかもしれませんね。わざわざ作るというわけではなく、ふだんの食卓で登場する小皿料理・豆皿料理をご紹介するだけでも、小皿豆皿の楽しさを知っていただくことができそうだと、この本からヒントをいただきました。

それにしても、秀和システムさんはIT系の実用書・ビジネス書に強いイメージでしたが、思いがけず料理本。本書を手に取ったとき、思わず出版社名を二度見して確認してしまいました(笑)

九州陶磁文化館「特別企画展 柴澤コレクション」。

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九州陶磁文化館「特別企画展 柴澤コレクション」

佐賀県立九州陶磁文化館(以下、九陶)は、肥前磁器に携わるすべての人の宝物です。特に常設展示室を持つ「柴田夫妻コレクション」は、師匠を持たない肥前磁器作家・藤吉憲典にとって「師」ともいえる存在。その九陶で「特別企画展 柴澤コレクション」が開催されるとあり、情報を追っていました。SNSにアップされるコレクション画像の顔ぶれに「これは…見たい!!」と思いつつ、わたしは足を運ぶことができなかったので、ダンナ・藤吉憲典に託しました。

素晴らしい展示だったようです。見終わったその場から、ダンナから興奮気味の電話がかかってきました。曰く「すごかった。自分はまだまだ、もっともっと勉強しないと…!」。作り手にこう思わせるコレクションを公開してくださった、コレクターの故・柴澤一仁さん、九陶の皆さんに心より感謝です。

興奮冷めやらぬダンナ、九陶の方に「柴田コレクションみたいに、ぜひ常設室を作って展示してください!」とお願いしてきたようです。柴田コレクションはコレクションルームがあって、定期的に展示替えをしながら、いつでも見ることができるようになっていて、それは学びたい者にとって、とてもありがたいことなのです。九陶のなかに「柴田コレクション」と並んで「柴澤コレクション」の常設展示室ができたら、こんなにありがたいことはありません。

お土産に買ってきたもらった図録を眺めるほどに、「現物を見たい!」の思いが募りました。作品に添えられている解説も、学芸員さんたちの熱意が伝わってくるもので、とても嬉しく読んでいます。また一冊「手元に常に置いておく本」が増えました。ただ、総目録の写真が小さいのが残念でした。一覧性が高いので資料としての使い勝手はとても良いのですが。願わくば、柴田コレクションの時のように、コレクション一つ一つを大きな写真で見ることのできる図録を、時代別の分冊でもよいので作って欲しいと思いました。

佐賀県立九州陶磁文化館 特別企画展 柴澤コレクション

「特別企画展 柴澤コレクション」は、今週末2020年12月13日までです。会期残りわずかですが、肥前磁器の作り手は、必ず見に行くべき展覧会だと思います。

読書『旅する日曜美術館 東海・近畿・中国・四国・九州』(NHK出版)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『旅する日曜美術館 東海・近畿・中国・四国・九州』(NHK出版)

本日も読書記録が続きます。ご存じNHKの長寿美術番組『日曜美術館』を本にまとめたもの。わたし自身はテレビから離れて久しいので、日曜美術館もずっと見ていませんでしたが、昨年の学芸員研修会「展示グラフィック」のなかで、「構成・見せ方」のヒントがこの番組内にたくさんあると学んだのを思い出し、手に取りました。

「北海道・東北・関東・甲信越・北陸」編と、「東海・近畿・中国・四国・九州」編の全2巻。1976年の番組開始以来のアーカイブのなかから生まれた旅との設定の通り、番組中でのインタビューやメッセージなどのエピソードが盛り込まれています。文章と写真で美術館をたどる旅の本。

「東海・近畿・中国・四国・九州」編には、ワクワクする顔ぶれの36館が紹介されています。当然、ふつうの美術館ガイドブックとは少々趣が異なります。さまざまなエピソードも、いつ番組で放送されたもので、誰の発言によるものなのかが、明確になっています。それだけに、当事者の言葉として読む側に迫ってくるものがあります。

九州では、佐賀県の「九州陶磁文化館」(以下、九陶)も取り上げられているのが、嬉しかったです。上の写真は、その九陶が発行する図録の一部。九陶は「柴田コレクション」を誇る、藤吉憲典が陶芸家として師と仰ぐ存在です。「陶磁」に特化した美術館ですので、一般の人が足を運ぶことは多くはないのが現状ですが、佐賀県にとって、日本のやきもの文化にとって、とても重要な館です。そういう館を紹介してもらえるのは、とても嬉しいこと。

ただ、九陶のページで一緒に紹介されているエピソードのなかで、違和感を感じる部分が少なからずありました。「唐草の描き方を指導している人」のくだりは、いかにもテレビ用に設えられた感じがしますし、「様式を支える仕事」として紹介されている柿右衛門窯でのやり取りのなかにも、都合の良い美談と感じられるものがあり…あくまでも個人的な感想ですが。せっかくならば、九陶の学芸員(研究者)の方々のお話を載せていただいた方が、中立的であったはず、との思いが正直なところ。

自分の知っている館、知っている分野について、このように「すんなりとは同意しかねる部分」が見つかるということは、他館についても多かれ少なかれ、そういう部分があるかもしれないなぁ、と。いまだに「NHKの番組で言っていたから」と頭から信じてしまう人たちは、少なくないと思います。テレビ的な影響が良くも悪くもそのまま本書にも反映されているとしたら、ちょっと残念です。

とはいえ「読み応えのある美術館ガイドブック」であることには間違いありません。遠くへお出かけしにくい昨今、手に取ってみるのも楽しいと思います^^

そこに「愛」はあるか?

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

そこに「愛」はあるか?

週末、友人から声がかかり、ある会合に足を運んでまいりました。年齢も性別も職業も社会的立場もさまざまな十数名が、私人の立場で参加するというもので、共通しているのは、今住んでいる地域の未来を真剣に考えている、という一点のみ。

初顔合わせということで、まずは自己紹介兼ねそれぞれの地域に対する想い(=課題感)を共有するだけでタイムオーバーとなりましたが、それだけでもふつふつと湧き上がるものを感じる、面白い時間でした。

以下、備忘メモ。


  • 将来そこに帰りたいと思えるか。
  • 住まいと仕事場。
  • 腰を据えると決めたからこそ、腹が立つこと。
  • ビジネスをスタートしようとしたときの、風通しの悪さ。
  • 世界基準で見たときに、どうか。
  • 毎日歩き、見るからわかること。
  • とにかく情報を集める。
  • シビックプライド。
  • 愛情と誇り。
  • 地元民と移住者との温度差。
  • ひいきをする。
  • 下町。
  • 巻き込む。
  • 地域の分断。中立的な場所。
  • 「次」が無い。
  • ○○と言えば、□□。
  • その「次」の必要性。
  • キーマンはどこにいるのか。
  • その「場」はどこにあるのか。
  • 元気な事業者がたくさんいることの大切さ。
  • スピード感を阻む壁。
  • 変化の必然性。
  • そこに「愛」はあるか。
  • 他力。
  • 若者。

これからの地域を考えるとき、あらためて、「住まいと仕事・仕事場」「愛情と誇り」がキーワードになると感じました。地域が何をしてくれるのか、の前に、自分たちは地域で何ができるのか。これを考えることは、そのまま自分たちの事業の在り方を考えることにもつながります。

ふわふわとしたミーティングではなく、ちょっとした緊張感がまた楽しい時間でした。参加者それぞれが、これまでもシビアなビジネス環境(ビジネスに限りませんが)を当事者として乗り越えてきた方々だからこその、根拠ある視点、広い視野、変化への意欲に触れることができました。

新しいことがはじまりそうで、ワクワクしています。

優先順位を再確認。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

優先順位を再確認。

昨日までの数日は、読書記録のブログ記事が続きました。隙間時間の積み重ねではありながら、読書時間を確保できているのは、とても幸せなことです。「本を読む」は、わたしのこれまでの生き方のなかで、優先順位が高く、もっとも資本(時間とお金)を投下したジャンルだと思います。実際に数字を出してはいないので、あくまでも印象ですが。

2020年に新たに学びはじめたもののひとつに、タロットがあります。カードを読む訓練のひとつとして、毎朝一枚カードを引いています。一日のスタートに、それなりに示唆があるので面白く。今朝の一枚が「人生の優先順位を再確認してみるタイミングかも」と言っていたので、ちょっと手を止めて考えてみることに。12月に入ったところでもあるし、ちょうどよさそうです。

価値観(自分にとって何が大切か)がはっきりしている方だと思うので、意識しなくても自動的に優先順位がついていることが多いのですが、もしかしたら惰性になっているだけかもしれません。わたしの場合、日々の選択に対するスタンスは、自分の決定への信頼感というよりは、選択の結果に対して(それが失敗しても)受け止めるよ、というほどのもの。でも、自動運転に選択を任せているうちに、真に優先すべきことがないがしろになっているかもしれません。

そう思いながら、つらつらとメモを書き出してみると、確かに、年内にやり遂げたいと思いながらまだ見通しの立っていないものがいくつか出てきました。でも、やる気モードになっていないことをしようとすると、なかなか進まないので、すぐに取り掛かることはいたしません。まずは無意識に後回しになっていたものを、目に見える形にして意識に上ってくるようにするところから。

優先順位の番号を振って目に見えるようにして、「よし、やるぞ!」が下りてくるのを待ちます。それが完結するのが、目指すべき期間内であればよいのですが、ギリギリになって「やらざるを得ない」状況に自分を追い込むのもまた一つの方法です(笑)。ともあれ月の初めにこのカードが出たことに感謝。

ところでタロットを手に取ったきっかけは、夢のなかで、美術鑑賞を使った訓練との共通点に気づいたことでした。すなわち、丁寧に「見る」ことと、そこから何を「読み取る」か、ということ。わたしが美術鑑賞教育のなかで一番大切にしていきたいこれらのことが、カードをツールとして用いることでも展開できそうだということです。特にルネサンス絵画というジャンルでみたときに、タロットとの結びつきにハッとしたのでした。夢のなかで気づくとは、無意識おそるべし(笑)。