ひさびさ京都(2)東寺(教王護国寺)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

ひさびさ京都(2)東寺(教王護国寺)

映画「空海」をつい先日観てきたところでもあり、教王護国寺へ。

当初のお目当ては、講堂におられる仏像の数々でしたが、幸運なことに春季特別公開がちょうどこの日からスタート。講堂と宝物館と観智院の通しチケットで回ってまいりました。

宝物館の展示も素晴らしかったのですが、やはり講堂に居並ぶ仏像の迫力に圧倒されました。文化財について「本来あるべき場所にあってこそ、その素晴らしさがもっとも伝わってくる」と、以前どなたかがおっしゃっていましたが、ほんとうにそのとおりですね。

観智院では、宮本武蔵が描いたという襖画などがありましたが、個人的には、奥にある茶室に描かれていた襖画が素晴らしく感じました。上の写真は、観智院の庭から五重塔を眺めたところ。

東寺内で三カ所。ゆっくり時間をかけて観覧することができ、大満足でした。

読書『江戸の美術大図鑑』(河出書房新社)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

読書『江戸の美術大図鑑』(河出書房新社)

「江戸時代」と区切って日本の美術を紹介する一般書は珍しいのではないでしょうか。それともやはり専門書なのかな?ともあれ、単純に観ていて目に楽しいので、いろんな方にページを開いて欲しい本です。

個人的には、やはり仕事上江戸文化について学ぶことは楽しみでもあり欠かせない部分です。というのも、藤吉憲典の創作技術・文化の基礎である肥前磁器の歴史は、江戸時代にほぼ重なります。肥前磁器に現れる傾向は、そのまま「江戸(時代)の美術」の傾向に重なり、江戸の美術の変遷から当時の風俗がうかがい知れるのが、その面白さ。

本書の「はじめに」にもあるとおり、江戸の美術(文化)の最大の特徴は、庶民への広がり。それまで公家や武家のものであった美術が民衆化したことによって、新たな表現が生まれたり、「ブーム」が生まれたり。蕎麦猪口のブームも、江戸の庶民文化のなかで広がったものです。

タイトルに「大図鑑」とついているだけあって、豊富なカラー写真に加え、作者や作品についての解説もしっかり。トピックごとに文化人な方々の「エッセイ」があるのも、見方を深めるうえで役立ちます。

一番後ろには「江戸の工芸」として、染色、陶磁器、漆芸についても載っています。工芸の文様として用いられる意匠(デザイン)についてもページを割いてあるのが嬉しいところ。芸術・デザインに関わるお仕事をなさっている方にもぜひ手に取ってほしい本です(^^)

※福津市カメリアステージ図書館の選書ツアーで本書が館の蔵書に選ばれました。カメリアステージ図書館でも借りることができます(^^)

台湾・林先生からのお手紙。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

台湾・林先生からのお手紙。

一月に藤吉憲典が訪問した台南の芸術家・林文嶽さんからお手紙が届きました。

台湾で国宝級の陶芸作家である林文獄さんの芸術活動四十周年を記念するパーティーに参加し、工房とお住まいを兼ねた広大なスタジオに滞在したのでした。

書・水墨画・陶芸と活動範囲の広い林文嶽さんとたくさん話をするなかで、国や環境は違っても、文化芸術を心から愛し大切に思う気持ちと、芸術活動に取り組む姿勢、そしておそらく芸術家としての境遇にも共通点がたくさんあることが伺え、とても喜んで台湾から帰ってきたのでした。

台湾から帰国後に、お世話になったことへのお礼状を出していました。わたしは台湾語はやっと勉強をはじめたところで、ほとんど読むことができないのですが、美しい筆の文字と詩的な文章に、林さんからの気持ちが伝わってきて、とても嬉しく温かい気持ちになりました。

台湾語の堪能な友人に翻訳を頼んでみたところ「とても高尚な言葉遣いの文章」であることが判明。さすが現代の文人・林先生。ご縁にあらためて感謝の午後でした。

 

懐石茶会でした。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。先週末は

懐石茶会でした。

毎年この季節に行われる南方流の懐石茶会。前日の準備から当日の後片付けまで、学びの多い茶会運営のなかでも、もっとも時間をかけて行われるお茶会です。

南方流では、入門以来の成果を同門の皆さんにお披露目し評価していただく一番最初の機会となるのが、この懐石。感覚的には「試験」に近いでしょうか。入門者はまずはここを目指して精進することになります。わたしも目下ここに向かって修業中。

お炭手前に始まり、お食事をいただき、濃茶、薄茶までのフルコース。一席が約四時間のお茶会です。お食事と濃茶の間に一度席を立つ以外は座りっぱなし。自分が席に入らないときは、お台所やお運びのお手伝いをいたします。

亭主を務める方をお手伝いし、お客さん役をつとめるのが、この日の役割。わたしも3~4年参加していますが、毎年様々な手順を教えていただきながら確認しなおし、それでもなお緊張しながら臨みます。ただお手伝いする側でありながらこの状態ですから、当日亭主をお勤めになる方々の精神力はすごいものです。

一席を約半日かけてのお茶会は、最近ではどこの流派でも減ってきているというお話を耳にするたび、年に一度このような機会に参加できる我が身の贅沢を思います。

ともあれ今年の懐石茶会も終了。お手伝いとして大きな失敗もなく終わることができたので、なにより一安心でした。

 

福津市の歴史資料館。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

福津市の歴史資料館。

福津市複合文化センターカメリアステージ歴史資料館 のイベント講座に参加してまいりました。タイトル『歴史資料館を極めよう!』で、案内人は福津市文化財課の井浦さん。

「歴史資料館ができるまで」「展示解説(文化財・設備)」「まとめ」の三部構成でした。座学で福津市歴史資料館への理解を深めるにあたっての基本的な知識や背景を学んだあと、解説を聞きながら実物の見学、そして最後に参加者の皆さんと意見交換という、非常に贅沢なイベントでした。

すべての内容が面白く、参加人数は10名足らずでしたが質問が活発に飛び出し時間が押し押し(笑)予定時間の1時間半が足りないくらいでした。

2階にある図書館内の多目的室での講座→1階の歴史資料館に移動して展示観覧→1階のカフェコーナーでお茶を飲みながら意見交換。福津市複合文化センターカメリアステージをフル活用した組み立てで、とても楽しい時間でした。解散後は皆さん図書館で本を借りて帰っていたのは言うまでもありません。

これからこのような学びの場を継続的に設けていきたいと、館長の南さん。とってもとっても楽しみです(^^)

 

花祭窯新春展示、ご来場ありがとうございました!

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

花祭窯新春展示、ご来場ありがとうございました!

2月17日・18日の二日間、ここ津屋崎の花祭窯で新春展示を行いました。幸い両日ともお天気に恵まれ、津屋崎のご近所さんはじめ、福津・宗像・福岡の地元のお友だちがたくさん観にいらしてくださいました。

ここ数年、アート系の作品ができあがる都度にロンドンに行っていたので、実際にご覧いただける機会がほとんどありませんでした。今回そのなかからほんの一部ではあるものの、地元でご覧いただく場をつくることができたのは、自分たちにとっても嬉しいことでした。

食の器についても、個展のタイミングなどでほとんど津屋崎に在庫が無い状態が続いていたので、久しぶりにしっかりと「藤吉憲典の現在」の仕事ぶりをご覧いただくことができたなぁ、と。

「こういう企画があると、訪問しやすくていいね」とおっしゃってくださるお客さまが何人もいらっしゃって、とても嬉しく思いました。実のところこのような企画展示を告知していないときでも、通常営業時に訪ねて来てくださるのは大歓迎なのですが、やはり「訪問するきっかけ」があったほうが、気軽にお越しいただけるものかもしれませんね。

ご来場くださいました皆さま、誠にありがとうございました<(_ _)>

 

商工会の専門家相談。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

商工会の専門家相談。

専門的・具体的に調べたいことがあると、まず商工会に問合せ。その道の専門家の方を派遣していただけるかをたずねます。いわば駆け込み寺(笑)わたしの場合、IT関連でお世話になることもありますが、圧倒的に依頼頻度が高いのが仕業の先生方。

わからないことが出てくるとまずネットで検索な昨今ですが、商工会の専門家相談を利用すれば、無料でその道の専門家に調べていただくことができるのですから、素人の自分が四苦八苦するよりは、依頼してお任せしたほうがずっと良いのです(^^)

で、昨日は「弁理士」さんにお世話になってまいりました。1時間程度の相談時間ですが、あらかじめお聞きしたい内容を具体的に送っておけば、ピンポイントで必要な情報を提供してくださいます。おかげさまで知財関係の気になるところを一気に解決。いやほんとうに、ありがたいことです。

そういえば、学芸員研修で知財について勉強してきたのはいつだったかしら?と思ったら、もう1年以上前のことでした。定期的に学びなおしをしておくと、いざというときの対応であわてなくて済みますね(^^)

学芸員研修-著作権の基礎を勉強してきました。

まだまだ足りないわよ。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

まだまだ足りないわよ。

先日、ある人生の先輩から言われてギクリとした言葉です。

「難しい世界だとは思うし、あなただからここまでやって来れたのだろうとも分かる、でも」とちょっぴり持ち上げられたあとに続いた言葉でした。ギクリとしたのは、無意識のうちに自分のなかに生まれていた「そこそこ頑張ってるよね、わたし」という気分を見透かされたからなのだと思います。

思わず苦笑いしました。そうしたらその方もニヤッと笑って「ぜんぜん足りない。自分のキャリアもう一度見直してごらんなさい。恵まれてるのよ。まーだまだ!」と追い打ち。

年を重ねるにつれ、こんなふうにはっきりとダメ出しをしてもらえることが少なくなっていくというのが一般論。でもありがたいことに、忘れた頃にこんなふうに言ってくださる方が、わたしの目の前に現れるのです。ほんとうに有難いし、嬉しいし、恵まれていると思います。

だからこそ、次に会ったときには「まだまだ足りない」と言われないようにしたい。

写真は、昨年初めて登った、仙台・伊達政宗公の青葉城跡(^^)

 

最近お気に入りの本屋さん。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

最近お気に入りの本屋さん。

郊外型の暮らしで悩ましいのが、「本屋さん」が近くにあるかどうか。欲しい本が決まっていて指名買いするときはネットショップを利用すればよいのですが、やはり「本屋さん」という空間に身を置いて本を探す楽しさには代えられません。

花祭窯のある津屋崎も、いわゆる「町の本屋さん」は厳しい状況。博多まで出れば、紀伊國屋書店や丸善などがあり、最初は「博多まで行こう」という感じでした。でも最近、我が家から車で15分ほどのイオンモール内にある「未来屋書店」が、なかなか楽しいことに気づいたのです。

上の写真は、伝統文化や美術関係の書籍が並んでいる場所なのですが、明るくこじんまりとした空間の中央にソファとグリーンがあり、書籍の種類や量は多くはないものの、マニアックで興味深いものがならんでいるので、かなり楽しめます。

書架と書架の間も比較的ゆとりがあって、圧迫感がありません。新刊やおススメの書籍を紹介しているコーナーも、什器の高さがいいのでしょうか、とっても見やすいのです。大きな書店にありがちな、すごく楽しいけれど気がついたらぐったり疲れている、というようなことが無い広さと密度なのです。

徒歩圏内に居心地のいい図書館があって、車で15分行けば楽しい本屋さんがある。贅沢です(^^)

 

お雛さまの手元が気になる季節。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

お雛さまの手元が気になる季節。

フェイスブックを見ていたら、「お雛さまを出したよ」とアップしているお友だちがちらほら増えてきました。豆まきが終わったので、次はお雛さまですね(^^)

というわけで、我が家のお雛さまを出してみました。藤吉憲典のつくった雛香合。もともと我が家用に作る意図はなかったのですが、お雛さまの手に「扇」を持たせるのを忘れてしまったため、このお内裏様とお雛さまは、藤吉家にずっと滞在してくれることになったのでした。お内裏さまはちゃんと笏(しゃく)を持っているのですが‥(笑)

お客さまが「お雛さまが檜扇(ひおうぎ)を持っていないよ!」とご指摘くださるまでは、わたしも、つくったダンナも気づかなかったという失敗話。お客さまのもとに嫁ぐ前でよかったです。気づいてからは、お雛さまの手元がなんとも手持無沙汰に見えて仕方無いのですが、そのおかげでずっと家にいてくれるので、これもご愛敬ということで(^^)