津屋崎陶片ミュージアム:H290301001

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

しばらくご無沙汰していましたが、

津屋崎陶片ミュージアム。

相変わらず、ほぼ毎日増え続けている花祭窯・津屋崎陶片ミュージアムの陶片。

今回は、また金襴手の丁寧な絵付の陶片が仲間に入ったので、ご紹介です。これは幕末かな。

見込に染付で丁寧な菊花と唐草。周りには赤絵。赤絵ではっきり残っているのは赤だけですが、白く見えているとこもよく見ると、植物や山などの文様が描かれた線描きの跡が見えます。何色で描かれていたのかなぁと想像が膨らみます。

赤絵は上絵(うわえ)とも呼ぶとおり釉薬をかけた本窯焼成の上に、絵の具を載せて焼いているため釉薬による保護が無く、外的要因によって色が剥げ落ちます。そのため、海で洗われていた漂着カケラには赤絵が残っていないことが多いのです。

花祭窯津屋崎陶片ミュージアム

裏面は高台際の内側と外側に染付で線が引いてあります。線だけで文様は無かったようですね。そこが少し残念。もしかしたら明治の輸出伊万里かもしれません。

花祭窯津屋崎陶片ミュージアム

高台の径は7センチぐらい。5~6寸のなます皿サイズかなぁ、という感じです。

この手の陶片で、以前にご紹介していたものとしては、やはり染付と赤絵のついた7~8寸の金襴手のお皿がありました。こちらは裏側にも染付で文様が描かれていました。

津屋崎陶片ミュージアム~金襴手の華~H260629001

しかし今回は、赤絵が残っている嬉しさにも増して、見込に描かれた文様のきっちりさ加減が嬉しい陶片でした。染付の藍色の呉須(ごす)が少々焦げ気味で黒っぽくあがっていますが、それもまた個人的には嫌いではありません。

こういうものが上がってくるたびに再確認するのが、

時代を超えて「丁寧な絵付」がもたらす喜び

です(^^)

 

初!仙台に行ってきました。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

初!仙台に行ってきました。

生まれて初めての仙台。というよりは初めての東北地方上陸でした。

今回の出張目的は、宮城県美術館

宮城県美術館で「美術を使う」を体験してきました。

昨年秋に受けた学芸員の専門研修で宮城県立美術館の教育担当学芸員・齋正弘先生に出会い、

学芸員研修に行ってきました。

齋先生の著書にある「美術を使う」という概念が、自分が常々考えていたことへのアプローチとしてピッタリだと気づき

美術の使い方。

これは絶対に、実際に「美術を使う」ワークを体感して理解を深めたい!と思っていたのでした。

宮城県美術館で体験できる、おおよそ10歳未満の人が対象の「美術館探検」と、10歳以上の人が対象の「美術探検」。今回は、年齢的にちょうどその分岐点あたりにある息子を一緒に連れて行き、両方のワークを体験してきました。

いずれも「美術館を楽しむ」「美術を楽しむ」をより自由にするワークショップ。美術や美術館にちょっと近寄りがたい、子どもをどのように案内したらいいかわからないと思っている人にこそ体験してほしいものでした。

美術館・美術がもっともっと身近になるワーク。

お近くで興味のある方は、ぜひ足を運んでみてください(^^)

ところで現在、宮城県美術館では「ルノワール」を特別展示しています(~4月16日まで)。この展示に合わせてルノワールのトリビアを発信している宮城県美術館のツイッターをチェックしてびっくり。

ルノワールはもともとは磁器の絵付け職人見習いだった!

 

 

英語でプレゼンテーション講座、の成果物完成。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

「英語でプレゼンテーション講座」の成果物、完成しました。

先日、お勉強してきました~!というブログを書いておりましたが、

「英語でプレゼン」お勉強。

講座内でまだ完成していなかったのを、ようやく仕上げたのが、一番上の写真です。

講座のときは、これを手描きスケッチでつくっていました。講座内で発表した時にいただいた感想をもとに少し修正し、英文の最終チェックと修正を英語の先生に見てもらって、出来上がり。

日本語で考えていると、英語でピッタリの表現が見つからないことがしょっちゅう出てきます。なのでここ数年は、英語版の文章をつくるときは、最初から英語で考えるように心がけています。

プレゼンテーションとなると、「正しい(間違っていない)言い方」からさらに一歩進んだ「より的確な表現・効果的な表現」が求められるようになるので、そんな時は英語の類語辞典が大活躍です。日本語の文章つくるときもそうなのですが、「類語辞典」はとっても役立つうえに面白い。語彙を増やすのに欠かせません。

それでもネイティブの先生に見てもらうと「ちょっとニュアンスが違うから、こっちのほうがいいよ」ということが頻繁に発生します。先生がうちの仕事のことを理解してくださっているので、すごく的確なアドバイスをいただくことができ、ほんとうに恵まれているなぁ、と思います。

文章つくる⇒類語辞典で表現磨く⇒ネイティブチェック

延々とこの繰り返し。付き合ってくださる先生に心より感謝です。

 

「Vimeo」を使ってみた。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

Vimeo 使ってみました。

ロンドンでの個展を前に、磁器作家・藤吉憲典の世界観を海外の方に伝えることが補足できればと、ダンナの仕事の様子を動画で撮っています。動画の完成を控えて「どのように観ていただくのがいいのか」を少し考えてみました。

ちょこちょこと調べていたら、出てきたのがこのVimeo。「Video=動画」に「わたし=me」のニュアンスを採り入れた造語だとか。なるほど。

Vimeoの大きな特徴は、Vimeoのサイトによると…

「ハイクオリティ」
クリエイターを全力でサポート」

これって今回の目的に合っているよね!というわけで、さっそく使ってみました。

こちらは藤吉憲典の動画、予告編的モノクロショートバージョンです。

うん。なんだか嬉しい仕上がりです(^^)

動画のサイトとしては、YouTubeが有名で一般的ですよね。アクセス数を稼ぎたい、拡散したいという場合には、今のところやはりYouTubeが俄然強いようです。両方を目的に合わせて使い分けていくといいのかな、と思いました。

本編のロングバージョンは、もうすぐ完成します。こちらももちろん、Vimeoでアップする予定です。どうぞお楽しみに!

 

そういえば、「白洲正子」。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

そういえば、「白洲正子」という存在があった。

先日お客さまのお話を伺うなかで、思い出しました。「ほんもの」「確かなもの」「美意識」「格」「次第」そんなキーワードをお聞きしているうちに、ああ、そういえば、と。

10数年ほど前のことでしょうか、日本の伝統美とかいう話になると、必ずこの方のお名前が出てきました。普段そういうものに興味を示さない方でも名前を知っている、という感じでした。ブームが落ち着いた今でも、この方のやってきたこと、発信してきたものがあちらこちらに大きな影響を与え、しっかりと残っているのだと、あらためて感じます。

実はわたしは、白洲正子さんが書いた本はあまり読んでいません。って、大きな声で言えることではないかもしれませんね(笑)ただブームだった当時は、いろんな雑誌でいろんな切り口で彼女の特集が組まれていたので、そういうものをあちらこちらとかじり読み。気が向いては図書館で本をかじり読み。

そんなわたしが、「白洲正子関連の本」で唯一冊全部読み通したのが、これでした。白洲正子さんご本人の著書ではありませんが…。Amazonの書評では「すでに発表されている本からの切り貼り的な本」という評価もあり、つまり「概要」を知るうえで、当時のわたしには向いていたのですね。

この本のなかで出会った白洲正子さんの言葉のひとつに、とても大切にしたいものがありました。

「子供は美しいものを 一生覚えているものだ。」

だから、子どもには美しいものをたくさん見せたいな、と思いました。そして、これ、子どもだけではないと思います。大人だって、美しいものをたくさん見るのがいいな、と(^^)

 

小皿豆皿の愉しみ。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

少し前に、日光みそのたまり漬 上澤梅太郎商店さん の食卓が雑誌『婦人之友』で特集されていたのをこちらでご紹介しました。

ごはんと味噌汁、に思うこと。

小皿豆皿の愉しみがいっぱいの食卓。

このたび、そんな上澤さんの食卓に、藤吉憲典の染付小皿豆皿も仲間入り。実は一番上の写真は、店主の上澤卓哉さんがご自身のブログでご紹介くださっていたものをお借りしました(^^)

各地で「小皿豆皿の使い方」を聞かれるたびに、「漬物でもなんでも、ちょこっと盛るのに便利」ということをお答えしています。ほんとうに、何も考えずに盛るだけでいい感じに決まるので、とても重宝する器なのです。

我が家では、お正月や来客時に使うのはもちろんですが、実は忙しいときや「これ」といったおかずがないときこそ、小皿豆皿が活躍しています。というのも、珍味や香の物などはもちろん、中途半端な量に思える残りもののおかずも、小皿豆皿に盛り分ければ、立派な一品になるからです。たくさんお皿が並ぶので、かえって豪華に見えるという効果も(笑)

ハレの日もケの日も、それぞれに活躍する小皿豆皿。「作家ものの器、何から揃えたらいいかわからない」とおっしゃる方に、わたしは蕎麦猪口に次いで、小皿豆皿をおススメしています(^^)

 

毎日三食のお食事の写真とメニューを拝見、上澤家の食卓の様子はこちら
http://www.tamarizuke.co.jp/uwasawa/tyousyoku.html

 

「英語でプレゼン」お勉強。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

少しづつ春っぽい空気の日が増えてきましたね。

「英語でのプレゼンテーション講座」
に参加してきました。

5月のロンドン個展に向けて英語脳を少しは鍛えたいと思っていたところ、グッドタイミングな講座に参加することができました。今回はジェトロ福岡とジェトロ北九州が共催する勉強会でした。

2013年から海外への展開を考えるなかでジェトロさんのサービスにも何度かお世話になっていますが、ここ数年、国を挙げての海外展開支援の動きのなかで、ジェトロさんのサービスも、うちのような小規模でもとても使いやすいものが増えてきたように思います。

海外展開を考えるなかでお世話になった主な公的機関としては、九州経済産業局の国際課、中小機構九州の国際化支援課、ジェトロ(福岡・ロンドン・ニューヨーク)、福岡アジアビジネスセンターなどがあります。

それぞれに得意分野がおありで、親身に相談にのってくださいます。なかでも福岡県の出先機関である「福岡アジアビジネスセンター」は、福岡県内の事業者が海外展開を考えるうえで、大いに活用すべき場所であると実感しています。

さて

昨日の講座は、少人数でのワークショップ。「プレゼンテーション」のなかでも基本といえる「1-pager(ワンページャー)」の制作と発表でした。1-pager、すなわちチラシ1枚にまとめたプレゼン資料の作成、といったところです。

2時間半のうち最初の約30分は、英語に限らずプレゼンテーションのつくり方の考え方とコツのレクチャー。続く30分で各自自社商品・サービスのプレゼンテーションを英語で制作、休憩をはさんで残り時間でそれぞれのつくった1-pagerのプレゼン発表と講評。

つまり1-pagerのプレゼン資料=しかも英語で!を30分でつくりあげてアウトプットするという、わりと過酷(笑)なスケジュールだったのですが、やればできるものですね、参加者7名全員時間内に作ることができました。もちろんここからブラッシュアップして完成形に近づけていく作業が必要ではありますが。とてもいい機会をいただきました。

ところでこの講座、無料でした。先着順の少人数制で定員は10名でしたが、参加者は7名。知っていたら受けたかったという人はたくさんいただろうに、定員割れなんてすごくもったいないなぁ、と思いました。

今は各機関とも、サイトでの情報提供はもちろん、メールマガジンで最新情報を提供してくださっています。わたしも何本もメルマガを購読しています。今回の講座も、メルマガからの申し込みでした。

海外展開を考えておられる皆さま、活用しない手はないですよ~(^^)

 

 

 

磁器作家・藤吉憲典の絵付(染付ダミ)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

ロクロ、赤絵、染付(そめつけ)の線描きの様子をご紹介しました。続いては、

磁器作家・藤吉憲典の絵付(染付ダミ)。

藤吉憲典の染付の色を塗っている様子。染付の色を塗ることを、有田では「濃む(だむ)」と言っています。前回の線描きからの続き、約4分半です。絵をつけているのは定番人気の「染付波兎文蕎麦猪口(そめつけ なみうさぎもん そばちょこ)」。

呉須(ごす)と呼ばれる藍色を出す絵具の「濃淡」「筆の走り」だけでいかに表現するかが腕の見せ所です。

これまでの作陶の様子、実際の制作の順番的には次のようになります。

磁器作家・藤吉憲典のロクロ。

磁器作家・藤吉憲典の絵付(染付)。

磁器作家・藤吉憲典の絵付(染付ダミ)

磁器作家・藤吉憲典の絵付(赤絵)。

磁器作家・藤吉憲典の絵付(染付)。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

ロクロ、赤絵、に続いては染付(そめつけ)の様子をご紹介。生地を素焼きしたあとに釉薬をかける前に付ける「染付(そめつけ)」と、釉薬をかけて本窯焼成したあとにつける「赤絵(あかえ)」があり、制作工程の順番的には、染付のあと赤絵です。

磁器作家・藤吉憲典の絵付(線描き)。

もちろん藤吉憲典は全行程自分自身で行っているのですが、一般的には磁器制作は基本的には完全分業で、メーカーはもちろん、窯ものも、染付の絵付工程はさらに「線を描く人」と「色を塗る人」に分かれています。実は作家さんでも、どちらかの工程を職人さんに頼んだり外注するということが珍しくありません。

藤吉憲典の染付の線描きの様子。途中からです。約3分半。定番人気の「染付波兎文蕎麦猪口(そめつけ なみうさぎもん そばちょこ)」を描いているところです。

 

手元が上手に撮れていなくてすみません<(_ _)>
もっとわかりやすい画が撮れたら、あらためてご紹介いたしますね。

次回は染付の「ダミ」と呼ばれる色塗りです(^^)

 

 

磁器作家・藤吉憲典の絵付(赤絵)。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

昨日のロクロに続いて

磁器作家・藤吉憲典の絵付(赤絵)。

絵付には、生地を素焼きしたあとに釉薬をかける前に付ける「染付(そめつけ)」と、釉薬をかけて本窯焼成したあとにつける「赤絵(あかえ)」とがあるのですが、ここで紹介するのは、赤絵です。ほんの10秒ですが(笑)

赤絵のなかでも、これは「線描き」をしているところ。線描きは黒か赤でするのですが、赤絵窯に入れるまでは絵具が乾いていない=触ると滲んだり消えたりする状態のため、このように「触らないように」絵をつけています。

赤絵がぎっしり描きこんであるときは、描きながら触るところが無くなっていくので、途中で一度赤絵窯に入れて絵を定着させて=触れるようにしてから、つづきを描くということも少なくなりません。

ロクロの様子はこちら(^^)

磁器作家・藤吉憲典のロクロ。