台湾からのお客さま。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

いろいろなご縁がかさなって、

花祭窯に、台湾からのお客さま。

台湾の陶芸家・何志隆さんから、日本と台湾との陶芸における交流をしたいので、機会があれば花祭窯にも訪問したいというお話があったのは、一年以上前のことだったと思います。

今回、その何志隆さんの開発した「翡翠青磁」を広める活動をなさっている財団法人翡翠青磁文化芸術基金会の理事長・李壮源さんと、台日企業経営協会の李富山さんが、花祭窯にお越しくださいました。

今回の九州訪問では、佐賀県唐津・有田の両産地でいくつもの窯元を回り、佐賀大学で陶芸専攻の教授(ダンナの幼馴染!)とも意見交換をしてきたとのことで、最終日の当日は、お二人ともリラックスした雰囲気。

李壮源さんが花祭窯の展示を見まわしてまず手に取られたのは、書道道具のひとつである水滴でした。実は著名な書道家でもあられるということがわかり、ダンナ・藤吉憲典のつくった水滴や硯(すずり)を持ち出し、その出来映えや文様、歴史をめぐって楽しく盛り上がりました。

また当日たまたま部屋に掛けっぱなしになっていた、藤吉が書いた「徳は孤ならず必ず隣あり」の短冊の字を褒めてくださり、その言葉を選んでいたことをとても喜んで下さいました。花祭窯の狭小茶室・徳り庵の元となった、孔子の言葉です。

書の道具の話から、青磁の話、世界市場という視点でのやきものの歴史の話、津屋崎浜に上がる中国からの陶片の話へと広がり、最後はその場で即興で短冊に書をしたためてくださいました。

「台湾と日本との陶芸界における交流」を目的の来訪と聞いていたので、実のところ、なんの業界団体にも属さない一個人陶芸家の藤吉憲典がどんな話題をご提供できるものかと少し心配していました。

蓋を開けてみれば、とてもざっくばらんな心の交流で笑顔の絶えない時間となり、ほっと安心。上の写真からも、雰囲気が伝わると思います。とてもありがたい機会でした。次回台湾訪問の際には、必ずご連絡して、台湾のやきものの歴史と現在を案内していただくという嬉しい約束をしました。

ご来窯ありがとうございました!

 

福津市複合文化センターの歴史資料館

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

福津市複合文化センターの歴史資料館。

写真は、福津市複合文化センター(カメリアステージ)のフェイスブックページからお借りした、新原奴山古墳群の関連資料展示室。

先日、図書館ができた!という話題を提供したばかりでしたが

津屋崎に新しい図書館誕生!

あらためて同じ館の1階にある、歴史資料館に行ってきました。福津市にはこれまでに遺跡から出てきた遺物をまとめてきちんと展示できる場所が無かったため、ここにスペースが確保できたことはほんとうに嬉しいことです。

写真の新原奴山古墳群展示室のほかに、特別展示室がふたつと、その周りに回廊になっている展示スペース、そして持ち出しはできないけれども閲覧可能な書籍資料の部屋。歴史資料館は無料で気軽に入れる空間でありながら、見応えもあります。

先日、その特別展示室の設計に関わったという方が、偶然花祭窯にお見えになられ、少しお話を伺うことができました。ふたつの特別展示室は、防火設計をはじめ、重要な遺物等を展示するための基準を満たす設計がしてあるということで、とても嬉しくなりました。というのも、このような「ちゃんとした展示室」があることで、重要な遺物や、他館からお借りした遺物の展示紹介が可能になったりするのです。

わたしが訪問した時には、新原奴山古墳群展示室には、このたびの世界遺産登録に関する資料と思われる映像が流れており、なるほど楽しみながら学べるスペースになっていると感じました。

 

イタリアの専門家。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

イタリアの専門家にお話を聞いてきました。

イタリア・欧州を中心とした国際事業コンサルタントの専門家に、イタリアの現代アートフェアやギャラリーの市場調査をお願いしてみたところ、かなり具体的に必要な情報を調べてくださいました。

担当してくださったのは、博多駅南にあるディサント株式会社さん。現在、福岡県の出先機関である福岡アジアビジネスセンターの登録アドバイザーをなさっています。

「アート」「ギャラリー」という特異な分野にもかかわらず、こちらの期待する情報をばっちり集めてくださいました。ありがとうございます!

地域ごとの経済特性や、住んでいる方々の気質特長、各アートフェアの傾向など。自分一人では大量の時間を要する調査も、専門家はやっぱりすごいですね、短い期間でレポートをまとめてくださいました。

調査の中心はインターネットでの情報収集だったようですが、イタリアから受け入れておられる研修生から生の情報を確認しながらまとめてくださったレポートは、非常にリアリティのある内容で、すぐに生かせるものでした。

今回、レポート報告後の雑談のなかで一番「なるほど!」と思ったのは、イタリアからの研修生の一言「イタリア人は、まず『家ありき』なんだ」

家=家族=家族と一緒にいる空間・時間を大切にする

ということなのですね。その空間・時間が豊かなものになることが一番。そのためにも日々のお掃除で、まずは空間を常に美しく保っておくことというのは、とても重要なことなのだそうです。

感心しつつ、自らを振り返って反省しつつ、のひと時でした。

津屋崎に新しい図書館誕生!

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

津屋崎に新しい図書館誕生!

花祭窯から自転車で約5分。待ちに待った図書館がオープンしました。

福津市津屋崎の新しい図書館は、1階に歴史資料館とカフェ。2階が図書館。3階がオフィスフロアになっています。

個人的には、1階に歴史資料館が併設されているのがとても嬉しいです。福津市にはこれまでに遺跡から出てきた遺物をまとめてきちんと展示できる場所が無かったため、ここにスペースが確保できたことは画期的です。

2階にある図書館に上っていく手前の1階にあることで、歴史資料館単体だと足を運ばない人でも「ついでに」郷土の歴史資料を目にすることができるというのが、とてもナイスだと思います。目にすることで興味がわいてくることもありますよね。

福津市には、市役所に隣接してすでにひとつ図書館があります。全国的に公の図書館・関係機関は予算を削られる方向にあるなか、(福津市も図書館への予算は十分ではないものの)ふたつ目の図書館ができあがったというのは、市民として幸せなことかな、と思います。

文化的な拠点として、これからどのように運営されていくのか、とってもとっても楽しみです。

 

神戸のギャラリー壺屋さんで個展です。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

7月下旬は、

神戸のギャラリー壺屋(つぼや)さんで個展です。

壺屋さんもまたギャラリーをオープンなさって20年目。壺屋さんのオープンに至る経緯についてはこれまでにもお話を伺っていましたが、この6月に20周年を迎えた花祭窯とほぼ同時期のスタートであったことを、個展案内状に添えられた言葉からあらためて感じました。

由緒ある茶陶の作家さんを中心に、お一人お一人との関係性、ひとつひとつの企画を厳しくこだわりぬいていらっしゃった壺屋さん。自分の美意識とつくりたいものへの欲求に正直に、道のりを開いてきた藤吉憲典。

そんな二者による初個展。この出会いが、お客さまにとって楽しく嬉しいものでありますよう。


藤吉憲典展

平成29年7月22日(土)~30日(日)
11時~18時【期間中無休】

ギャラリー壺屋
神戸市東灘区御影本町6-2-25
TEL078-843-5288
http://www.tsuboya.co.jp/

津屋崎陶片ミュージアム:H290712染付のお皿。丁寧な仕事。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

津屋崎陶片ミュージアム:染付のお皿。丁寧な仕事。

有田焼の磁器生産は歴史的に各工程が「完全分業」です。そのため、海あがりの陶片も「せっかく形はきれいなのに、絵付がひどい」とか、絵付のなかでも「線描きはこんなに丁寧なのに、ダミ(色塗り)がどうしてこうなる?」とか、「表はきちんと描いているのに、裏が恐ろしく手抜き」とかいうものが、少なくありません。

そんななかダンナが拾ってきた、染付のお皿。

津屋崎陶片ミュージアム:丁寧な染付

唐草も地紋も、見込の松竹梅も、とっても丁寧に描かれています。

津屋崎陶片ミュージアム:丁寧な染付

高台がきっちりきれいに仕上げられていて、お皿の裏側にもきちんと絵付が施してあります。

このように形のつくりも、表も裏も、丁寧になされている陶片を見つけると、無条件に嬉しくなります。関わった職人さん皆が丁寧にいい仕事をしたもの。

こういう仕事を見つけると、つくり手も背筋の伸びる思いがするようです。

ちなみにこの「完全分業」、いまだに佐賀有田の産地では継承されていますが、「高度な専門化を目指した結果」というのは実は表向きで、江戸時代に職人技術の他藩への流出を防ぐための方法として、佐賀鍋島藩が敷いた方針だったというのがほんとうのところのようです。

 

津屋崎陶片ミュージアム:H290707宋・龍泉窯系青磁。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

津屋崎陶片ミュージアム:宋の龍泉窯系青磁。

上の写真は、福津市津屋崎小学校内にある在自西ノ後遺跡(あらじにしのあといせき)の展示です。わかりやすい解説付きで、遺跡がそのまま残っているほか、遺物の展示も行われているので、小学校に足を運ぶ機会があるたびに、思わず見入ってしまいます。

そのなかに「これ見たことがある!」というものがいくつもあるので、今回は、展示されている龍泉窯系青磁と同じ文様のものを、海あがりの陶片から探してみました。

津屋崎陶片ミュージアム:龍泉窯系青磁

津屋崎陶片ミュージアム:龍泉窯系青磁

津屋崎陶片ミュージアム:龍泉窯系青磁

やはり同じものがあがっているのですね。こうしてルーツが明らかになる嬉しさも、陶片の愉しみのひとつです。

青磁の陶片はこれまでにも何回も(笑)

津屋崎陶片ミュージアム:H290620青磁いろいろ。

在自西ノ後遺跡については、こちらにも取り上げています(^^)

津屋崎陶片ミュージアム~青磁の陶片

蕎麦猪口の桐箱について。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

蕎麦猪口の桐箱について。

蕎麦猪口倶楽部では、桐箱はご注文の都度、ご希望に合わせて桐箱屋さんに発注して作っていただいています。

蕎麦猪口の数によって異なるのはもちろん、桐の材質、蓋の合わせ方、紐の有り無しなどによって金額が変わってくるため、その都度見積もりを取ってお客さまにお知らせしています。

このたび、蕎麦猪口が1客の場合、2客の場合で、最もご要望の多いパターンでの桐箱代金の目安を掲載いたしました。だいたいどれくらい費用がかかるものか、ご参考にしていただけると幸いです。

蕎麦猪口・小皿豆皿の桐箱について

 

 

津屋崎陶片ミュージアム:H290704幕末の金襴手大皿

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

津屋崎陶片ミュージアム:幕末の金襴手(きんらんで)大皿

津屋崎陶片ミュージアム幕末金襴手大皿

別の日に見つかった二つの陶片。同じ大皿の一部と思われます。こういうことがたまに起こるのがまた、海あがり陶片の面白さ。

染付の藍色の部分はガラス質の釉薬の下に描かれているので、海で洗われても絵が落ちないのですが、器の表面に描かれる赤絵(上絵)は消えてしまうことが多いです。赤の色が残った貴重なカケラ。

よく見ると何も描かれていないようにみえる面にも、絵が描かれた跡がうっすらとあるのです。松の木、梅の枝、波が描かれていたのかな。何色が使われていたのかなぁと、気になります。

津屋崎陶片ミュージアム幕末金襴手大皿

このころはお皿の高台が大きいものが多いようですが、それでも尺(約30cm)はあるのではないかと思われるサイズの大皿です。

幕末~明治ごろの金襴手は以前にも紹介したことがありました。

津屋崎陶片ミュージアム:H290301001

2017年下半期朝勉スタート。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

2017年下半期朝勉強会スタート。

花祭窯で開催している月に1度の津屋崎朝勉強会。半年ごとに継続するか退会するかの意思確認をしながら、メンバーも入れ替わり立ち代わりしつつ、ゆるゆると継続しています。

今日は2017年下半期の第1回目。とはいっても上半期からメンバーが変わらなかったので、いつも通りのスタートでした。

勉強会の柱は「最近どう?」

簡単に言ってしまえば、それぞれの取り組みを聞き、自分の現状を話すというそれだけのことですが、これがまあ大きな気づきのもとになるのです。

もともと「全員異業界」であることが特徴の集まりなのですが、このところその幅の振れ方がより大きくなり、ますます面白くなっています。人数は3名から多いときでも8名なので、人数的には多くないのですが、その職業がさまざま。

ざっくり分けても飲食業、製造業、小売業、農業、仕業…と、ほんとうにいろんな視点での意見交換ができます。共通点は個人かまたは家族経営に近い事業形態であるところ。

ついつい専門バカになりがちで、視野が狭くなりそうなところを、腹を割った話のできる仲間たちに、とても助けられています。