お酒を呑みながら建築のお勉強・その8

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

お酒を呑みながら建築のお勉強・その8

毎回楽しみな隣町・宗像にお住まいの建築家、株式会社藤井設計室・藤井さんご夫妻のご好意で開催されるスライドショー&勉強会。今回も素晴らしい時間でした。

昨年来、西洋美術史関連の本を読み漁りつつ、わかってきたことがあります。それは「お酒を呑みながら建築のお勉強」で少しづつ素地を積み上げてきたおかげで、西洋美術史の本に書いてあることへの理解が格段に深く良くなっていること。あくまでも自分比ですが(笑)

すなわち西洋史のなかで、建築史=美術史をほぼ同義に読みとることができる時代が長いということなのですね。多くの芸術家が建築家であり彫刻家であり画家であり、というような時代はもちろん、その前後においても、建築と芸術は切り離せないものだとつくづく。

さて今回のスライドショーは、番外編。「住む」という「必要性」にスポットが当てられた内容でした。ヨーロッパ各地の、「ここに住むしかなかった人たち」が築いた、住み家・街の景色とその背景についての解説。状況が語る悲壮感に反して家や街に質素な美しさがみられることに、人間の強さと美意識を感じました。

それにしても、切り口(テーマ)によるさりげない問題提起も含め、藤井さんの実体験に基づいたスライドショーならではの奥深さ。このような機会に参加できることが、ほんとうにありがたいのです。

 

読書『イギリスと日本ーその教育と経済ー』(岩波新書)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

読書『イギリスと日本ーその教育と経済ー』(岩波新書)

先日、直方谷尾美術館に行ったときに、常設展示室で偶然開催されていた直方図書館の古書交換会で手に入れた一冊。ちょうどイギリスの教育に興味が湧いてきていたところにこの本を発見し、「若干情報が古いかも!?」と思いつつもありがたく頂戴してきたところでした。

読んでまず思ったのが、この本と出合えた幸運。著者の森嶋通夫さんは、経済学者でロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)の名誉教授。この本を執筆なさったときはロンドン大学教授の肩書です。2004年にご逝去されており、この本に出合わなければ、わたしは存じ上げることのない方だったかもしれません。

1975年の講演をもとに1977年に第一刷がでている本書。つまり40年前の本なのです。が、アマゾンで調べたら2003年1月21日刷がでてきました。それはつまり、40年前に書かれたこの本から、今もなお考えるべきことがたくさんあるということですね。

ページをめくると最初に現れる「はしがき」に、「日本でいま教育問題が大きな社会問題になっていますが、その解決策とまではいかなくても、せめて改善策を見つけるための、一つの資料を提供するという意図で、イギリスの教育についてお話したいと思います」と1977年当時の筆者が書いておられます。

が、2018年の現在も同様に日本は「教育改革」の方向性をいかにすべきか試行錯誤の状態。常にベターな状態を目指すべき「教育」ですから、「これが正解」に辿り着くことは永遠にないのかもしれません。そんな教育問題を考察するうえで大きな示唆のある本であると思いました。

1975年といえば終戦後30年。その当時の統計的裏付けを含みながらの、日本とイギリスの比較文化論。講演ならではのわかりやすい語り口の文章であることも相まって、とても興味深く面白く読みました。

教育の在り方について考察を深めたい方に、おススメの一冊です。

ギャラリー栂さんに持っていくもの。その4。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

ギャラリー栂さんに持っていくもの。その4。

本日、岡山のギャラリー栂さんでの藤吉憲典作品展は初日です。

野鳥とピラカンサスをテーマにした陶箱は、もう何代目でしょうか。いずれも気がつけば SOLD OUT。つくるたびに、形・サイズ・野鳥の枝へのとまり方・ピラカンサの枝ぶりなどが異なりますが、持つ雰囲気は一貫しています。

肥前磁器の伝統文化が現代的に昇華した」ものとして、わかりやすいひとつ。日本のお客さまには「新しいけれど、なんとなく懐かしい」、ロンドンのお客さまには「日本らしさ(日本人らしさ)が滲み出ている」作品と受け取っていただいているようです。

今回の箱は、蓋の枝ぶりがまた見どころ。平面から立体へ。その美しさをご確認ください(^^)

藤吉憲典、鳥陶箱


花祭窯 藤吉憲典作品展
4月17日(火)~4月27日(金)
(注)4月23日(月)は定休日
10:00~17:00

《美酒の会》4月21日(土)18時~(お食事5000円+お酒代)
美酒の会のご予約は、栂さんにお電話(TEL0869-92-9817)にて。

ギャラリー栂
岡山県和気町清水288-1(TEL0869-92-9817)(地図はこちら)

 

鋤田正義写真展@直方谷尾美術館。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

鋤田正義写真展@直方谷尾美術館。

とっても個人的なことですが、2013年に福岡は福岡パルコで開催された鋤田正義写真展「きれい」に足を運べず「見そびれちゃった」と思っていたら、2016年1月デヴィット・ボウイが亡くなってしまい、ずっと心に引っかかっていたものがありました。

直方谷尾美術館の学芸員さんとは、昨年の学芸員研修でご一緒したことがあり、一度伺いたいと思っていました。そこに、鋤田正義さんの写真展が生まれ故郷の福岡・直方(のうがた)にあるこの美術館で開催されると知り、チャンスとばかり行って参りました。

作品そのものが持つパワーを感じたのはもちろんのこと、展覧会タイトル「ただいま」に込められたいろいろな思いをイメージする展覧会でした。直方で生まれた鋤田正義さんが、写真に興味を持ち、そうそうたるミュージシャンに信頼され世界を飛び回る写真家になった。そこに思いを寄せることのできる展覧会でした。

直方谷尾美術館サイトはこちら

それにしても、自分やダンナと同年代かそれ以上の年齢層のファンがたくさん。思わず心のなかで「そうだよね~」としみじみ。わたしがデヴィット・ボウイのファンになったのは中学生になってすぐのころ。それからずっとわたしにとってのヒーローでした。そして、そのヒーローを間近でずっと撮り続けた鋤田正義さん。やっぱりすごいです。

会期は2018年5月20日まで。興味のある方はぜひお出かけくださいね。

おまけのお薦めは、別館のアートスペース谷尾。本館から歩いて5分ほど。この奥にある古高取焼の出土品の展示が良かったです。茶入れ・水差し・茶碗・向付など、姿の良い茶陶がいくつも展示されていました。残念ながら完品はほとんどありませんでしたが「これ完品だったらすごくいいだろうね~」と思われるもの多々。展示数は少ないながらも、とても興味深い内容でした(^^)

直方谷尾美術館別館アートスペース谷尾

ギャラリー栂さんに持っていくもの。その3。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

ギャラリー栂さんに持っていくもの。その3。

ギャラリー栂さんでの個展は、2016年以来の2回目となります。その1回目の個展のときから「藤吉さんのサイを見たい」とおっしゃってくださるお客さまがあるとお聞きしていました。

ひとつ制作するのに、かなりの時間と手間と精神力を要するサイ。これまでに制作したものは、すべてロンドンのギャラリーで “SOLD OUT” 。今回の栂さんでの個展に、小さいサイがなんとか間に合いました。

藤吉憲典、サイ

ぜひ、サイに会いに来てください(^^)


花祭窯 藤吉憲典作品展
4月17日(火)~4月27日(金)
(注)4月23日(月)は定休日
10:00~17:00

《美酒の会》4月21日(土)18時~(お食事5000円+お酒代)
美酒の会のご予約は、栂さんにお電話(TEL0869-92-9817)にて。

ギャラリー栂
岡山県和気町清水288-1(TEL0869-92-9817)(地図はこちら)

 

ギャラリー栂さんに持っていくもの。その2。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

ギャラリー栂さんに持っていくもの。その2。

続々と出来上がっています。

オーナー・栂さんの「藤吉さんの作風の幅広さを、皆さんにもっと知ってもらいたい」とおっしゃる嬉しい気持ちにお応えしようと、このところほとんど在庫の無かった「アート系」もいくつか間に合わせることができそうです。

藤吉憲典、カエルと紫陽花の陶箱

最新作、カエルと紫陽花。


花祭窯 藤吉憲典作品展
4月17日(火)~4月27日(金)
(注)4月23日(月)は定休日
10:00~17:00

《美酒の会》4月21日(土)18時~(お食事5000円+お酒代)
美酒の会のご予約は、栂さんにお電話(TEL0869-92-9817)にて。

ギャラリー栂
岡山県和気町清水288-1(TEL0869-92-9817)(地図はこちら)


お一人でも多くの方に、楽しんでいただけると嬉しいです。

 

BBC Radio 2。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

BBC Radio 2。

英国BBC放送の「Radio 2」。今もまさに、パソコンでこのチャンネルを聴きながらブログ書き。つくづく便利な時代になりましたね(^^)

先日の「BOSEが来た!」にも書きましたが、そもそもは英語に耳を慣らそうと聴きはじめたBBCラジオ。ところがチャンネル2の選曲がツボにはまり過ぎて、音楽ばかりかけ流しで聴いているという次第です。

英会話の先生曰く「BBCはイギリスの国営放送だけれど、自由度の高さが素晴らしい」と。ニュースなど時事的なものをもっと聞くようになると(聞き取れるようになると)、そのあたりも自分で実感できるようになるのだろうな、と思います。

チャンネル数が多く、多種多様な好みに対応しているのもすごいです。ときどき聴くチャンネル3は、クラシックやジャズ。ちなみにチャンネル2のなかでも気に入っているのが、現地時間では早朝に放送されている The Chris Evans Breakfast Show。ニワトリの鳴き声とともにはじまるテンション高めのこの番組、子ども向けにもつくられていて、ほのぼのと楽しく元気が出ます。

皆さんも気が向いたら、BBCで自分のベストチャンネル探してみてはいかがでしょうか(^^)

 

ゲティさんのこと。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

ゲティさんのこと。

先日映画館に行ったら、予告チラシのなかに「ゲティ家」の文字を発見。ちょうどゲティさんについて、背景知識を学んでおこうと思っていたところだったので、なんというタイミング!と驚いたのでした。

「ゲティ」といえば、アメリカにあるゲティ美術館。ゲティ財団は、美術品のコレクターとしても知られた石油王ジャン・ポール・ゲティにより設立された私的財団で、芸術機関としては世界一の資産を保有。カリフォルニア州ロサンゼルスにあるゲティ・センターとゲティ・ヴィラの2カ所にあるゲティ美術館を運営しているほか、ゲティ基金・ゲティ研究所・ゲティ保存修復研究所があります。(参考:Wikipedia)

ゲティ財団 http://www.getty.edu/

わたしの言っている「ゲティさん」は、レディ・ゲティ。石油王ジャン・ポール・ゲティ卿のご子息サー・ジョン・ポール・ゲティ・ジュニアの3番目にして最後の奥さんです。サー・ジョン・ポール・ゲティもまた、特に英国での芸術・文化への多大な支援と多額の寄付を行った方。

そんなサー・ポール・ゲティの奥さんレディ・ゲティもまた、美術品蒐集家として有名な方で(というのもギャラリーオーナーから教えていただいて初めて知ったのですが)、セラミック・アーティスト藤吉憲典の作品コレクターの一人でもあるのです。2014年のロンドンデビュー以来、Sladmore Contemporaryギャラリーを通して、継続的に藤吉の作品をコレクションに加えてくださっています。

芸術・文化活動に造詣の深いゲティ一族に名を連ねるレディ・ゲティのプライベートコレクションに作品が入っているというのは、アーティストとして純粋に嬉しいこと。そんな経緯で、レディ・ゲティひいてはゲティ家のことを少しは勉強しておかなければと思っていたところなのでした。

映画「ゲティ家の身代金」は5月25日公開。

でも、それよりもなによりも、ゲティ美術館のあるロサンゼルスに行かねば!です。

 

(注)プライベート・コレクターのお名前を出すことについてSladmore Contemporaryの了承を得ています。

 

 

 

ひさびさ京都(2)東寺(教王護国寺)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

ひさびさ京都(2)東寺(教王護国寺)

映画「空海」をつい先日観てきたところでもあり、教王護国寺へ。

当初のお目当ては、講堂におられる仏像の数々でしたが、幸運なことに春季特別公開がちょうどこの日からスタート。講堂と宝物館と観智院の通しチケットで回ってまいりました。

宝物館の展示も素晴らしかったのですが、やはり講堂に居並ぶ仏像の迫力に圧倒されました。文化財について「本来あるべき場所にあってこそ、その素晴らしさがもっとも伝わってくる」と、以前どなたかがおっしゃっていましたが、ほんとうにそのとおりですね。

観智院では、宮本武蔵が描いたという襖画などがありましたが、個人的には、奥にある茶室に描かれていた襖画が素晴らしく感じました。上の写真は、観智院の庭から五重塔を眺めたところ。

東寺内で三カ所。ゆっくり時間をかけて観覧することができ、大満足でした。

読書『英語でアート』(マール社)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

読書『英語でアート』(マール社)

佐藤実・宮本由紀共著

英語とアート。以前から、この組み合わせでの情報を得られる場として、フェイスブック上でチェックしていたのが、Art Alliance「英語を使ってアートを学ぼう!」の情報でした。

Art Alliance「英語を使ってアートを学ぼう!」

上京のタイミングが合えば、英語講座に参加したい!とずっと眺めていたのですが、なんと、主催者の宮本由紀さんの本が出る!ということで予約注文してゲットしたのがこちら。

帯にあるとおり、たしかに「ただの英会話の本ではありません。」

ロンドンのギャラリーとやり取りをするなかで、たしかに日常会話でもなく、かといってビジネス英語でもない独特の距離感の英語を感じ、試行錯誤しながらやってきておりましたので、この本を得て百人力。

この本を読んで、さらに「アーティストのための英語講座に参加したい!」と思いました。海外展開を目指すアーティスト必携です(^^)