【開催報告】世界史を建築家の視点で学ぶ! 第4回ロマネスク・ゴシック

こんにちは。Meet Me at Art ふじゆりです。

【開催報告】世界史を建築家の視点で学ぶ! 第4回ロマネスク・ゴシック

写真は株式会社藤井設計室のフェイスブックページからお借りした、ゴシック建築のひとつ、フランス・シャルトルの美しい大聖堂。

株式会社藤井設計室・藤井昌宏氏のトークが炸裂する「世界史を建築家の視点で学ぶ」勉強会。おかげさまで、宗像メイトムでの第4回目を無事開催いたしました。

藤井さんのお話がなぜ特別に響くのか。その理由は、藤井さんの「その地を実際に踏んできた」ところによるお話の力強さと、例えば一つの建築物について語るにしても広範囲からの視点をもってトークが繰り広げられる「博識」によるものだと思います。この講座で得られる「なるほど、それがこうつながるのか!」という自分のなかでの発見が、一番の魅力かもしれません。そしてなにより、これらを伝えていきたいという藤井さんの使命感と情熱を感じます。

以下、備忘(^^)


  • 現代から古代までさかのぼって(約4千年)、つながりをもって追うことができるのが、建築の歴史の魅力。
  • なにかを新しく作ろうというときに、過去の例に学ぼうとするのは古今東西同じこと。
  • 研究・学問の機関としての教会や寺社。この側面は洋の東西を問わず同じ。
  • 「ゴシック」とは「ゴート族みたいな」という意味であり、わかりやすく言えば「粗野な感じ」。
  • 中世の街・カルカソンヌ(フランス)。経済システムとして成立する街づくり・教会づくり。
  • チェコのプラハはゴシック建築で花開いた街。
  • ゴシックの時代は、構造と装飾が一致している最後の時代。
  • フランスのモン・サン・ミシェル(11-15世紀)は、ゴシックの象徴的な景色。

なかでも中世の街が残るカルカソンヌの「街をつくるにあたり、まず教会や街(城壁)をつくるための建築材料の工場をつくるところから始め、工業で材料と資金を生み出しながら街をつくっていった」という説明が心に残りました。

今、行ってみたい街は、カルカソンヌとプラハです(^^)

 

伊万里市民図書館に行ってきました。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

伊万里市民図書館に行ってきました。

11月1日、福津市の図書館協議会の視察で伊万里市民図書館へ。写真は図書館内にある、読み聞かせの部屋の天井にある素敵な仕掛け。

年に2~3回の図書館協議会。今年はそのうちの1回が、念願の伊万里市民図書館視察となりました。全国から視察が訪れるという当館ですが、福津市図書館協議会の今回の一番の目的は、図書館ボランティアの在り方を知ることでした。

伊万里「市民」図書館。「市立」図書館ではなく「市民」図書館。ネーミングにそのスタンスが象徴されています。伊万里市民図書館を支えている友の会「図書館フレンズいまり」は、市民活動の結果誕生した自分たちの図書館を、大切に守り育てていく責任から発足した組織でした。

実はこの訪問のほんの4日前に、お友だちが「伊万里から友人が来ているので、連れて行きます」と花祭窯に遊びにいらっしゃいました。「伊万里といえば、今度図書館に視察に伺うんですよ」とご挨拶したところ、なんと一緒に来られた方こそが「図書館フレンズいまり」の役員であり、市民活動の時代から中心的役割を果たしてきている伊万里市議の盛さんだったのでした。

お互いまったく意図しないところからのご縁に大喜び。いわばキーパーソンに、個人的にお会いし、お話をお聞きすることができたのです。こんなこともあるのだなぁと、一層気の引き締まる視察となりました。いつも思いがけないご縁をつないでくださるお友だちに、大感謝です。

当日は、市役所から学校教育部長、担当課長、図書館の館長・スタッフさん、そして協議会の市民メンバーで和気あいあい。質疑応答では踏み込んだ質問も飛び出して、それぞれに学びと気づきの多い一日となりました。あとは、これを「福津市版」に発展させ、生かすことができるかどうか。

「わたしたちの図書館」という意識こそが大切なのだということに、あらためて思い至った一日でした。

 

読書『わたしを離さないで』(早川書房)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

読書『わたしを離さないで』(早川書房)

写真は、本とは関係ありませんが、宮崎行きの電車から撮った景色。

さてカズオ・イシグロ作品、2冊目です。本の内容について、まったく事前情報を入れずに読みはじめました。前回読んだ『遠い山なみの光』もそうでしたが、読みはじめてすぐに引き込まれ夢中に。景色や登場人物の表情があまりにもはっきりとイメージできて、動画を見ているような読書時間でした。移動時間や就寝前を使って2日で読了しました。

読書『遠い山なみの光』(早川書房)

『遠い山なみの光』と同様、主人公の淡々とした語り口でストーリーは進むのですが、読みはじめてすぐに「そうなのかな」と匂わせてじきに明らかになる重々しいテーマに、なんともやりきれない読後感が残っています。

それにしても、『遠い山なみの光』とはまったく異なった雰囲気を感じました。あとの解説を読んで、そのなかにカズオ・イシグロ氏がブッカー賞を受賞した後のインタビューでの受け答えの一部が引用されていたのですが、そこに、その理由がありました。いわく、賞をとったりすると、そのとき賞賛された書き方を捨て去ることが難しくなり、そのことが作家としての危機をもたらす、というようなことでした。つまり、意図的に新しい書き方、新しい表現方法にチャレンジしを変えているのですね。

高く評価され成功を収めた方法を捨てるのが難しく、そこから抜け出せずにダメになってしまうことがあるというのは、陶芸作家やアーティストにもよく言われることで、実際にそういう人たちを見てきてもいるため、とても響きました。

ところで『わたしを離さないで』は、映画になっていたのですね。日本ではドラマにまでなっていたのを知りませんでした。小説の世界観がどのように映像になっているのか、映画は見てみたい気がします。

スタートしたばかりのカズオ・イシグロ作品追っかけ。ますます楽しみになってきました(^^)

 

【開催報告】福岡acad.住まいづくりのセンスアップ建築講座「アール・ヌーヴォー」

こんにちは。Meet Me at Art 藤吉有里です。

【開催報告】福岡acad.住まいづくりのセンスアップ建築講座「アール・ヌーヴォー」

福岡acad.の建築の歴史講座、福岡市内・天神での初開催となりました。

(※福岡acad.はアート、工芸、建築、デザインに効く勉強会を企画するプロジェクトです)

平日、水曜日の午後とあって、住宅関係のお仕事をなさっている方や、フリーで仕事をなさっている方、経営者の方などが参加してくださいました。

以下、備忘。


  • アーツアンドクラフツ運動→アール・ヌーヴォー。
  • 日本文化の影響。
  • 小紋、連続文様、浮世絵。
  • 構造+装飾。
  • 絵画と立体装飾の連続性。
  • 貴族のための装飾ではなく、産業革命以降生まれた富裕層のための装飾。
  • 建築における「鉄」の出現。
  • 石造りから鉄・コンクリート造りへ。
  • 量産できる装飾、機能のある装飾、構造とは関係のないところでの装飾。
  • アカデミックに反する創作風潮。
  • 新しいものと古典的なもの。
  • 時代背景‥チャップリン、アインシュタインの相対性理論、アンリ・ルソー、ピカソ、クリムト、フォードのモデルT、ルイ・アームストロング、カラヤン、ゴッホ、マネetc…
  • バウハウス。
  • 現代にアール・ヌーヴォーが好きな人が多い理由=手仕事へのあこがれ?
  • わたしたちが見ているものは、運良く遺っているもの。

暑いなか足を運んでくださいました皆さま、ほんとうにありがとうございました。そして、会場を提供してくださいました、にしてつ住まいのギャラリー天神サロンさん、ありがとうございました!

 

【開催報告】福岡acad.建築の勉強会シリーズ 第2回エジプト・ローマ

こんにちは。Meet Me at Art 藤吉有里です。(Meet Me at Artは「アートを使って自分に出会う」をテーマにさまざまなサポートを展開いたします)

【開催報告】福岡acad.建築の勉強会シリーズ第2回エジプト・ローマ

当日は夏休み最後の週末でもあり、集客が思うようにいきませんでしたが、少人数ならではの、ざっくばらんで濃い勉強会となりました。

以下、備忘。


  • 原始~古代。どこからが「建築」か?ストーンヘンジ?
  • 古代エジプトでピラミッド等の建築現場で働いていたのは、奴隷ではなかった。
  • 余剰→インフラ整備→王様の権力の象徴物の制作
  • 過剰さ。どうしてそんなものをつくるのか?
  • 具象と写実。使い分け。
  • アルカイック=はじまりのもの
  • エジプト・メソポタミア→ギリシャ→エトルリア・ローマ
  • セブンワンダーズ
  • 王家の谷は撮ってはいけない。
  • 写し、真似の文化。
  • 「てっぺんに何か載せる」
  • 縦に伸びるイメージ→男性。横に広がるイメージ→女性。
  • 現代の発想で考えても仕方のないこと。
  • きれい・美しい→残そうとする。遺る。(運もある)

この日の最大の個人的トピックスは、「ネフェルティティ」に似ていると言われたこと。なんとも光栄なことです。どなたかネフェルティティ仕様の帽子(冠?)をつくってくださったら、謹んで被らせていただきます(笑)

写真はWikipediaより拝借した、ネフェルティティの胸像(ベルリンの国立博物館所蔵)。紀元前1345年に制作された彩色石灰岩彫刻ということで、このようなきれいな状態で残っているのは、すごいことだと思います(贋作の議論もあるということです)。

ともあれ、大笑いあり、マニアックな情報提供ありの、濃密な時間でした。お忙しいなかご参加くださいました皆さま、ほんとうにありがとうございました!

 

オンリーENGLISH。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

オンリーENGLISH。

近所のコミュニティスペース、みんなの縁側王丸屋さんで毎週水曜日の晩7時半~8時半の1時間、「英語しかしゃべっちゃダメよ」な時間を過ごしています。写真はその王丸屋さんの2018年9月のイベントカレンダー。水曜日のところに青文字で「オンリーENGLISH」入っています(^^)

そもそもは昨年の夏(だったはず)、王丸屋さんでのイベント案なにかないかしら?という問いかけに、前々からやってみたかった「とにかく英語だけをしゃべる」場を提案したのでした。とはいえ、わたしはもちろん、常連の参加者も、英語がペラペラとしゃべれるわけではありません。むしろ、汗をかきながら、グーグル先生に単語の意味を聞きながら、身振り手振りも交え、の英語。

なので、「英語興味あるけど、しゃべれないし…」という方にこそ、一緒に頑張りませんか~!と声を掛けたくなるイベントなのです。ときどきネイティブ並みに喋れる方が参加してくださることもあり、そんな時は上手な方に引っ張られて、自分たちまでしゃべれるような気分になって盛り上がったり。

語学というよりは、コミュニケーションを図るため、英語度胸を付けるための英語イベントです(^^)

最初はわたしがイベントオーナーとしてスタートした「オンリーENGLISH」。ところが、月によってはいろいろと用事が入って参加できないことも多く、王丸屋店主のトオルくんにお願いしたところ、王丸屋イベントとして引き継いでくださったのでした。感謝感謝。

だいたい毎回3~5名位でこじんまりやっています。ときどき中学生が参加したりも。参加費はワンコイン500円で、ドリンク1本付き。興味のある方、水曜の晩、レッツ・オンリーイングリッシュ(^^)

毎週水曜日19時半~20時半ですが、日程は必ず事前に王丸屋カレンダーでチェックしてくださいね♪カレンダーは、みんなの縁側王丸屋公式サイトで確認できます。

 

福岡acad.住まいづくりのセンスアップ建築講座「アール・ヌーヴォー」

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

福岡acad.住まいづくりのセンスアップ建築講座Ⅰ
~アール・ヌーヴォー~

写真は、ベルギー・ブリュッセルにあるオルタ邸。

メイトム宗像でスタートした、福岡acad.の建築講座シリーズ。福岡市内でも別シリーズをスタートすることになりました。

福岡市内では、第1回目の開催場所として「にしてつ住まいのギャラリー天神サロン」をお借りすることになったため、場所にちなんで「住まいづくりのセンスアップ建築講座」をテーマとして、よりカジュアルな内容を予定しています。どなたでもご参加いただけます。

第1回目のテーマは、アール・ヌーヴォー。講師を務めてくださるのは、株式会社藤井設計室・藤井昌宏氏です。


福岡acad. 住まいづくりのセンスアップ建築講座Ⅰ
~アール・ヌーヴォー~

歴史的な建築物を写真スライドを見ながら学びませんか。今回のテーマは「アール・ヌーヴォー」。世界各地の名建築をその目で見てきた、株式会社藤井設計室・藤井昌宏さんによる解説です。

講師:藤井昌宏さん‥‥木原千利建築設計事務所を経て、藤井建築設計室を開く。店舗・住宅・病院などのほか、ハウステンボス、阿蘇ファームランド、ひらかたパークなどエンターテイメント性の高い設計管理を得意としている。昨年(2017年)全体リニューアルした「かしいかえん」の設計監理は遊園地の大規模リノベーションとして、エンターテイメントビジネス業界で注目を集めている。

日時:8月29日(水)14時~2時間程度(受付13時半より)

参加費:1000円当日受付でお支払いください。

会場:にしてつ住まいのギャラリー天神サロン
福岡市中央区天神2-11-2ソラリアステージM2F


アクロス福岡おでかけナビでもご案内しています(^^)
福岡acad. 住まいづくりのセンスアップ建築講座Ⅰ~アール・ヌーヴォー~https://acros-info.jp/events/15851.html

 

 

福岡acad.建築の勉強会シリーズ 第2回エジプト・ローマ

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

福岡acad.建築の勉強会シリーズ
第2回エジプト・ローマ

写真は、ギリシア・スニオン岬のポセイドン神殿。
6月に第1回目を開催してから二カ月ほど間が空きましたが、第2回を開催いたします。

今回のテーマは、エジプト・ローマ。第1回目は建築の歴史の流れ(概要)を学びましたが、第2回目からは、時代時代にスポットを当てて行きます。そのスタートが「エジプト・ローマ」。

建築の勉強会シリーズの講師を務めてくださるのは、株式会社藤井設計室・藤井昌宏氏(https://www.facebook.com/Fujii.Design.Office/)。毎回すごいなと思うのは、藤井さんにかかると、建築の歴史が哲学的な思索に深まること。わたしは建築素人ですが、技術や知識を越えた学びの場になっていることを実感します。

アート、クラフト、アーキテクチャ、デザイン。あるいはカタチの有無にかかわらず、クリエイティブなアウトプットを目指す皆さんに、ぜひ体験していただきたい勉強会です。


【福岡acad. 建築の勉強会シリーズ 第2回 エジプト・ローマ】

<講師>株式会社藤井設計室・藤井昌宏氏
‥木原千利建築設計事務所を経て、藤井建築設計室を開く。店舗・住宅・病院などのほか、ハウステンボス、阿蘇ファームランド、ひらかたパークなどエンターテイメント性の高い設計管理を得意としている。昨年(2017年)全体リニューアルした「かしいかえん」の設計監理は遊園地の大規模リノベーションとして、エンターテイメントビジネス業界で注目を集めている。

<日時>2018年8月25日(土) 18:30 – 21:30

<会場>メイトム宗像 2階202会議室

<住所>福岡県宗像市久原180

<参加費>3000円(※学生は1500円)
※軽食と飲み物付。

<申込方法>メールで件名「8月25日メイトム建築講座」、本文に「参加者氏名」「所属(職業または学校名)」を明記のうえ、宛お申込みください。

<スケジュール>
18時~ 開場・受付開始
・お飲み物と軽食をご用意しております(参加費に含まれています)。

18時半~ スタート

・参加者自己紹介(一人30秒程度)。
・スライドショー講座スタート。
・途中休憩をはさみます。

21時~ 交流タイム
・質疑応答&意見交換会

21時半~ ・アンケート記入。自由解散。
・閉場時間まで、名刺交換等ご自由にお過ごしください。
(注意)勧誘・営業行為などは厳禁です。社会人としてのマナーを守れない方は、退場&今後の参加をお断りいたします。

21時50分 閉場


 

読書『英単語の語源図鑑』(かんき出版)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

読書『英単語の語源図鑑』(かんき出版)

もう何冊目の英語学習の本かしら…と思いつつ、そういえば英単語に特化した本は買っていないと思い起し、購入。

土井英司さんのメールマガジン「ビジネスブックマラソン」での紹介を拝見して気になっていたところへ、新聞の書評を目にしてさらに興味がわき、本屋さんでペラペラとめくって、決定。

帯の「100の語源で10,000語が身につく!」に乗せられました(笑)

英単語が「接頭語」「語根」「接尾辞」で成り立っていて、日本語の漢字の「へん」や「つくり」のようなものだと言われると、なるほど納得。やみくもに暗記するよりも、イメージや連想で単語を覚えることができるので、覚えるのが苦手なわたしでも少しは語彙を増やすことができるかも。

本書内に納められているのは1000語程度とそれほど多くはありません。そのうえ、なかに目を通しての正直な感想としては、「この単語はあんまり使わないかな」というものも含まれています。

が、この本で目指すべきは「単純に単語を覚える」ことではなく、「単語に含まれる文字の意味やつながりを理解することによって語彙力を広げる」ことにあると思うので、成り立ちを理解するトレーニングにはもってこいです。

 

福岡acad.建築の勉強会にあたって(前編)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

福岡acad.建築の勉強会にあたって(前編)

皆さんに告知するにあたり、福岡acad.で開催する勉強会の特長をどう伝えたらより伝わるか、ということを考えました。難しいですね。伝えることができたかどうかは、正直かなり怪しいところですが、伝えようとしたことで、自分自身にとっての、この勉強会の特長がとても明確になりました。

以下、備忘。


その地理的・歴史的背景を知ると「社会が建築をつくる」ことが実感として見えてきます。この言葉は「社会が芸術をつくる」「社会がデザインをつくる」とも置き換えられるのではないでしょうか。

藤井さんが実際に現地を歩き見てきたことが、どのようにその後のアーティスティックな仕事の基盤となって生かされているのか、その一端を垣間見ることができるのは、とても興味深いことです。


解説を聞きながら歴史を辿って建築物を眺めると、建築と芸術とは境界線の無いものであったのだと、あらためて思い至ります。また、時代時代に現れたものが、現代まで連続的につながっていることがわかります。

現代の自分たちの仕事は歴史の文脈のなかでどう語ることができるのか、この勉強会を通してイメージを膨らませましょう(^^)


建築を含んだ風景写真。「きれいだなぁ」「すごいなぁ」「行ってみたいなぁ」から、さらにどこまで踏み込むことができるか。踏み込む方向は人ぞれぞれだと思いますが、藤井さんの解説は、その踏み込みをサポートしてくれるものです。

藤井さんの撮って来られた写真を見ることは、わたしにとって「見る」力を鍛えることにつながっています。ぜひご一緒に「見る訓練」をしませんか。


「本歌取り」は日本文化のすぐれた一面でもありますが、真似ることから文化を発展させてきたのは、実は古今東西同様であると、建築の歴史を学ぶなかで見えてきました。建築しかり、工芸しかり、デザインしかり。ただここで肝要なのは、真似のその先。本家よりもっとよいものにすることですね。

そんなことも、勉強会で一緒に考えることができたら楽しいだろうな、と思っています。


神のための建築、王のための建築、富裕な人のための建築、普通の市民のための建築…。建築の歴史を眺めることは、その対象(誰のための)について考えることでもあり、わたしにとっては、西洋史や西洋美術史を解釈しようとするときの手掛かりにもなっています。

切り口は「建築」ですが、いろんなところにつながっていることを実感できる機会です。


昨年ロンドンに行ったとき、郊外に残る古代ローマ帝国時代に整備されたという街を歩く機会を得ました。藤井さんのスライドを見せていただいていたおかげで、体験が深まるのを実感しました。

実際に足を運んだときに何を見て感じるか。この勉強会はその体験をサポートするベースとなる素晴らしい機会だと思います。今後、海外視察をご予定している方にもおススメです!


尊敬している学芸員の齋正弘さんは、美術の「び」は「『びっくり』の、び」だとおっしゃいました。そう解釈すると、アートとか芸術はわからない!という人も、受け入れやすくなるかもしれないと。建築の歴史をふりかえることは、現代のわたしたちが価値を感じるものの基準がどう築かれてきたのかを考える大きなヒントになると思います。


後編につづく。