十月のお干菓子。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

十月のお干菓子。

和菓子このわさんによる季節のお干菓子。秋らしい、愛らしい栗の姿をしたお干菓子が到着しました。使っているのは無農薬玄米粉だそうです。素朴で香ばしい味わい。滋味深いというのはこういうことかしら、と思いながらいただいています。

美味しい八女茶をいただいたので、本日は煎茶で。気持ちの良い秋晴れの庭には、水引が紅白に花をつけています。季節の花を眺めながらのお茶、とても贅沢な時間です。

 

そういえば、このお干菓子シリーズがスタートした六月の分を載せていなかったことに今頃気づき(汗)。六月は「紫陽花」でした。

青磁桃型小皿 藤吉憲典

 

 

ギャラリー栂さんで「新蕎麦と美味しいうつわ展」。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

ギャラリー栂さんで「新蕎麦と美味しいうつわ展」。

10月は新蕎麦の出始める時期。本日10月3日から10月15日まで、岡山のギャラリー栂(とが)さんで「新蕎麦と美味しいうつわ展」です。

藤吉憲典の蕎麦猪口と小皿、お酒の器も60点ほど参加しています。

美味しいお蕎麦とうつわをいっぺんに味わうことのできる嬉しい機会です。秋の一日、足を延ばしてみませんか。


新蕎麦と美味しいうつわ展

ギャラリー栂

岡山県和気郡和気町清水288-1 TEL0869-92-9817

2017年10月3日(火)~15日(日)
10時~17時

※10月9日(月)は、「そば粉でデザート作りましょ♪」イベントのため、蕎麦栂はおお休みです。イベント(参加費1000円、定員10名、エプロン持参、要予約)に参加ご希望の方は、お電話でご予約下さいませ。
ご予約は、ギャラリー栂 0869-92-9817 まで。


ギャラリー栂さんでは、来年2018年春に、藤吉憲典の個展も予定しています。どうぞお楽しみに!

 

 

おくんちの太鼓の練習が始まりました。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

おくんちの太鼓の練習が始まりました。

毎年10月初旬に行われる、波折神社の秋祭り。今年は10月8日(日)です。

波折神社の秋祭りは、地域を練り歩く行列が見もの。飾り神輿に神事の装束を身に着けた男衆、巫女さんの格好をした女の子、そして子どもたちがたたく太鼓の列。その太鼓の練習が始まりました。

太鼓をたたきながら歩くのはけっこうたいへんです。歩く距離が7~8キロはあるのではないでしょうか、2~3時間かけて練り歩きます。けっこう長いので、数カ所に休憩所が設けられていますが、歩いている間は、子どもたちが順番に入れ替わりながらたたき続けます。

毎年、練習スタートの日にはつっかえたりしながらの太鼓も、一日一時間の練習でみるみる上達していくのを見ていると、子どもってすごいなぁ、と思います。太鼓の音が途切れないように、歩きながら入れ替わるのにもちょっとしたコツがあって、これも練習することによってスムーズにいくようになります。

地域のおじさんたちが子どもたちを指導してくださるのがありがたいです。一時は年々太鼓の参加者が減少していたようですが、ここ1~2年はまた参加者が少しづつ増えてきました。

ずっと続いて行って欲しい、津屋崎の地域行事のひとつです。

 

 

 

読書:『リーチ先生』

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

『リーチ先生』原田マハ(集英社)

上の写真は、本の内容とはまったく関係がありませんが(笑)。

原田マハさんの本を読むようになって、このタイトルの本が出てから、気になりつつ、敬遠したい気持ちもありつつ、であったのですが、ついに手に取りました。464ページ。分厚い本でしたが一気に読みました。

なぜ敬遠したい気持ちがあったのかというと、「リーチ先生」つまりバーナード・リーチということは陶芸の話ということであり、陶芸業界の話になると、どうしても批判的な視点が働いてしまうような気がしていたからなのでした。

が、読んでよかったです。なによりお話としてとても面白かったこと。そしてわたしにとっては、「史実を基にしたフィクション」ということを理解したうえで、民芸運動がおこった時代背景や空気感を知る、格好の陶芸近代史料となりました。

この小説のなかに出てきた、わたしにとっての「!」はみっつ。


●好いものは、好いのです。理屈はいりません。(『リーチ先生』原田マハ より)

リーチ先生のセリフとして書かれていたこの言葉は、わたしにとって、花祭窯がはじまってからずっと心のうちにあるものでした。はなから言葉による説明が必要なものは、「好いもの」とは言いにくい。「良い」ではなく「好い」という漢字を使っているのも納得です。価値判断の根っこにあるのは、結局は好き嫌い。それが自然だと思うのです。

有名な人が無名であることの素晴らしさを説く、というのは、なんだか奇妙な気がするのだが。(『リーチ先生』原田マハ より)

「民藝」というものを定義付けた人たちに対して、わたしがずっと抱いていた疑問そのままでした。導入部分の章でさらっと書いてあった一文でした。たった一文でしたが、民藝運動の結果としての「民藝」の位置づけに対してある種の違和感を感じていたのが自分だけではなかったことがわかる表現で、少しほっとしたのでした。

仕事に向かい合うために、何よりも大事なのは、情熱だ(『リーチ先生』原田マハ より)

本物のバーナードリーチがこのように言ったかどうかは知りませんが、こと「やきもの」の仕事に関していえば、ほんとうにそう思います。知識や技術はあとから身に付けていくことができますが、情熱だけは自分のなかから出てくるものですから、後付けするのが難しい。それに、情熱が無くても「仕事」として割り切ってやっていくというスタンスの人にとって、やきものの仕事をわざわざ選ぶ利点はそれほど大きくないように思うのです。


わたしの原田マハさん追っかけはまだ続きそうです(^^)

その仕事の先。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

その仕事の先。

花祭窯に中学生がやってくるのはまだ少し先ですが、今日はいつもお世話になっている桐箱屋さん=お隣にある古賀市の増田桐箱店さんが、職場体験中の中学生を連れていらっしゃいました。

本日が体験最終日ということで、「できあがった桐箱が使われている現場」を見るための窯元訪問です。「お伺いしてもいいですか」の打診をいただいて、なるほど!是非にとお越しいただきました。

すべての会社や商品は、その会社・商品だけで成り立っているのではなく、その手前にある仕入元や、その先にある得意先との関係性のなかで成り立っています。そんなあたりまえのことも、実際にその「手前」や「先」が見えないと、ひとつの会社のなかで完結しているような気になってしまうかもしれません。

やきものができあがる→桐箱屋さんに測りに来ていただく→桐箱屋さんが箱をつくって納めてくれる→納品された箱に箱書きをして次第を整える→お客さまのもとへ送る

このような一連の流れのなかにある桐箱屋さんであり、窯元であり。この仕事の先には誰がいるの?を知ること、意識することの大切さをあらためて考える機会にもなりました。

 

 

九月のお干菓子。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

九月のお干菓子。

和菓子このわさんによる季節のお干菓子。すっかり毎月の愉しみになっています。お客さまにお茶をお出しするときに、お茶菓子が季節のエピソードを添えてくれるというのは、あらためて嬉しいことだなぁ、と感じます。

さて今月は柚子を持ってきてくださいました。季節的には少し早いのかな?と思いましたが、そろそろ青い柚子から収穫期に入るようですね。九月に入って朝晩涼しくなってきたところ、季節をちょっぴり先取りするのもまた贅沢です。

上の写真、お皿は浅葱(あさつき)の楕円小皿を使ってみました。藤吉憲典のオリジナル。創業時から作っているロングセラーです。浅葱、つまりネギの花をデザインしたものなのですが、ぱっと見た感じで受ける印象はヒガンバナ。柚子のお菓子を載せたら、朱色・薄いグリーン・黄色が楽しい一皿になりました。

もうひとつ、黄瀬戸の豆皿に載せてみたら、こちらはお月さまのような雰囲気に。

さて今回のお干菓子、なんと命名しようか、思案中。

浅葱楕円小皿はこちらで詳細ご覧いただくことができます(^^)

 

 

お師匠さんの教え。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

お師匠さんの教え。

九月に入り、お茶のお稽古再開です。わたしの入門している茶道南方流では、毎年八月は夏休み。ただでさえなかなか覚えないところに、ひと月のお休みで手順がすっかり忘却の彼方、と言い訳しながら…。

でも、根本的にたいせつなことは残るものですね。夏休みに入る直前に、ふだんはなかなかお稽古を見ていただく機会のない、お師匠さんである和尚さんにご指導いただく好機を得ました。そのときにいただいた言葉が、ずしんと残っていました。

ごまかさないこと」。

お点前のお稽古の後に、いただいた言葉です。いや、ほんとうに恥ずかしかったです。意識のうえではごまかす気持ちなどまったく無いつもりでしたが、「作法がうろ覚え」であることを知られたくない気持ちが無意識に働いたのでしょう。ゆっくり丁寧に、お客さまにもよく見えるようにすべき作法が、手先でさっさと済ませるような形になっていたことを、指摘されたのでした。

恥ずべきは作法の手順を間違えることではなく、そこに心が伴わないこと。

教えていただいたことをしっかり心に留めて、秋からのお稽古です。

 

文様の話、紫陽花。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

季節外れですが、久しぶりに色絵の紫陽花文様を描いてもらったので

文様の話、紫陽花(あじさい)。

紫陽花の文様も、江戸時代の古伊万里にも描かれている古典文様のひとつです。染付つまり藍色だけで描かれている場合が多く、それはそれで、藍色の濃淡による表情の違いがなんとも美しくもあるのですが、個人的に、より好きなのは、色絵で描かれた紫陽花です。

梅雨時は雨の日やはっきりしないお天気が多く、だからこそこの季節に花開く紫陽花の色彩の鮮やかさに心惹かれる人が多いのだな、と感じます。器に描かれる紫陽花もまた、色彩の鮮やかさが嬉しい。それが、わたしが「色絵で描かれた紫陽花」が好きな理由なのだと思います。

錦紫陽花文蕎麦猪口 藤吉憲典

紫陽花の花の楽しさは、小さな花(=ガク)の集合であること。これを丁寧に描いて可愛らしく美しく表現するのは、とても集中力が必要なようで。実際、描くところを見ていても、とても細かい作業の連続で、頭が下がります。

藤吉憲典のつくる錦紫陽花文蕎麦猪口はこちらからご購入できます(^^)

文様の話、馬。

こんにちは。花祭窯おかみ/磁器作家・藤吉憲典の妻兼マネジャーふじゆりです。

9月に入り、朝晩涼しい今日この頃。「天高く、馬肥ゆる秋」なんて言葉も頭に浮かびます。ということで、

文様の話、馬。

古伊万里の文様にもたくさん登場する馬。雲と組み合わせた「天啓群馬(てんけいぐんば)文」は中国・明時代のやきものにルーツのある、たいへんおめでたい文様のひとつです。

牛と同様、神様の乗り物とされた馬。農耕民族にとって、生活に欠かせない重要な存在でもあり、活動の象徴です。江戸時代に花開いた磁器文化。語呂合わせで文様におめでたい意味を持たせるのは、この時代の粋なユーモアでした。

馬が九頭で「うま く」いく。

午(うま)年生まれであるつくり手・藤吉憲典のオリジナルは、珈琲碗皿に群馬の文様。吉祥の動物と言われている馬を、さらに九頭並べて語呂合わせ。おめでたさも倍増です(^^)

 

 

花祭窯と藤吉憲典、秋以降の予定。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

今日から九月。ということで、

花祭窯と藤吉憲典、秋以降の予定。

このほかに、出来れば11月に花祭窯でお茶会をしたいな、とも考えています。

作り手・藤吉憲典はこの八月、少しだけゆっくり夏休みをとることができました。また秋から冬に向かって、器・アートいろいろなものが生まれてくるでしょう。

各地で一人でも多くの方とお会いできるのを、楽しみにしています!