こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。
藤吉憲典公式サイト更新中。
磁器作家・藤吉憲典(ふじよしけんすけ)の公式サイトでは、制作した作品を定期的に更新しています。
https://fujiyoshikensuke.com/artwork/
しばらく更新できていなかったのですが、ここ数日でやっと2017年に入ってからの制作分をアップすることができました。既に売れてしまっているものも多いですが、よかったらぜひご覧くださいませ。
こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。
今年もこの季節がやってきました。
来週末、7月1日(土)から開催です。
熊本にあるビストロ&バーSUNNYの周年記念に合わせて開催されてきた藤吉憲典の蕎麦猪口展。今年2017年は4年目になり、蕎麦猪口に加えて、小皿豆皿もお持ちいたします。
昨年は4月の大きな地震の後、まだ余震が続くなかでしたが、3周年の蕎麦猪口展を開催することができました。だからこそ、今年またこの場所で開催していただけることは、嬉しさもひとしおなのです。
同じ場所で、同じ季節にご覧いただくことで「毎年ひとつづつ気に入ったものを揃えていく」ことを楽しみにしてくださるお客さまがおられることに、感謝しています。
営業時間が18-26時と普段ギャラリーではなかなか見ることのできない時間帯。水・土・日はランチ営業もあるので、お昼からもご覧いただくことができます。いずれにしても、おいしいお料理とお酒を楽しみながらご覧いただけるのが、SUNNYならではの愉しみです(^^)
藤吉憲典 蕎麦猪口小皿豆皿展
2017.7/1-7/9
Bistrot & Bar SUNNY
http://sunny-bistrot.com/
熊本市中央区水道町4-39-2F
TEL096-355-4188
<営業時間>
火・木・金18-26時
水・土・日13⁻16時/18-26時
月曜日定休
こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。
日々増え続ける津屋崎陶片ミュージアムの陶片。本日は青磁です。
そういえば、このブログで一番最初にご紹介したのも、青磁でした。
中国は宋の時代(12-13世紀)の青磁の数々。宋の貿易商人が持ち込んだ輸入磁器と見られています。
ひとことで青磁といっても、その青の色もいろいろ。彫りこまれた文様もいろいろ。その一端を垣間見ていただけるかなと思い、並べてみました。
青磁というのは青磁釉と呼ばれる釉薬(ゆうやく)をかけて焼成された磁器です。磁器では、ロクロなどで形をつくったのち素焼をし、下絵付(染付)や彫りによって文様を入れ、ガラス質に焼きあがる釉薬をかけて本窯焼成して出来上がります。(赤絵(上絵)のついたものは、このあとにさらに絵付があり、赤絵窯で焼成します。)
同じ釉薬でも、釉薬のかかり方、厚みによって色の出方・文様の出方がかなり変わってきます。陶片の良さは、割れているゆえに断面を観ることができること。「けっこうたっぷり釉薬がかかっているね」などと言いながら、このように磁器の生地の表面にガラス質の青磁釉がかかっている様子を見ることができるのも、大きな楽しみのひとつです。
こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。
先日読んだ『経営者のためのリベラルアーツ入門』(高橋幸輝・かんき出版)のおすすめから、シェイクスピアの文庫を少しづつ読み進めています。『マクベス』からスタート。2冊目に『ハムレット』を手に取ったのですが、
過去に一度くらい読んだのではないかと思っていましたが、どうやら読んでいなかったようです。あまりに面白くて、思わず引き込まれたセリフを書き写しています。そうなんです。機知に富み、ときにブラックユーモアの利いたセリフまわしに、すっかり参りました。
これはつまり、生み出したシェイクスピアがすごい!ということに加え、それを日本人に伝わるように橋渡し=翻訳してくださった方のすごさ!ですね。
思わぬところで「伝える」の奥深さ、大切さを実感させられました。
『マクベス』『ハムレット』と悲劇が続いたので、次は喜劇に向かってみようと思います。
こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。
佐賀・花祭に工房を構えていた時は、有田の磁器の窯元に勤める後輩などがときどき「つくり方」のヒントを求めて足を運んでくることがありました。福岡・津屋崎に越してきてからは、そういう機会もずいぶん減ってしまいましたが、それでもたまに、やきものを仕事になさっている方がお見えになることがあります。福岡に来てからは、土ものをなさっている方が多いです。
器の触り方を拝見していると、なにも聞かずとも「この方はやきものの仕事をなさっているな」とわかることが多々あります。面白いことに、趣味でなさっている方と、プロとして仕事でなさっている方とでは、触り方が違ってくるのです。不思議ですね。
さてつい先日も、仕事でなさっているらしい方がお見えになったそうで(わたしは不在でした)、いろいろと「作っていて上手くいかないこと」を話していかれたそうです。そこでダンナ・藤吉憲典が経験上わかることを、具体的な技術含めてすべて説明したところ、とてもビックリなさったとか。
「そういうのって、話しちゃっていいんですか?」とおたずねになったそうですが、真剣にやきものに取り組んでいる方、真面目にもっといいものをつくりたいと思っている方に対して技術をお伝えすることに、ダメな理由はありません。
作陶の技術的なことだけでなく、それ以外のことについても同様です。一生懸命学ぶ気持ちを持っている人が「知らなかったからできなかった」ことを、自分たちが説明することで出来るようになるなら、そこで立ち止まる必要はないというのが、ダンナもわたしも共通の考え方です。
そして、わたしたち自身もまた、そういう先人の方々のご厚意でこれまでずいぶん助けられてきています。自分たちが真剣に向上したいと思って取り組んでいることを理解してくださる方は、たいていは親切に教えてくださいます。だから、わたしたちもそうありたいと思っています。
こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。
「つるくび」と呼ばれる、細首の瓶。その首から口部分の陶片です。用途は徳利のような注器でしょうか、一輪挿しでしょうか。
口の際までしっかり丁寧に蛸唐草が描かれており、おそらく下の部分にもきれいに蛸唐草が描かれていたのだろうな、と思われます。
このように器の外面全体にほとんど余白が無い状態にまで文様を描く描き方を「埋詰(うめつめ)」というのだそうです。(九州陶磁文化館 柴田コレクションⅥより)
埋詰の技法は比較的初期の古伊万里から続いているということで、その文様のつけ方で時代を見極めるのは難しいのですが、「柴田コレクションⅥ」に1700~1740年代の同様の「染付唐草詰文細首瓶」が載っていました。
唐草の描き方、線の太さがよく似ていて、もしかしたら同時代のものかしら、と。ところがこの図録に載っているものは、鶴首の途中で唐草が終わっています。
こんなふうに共通点・相違点を探しながら陶片の由来をイメージするのも、つくり手ではないわたしの陶片の楽しみ方のひとつです。
こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。
漢字で書くと「生焼け」。つまり、ちゃんと焼成できていなかったもの、ですね。
見込に山水文を描いた皿でしょうか。あるいは浅めの小鉢。絵がずいぶんと簡略化されています。素朴と言えば素朴ですが。裏には文様がまったくなく、銘もついていません。量産品だったのかしらと思われます。
最初、土ものかな、と思いました。色合いとニュウ(ヒビ)の入り方が、萩っぽいなぁ、と。でも、絵付は伊万里っぽい。で、どうやら磁器の生焼けかな?と。
磁器を窯で焚くときに、酸化焼成と高温での還元焼成という方法があります。「生焼け」は酸化焼成で焼いた場合にでやすいのだそうです。他にも呉須の青色が鮮やかに明るい色に上がる、生地がやや黄味がかった色合いになる、などが酸化焼成した場合の特徴としてありますが、いずれも焼成温度が低かったり、時間が短かったりと、しっかり焼けていないときにあらわれやすい特徴なのだそうです。
ちなみに還元焼成をすると、より硬質な磁器に焼きあがります。花祭窯では、本窯焼成は必ず還元をかけています(^^)
こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。
江戸中期~後期の蓋ものの、蓋。
家庭の料理で「蓋もの」を使って出す機会がどんどん減ってきている昨今です。が、こういうものを見ると、やっぱり蓋ものいいな、かわいいな、と思うわけです。
写真向かって右側は、瓢箪(ひょうたん)の実と蔓(つる)、葉っぱがいい感じに描かれています。蓋ものに限らず古伊万里によく見る文様の題材です。ひっくり返して内側を見ると、口縁部は墨弾きで○×。見込は瓢箪の蔓を描いているようです。全体にやわらかい筆遣いで、なんとなくユーモアも感じる文様の組み合わせが魅力的ですね。文様がきちんと丁寧に描かれていることから、江戸中期のものではないかと推測。
一方左側は、間取に獣面の組み合わせでしょうか。間取の窓のなかに描かれているのは山水(さんすい)文が簡略化されたもののようにもみえます。つくり手・藤吉憲典の解釈は、龍の文様にいろいろと装飾がついたものではないかと。年代別文様事典を見ていると「唐花」とされている文様にも似ているようです。
こちらはひっくり返すと口縁部の縁地文に雷文様と呼ばれる卍の変形のような地文、見込には松竹梅。地文も松竹梅もかなり崩れてしまっていますが(^^;)外側の文様と内側の文様とで、ずいぶんと雰囲気が異なる器です。
表も裏も、職人さんによって、文様から文様へと意味を考えずに描き継がれているうちに、原形をとどめず訳が分からなくなっている状態、というのが一番正しい解釈かも知れません。たくさん描きこんであって面白くはありますが、雑な絵付だとやっぱり少し残念です。こちらは「雷文様」と粗雑な絵付から、江戸後期かなぁ、と推測。
こういう、仕事ぶりまでもイメージできる楽しさがまた、陶片の面白さです。
こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。
現在読んでいる本は、
このところの読書の流れで「宗教概要」→「世界史」と来た結果、その時代時代の「哲学」を少しは学んだ方が理解しやすいよね、ということがたくさん出てきました。
そういえば、大学1年目の教養学部の時に、哲学の担当教授が「デカルト」を研究しているマニアックな先生で、とても面白かったのを今でも強烈に覚えています。
さて哲学の本を読んでいくにしても、どこから手を付けたらいいのかしらと思ったときに、指南書として見つけたのがこの本でした。
本屋さんで「世界史」の本を探した時も感じたのですが、今回も学生向けではない「リベラルアーツ」という切り口の本が思いのほかたくさんあったことに、多少の驚きを感じました。しかも最近出ているものがたくさん。この『経営者のためのリベラルアーツ入門』も2016年3月第一刷です。もしかしたらちょっとブームなのかもしれませんね。
正直なところ、リベラルアーツってなに?とその正体がぼんやりしていましたが、この本によると「豊富な学問、教養」であり、それをもとに「どう考えるか、どう感じるかが重要」ということのようです。
そして、学ぶべきたくさんの分野のなかから、この本では「哲学」「文学」に絞りこんでわかりやすく推薦してくれています。この本を読みながら「次に読みたい本リスト」にまたどんどん名前が増えています(^^)
こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。
今年もシーズン到来の
ど素人からスタートした梅仕事も20年も続けると「自分なりの作り方」が身についてくるから不思議です。
定番は梅干しと梅シロップ。以前は梅酒も漬けていたのですが、どうしても砂糖を少なめにしてしまうわたし。家人に不人気でなかなか減らなかったので、作らなくなってしまいました(笑)
ともあれ、梅干しと梅シロップは我が家の必需品。プラス梅味噌、醤油梅(カリカリ梅)、梅肉エキスなどなど、その時の気の向くままに作っています。梅干しと梅シロップの仕込みには、もう本を開くことはなくなりましたが、それ以外になにか作ろうというときに開く本が、これ。
(画像をクリックするとAmazonの本の紹介画面になります)
梅仕事をする際のわたしの教科書は、もう10年以上この「梅ぢから」一冊です。土用干しを簡略化した「ビン干し」梅干しのつくり方が載っているなど、もしかしたら邪道なのかもしれませんが、「きっちり作らなければならない」というプレッシャーから解放してくれるところが、大好きなのです。
ともあれ、そんな梅仕事を続けることができるのも、毎年しっかり実をつけてくれる梅の木のおかげ。その木を育んでくれている花祭の山に感謝です。