銀座黒田陶苑さんに行って来ました。

こんにちは。花祭窯の番頭役・ふじゆりです。

銀座黒田陶苑さんでの藤吉憲典(ふじよしけんすけ)個展。無事、会期終了いたしました。

ご来場くださいました皆さま、誠にありがとうございました。

藤吉憲典個展@銀座黒田陶苑

藤吉憲典個展@銀座黒田陶苑

藤吉憲典個展@銀座黒田陶苑

藤吉憲典個展@銀座黒田陶苑

藤吉憲典個展@銀座黒田陶苑

原点回帰=肥前磁器の伝統文化を感じていただけましたでしょうか。

初日、二日目と在廊した藤吉。
たくさんのお客さまとお話しすることができ、とても嬉しく
たいへん勉強になった二日間だったと申しております。

わたしも最終日に向かっての二日間を在廊しました。
1階の常設、3階の特別展示と、時間を見つけて黒田陶苑さんの所蔵するやきものを拝見。
眼福のひとときでした(^^)

次回は再来年。
まだテーマは決定しておりませんが、藤吉憲典のあらたな側面をご覧いただければと思っております!

ありがとうございましたm(__)m

やきものができるまで(磁器の制作工程)・後半

こんにちは。花祭窯の番頭役・ふじゆりです。

7月21日(木)まで開催の銀座黒田陶苑さんでの藤吉憲典(ふじよしけんすけ)個展。
原点回帰=肥前磁器の伝統文化をしっかり感じていただくことがテーマになっています。

より深く楽しんでいただくための一助になれば・・・
ということで

↓肥前磁器についてこれまでに書いた記事はこちら↓

○肥前磁器(ひぜんじき)とは?

○染付(そめつけ)・赤絵(あかえ)・染錦(そめにしき)

○古伊万里(こいまり)のこと

○やきものができるまで(磁器の制作工程)・前半


本日は

磁器の制作工程について(後半)

上の写真は絵付に使う筆。
右手に見えている徳利などは、素焼きから上がった状態です。
この素焼きの状態の生地に、下絵付をします。

下絵付け(染付)

素焼きから上がった生地に、呉須(ごす)というコバルトを含む絵の具で絵付をします。
これが染付(そめつけ)の青色になります。

呉須は構成成分の割合によりさまざまな種類があります。
さらに自分好みの青色を出せるかどうかは、呉須の種類だけでなく、
陶土・釉薬・焼成方法などの条件の組み合せによっても変わってきます。

施釉

下絵をつけ終わった生地に釉薬(ゆうやく)をかけて、本窯焼成をします。

釉薬もまた、たくさんの種類があります。藤吉憲典は柞灰釉(いすばいゆう)を使っています。
柞灰釉は柞の木からつくった木灰を原料とした釉薬です。
性質が不安定で、呉須との相性や窯の焚き方に左右されやすい釉薬ですが、
独特のやわらかい肌合いを出すことができます。

藤吉憲典にとっては、理想とする古伊万里の雰囲気に最も近づけることの出来る釉薬です。

本窯焼成

藤吉憲典は電気窯を用いています。
現在、磁器制作において主に利用されている窯は、ガス窯や電気窯です。

火の色が景色となる土ものと異なり、
磁器では絵付の美しさを楽しんでいただくのも価値のひとつ。
そのためには薪で焚く窯は不安定すぎ、安定した焼成のできる窯が理想です。

おおよそ24~25時間かけて、最高温度1300度近くまで上げていきます。
途中ガスを入れながら還元焼成をかけます。

電気窯では、時間と温度を管理するプログラムが組み込まれていますが、
その日の気象などによる影響があるため、
温度の上がり具合や窯の内部の様子を確認しながらグラフをつけています。

染付の器は、この窯からあがったら、完成です。

赤絵付け

赤絵・染錦と呼ばれるものは、本窯焼成からあがった器に上絵付け(赤絵付)を施します。

色の種類が多く、赤ひとつとっても多様です。藤吉憲典は特に「赤」「緑」の色選びにこだわっています。
粉状の顔料をよく磨り潰し、水で溶いて絵の具にします。
絵を赤絵窯に入れるまでは、描いた部分に手が触れると消えてしまうため、
繊細な気配りが必要になります。

赤絵窯

赤絵窯では6時間から7時間かけて780度まで温度を上げていきます。
絵の具の種類により気化する温度が変わってくるため、温度を上げすぎないよう注意も必要です。

金やプラチナを使用する場合は、より低い温度での焼成となります。

赤絵窯からあがってきたら、底の仕上げをして、検品してできあがりです。

染錦花鳥文大鉢 藤吉憲典
染錦花鳥文大鉢。染付と赤絵を組み合せた染錦の器です。

やきものができるまで(磁器の制作工程)・前半

こんにちは。花祭窯の番頭役・ふじゆりです。

いよいよ本日7月16日(土)が初日です。
銀座黒田陶苑さんでの藤吉憲典(ふじよしけんすけ)個展。
原点回帰=肥前磁器の伝統文化をしっかり感じていただくことがテーマになっています。

その事前知識になれば、ということで

↓肥前磁器についてこれまでに書いた記事はこちら↓

○肥前磁器(ひぜんじき)とは?

○染付(そめつけ)・赤絵(あかえ)・染錦(そめにしき)

○古伊万里(こいまり)のこと


本日は

磁器の制作工程について(前半)

染付(そめつけ)・赤絵(あかえ)・染錦(そめにしき)」でもご紹介したように、
絵付だけでも技法の分かれる肥前磁器。

今も有田焼に残る磁器制作工程の完全分業は、
作業工程を細かく分けて、専門家・職人化したものです。

「高度に専門職化することにより、効率的に質の高いものを生み出すための方法」と解釈されがちですが、
そもそもは磁器制作をはじめた佐賀藩による
「他の藩に磁器制作の技術がまとめて流出することを防ぐための政策」でした。

磁器制作の工程は、次のような流れになります。

土こね

磁器制作がはじまったのは、佐賀県有田にある「泉山」で陶石が採れたことによりますが、
現在は泉山で採取できる良質の陶石はわずかになっています。
肥前磁器の磁器土(陶石)は、現在ではほとんどが熊本県天草で採れたもの。
天草陶土」と呼ばれています。

天草で採取された陶石は「土やさん(陶土屋さん)」によって精製され、
色味など、生地のタイプによっていくつもの種類の陶土となります。
花祭窯でも、色味により数種類使い分けています。

さて土やさんから買ってきた土を、ロクロがしやすいようにこねます。
土に含まれる主に空気を抜くのが目的だそうです。

有田には「土こね三年」という言葉があり、
最初の工程である土こねを習得するのに3年かかるといわれています。

成形

土がこねあがったら、形をつくります。
現在藤吉憲典がつくっているものとしては
ロクロ、またはタタラ、あるいは彫塑の方法による成形です。

削り

形ができたら生地を自然乾燥させます。
適度に乾燥したら、高台(器の底)を削って整えます。
このとき、いかに削る量が少なくて済むかが、ロクロの腕の見せ所です。
また口縁が輪花(りんか)縁のように装飾が必要なものも、このときに削って形をつくります。

乾燥しすぎると土が固くなって作業がしづらくなり、生乾きだと触ることによって形が崩れてしまうので
「適度な乾燥度合い」の頃合がだいじです。

素焼き

生地が十分に乾燥したら、素焼きです。
素焼きは最初の焼成です。藤吉憲典は現在は電気窯を使っています。
最高温度900度くらいまで引き上げます。素焼きでは9時間程度焼成します。

 

次回は、絵付けからの工程をご案内いたします(^^)


藤吉憲典個展

2016年7月16日(土)-21(日) ※18日(月)定休日。
11時‐19時
銀座黒田陶苑 2F展示室
東京都中央区銀座7丁目8番6号
TEL03-3571-3223

地下鉄・東京メトロ銀座駅A-2出口より徒歩2分、JR新橋駅銀座口より徒歩5分
http://www.kurodatouen.com/info

古伊万里(こいまり)のこと

こんにちは。花祭窯の番頭役・ふじゆりです。

いよいよ今週末に迫ってまいりました。
7月16日(土)が初日の銀座黒田陶苑さんでの藤吉憲典(ふじよしけんすけ)個展では、
原点回帰=肥前磁器の伝統文化をしっかり感じていただくことがテーマになっています。

その事前知識になれば、ということで

↓肥前磁器についてこれまでに書いた記事はこちら↓

○肥前磁器(ひぜんじき)とは?

○染付(そめつけ)・赤絵(あかえ)・染錦(そめにしき)

 

本日は、質問されることの多い「古伊万里ってなに?」について。

古伊万里(こいまり)のこと

一般的に、1600年代~1800年代の江戸期に、佐賀県有田で作られたやきもの
=肥前磁器を「古伊万里」と呼びます。

有田で作られたやきものが、伊万里港から舟であちこちに出荷されたことから
「伊万里」の名がついています。

時代の流れによって分けられます。
「初期伊万里」「前期伊万里」「中期伊万里」「後期伊万里」。
江戸中期の伊万里は「盛期伊万里」とも呼ばれます。

初期伊万里(1600年代初期)

1610年佐賀県有田で、日本最初の磁器の焼成に成功しました。
豊臣秀吉が朝鮮出兵の際に朝鮮から陶工を連れ帰り、佐賀藩のもと有田で磁器制作がはじまったのです。将軍家や諸大名への贈答品が主に作られており、「上手(うわて)もの」と呼ばれていました。

前期伊万里(1600年代中期~1700年頃)

朝鮮の技術ではじまった磁器制作は、中国の技術を取り入れることによりさらに進化していきます。
内乱によって輸出ができなくなった中国の景徳鎮(けいとくちん)窯に代わって、
東インド会社が有田から東南アジア・ヨーロッパへと輸出するようになりました。
ヨーロッパからの要望により、色絵や金襴手(きんらんで)の技術がはじまりました。

 

中期伊万里(1700年頃~1780年頃)

献上ものや輸出ものは、佐賀藩による品質の維持管理が徹底しており、
鍋島様式や柿右衛門様式の完成度が増し、豪華絢爛な金襴手も盛んになっていきます。

1757年中国景徳鎮の欧州輸出が再開されると、東インド会社との取引が終了し、
国内需要(武家向けや、庶民向け)への転換期に入っていきます。

 

後期伊万里(1780年頃~1860年ごろ)

国内向けの大量生産がはじまります。
人材の流出により肥前磁器の技術が各地に広がり、全国各地で磁器生産の動きが活発になります。
「下手(げて)もの」と呼ばれる簡素な絵付けの庶民向けの食器がつくられはじめました。

1860年代以降は、さらに印刷装飾法の普及などにより大量生産の仕組みが向上し、
価格競争も始まり、それに伴って品質の低下が著しくなりました。
このころのものは「幕末伊万里」と呼ばれますが、「古伊万里」の範囲から外されることもあります。

 

さて、今回の銀座黒田陶苑さんでの「藤吉憲典個展」
オーナーの黒田さんから「古臭いものを作ってほしい」とのご希望でした。

初期伊万里~中期伊万里の献上品のように、
つくりも絵付けも、裏も表もしっかりと丁寧に作りこんだものを、お届けいたします。


藤吉憲典個展

2016年7月16日(土)-21(日) ※18日(月)定休日。
11時‐19時
銀座黒田陶苑 2F展示室
東京都中央区銀座7丁目8番6号
TEL03-3571-3223

地下鉄・東京メトロ銀座駅A-2出口より徒歩2分、JR新橋駅銀座口より徒歩5分
http://www.kurodatouen.com/info

肥前磁器とは?

こんにちは。花祭窯の番頭役・ふじゆりです。

7月16日(土)が初日の銀座黒田陶苑さんでの藤吉憲典(ふじよしけんすけ)個展では、
原点回帰=肥前磁器の伝統文化をしっかり感じていただくことがテーマになっています。

そこで、そもそも肥前磁器ってなに?どんなもの?というところをしばらく書いていこうと思います(^^)

 

肥前磁器(ひぜんじき)とは?

九州北部地方の肥前国=現在の佐賀県で確立されてきた、磁器の伝統的な陶芸技法・文化です。
陶器の原材料は土。磁器の現在量は石。

日本の磁器発祥の地といわれている
佐賀県有田を中心に発展してきたもの「肥前磁器」と呼んでいます。

一般的には「有田焼」「伊万里焼」「鍋島」「柿右衛門」などと呼ばれるものを含めた総称です。

1610年、朝鮮から連れてこられた陶工・李参平(りさんぺい)が
佐賀有田の泉山陶石を使って焼いたのがはじまりといわれています。

朝鮮半島からもたらされた技術ではじまった磁器作りは、
その後、中国・景徳鎮(けいとくちん)窯の磁器技術などをお手本として進化、
さらに日本独自の技術・文化・職人気質が加わりながら発展してきました。

その歴史、おおよそ四百年
その歴史のなかで陶工たちが遺してくれた数々の名品は、
現在も肥前磁器に関わる者にとって大きな宝であり、
藤吉憲典にとっては、これ以上ない師匠です。

写真は
染錦花鳥文(そめにしきかちょうもん)大鉢  作・藤吉憲典

これもまた伝統的な文様のひとつです。
染付の藍色と、色とりどりの上絵(赤絵)。
ハレの日に嬉しい吉祥文様は時代を経ても色あせません。

ということで次回は、たびたび登場する「染錦」「染付」「赤絵」について書きますね♪

 


藤吉憲典個展

2016年7月16日(土)-21(日) ※18日(月)定休日。
11時‐19時
銀座黒田陶苑 2F展示室
東京都中央区銀座7丁目8番6号
TEL03-3571-3223

地下鉄・東京メトロ銀座駅A-2出口より徒歩2分、JR新橋駅銀座口より徒歩5分
http://www.kurodatouen.com/info

銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展

ご来場を心よりお待ちいたしておりますm(__)m

ぐるりと一周~知ると楽しい文様のこと

こんにちは。花祭窯の番頭役ふじゆりです。

7月3日(日)まで開催中の熊本SUNNYさんでの
『藤吉憲典 蕎麦猪口展』を存分に楽しむ!をテーマに
文様について小話を展開しております。

これまでにご紹介したのはこちら。


和食器には「正面」があることが多く、
どこが正面なのかは、器の形や文様の向きで判断されるのですが
今回ご紹介の蕎麦猪口のように、
ぐるりと一周同じ文様の繰り返しになるものもあります。

うえの写真は左から

  • 染付網文蕎麦猪口(そめつけ あみもん そばちょこ)
  • 染付芝垣文蕎麦猪口(そめつけ しばがきもん そばちょこ)
  • 染付寿字文蕎麦猪口(そめつけ ことぶきじもん そばちょこ)

いずれも「どこが正面か」はほとんど気にする必要が無いので、
器を使うときも置くときも、気楽です。

染付網文蕎麦猪口

魚をとる網の文様。
そこから大漁への願いのこめられた縁起文様のひとつです。
古伊万里の時代から人気の文様で、
網のなかに魚を描き、大漁の喜びを強調したものもあります。

 

染付芝垣文蕎麦猪口

これもまた、古伊万里の時代から描かれている定番文様です。
なんの変哲も無い垣根が文様になる面白さ。
もともと自然や景色(山水)だけでなく生活風景や道具までもが文様になる肥前磁器
蕎麦猪口に美しくデザインされた垣根には、江戸時代の陶工たちのセンスが感じられます。

 

染付寿字文蕎麦猪口

文字もまた、文様の題材として人気。
なかでもこの「寿」は「福」と並んで喜ばれるおめでたい文字です。
「寿」のついたものだけでも相当数の文様のバリエーションがあり、
お祝い事を喜ぶ気持ちの大きさを感じさせます。

今回ご紹介している「寿」字は篆書体(てんしょたい)風にデザインされていて、
ぱっと見では「寿」と読めなかったりもします。
実際に江戸時代の陶工たちのなかには文盲の人も多かったといわれており、
字というよりは絵あるいは記号としてとらえられていたようです。
蕎麦猪口の文様の面白さ、ぜひ現物を手にとってご覧くださいね(^^)


藤吉憲典 蕎麦猪口展
2016.6.25(土)-7.3(日)

Bistrot & Bar SUNNY
熊本市中央区水道町4-39-2F
TEL096-355-4188

月曜定休

営業時間
火/木/金:18-26時
水/土/日:13-16時18-26時

染付の定番人気~知ると楽しい文様のこと

こんにちは。花祭窯の番頭役ふじゆりです。

いよいよ明日、6月25日(土)からはじまる熊本SUNNYさんでの
『藤吉憲典 蕎麦猪口展』を存分に楽しむ!をテーマに
文様について小話を展開しております。

これまでにご紹介したのはこちら。


江戸時代から人気の定番文様の蕎麦猪口

うえの写真は左から

  • 染付独楽筋文蕎麦猪口(そめつけ こますじもん そばちょこ)
  • 染付波兎文蕎麦猪口(そめつけ なみうさぎもん そばちょこ)
  • 染付酒樽文蕎麦猪口(そめつけ さかだるもん そばちょこ)

蕎麦猪口に限らず、肥前陶磁の文様は江戸時代にたくさん生まれました
そして、その当時の文様が今でもたくさん引き継がれ、描かれています。

今回の三つも江戸時代からの人気文様。

染付独楽筋文蕎麦猪口

シンプルな横線文様です。
いわば「ボーダー柄」ですね。

それが肥前陶磁的には「独楽筋(こますじ)文」となります。

シンプルな横線文様をまわり続けるコマの様子に見立てた名付けは、
独楽⇒まわり続ける⇒縁起が良い
という、いかにも江戸気質な解釈からだといわれています。

というわけで、独楽筋文もまた吉祥文様のひとつ。

 

染付波兎文蕎麦猪口

人気のウサギは、江戸時代から染付・赤絵さまざまに描かれています。
なかでもこの波兎は超定番の人気文様です。

もともと日本では桃山時代から工芸品に波兎が描かれるようになったとか。
おそらくは神話「因幡の白兎」にちなんでデザインされたと思われる「波」と「兎」の組み合せ。
これまた 波兎⇒波に乗り飛躍する というような江戸的おめでたい解釈。

対してやきもののルーツ中国では、明の時代に「月に兎」の題材がよく描かれています。
これは「月に不老不死の霊薬をつくる兎とガマが住んでいる」という伝説を題材にしたものだそうです。

というわけで、この波兎文の背面には月が描かれています。
日本由来の縁起と中国由来の縁起を担いだおめでたい吉祥文様です。

 

染付酒樽文蕎麦猪口

日本では日常の道具類を「宝」として図案化したものが数多くあり、酒樽はそのひとつ。
宝なので、やはり吉祥文様。婚礼をはじめとした祝儀に用いられます。

酒樽に盃の連続文様は見た目にもおめでたい感じがわかりやすいですね。

「外濃(そとだみ)」と呼ばれる絵付けの方法で、
まわりを染付の藍色にし道具を白く浮かび上がらせています。

 

いずれも江戸時代からの定番文様。
蕎麦猪口の文様の面白さ、ぜひ現物を手にとってご覧くださいね(^^)


藤吉憲典 蕎麦猪口展
2016.6.25(土)-7.3(日)

Bistrot & Bar SUNNY
熊本市中央区水道町4-39-2F
TEL096-355-4188

月曜定休

営業時間
火/木/金:18-26時
水/土/日:13-16時18-26時

赤絵の蕎麦猪口~知ると楽しい文様のこと

こんにちは。花祭窯の番頭役ふじゆりです。

6月25日(土)からはじまる熊本SUNNYさんでの
『藤吉憲典 蕎麦猪口展』を存分に楽しむ!をテーマに
文様について小話を展開しております。

これまでにご紹介したのはこちら。

●松竹梅~知ると楽しい文様のこと

●立てば芍薬座れば牡丹~知ると楽しい文様のこと

●植物・気象・動物~知ると楽しい文様のこと


かわいくておめでたい赤絵の蕎麦猪口

うえの写真は左から
染錦扇文蕎麦猪口(そめにしき おうぎもん そばちょこ)錦桃文蕎麦猪口(にしき もももん そばちょこ)
赤絵万暦鳳凰文蕎麦猪口(あかえまんれき ほうおうもん そばちょこ)

いずれもおめでたい吉祥文様です。

染錦扇文蕎麦猪口

扇は神事、舞い、儀式の場に欠かせない道具です。
末広がりの形がめでたく、吉祥文様のひとつ。
江戸の古来から人気です。

赤は魔除けの意味を持つ色
吉祥文様を赤で描くことで、その意味を特に強くします。

お正月はじめ、お祝いの席に喜ばれる文様です。

 

錦桃文蕎麦猪口

桃の実も、おめでたい吉祥文様のひとつ。
桃を吉祥文とするのは、やきもののルーツ中国に由来します。

中国では三果文(さんかもん)と呼び、仏手柑・桃・石榴 の三つの実ものが
「子宝の象徴」「魔除けの力を持つもの」として人気です。

日本でも、神話で鬼を追い払うのに桃が使われたり、
昔話で桃から子どもが生まれてきたり、
やはり「子宝」「魔除け」の実として昔から親しまれています。

 

赤絵万暦鳳凰文

「赤絵万暦(あかえまんれき)」というのは、やきものの文様の描き方の様式のひとつです。

鳳凰(ほうおう)は中国で神聖視された霊獣のひとつ。
良いことの兆しを告げる吉兆の霊獣です。
中国では龍や麒麟(きりん)と並んで吉祥文様として描かれる人気文様。

これもまた、お祝いに喜ばれる文様です。

 

今日は赤絵のおめでたい文様を三つご紹介しました。
蕎麦猪口の文様の面白さ、ぜひ現物を手にとってご覧くださいね(^^)


藤吉憲典 蕎麦猪口展
2016.6.25(土)-7.3(日)

Bistrot & Bar SUNNY
熊本市中央区水道町4-39-2F
TEL096-355-4188

月曜定休

営業時間
火/木/金:18-26時
水/土/日:13-16時18-26時

植物・気象・動物~知ると楽しい文様のこと

こんにちは。花祭窯の番頭役ふじゆりです。

6月25日(土)からはじまる熊本SUNNYさんでの
『藤吉憲典 蕎麦猪口展』を存分に楽しむ!をテーマに
文様について小話を展開しております。

これまでにご紹介したのはこちら。

●松竹梅~知ると楽しい文様のこと

●立てば芍薬座れば牡丹~知ると楽しい文様のこと


蕎麦猪口の文様は楽しい

蕎麦猪口の文様の楽しさは、その題材の多様さ。

本日の写真は左から
染付朝顔文蕎麦猪口(そめつけ あさがおもん そばちょこ)
染付傘文蕎麦猪口(そめつけ かさもん そばちょこ)
染付群馬文蕎麦猪口(そめつけ ぐんばもん そばちょこ)

この三つを見るだけでも、それを感じていただけるのではないでしょうか。

草木や花などの植物がテーマになったもの
雨と傘、気象や自然現象がテーマになったもの
動物がテーマになったもの

朝顔文

我が家の近所の朝顔も咲きはじめました。
夏の風物詩ですね。
日本では薬草として平安時代から親しまれていたようです。

渡来種が多く、色カタチさまざまな種類のある朝顔。
江戸時代にはこうした「変化朝顔」を栽培するブームがあったといわれています。
観賞用として人気が出て、いろいろなデザインに用いられたのでしょう。

蕎麦猪口では、染付(そめつけ)の藍色だけでシンプルに描かれることもあれば、
赤絵を用いて華やかに描かれることもあり、
朝顔ひとつとってもたくさんのデザインが残っています。

傘文

古伊万里からつづく古典文様には、自然現象をデザイン化したものも数多くあります。
荒波、小波、雪、氷、雨、風・・・・・

形のない現象をデザイン化する方法は、日本の織物の文様や
日本画での描かれ方など、いろんな分野からお互いに学びあっていたようです。

さて、この傘文。
自然現象の雨の文様である一方、宝文様でもあります。

中国八吉祥と呼ばれるおめでたい文様のなかに宝傘があります。
傘を持つ人物が描かれていないのは「隠れ蓑」「隠れ傘」に由来があり、
かぶると体が見えなくなるという想像上の傘だから。
隠れ蓑と同様、鬼や天狗の宝物である道具の一つと伝えられています。

それゆえこの傘文の蕎麦猪口も、吉祥文様の蕎麦猪口として愛されています。

群馬文

馬は牛と同様に、神の乗りものとされています。
ともに農耕民族にとっては生活に欠かせない重要な存在で、活動の象徴・招福の縁起物です。

雲とあわせて描かれる「天啓群馬(てんけいぐんば)」の文様は、
良い兆しを伝えるものとして、特におめでたい文様として慶ばれています。
そのほかにも、馬を九頭描いて「うまくいく」と語呂合わせした江戸の気風が感じられるものも。

蕎麦猪口の文様の面白さ、
ぜひ現物を手にとってご覧ください(^^)


藤吉憲典 蕎麦猪口展
2016.6.25(土)-7.3(日)

Bistrot & Bar SUNNY
熊本市中央区水道町4-39-2F
TEL096-355-4188

月曜定休

営業時間
火/木/金:18-26時
水/土/日:13-16時18-26時

松竹梅~知ると楽しい文様のこと

こんにちは。花祭窯(はなまつりがま)番頭役ふじゆりです。

6月25日(土)からはじまる熊本SUNNYさんでの
『藤吉憲典 蕎麦猪口展』を存分に楽しんでいただきたいので、
今日からしばらく文様について小話を展開してまいります。

蕎麦猪口の文様は楽しい

先日「続々・蕎麦猪口について」でも書いたのですが
蕎麦猪口にすっかり魅入られた理由、それは

蕎麦猪口の文様

江戸時代につくられた蕎麦猪口の文様の種類が数千にも及ぶという話を聞いて、
ひとつの形状にそんなにたくさんのデザインが実現するなんてすごい!」と感動したのが最初でした。

そんな文様のお話
第一回目はずばり

日本の吉祥文様の代表格・松竹梅(しょうちくばい)

松竹梅といえば吉祥文様(きっしょうもんよう)=おめでたいデザインの代表格。
吉祥文。「めでた柄」とも呼ばれ、おめでたい、縁起の良い文様の総称です。

松・竹・梅の共通点は「冬の寒さに耐える植物」であること。
また松や竹・笹は古来より「神様の依り代」として神事に欠かせないものでした。

蕎麦猪口では、松・竹・梅がそれぞれ単体で描かれることもあれば、
2種3種と組み合わせで描かれることもあります。
染付でも赤絵でも描かれており、古くからの人気ぶりが伺えます。

寒い季節も緑の葉が美しい松。
不老長寿・健康の象徴です。
蕎麦猪口では老松、若松、三蓋松、松原などなど多様に描かれています。

竹・笹

どこまでも根を張り広がっていく竹。
その繁殖力になぞらえて、無病息災・子孫繁栄の願いがこめられています。

寒さをしのぎ春を告げる慶びの象徴。
花の優しさと高貴な香りが縁起物として愛されています。

 

古典的な題材でありながら、現代もなお愛され続けている松竹梅。
ハレの席に、お祝いに、文様に思いをこめて
贈りものに人気の文様でもあります。