津屋崎陶片ミュージアム:H29041901明かりの道具

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

津屋崎陶片ミュージアム、明かりの道具。

「燈明皿」とか「油皿」とか「ひょう燭」と呼ばれ、行燈のなかに置いて使われたものです。江戸中期以降の唐津系の陶器と思われます。

津屋崎陶片ミュージアム 明かりの道具

ほんの少し欠けていますが、ほぼ完品。これだけ形がそのまま残っていると、思わず実際に油と芯を入れて明かりを灯してみたくなりますね。

唐津系の明かりの道具は、こちらでもご紹介しています。いろいろな形があるのは、明かりをいかに長持ちさせるか、改良を重ねたからだとか。

津屋崎陶片ミュージアム:H290331001~明りの道具(ひょう燭)。

 

 

津屋崎陶片ミュージアム:H290331002~唐草二つ。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

津屋崎陶片ミュージアム、唐草文様ふたつ。

津屋崎陶片ミュージアム蛸唐草

(上)蛸唐草文様(たこからくさ)

(下)牡丹唐草文様(ぼたんからくさ)

津屋崎陶片ミュージアム牡丹唐草

磁器作家・藤吉憲典的に「背筋の伸びる思いのする陶片」の類です。薄手で品よくつくられた形に、丁寧で伸びやかで美しい文様。

「やっぱりこうでなくっちゃ」というお仕事ぶりの陶片。こういうものに出会うたびに、ものづくりの原点に立ち返ることができるのは、ほんとうに幸せなことですね。

 

 

津屋崎陶片ミュージアム:H290331001~明りの道具(ひょう燭)。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

津屋崎陶片ミュージアム
明りの道具「ひょう燭(ひょうそく)」。

海あがりの陶片は、古伊万里ばかりではありません。これまでにも、宋時代の青磁をご紹介しましたが、本日は唐津系の陶器。

実は「ひょうそく」という呼び名があることを知らず、燭台と一緒くたになっていました(汗)

ろうそくで明かりを灯す燭台(しょくだい)に対して、油を使った行燈(あんどん)があり、行燈のなかに置かれていたのが、「燈明皿(とうみょうざら)」「ひょう燭」と呼ばれるもの。行燈のなかに置くだけでなく、それぞれ単体でも明かりの道具として用いられたもの。ひょう燭は、燈明皿の油量が少なく灯火時間が短い点を改良してつくられたものだそうです。

住まいの道具としても、やきもの(磁器・陶器)はたくさん利用されていますが、特に増えていくのは江戸時代中期以降のことだそうで、このひょう燭も18世紀~19世紀につくられた唐津系の陶器と思われます。

(※佐賀県立九州陶磁文化館 平成6年度特別企画展「よみがえる江戸の華―くらしのなかのやきもの―」を参考にしています。)

津屋崎陶片ミュージアム

お皿部分は欠けていますが、その全容がほぼわかる形で残っている、嬉しい陶片です。