9月は中学生の職場体験。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

9月は中学生の職場体験。

写真は2015年に受け入れをしたときの「職場体験ステッカー」を貼った様子。中学生の職場体験は今年が5年目。今年も中学二年生が二人、花祭窯にやってきます。

毎年、受け入れ側の力量が問われることを痛切に感じる機会です。中学生にとっても、わたしたちにとっても、5日間をどれだけ有意義な時間にできるかは、こちらが事前にどれくらい準備できるかで決まります。

窯での職場体験ですが、「職場」としての体験であって、「やきもの体験」ではありません。もちろん、最終日に向かってちょっぴり「制作」も体験してもらいますが、「つくる」に直接的に結びつかない仕事がほとんどです。

昨年は、調べものや細かい事務仕事をかなりたくさんこなしてくれました。ここ数年、毎年の干支の置きものをつくるための資料集めは、職場体験中の中学生の大切な仕事になっています。その他にも、伝票へのゴム印押しや、やきものを発送する際の梱包材の整理など。

さて、今年はどんな仕事をお願いしようかしら。受け入れまで1カ月を切って、プログラムつくりにも力が入ります(^^)

著作おっかけ。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

著作おっかけ。

「この人の本、よく読んでるね」と息子に言われて、ここ1~2年「おもしろいな」と思った本をきっかけに「著作おっかけ」をしているパターンがあることに気がつきました。著者名で大人買いをすることはありませんが、書店でも図書館でも、気がつくと同じ方が書いた本を手に取っていることが増えています。とはいえ読み進める量が多くはないので、どの方の著作も、まだ読んでいない本のほうがはるかに多いのですが。

わたし個人の昨年からの流れは、原田マハさん、佐藤優さん、池上彰さん、シェイクスピアと来て、先日講演会をお聴きしてすっかり興味を持った法政大学総長の田中優子さんが加わりそうな感じです。こうして並べると、自分の読書傾向にあらためて気づきます。もう少し小説比率を高めていきたいですね。

対するダンナ・藤吉憲典は、そういえば「著作おっかけ」をはるか昔からしているように思います。なかでもわかりやすい傾向としては、山岡荘八、藤沢周平ときて、最近はまっている葉室麟さん。もっぱら時代小説を読んでいます。妄想力がとても強いので、小説の文字情報は即座に頭のなかでカラー映像(もちろん動画)に変換されているようです。

「読書日記」をつけると自分の読書傾向を省みるのにもいいよ、とよく言われますが、なかなか続きません。さしづめこのブログでの本紹介が、読んだ本をすべて紹介しているわけではありませんが、わたしにとっては読書日記になるのかもしれません。

 

自営業者は体が資本。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

自営業者は体が資本。

もちろん自営業者でなくてもそうなのだと思いますが。

はるか昔、わたしが会社勤めをしていたときには、健康診断・歯科検診・産業医による健康相談などが毎年あたりまえに行われていて、健康診断の内容も多岐にわたり、人間ドックを受ける際の受診料の補助もありました。そのときはそれが普通だと思っていましたが、今は、会社が従業員の健康管理にとてもお金を使ってくれていたのだとわかります。

自営業者となってからは、自治体が国民健康保険の加入者に対して実施してくれる健康診断や、商工会が加盟事業者に対して企画してくれる健康診断などがあります。いずれも一定の金額で、基本的な健康診断を受けることができます。自分の体の状態を省みる機会を年に一度提供してもらえることは、ありがたいことですね。

この健康診断、年に一度身長を計る機会にもなっていて、一度だけ背が伸びていたことがありました。ひそかな楽しみです。

 

初もの、いただくとやっぱり嬉しい。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

初もの、いただくとやっぱり嬉しい。

秋の味覚、松茸をいただきました。

土のついた松茸を手にして、「この秋の初もの」というだけでなく、自分で料理をするのが初めて!だということに気がつきました。

立派な食材をいただいて、料理する段階で台無しにするのは絶対に避けたい事態。こんな時にいつも役に立つのが、辻調理師専門学校の調理・指導による本『ひと味おいしい日本料理』です。旬の食材と料理法が下処理の仕方からきちんと載っていて、いつも大雑把な料理しかしないわたしにとって、強い味方です。

松茸も、もちろん載っていました。まずは下処理、水で洗わず固く絞った布巾で汚れを落としてから使うと。香りが飛んでしまわないようにでしょうか。危うく洗うところでした。調理法は、失敗を最小限にすべく、マツタケご飯とシンプルに焼いて。

ドキドキしながら、初もの松茸の料理デビューが無事終了。

美味しくいただきました。ごちそうさまでした。

花祭窯@恵比寿展示会のご案内。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

花祭窯@恵比寿展示会のご案内。

この9月、九州ECという電子商取引の勉強会仲間と東京・恵比寿で合同展示会をいたします。電子商取引というとなんだか堅苦しい感じですが、いわゆるネットショップなど、インターネットを活用している事業者の勉強会です。大川家具ドットコムさんが中心となって企画なさったこの展示会に、花祭窯も参加することになりました。

通常は「ギャラリーでの個展」が、花祭窯=磁器作家・藤吉憲典の作品を皆さまにご覧いただく機会なのですが、ギャラリーにあまり足を運ぶ習慣のない方にも、気軽にご覧いただける機会になれば嬉しいです。また、家具との組み合わせでご覧いただくことになるので、ギャラリー空間で見る器とは、ちょっと趣が異なって見えるかもしれません。

花祭窯からは、数はそれほど多くはありませんが、蕎麦猪口・珈琲碗皿・小皿豆皿などをお持ちする予定です。また、藤吉憲典が現在取り組んでいる最新作も、こちらで一足早くお披露目予定です。

一緒に参加する皆さんは、いずれも専門性の高い事業者さんばかり。個性的な顔ぶれです。皆さん経営者の方が出てこられますので、ご興味のある分野がありましたら、直接話を聞くことのできるチャンスもあると思います。

お時間がありましたら、ぜひお気軽にお立ち寄りくださいませ。


<参加予定企業>

  • 大川家具ドットコム(大川家具)
  • ピアリビング(防音の専門家)
  • 畠中育雛場たまごん工房(特撰卵、お菓子)
  • スーパーウーマンプロジェクト(熊本発MUZOCAブランド)
  • 三邦コーポレーション(業務用シーラー)
  • 高田製材所(一枚板テーブル)
  • 緒方仏壇(八女仏壇、蒔絵アート仏壇)
  • 花祭窯(藤吉憲典の磁器作品)

開催日:9月16日(土)~9月18日(月)

9月16日 13:00〜19:00
9月17日 10:00〜19:00
9月18日 10:00〜16:00

場所:東京都渋谷区恵比寿1-23-21 ヤマトハイツ1階 HALO

入場無料です(^^)

講演会「グローバリゼーションと江戸時代」聴いてきました。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

法政大学の公開文化講演会の広告を新聞に見つけました。

法政大学総長 田中優子氏の講演会
「グローバリゼーションと江戸時代」。

講師の法政大学総長・田中優子さんは江戸時代の文学・生活文化がご専門。肥前磁器の歴史は江戸の歴史と重なるので、これはぜひともお話を聴いてみたい!と足を運んできました。

1時間という短い講演時間でしたが、とても面白かったです!

会場となったホテルオークラ福岡。通常は椅子席で最大800席という会議室が、ざっと数えたところ1000名を超えていたのではないでしょうか。法政大学関係者の方々に加え、わたしのような一般参加者でいっぱいでした。

以下、備忘。


  • グローバル化とは、多様性を受け入れること。
  • 日本のグローバリゼーションへの対応
    1. 江戸時代=モデルの無い時代
    2. 明治維新=ヨーロッパモデル
    3. 第二次大戦後=米国モデル
  • モデルの無い時代は、技術力をつけて独自の文化・国をつくった。
  • 江戸時代は「モノ=情報」。
    モノを輸入→それをしのぐものをつくることで技術・文化を磨いた。
  • 学ぶ・真似ぶ→独自のモノ・文化
  • 江戸のイノベーション例:
    時計の輸入→生活を時計に合わせるのではなく、時計を生活に合わせた=和時計
  • 日本文化のなかからしかできないものは何か!?を発見する時代。
  • 「モデル」が無くても自分の道をつくっていく。
  • そのためには「楽しむこと」「工夫すること」「試すこと」のできる人材が求められる。

学ぶ・真似ぶから独自のモノ・文化を生み出していったこと、ビジュアルの文化が花開き、「流行」の仕掛け・概念が生まれたのも江戸時代、というお話は肥前磁器の歴史にもそのまま当てはまっていて、とても刺激的な講演でした。

 

わたしのお茶の教科書。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

わたしのお茶の教科書。

南方流(なんぽうりゅう)に入門して、はや5年目。繰り返しお稽古すれど、作法を覚えたと思っては忘れの繰り返し。なんとも心もとない状況ではありますが、素晴らしい師匠・先生・先輩方・お稽古仲間に支えられ、楽しんでいます。

毎年八月は、お稽古がお休みの月。この間に少し本でも読もうと引っ張り出してきたのがこの三冊です。

  • 『利休百首ハンドブック』淡交社編集局 編(淡交社)
  • 『南方録』西山松之助校注(岩波文庫)
  • 『南方録を読む』熊倉功夫(淡交社)

『利休百首ハンドブック』は流派を問わずよく読まれているのではないでしょうか。入門して最初に、先生に「おすすめの本がありましたら教えてください」とお願いしたところ、まずはここから、とご紹介いただいた本です。

茶道の精神・点前作法の心得を、覚えやすいように「和歌」の形でまとめられたものです。現代の裏千家の作法に合わせて編集されていると書かれており、作法については流派により異なる部分もあるようですが、茶道の精神、大切な志・心構えが説かれています。お稽古の行き帰りに電車のなかで思い出したように読む本です。

『南方録』は、関連する書籍がかなりたくさんあり、どれを手に取るべきか迷うのですが、わたしが一番最初に手にしたのは、持ち歩ける岩波文庫でした。『南方録』原本のカナをかなに書きなおし、漢文を読み下し文に整理してあるものの、ほぼ原文なので読み進むのに時間を要しました。「棚」「書院」「台子」「墨引」それぞれに図が豊富に載っていて、文章の内容と照らし合わせて見ることができるのが好い感じです。

そして今読んでいるのが、熊倉功夫先生の『南方録を読む』。分厚い本なので、どのタイミングで取り組もうかと躊躇していたのですが、稽古でお世話になっている先生がプレゼントしてくださり、読みはじめました。いざ読みはじめると、こちらは現代語訳と解説が原文と一緒に書いてあるため、比較的読み進めやすいです。

いずれの本も、わたしは一度読んだだけでは到底ことばが頭にも体にも入ってきません。お稽古と同じように、時間をかけて繰り返し何度も読みながら、少しづつでも身に付けていくことが出来たら嬉しいな、と思います。

 

文様の話、津屋崎の貝。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

文様の話、津屋崎の貝。

ありがたいことに、「藤吉憲典といえば、貝の箱」と覚えてくださっている方も、少しづつ増えてきているようです。

藤吉憲典・錦貝尽くし文陶箱

この貝尽くしの文様は、ここ津屋崎に越してきてからのオリジナル文様。数日前のブログ「文様の話、古典とオリジナル(2)」でもご紹介したように、作り手・藤吉憲典は、日々の暮らしのなかで目にする自然から題材を得て文様を生み出すのが得意です。「貝の箱」は、その代表例といえるかもしれません。

ここに描かれている貝殻は、すべて実物が手元にあります。ダンナ・藤吉憲典が毎朝の散歩で拾ってくるのが、貝殻と陶片。広々とした海を目の前にしているのに、下ばかり向いて歩いています。その結果として、これが生まれたということで(笑)

文様の話、古典とオリジナル(2)

 

 

読書『ひらがなで読むお経』

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

読書『ひらがなで読むお経』角川書店

2003年初版発行の本です。なにがきっかけでこの本を購入したのか、よく覚えていないのですが、「はじめに」の一番最初に書いてある一文がすべてかな、と思います。

いわく

「お経は意味がわからなくても唱えるものであり、
読誦(どくじゅ)の声に言葉の力がこもる。」
大角修編著(角川書店)

本棚を整理していてふと目にとまり、お盆なので引っ張り出してみました。買ってすぐ、しばらく音読していたことがありました。一昨年、実父が亡くなったのを機に四十九日まで毎朝般若心経を音読しました。意味は分からなくても読むだけで、気持ちが整理されてくるような感じがありました。仏さまのためといいながら、実は読んでいる人にこそ、なのかもしれません。

言葉のひとつひとつに意味があり、知恵があります。最初はその意味を理解したい、知恵を身に付けたいという気持ちもあったのですが、読んでいるうちに(悪い意味ではなく)どうでもよくなってきました(笑)ただ音を出すだけでもなんとなく、良いのかな、と。そう思えてくるところも、お経の持つ力なのかもしれません。

もちろん、この本には音読用の平仮名だけでなく原文、解説も載っています。巻末にはお経の言葉の小辞典も。

「声を出す」習慣をつくりたいと思っている方に、「お経を読む」という選択肢もあります(^^)

 

八月のお干菓子「沖ノ島の波しぶき」。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

八月のお干菓子「沖ノ島の波しぶき」。

和菓子このわさんにお願いしている、花祭窯でお出しするお干菓子。

八月は、宗像の大島でとれる藻塩を使った艶干し錦玉。沖ノ島の波をイメージしてつくったとこのわの大将がおっしゃるので、「沖ノ島の波しぶき」と呼ぶことにしました。

涼しい透明感のある姿。ほんのり塩気が感じられる絶妙の味わいが秀逸です。見た目も味わいも波しぶきを感じさせる季節感たっぷりのお干菓子。お抹茶とお出しするだけでなく、ほうじ茶や番茶と一緒にお出ししても、夏っぽくて良さそうです。

豆皿にお干菓子を載せて眺めて喜ぶ贅沢。

↓これまでのお干菓子はこちら↓

七月のお干菓子は七夕。