こんにちは、ふじゆりです。
北部九州、梅雨入りのニュース。
小雨のなかに紫陽花があざやかです。
さて
小皿豆皿のこと
手塩皿とも呼ばれる径3~4寸ほどまでの小さいお皿。
写真のように、ままごとのような実用品です。
わたしが蕎麦猪口に次いで魅入られたのが、この小皿豆皿。
見て楽しい、使って便利、手のひらにのる愛らしさ。
蕎麦猪口同様、蒐集心をくすぐる小品です。
「こんなに小さくて、なんに使えるの?」という声を何度もお聞きしたことがありますが、
そのたびにお返事しているのが、「実はとっても使い勝手がいいんですよ」ということ。
刺身の醤油皿であったり珍味皿であったり、というのが一番簡単な説明の仕方ですが、
小皿豆皿でわたしが一番助かっているのは、来客時やちょっとした行事の食卓での使い方です。
塗りのトレーや重箱に豆皿を配置して、少しづついろんな料理を盛っていくだけで
あら不思議。華やかで贅沢な雰囲気になるんです。
小さなお皿ですから、盛り付けにたくさんの量は要りません。
料理というよりも、珍味や箸休めになるようなものでいいんです。
ありあわせのものをちょっとづつ盛れば、それだけでなんとなく格好がつく。
「準備の時間がないけれど、おもてなしの気持ちを表したいとき」に最適・最強だと感じています。
わたしは大雑把な性格なので、繊細で美しい盛り付けをするのは苦手。
なので、お皿に任せてしまおう、というわけです。
小皿豆皿を探す
小皿豆皿と聞いて、京都の「てっさい堂」さんを思い浮かべる骨董好きの方も多いと思います。
古伊万里も数多く扱っておられるてっさい堂さんは小皿豆皿など小品の充実も有名な名店で、
○○画報はじめ、さまざまな媒体で小皿豆皿の提供や、取材記事を目にします。
わたしも数回行ったことがありますが、毎回その品揃えに圧倒されます。
普段資料として写真でよく見ているものが、そのままたくさんあるというのはすごいことですね。
江戸時代の古伊万里の豆皿を手に入れることができます。
古伊万里の小皿豆皿を見たいならば、もう一箇所、おすすめはやはり
佐賀県の九州陶磁文化館にある柴田コレクションです。
美術館ですから、収蔵品の購入はもちろんできませんが、閲覧には最適です。
柴田コレクションには、江戸時代のさまざまな形・絵付の小皿豆皿があります。
時代を網羅した膨大な数のコレクションは、肥前磁器の宝です。
常設で専用の展示室があり、定期的に展示品が入れ替えられるので、何度でも足を運ぶ楽しみがあり。
骨董屋さんのようにその場で手にとって見ることは出来ませんが、生きた資料だとつくづく思います。
(補足)九州陶磁文化館では、収蔵品を手にとってご覧になりたい場合は、事前申請により、
その理由により許可がおりた場合には、学芸員さん立会いのもと手にとることもできます。
そして、最後にちょっとだけ宣伝(笑)
藤吉憲典の小皿豆皿は、こうした肥前磁器の歴史から学んで、復刻したり、あらたに作り出しています。
現在その数約40種。これからもまだまだ増殖しそうです。