こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。
しばらくご無沙汰していましたが、
津屋崎陶片ミュージアム。
相変わらず、ほぼ毎日増え続けている花祭窯・津屋崎陶片ミュージアムの陶片。
今回は、また金襴手の丁寧な絵付の陶片が仲間に入ったので、ご紹介です。これは幕末かな。
見込に染付で丁寧な菊花と唐草。周りには赤絵。赤絵ではっきり残っているのは赤だけですが、白く見えているとこもよく見ると、植物や山などの文様が描かれた線描きの跡が見えます。何色で描かれていたのかなぁと想像が膨らみます。
赤絵は上絵(うわえ)とも呼ぶとおり釉薬をかけた本窯焼成の上に、絵の具を載せて焼いているため釉薬による保護が無く、外的要因によって色が剥げ落ちます。そのため、海で洗われていた漂着カケラには赤絵が残っていないことが多いのです。
裏面は高台際の内側と外側に染付で線が引いてあります。線だけで文様は無かったようですね。そこが少し残念。もしかしたら明治の輸出伊万里かもしれません。
高台の径は7センチぐらい。5~6寸のなます皿サイズかなぁ、という感じです。
この手の陶片で、以前にご紹介していたものとしては、やはり染付と赤絵のついた7~8寸の金襴手のお皿がありました。こちらは裏側にも染付で文様が描かれていました。
しかし今回は、赤絵が残っている嬉しさにも増して、見込に描かれた文様のきっちりさ加減が嬉しい陶片でした。染付の藍色の呉須(ごす)が少々焦げ気味で黒っぽくあがっていますが、それもまた個人的には嫌いではありません。
こういうものが上がってくるたびに再確認するのが、
時代を超えて「丁寧な絵付」がもたらす喜び
です(^^)