錦福字文蕎麦猪口(藤吉憲典)

福。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

あちらこちらで節分の恵方巻の宣伝を見かけます。そろそろ我が家でも豆まきの準備が気になってきました。

豆まきといえば

鬼は外、は内。

この「福」の字、やきものの文様として古くから親しまれ、好まれています

やきものの文様については、中国文化の影響を大きく受けている肥前磁器。中国でも「福」の文字はたいへん喜ばれる文字なのですね。

一例として、中国ではコウモリが「福を呼ぶ」としてたいへん人気で、コウモリ文様がおめでたい吉祥文様として定着しています。その理由は、

コウモリを漢字で書くと「蝙蝠」 で「蝠」が「福」の字に似ているから。

それほどに「福」という字に愛着があるのですね。

 

赤絵蝙蝠文蕎麦猪口(藤吉憲典)
赤絵蝙蝠文蕎麦猪口(藤吉憲典 作)

蝙蝠(コウモリ)の字だけでなくデザインそのものが吉祥文様となっています。上の写真は古伊万里の時代から人気の古典文様。もともとは中国磁器の人気文様を写したものです。向かい合わせの蝙蝠も福々しさに魔除けの赤。現代でも通の間で根強い人気です。

染付福鬼文蕎麦猪口(藤吉憲典)
染付福鬼文蕎麦猪口(藤吉憲典)

こちらは、藤吉憲典オリジナル文様の「福鬼文」。お多福さんの反対側は、鬼の絵になっています(^^)

 

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。