読書『自分の仕事をつくる』(ちくま文庫)西村佳哲著

読書『自分の仕事をつくる』(ちくま文庫)西村佳哲著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『自分の仕事をつくる』(ちくま文庫)西村佳哲著

今年の開窯記念日にも書きましたが、長年のお客さまからの「弟子はとらないんですか。藤吉(憲典)さんの、やきものの技術と哲学をきちんと遺さないと、ダメですよ。それは、磁器の文化に対する藤吉さんの責任だと思う」の言葉を受けて、模索を始めています。文化を継承する方法論を考えるのに、チャッピーと壁打ちをするなかで、参考になりそうな研究者や組織の名前、関連書籍をいくつか探して来てもらいました。そのなかにあった一冊です。

以下備忘。


  • 道具の精度によって、モノづくりの精度が規定される
  • 模倣は基本的な上達法だが、そのポイントはまず観察を通じたイメージ精度の向上
  • 本人の「解像度」の高さが、その人のアウトプットの質を決める
  • 世界を感じ取る解像度のことを思うと、そのフィルターとなる身体について考えざるを得ない
  • 技術には、それを行う身体が伴う。そして高度に調整された身体においては、感覚の中に美意識が育まれる
  • 「こんなもんでいいや」という気持ちで作られたものは、「こんなもんで…」という感覚を、ジワジワジワと人々に伝えてしまう
  • 「考えること」と「つくること」は、いつ頃から分離したのか
  • 小さくて具体的な工夫の積み重ね
  • 自分を大事にすること
  • モノを通じて、それを作った人が生きてきた経験のあり方はわかります
  • モノづくりの基本は、やはり“身体”というアンテナ
  • モノづくりは無数の判断の積み重ねだ。もし、つくり手が自らの判断力に自信を失ったら、一体何がつくれるだろう
  • モノの価値も、結局のところはそれを「つくりたい」という純粋な気持ちの品質にかかっている
  • 放っておいても自然に出るのが個性である
  • 「人は気持ちよく働いているときにいい成果を出す」という、いたってシンプルな事実

2003年9月に単行本として刊行され、2009年に文庫化、わたしが入手したのは2026年2月の第24刷。息の長い本です。帯には「働き方のバイブル」とありました。変化の激しい時代を20年以上も読まれ続けているのですから、すごいことですね。

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その独立準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々雑用)担当として作家活動をサポートしています。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)としても、並行して活動しています。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。