こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。
銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展-肥前磁器の美(8)
銀座黒田陶苑の黒田さんから、藤吉憲典が2年前の個展の時にいただいたテーマは「古っぽいものが見たい」ということだけ。それをどう受け取り、形にして届けるかは、つくり手に全面的に任されました。
そして今回の個展に際しては、案内状に記された「肥前磁器の美」という言葉でした。そして「持ってくるかどうかを悩む作品がある場合は、持ってきてください」という一言。
それを受けて、「肥前磁器の美をご覧いただく個展ならば、制作したのは少し前になるけれど、ぜひ持っていきたい」と頭に浮かんだのが、これでした。
藤吉憲典 金襴手角瓶
江戸末期から明治期にかけての短い期間に「蔵春亭三保蔵」のブランドで、欧州へと海を渡った輸出伊万里を復刻したもの。カタチといい、絵付といい、まさに当時の肥前磁器の美意識と伝統技術とが結集したものと言えるでしょう。
このモトとなる当時の角瓶は、千葉県にある国立民俗博物館に所蔵されているほか、個人のコレクターでお持ちの方もあります。蔵春亭の地である佐賀県の九州陶磁文化館には、染付の山水文で同じ形のものがあります。
骨董の実物よりも、もっと美しく理想的な姿に復刻するのがつくり手・藤吉憲典の腕の見せ所。博物館所蔵レベルの美意識を具現化する技術を、ぜひその目でご覧になってください。
ー肥前磁器の美ー
藤吉憲典 個展
2018年7月14日(土)-7月19日(木)
※16日(月)は定休日。
11時-19時
銀座 黒田陶苑 2階展示室
東京都中央区銀座7丁目8番6号
TEL03-3571-3223