読書『前世への冒険』(知恵の森文庫)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

読書『前世への冒険―ルネサンスの天才彫刻家を追って』森下典子(知恵の森文庫)

先日、森下典子さんの『日日是好日』(新潮文庫)を読み終わったところで、その巻末に紹介されていた著書の並びに見つけたタイトル。『日日是好日』で「 魅力的な文章を書く方だなぁ」と思っていたところだったので、「絶対この本面白いはず!」と確信して入手。

一気に読了。面白かったです。巻末の「解説」に、いとうせいこう氏の名前を発見し、これまた思わずニヤリ。氏の解説にある次の文章が、我が意を得たりで嬉しくなりました。


そのような力を持つものを、古来我々は傑作と呼んできたのではなかっただろうか。彫刻であれ、絵画であれ、音楽であれ、現実を侵す力があるからこそ存在価値がある。芸術的だといわれる。役に立つということはそういうことだ。

※『前世への冒険―ルネサンスの天才彫刻家を追って』森下典子(知恵の森文庫)「解説―役に立つ迷宮」いとうせいこう より


タイトルにある「前世」と、「ルネサンス= ル(Re=再)・ネサンス(naissance=誕生)」とが絶妙にシンクロして、「輪廻転生」を思いながら読む。著者と一緒に旅をしている気分になりました。

もともと単行本『デジデリオ・ラビリンス』だったのが文庫本『デジデリオ』になり、『前世への冒険―ルネサンスの天才彫刻家を追って』と改題されたという本書。このタイトルでなければ、わたしは手に取らなかった可能性が大きく、三度の改題に感謝!です。

読書『前世への冒険―ルネサンスの天才彫刻家を追って』森下典子(知恵の森文庫)