ついに、平野啓一郎著作。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

ついに、平野啓一郎著作。

カズオ・イシグロ氏の小説をおおよそ読んでしまい、さて次はどうしようかと思っていたところ、いつも使っている福津市カメリアステージ図書館の「図書館だより」に、2019年本屋大賞ノミネート作品が紹介されていました。

ノミネート作品名の並びに平野啓一郎著『ある男』(文藝春秋)を見つけ、そういえばデビュー時からずっと気になりながら一度も小説を読んだことが無かった!ことを、今さらながらに思い出しました。

我が家でとっている地方紙「西日本新聞」には「提論 明日へ」なるコーナーがあり、その連載で平野啓一郎氏が執筆するときがあります。そのおかげで彼の文章を定期的に読むようにはなっていて、あらためて興味が湧いてきていたところでもありました。

これはきっと、わたしにとっての「平野啓一郎デビュー」のタイミングなのだと勝手に決めて、まずは図書館で検索。最新作の『ある男』は貸し出し中だったので、すぐに借りれるものを入手。それが写真の2冊でした。

ちょうど週末にかかったので、分厚い『ドーン』(講談社)にチャレンジ。何日かかるかな、と思っていましたが、二日で読み終わりました。493ページ。続きが気になって気になって、一気に読んでしまいました。おかげでこの週末にやろうと思っていた掃除片付け諸々は、すべて次週に持ち越し(笑)ですが、 まずは一冊目、よかったです(^^)

物書きの仕事。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

物書きの仕事。

花祭窯を創業して以来「つくる以外の仕事ぜんぶ」の担当をしてきた、わたくし。一番時間を割いてきたのが文章を書くこと、すなわち「物書きの仕事」ではなかったかと、最近振り返って思いました。

事業計画を立てるにしても数字と同様に文章が重要。ホームページ制作においても、コンテンツの要は写真だけでなく文章も。創業以来「メールマガジン」も大切なツールでした。媒体がブログやSNSへと進化してきても、やはり写真だけでなく文章に頼るところも多く。

紙媒体においてもしかり、事業案内や作品パンフレット等の印刷物に載せる文章があります。お客さまとのコミュニケーションにおいては「手紙」「メール」も重要な文章です。

ともあれ上手下手は別として、もともと文章を書くのは嫌いではありません。「写真を撮る」と「文章を書く」のどちらを選ぶかと問われたら、迷わず「文章を書く」を選びます。

おかげでなんとかこのブログも「ほぼ毎日」を目指して更新を続けています。そんななか、これまでにも単発で「物書き」の仕事を頼まれることはときどきあったのですが、このたび連載での物書きを初めてお受けすることになりました。嬉しいです♪

このブログは自分自身のための記録の側面が強いので、初めて読んだ人は「何が言いたいのかわからない」と思うかもしれないと自覚しています。でも、そんなブログの記事を読んで「この人に文章をお願いしてみよう」と思ってくださったことが、とってもありがたく。

今回文章を寄稿する媒体は「会報」的なものなので、どなたでもご覧いただけるものではありませんが、読者の方からどんなご感想が寄せられるか、楽しみです。

物書き仕事、テーマにより引き受けております。ご相談ください(^^)

Happy sculpting to Ken !

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

Happy sculpting to Ken !

今年12月に予定しているSladmore Contemporary(ロンドン)での個展に向けて、プロモーションの準備を少しづつはじめています。写真は前回2017年Sladmore Contemporaryでの初個展(solo exhibition)の時に撮った一枚。

「Happy sculpting to Ken!」は、ギャラリーオーナーGerryからのメールにあった1文。Gerryからのメールはいつも、アーティスト・藤吉憲典と、彼のつくる作品への愛情でいっぱいです。

ロンドンでは藤吉憲典は陶芸家という呼び方ではなく、Ceramic Sculptorすなわち造形作家(または彫刻家)とされています。Happy sculpting とはまさに、彼の仕事そのもの。

藤吉憲典のつくるものがロンドンのコレクターに喜んでいただけるのは、彼がとても楽しんでつくっているから、というのが大きな理由の一つだと思います。つくるのが嬉しくて仕方がないから、ひとつの作品への手間のかけよう、細部への神経の配りようがすごいのです。作品を手に取ってくださった方に、そういうものが伝わるのだろうな、と。

ダンナ・藤吉憲典に「GerryがHappy sculpting to Ken!って」と伝えたところ、「そう!それなんだよね!自分が楽しく作ってるから、手に入れてくれた人もハッピーな気分になってくれるんじゃないかな。そうだと嬉しいな、と思うんだよね」と。

いい仕事をさせてもらえているなとつくづく思います。

映画『グリーンブック』観てきました。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

映画『グリーンブック』観てきました。

最寄りの映画館での上演予定の予告編をときどきチェックします。そのなかで見つけて「これは観たいな」と思っていた映画。そのうちアカデミー賞の発表があって、あちらこちらでレビューを目にし、ますます「観ねば!」と思っていたところ、やっと行って参りました。

映画を観ながら、先月『ユダヤ人と近代美術』(光文社新書)を読んだときに感じたこと、少しばかり分かったことが、蘇ってきました。すなわち、ユダヤ人のおそれられるほどの優秀さの背景には、彼らが自らの居場所を確保するためにその教養を磨き、深めてきたという歴史的な側面があること。その結果として、過去から現在の多様な分野においてその存在感を示しつづけているのだということ。

映画『グリーンブック』では、それが黒人であり音楽という分野でした。音楽で秀でることによって、(客観的には)素晴らしい地位を得て、自らの居場所を確保したかに見えたピアニスト。ストーリーのなかで「なぜわざわざ(人種差別のひどい)南部に演奏旅行に出かけるのか」という問いがありました。わたしにはこの問いこそが、この映画の主題に思えました。

この問いに対して、映画の最後の方で演奏仲間である一人から、その理由らしいものが述べられるのですが、もっと複雑なものが本人のなかにはあるのだろうな、と思いました。これはこの立ち位置にある本人にしかわからないものなのだろうな、と。

ともあれ、主役の二人のおじさん(?)がとっても魅力的な1本でした。

読書『日日是好日』(新潮文庫)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

読書『日日是好日』森下典子(新潮文庫)

サブタイトルに『「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』とあります。写真はイメージ(^^)

樹木希林さん主演で映画になったのは昨年でしたが、あいにく見逃しておりました。先日、友人とおしゃべりをしていたところその話になり「映画ももちろん良かったけれど、本も良かったからおすすめ!」と。実は、この映画のもとになった本があったとは知りませんでした。

本があるなら本を読もう!と思いつつ手に入れぬまま過ごしていた数日後、思いがけずそのお友だちからこの本が到着。とっても嬉しいプレゼントをいただきました。ありがとう。

で、読後感。面白かったです!というか、安心した、というのが正直なところでした。著者に比べたら、まだまだ年数も浅いわたしですが、「何年やっても、何回やっても、なかなか覚えない、同じことを間違える」という同じ経験をもっている人が、こうしてお茶の話をしていることが、とても嬉しかったです。

表千家で習っておられるのかな、と思います。お茶も流派がいろいろあって、ことばの使い方や、お作法のことなど、細かいところは流派による違いもあります。けれど、その作法の違いというのはこだわる部分ではありません。「茶式不可論(チャシキロンズベカラズ)」ですね。

つい少し前にお茶の先生からいただいた言葉「なにごとも続けた先にしか見えない景色があるを、思い出しました。お茶を続けることによる「しあわせ」は、流派を問わず同じなのだな、ということを確認することのできる本でした。

わたしにとっては、この本の著者、森下典子さんという作家さんがいることを知ることができたのも、大きな収穫でした。わたしはエッセイはあまり読まないのですが、なんだか文章がとても魅力的で。さっそく彼女の別の著書を注文しちゃいました(^^)

あなたなら何を作りますか?

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

あなたなら何を作りますか?

先日開催した、福岡ACAD.「世界史を建築家の視点で学ぶ!ルネサンス・バロック」講座で、スライドショーの解説を一通り学んだ後の意見交換テーマは、次のようなものでした。

「あなたが現在または近い将来に国家の有力者になったとして、政治的・経済的な面を考慮して何かの施設を作るとしたらそれは何でしょうか。これからの時代に向けて何をつくったらよいのでしょうか。」というものでした。

それぞれに思いついたことを好き勝手に話しながらも、「都市の分散」や「一定範囲内で生活・文化が充足する小さなコミュニティ」への期待は参加者に共通したところであることもわかり、とても興味深い時間となりました。

と思っていたら、先日手元に届いた『ナショナルジオグラフィック日本版』の特集は「世界の都市 輝く未来のためのアイデア」。写真にあるように、世界的な建築設計事務所に対して「どんな未来の都市を設計しますか?」という質問が投げかけられていました。

ナショナルジオグラフィック日本版2019年4月号より
ナショナルジオグラフィック日本版2019年4月号より

図らずもナショナルジオグラフィックと同じテーマを扱っていたのでした。福岡ACAD.の勉強会シリーズ、目の付け所の先見性も自慢です(^^)

雑誌の定期購読。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

雑誌の定期購読。

いつ、何で読んだか、どなたの記事だったかは忘れてしまいましたが(ごめんなさい!)、「雑誌の定期購読は視野を広げる役に立つ」というものがありました。いわく、定期的に半ば強制的に(笑)送り付けられてくるから、自分が気にしていなかったテーマにも触れる機会になる、しかもお金を払ってしまっているので、読んでみようかという気にもなる、と。

なるほど!というわけで、我が家でも雑誌の定期購読を始めて数年。「視野を広げる」という目的のもと、基本的に1年購読にして、毎年雑誌を変えることにしています。定期購読していると、その雑誌が「どんな人たちに届けようとしているか」がよく見えてくるのも面白いです。その読者層の枠にはまってしまわないためにも、1年で切り替え。よほど良いと思えば、継続して、あらたにプラスすればよいかな、と。

現在読んでいるのは「ナショナルジオグラフィック日本版」です。英語版とどちらにしようかと思いましたが、中学生の息子が興味を持ったときに手にとりやすいように、まずは日本語版。「ナショナルジオグラフィック」に対して、わたし自身は「社会への問題提起」をする雑誌という漠然としたイメージを持っていました。実際定期購読したところ、そのイメージ以上のものがありました。毎回興味深く読んでいます。

1年購読も終盤にかかっています。そろそろ「次の1冊」を決めようかというところ。次の雑誌を決める家族会議がまた、楽しみのひとつです。

【開催報告】対話型鑑賞講座@朝日カルチャー福岡教室

こんにちは。Meet Me at Art エデュケーターふじゆりです。

【開催報告】対話型鑑賞講座@朝日カルチャー福岡教室

「知識いらずの美術鑑賞」対話型鑑賞(ビジュアルシンキング)で美術の見方を深めましょう

というタイトルで、単発講座を開催いたしました。

美術鑑賞、それも対話型鑑賞法という一般にはまだあまりなじみのない概念。参加してくださる方があるかしら?と思っておりました。が、美術館で展示解説のボランティアをなさっている方、プロモーションやイベント企画をお仕事になさっている方、年に何十回も展覧会に足を運ぶ方など熱意ある方々がお越しくださいました。

90分の講座のなかで、対話型鑑賞の基本的な考え方と、鑑賞を深めるためのワークショップを3ステップ一緒にやってみました。実際に美術鑑賞をするワークでは、水彩の小作品を目の前で見ながらのワークと、有名作家による作品をスライドで確認しながらのワーク。

一度の体験だけでは「対話型鑑賞」の面白さを体感しにくいかもしれませんが、これから日常で美術作品を前にしたときに自分自身で対話型の手法をとりいれることができる観方のヒントもお伝えしました。

今後も朝日カルチャーセンター福岡教室さんでは、単発での美術鑑賞関連の講座を計画しています。美術がもっと生活のなかに浸透していくように、いろいろなきっかけ作りができたら嬉しいな、と思いつつ。

教室に到着したらすぐに講座が始められるよう準備を整えてくださっていた朝日カルチャーセンター福岡教室さん、ありがとうございました!

勘違いで出会う本もある。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

勘違いで出会う本もある。

先日図書館に行ったとき、閉館時間が迫っていたので「とりあえず」とつかんできた文庫本二冊。

角川文庫で、図書館の「海外作家文庫」の棚に並んでいたことから、勝手に海外の古典的な小説かなと思い込み、そのタイトルから勝手に「古典サクセスストーリー」的なイメージを思い描いておりました。

オグ・マンディーノ著『世界最強の商人』『その後の世界最強の商人』
(角川文庫)

蓋を開けてみれば、原著が1968年にアメリカで出版されたという、いわば自己啓発本。最初の「まえがき」にあたるページが「賞賛の数々」という、この本を讃えるコメントの数々で始まっており、思いがけないスタートにビックリしました。

でもせっかく手に取ったのでもあるし、2冊ともすぐに読んでしまえそうなボリュームだったので、とりあえず食わず嫌いせず読み進めていくことに。

読んでみたところ、最初のタイトルから受けた「サクセスストーリー」という印象 は、あながち的外れでもなかったようです。ゴリゴリの自己啓発本ではありますが、主人公のサクセスストーリーという形を借りているため「お話」としても読むこともできました。

それにしてもこの本、17か国語で総計900万部のベストセラー本だったようです。この本についての概要を知っていたら、おそらく手に取ることはなかったであろうことを考えると、本との偶然の出会いもまた面白いなと、つくづく。

好きな絵を飾る。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

好きな絵を飾る。

写真は、息子が小学生の時に図工の授業で近所の風景を描いたもの。周りの子どもたちが、立派な古民家の外観を含む景色や神社の大きな鳥居を正面から描いているのを横目に、神社の横のほうにひっそりと建つ石像をメインに据えたもの。

この絵の景色の切り取り方が最高に面白くて、気に入ってわたしの仕事場に飾っています。見れば見るほど彼の視点、立ち位置の面白さを感じる絵なのです。

息子、学校の成績的には絵が得意とは言いにくいし、本人的にも特に絵を描くのが好きというわけでもなく。夏休みの宿題で絵を描く姿を見ていても「もっと丁寧に描こうよ!」といいたくなるのをぐっと我慢しながら見守ること多々でありました。

上手いとか下手とかとは別のところで、個人的に魅力を感じる絵だからこそ、毎日目に見えるところに飾っています。「絵を飾る」って、そういうことでいいんじゃないかと思います。もちろん、一般的に名画と呼ばれるものを手に入れるのも良いとは思いますが、絵と絵を飾るわたしとの関係は、もっともっと個人的なものでいいのかな、と。

そういえば、佐賀の花祭から引っ越してくるときにしまい込んで、出していない絵があるよね。と思い返し、押し入れをごそごそ。あるある!我が家には、ダンナ・藤吉憲典が過去に描いた絵がたくさんあるのでした。今週末あたり、引っ張り出して飾ることに決定。