身近なところに多様性。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

身近なところに多様性。

陶芸家の家に集まったのは、メダカ屋、ゲームクリエイター、フレンチシェフ、工務店現場監督、学芸員、市役所職員、美容師、日本語学校教師、一級建築士、革職人、IT技術者…先日の忘年会のことです。

まぁ、見事に職業がバラバラ。年齢層もバラバラ。最年長のダンナを筆頭に、息子でもおかしくない年齢の方まで。もちろん、結果としてそうであった!というだけで、意図したわけではありません。ただ友人にフリーランスや自営業者、オーナー経営者が多いのは、うちが自営業者だからかもしれません。

呑みながら、食べながら、どうしようもなくくだらない話題もあれば、シリアスな相談事もある、おもしろい時間です。それぞれ仕事においての立場や環境がまったく異なるので、おしゃべりしているだけでも自然と視野が広がります。若い方に教わることは数多く。

共通点があるとしたら、人生において、自分にとって、生業をどうとらえているか、にあるのではないかと思っています。正面切ってそのような質問を投げかけたことは無いので、「たぶんそうだろうな」という感じですが。

毎年、こうして集まってくれるのが、とっても嬉しい仲間たちです。

手づくり、という手があった!

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手づくり、という手があった!

先日のクリスマス。イブの日にケーキを買おうと思ったら、どこのケーキ屋さんも大行列。並ぶのいやだな、どうしようかな、と思いつつスーパーで買い物中に視界に飛び込んできたのが、スポンジケーキと各種生クリームが陳列された「手づくりケーキセット」売り場。

そういえば、息子が小学校あがってすぐのころ、近所のお友だちと「手づくりでクリスマスケーキをつくる」というので、スポンジから焼くのは無理だろうと出来合いのスポンジケーキを買ってきたのを思い出しました。

これだ!と思い5号サイズのスポンジケーキ(デコレーションできるように2枚に切ってある♪)と、生クリームのパックをつかみ、果物売り場でトッピング用の果物を調達。

「今年のクリスマスは、手作りケーキにします!」と宣言したところ、息子はノリノリで果物カット係とデコレーション係を担当してくれました。わたしはと言えば、生クリーム泡立て係で、久しぶりに手に泡だて器を握りました。ハンドミキサーもあるのですが、アナログで(笑)

出来上がったのが上の写真のケーキ。本来我が家のデコレーション係筆頭であるダンナが窯焚き中で忙しかったので、今回はデコレーションに参加できず。見た目には素人感満載ですが、生クリームたっぷり・果物たっぷりで、楽しく美味しく大満足。

スポンジは出来合いなので、正確には「半・手づくり」とでもいいましょうか。自分の好みの素材でデコレーションでき、手軽に手作り感が味わえて、満足度が高いものとなりました。

来年からも、この手で行くことに決定!

こんな人になりたい。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

こんな人になりたい。

クリスマス。今年のところどころで気にかかりながら先延ばしにしてしまっていたことを、年内にきちんとしなければ!と、一念発起した昨日でした。

2019年はここ数年のなかでも、陶芸術家・藤吉憲典にとって、ひとつ勝負の年でありました。「器」と「アート」。どちらも大好きで、どちらも大切。本人曰く「ガチャンガチャンと」思考回路を切り替えながら、作陶に取り組んでいます。つくるのにどちらがラクということは無く、細部まで丁寧に、「すべてが自分の代表作」というスタンスはまったく同じ。

器=役に立つもの、アート=意味のあるもの。同じ「磁器作品」であっても、求めるお客さまの志向は異なるため、市場は同じではありません。「器のギャラリー」と「アートギャラリー」のあいだに距離があるのは、アートピースに取り組み始めたときからわかっていたことではありました。

作り手・藤吉憲典にとっては、両輪があることで、それぞれの分野の進化・深化があります。が、それを本心から理解できる人は、日本においてはクリエイティブな業界にあっても(あるいは、だからこそ)多くはないことを、ことあるごとに感じていました。

それでも、こうして「好きなもの、作りたいものだけを作る」姿勢を一貫して来れているのは、ひとえに、作家とその作品を愛し、理解しようとし、尊重し、その進化・深化を一緒になって楽しみ、受け入れ、世に発表してくださるギャラリーさんがあるからこそです。これは、国内でも国外でも同じ。

さて冒頭の「気にかかりながら先延ばししていたこと」のひとつについて、お世話になっているギャラリーさんにご連絡をしたところ、作家が「こう言ってもらうのが一番うれしい」というお返事そのものをいただきました。

20年近いお付き合いのなかで、これまでもずっと「この人のようになれたら素晴らしいな」と思っていた方。その懐の大きさに、また頭が下がりました。涙が出るほどありがたい言葉に、作家ともども大きく勇気づけられたクリスマスでした。

ふるさと納税。

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ふるさと納税。

昨年もこの時期にこのような記事を書いたな、と思いつつ。もちろんふるさと納税の仕組み自体は年中稼働しているのですが、12月の申し込みがもっとも多いようですね。

上の写真は、ANAのふるさと納税サイト。サイト内のキーワード検索で「花祭窯」を入れると、一発で出てきました。福津市の返礼品として、ふるさと納税スタートの初年度から提供してきていますが、花祭窯からの提供品は、国の制度の変化やふるさと納税サイトの変化に合わせて変わってきています。

花祭窯からの提供品は、昨年は「蕎麦猪口」のセットのみでしたが、今年は重箱や筒茶碗が加わって、より選択の幅が広がったと思います。通常のご注文品と同様、ふるさと納税でもご連絡をいただいてからの制作になります。お届けまで4カ月程度お待たせしておりますが、ご理解くださる方からのご指名はありがたい限りです。

福津市では、ふるさと納税の使い道のひとつとして、世界遺産に指定された「新原・奴山古墳群」をはじめとした伝統文化の保護事業に使うことをうたっています。しっかりと有意義に使ってほしいものですね。

今年の〆の書道部は。

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今年の〆の書道部は。

時節柄、年賀状の文字のお稽古。写真はダンナによるお手本。こんな風にさらっと書けるようになったら、どんなにいいでしょう。でもその裏に膨大な書の稽古時間があったことを思えば、軽々しく「羨ましい」などとは口にできません。

いくつかいろいろ書いてみて、「しんにょう」や「ころもへん」がバランス良くかけないことを再確認。そうすると「賀正」とか「正月」とか「元旦」の文字の方がよさそうね、などと思いつつ、今回は「賀正」を練習。

いつもは筆を持って書いていますが、年賀状に備えて「筆ペン」を使ってみました。筆ペンもまた、持ち慣れないとうまくコントロールすることができません。「手の運動神経」という言葉が頭をよぎります。四苦八苦しながら得た結論は「これからは『マイ筆ペン』を持ち歩こう」ということ。前々から言われていたことなのですが。

さっそく、自分へのクリスマスプレゼントに筆ペンを買ってきます。

2019読んだ本ベスト5。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

2019読んだ本ベスト5。

今年もこの季節になりました。読書中の本が数冊あるので、年内に読み終わるものもありそうですが、とりあえず本日までのところでランキング。


第5位:『W・チャーチル 我が半生』(中央公論新社)W・チャーチル著

ウィンストン・チャーチルの半生自伝。はじめに「現代イギリスの自伝として」とあるとおり、今のイギリスにつながる政治の流れ、イギリスから見た国際情勢の流れが、描かれています。小説のように読ませる文章で、面白く現代史を学ぶことができました。

第4位:『エグゼクティブは美術館に集う』 (光村図書)奥村高明著

美術鑑賞の効用を説いた本書は、アートエデュケーターとして知っておきたい内容が盛りだくさん。その内容の充実度合から、2回に分けて備忘録をアップ。繰り返し内容を確認したい本であり、「アーティストでは無いけれど、美術を仕事にする」方々に、おススメの本です。

第3位:『ユダヤ人と近代美術』(光文社新書)圀府寺 司 著

世界中で、アートに関わるあらゆる場面で ユダヤ系の方々が多く活躍していることを知り、その背景を少しでも理解したくて見つけたのがこの本。美術・芸術の持つ根源的な力、近代以降の「市民」にとっての美術を考えるのにも、深い示唆のある本です。

第2位:『書くことについて』(小学館文庫)スティーヴン・キング著、田村義進訳

文章指南の本でありながら、巨匠スティーブン・キングがいかにして誕生したのかを垣間見ることができる自伝的な書でもあります。ストーリーの面白さに引き込まれ、読み終えてすぐに2周目を読みました。小説家を目指す方には、ぜひ読んでみて欲しい本です。

第1位:『ハリー・ポッター』シリーズ (静山社)J・K・ローリング著

この年にしてやってきたハリー・ポッター・ブーム。ページをめくるのがもどかしく感じられたのは、実に久しぶりでした。巷で大ブームになっていた時には、ほとんど興味がなかったのですから、わからないものですね。文庫化の恩恵に授かりました。


今年は、前半は坂東眞砂子さんや平野啓一郎さんといった日本の小説家の面白さにハマり、後半はハリー・ポッターにハマりと、「小説」をたくさん読んだ一年となりました。

「この本読んだの今年だったのね!」というものもあれば、読んだことをすっかり忘れてしまっていた本もあり。もう一度読もうと引っ張り出した本少なからず。これだから、自分のために読書記録は付けておかねば!ですね。

郷育カレッジで大峰山散歩。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

郷育カレッジで大峰山散歩。

福津市民のための生涯学習システム「郷育カレッジ」。様々な分野の講座があるなかに「歩こう」シリーズがあります。日頃、定期的に体を動かすことをしていないわたしにとっては、「運動不足解消」と「地域を知る」を一遍に実現できるお得な講座です。

本日参加したコースは、すぐご近所の大峰山。観光ボランティアガイドさんがナビゲートしてくださるので、耳はその解説をお聞きしつつ、目は景色を眺めつつ、の贅沢です。

津屋崎千軒→楯崎神社→薬師神社→薬師岳→大峰山→東郷公園→東郷神社→親子灯台→津屋崎千軒:で、約3時間のルート。近所に住んでいながら、ぐるりとすべてを歩いて回る機会は、なかなかありません。10名程の皆さんと、楽しくお散歩してまいりました。

登れば上の写真のような景色が待っていますから、気分スッキリ。雑木林のヤブツバキがちょうど開きつつあるところで、美しく。トレッキングというほどでもないものの、途中「やや健脚向け」な斜面もあり、程好い疲労感でした。

続・読書『ハリー・ポッター』シリーズ(静山社)。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

続・読書『ハリー・ポッター』シリーズ (静山社) 。

ハリー・ポッターの本を今頃読んでいます!という話をブログにあげたのは、11月1日のこと。合計7巻全11冊の文庫シリーズを読破したのは、ロンドンに出発する少し前のことでした。1か月かからずに読んだことになり、我ながらそのスピードにびっくり。

ページをめくるのがもどかしいほどに「次はどうなるの!?」と、夢中で読みました。映画をDVDで観ていたものの、小説での描写の細かさ丁寧さに勝るものではなく、読後の感想は「やっぱり、本で読むのが一番!」。

ロンドンはハリー・ポッターの重要な舞台のひとつ。キングスクロス駅の9と3/4番ホームに行きたいなぁ、と、情報だけはガイドブックでチェックして臨んだロンドンでしたが、今回はハリーポッター詣でには至りませんでした。

が、意外なところで、ハリー・ポッターを身近に感じる機会が。藤吉憲典の個展オープニングで、ギャラリーオーナーのジェリーとおしゃべりをしていた時のこと。最近になってハリー・ポッターに夢中になったという話をしたら、「J・K・ローリングは、うちのお客さんだよ。彼女のところに、憲典の作品パンフレットもお届けしてあるよ」と。

一気に現実的なところにその存在が降りてきて、とても不思議な気持ちでした。著者であるJ・K・ローリングの、子どもたちとの心温まるエピソードなどを聞くこともできて、思いもよらぬ側面から、ハリー・ポッターを感じることができました。

お家で忘年会。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

お家で忘年会。

写真は、花祭窯の庭の冬の楽しみ、サザンカです。忘年会シーズン到来。今年は「忘年会スルー」という言葉がはやっているそうですね。義務化した呑み会の辛さが伝わってきます。せっかく集まってご飯を食べたりお酒を呑んだりするのなら、楽しい時間を過ごしたいものです。

我が家では、子どもが生まれて以来「お家で忘年会」が定着しています。いわば、家呑み。家呑みの良いところは、家族でお招きできるところと、お店と違ってあまり時間を気にしなくていいこと。大まかに時間を決めたら、来る時間も帰る時間もそれぞれの都合でOKです。

先日の忘年会は大人6名、子ども5名、赤ちゃん1名。家族ぐるみの忘年会では、子どもは子どもで遊び、大人は大人で話ができ、それぞれに状況がよく見えて、無理せず楽しい時間が過ごせます。

ふだんから顔を合わせていても、じっくりと話しこむ時間はなかなか無いもの。忘年会を機会として、そうした時間を持てるのは、わたしにとって、とてもありがたいことです。

読書『ヴィクトリア朝ロンドンとシャーロック・ホームズ』(原書房)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『ヴィクトリア朝ロンドンとシャーロック・ホームズ』(原書房)

映画をDVDで観て、小説を読んで、シャーロックホームズ博物館に行って、帰ってきて関連書籍を読んで…。シャーロックホームズが特別好きなわけではありませんが、体験がつながっていく面白さを楽しんでいる今日この頃です。

『写真で見る ヴィクトリア朝ロンドンとシャーロック・ホームズ』(原書房)アレックス・ワーナー編

本書はロンドン博物館で開かれた展覧会を機会にまとめられた小論集。編者をはじめとしたキュレーター、文学博士等の5名の著者によるものです。そういえばロンドン博物館も、地元の方から「おススメ」と教えていただいていたのですが、足を運べませんでした。これは次回の楽しみということで。

「はじめに」で「これほどたびたび映像化の対象となってきた架空のキャラクターは、ほかにいない」と書かれている一文が、心に刺さりました。確かに「架空の」キャラクターであるにもかかわらず、リアルに感じられる存在感。

シャーロックホームズ博物館を訪問して感じたのが、まさにそこでした。同行者が思わず口にした「ホームズこんなとこに住んでたんだね、もっと広い部屋だと思ってた」という言葉。まさに「架空」の存在を超えていることを物語っていました。いやいや、本のなかの話だし!と(笑)「コナン・ドイル博物館」ではないのです。

そんなホームズの魅力が、マニアックに掘り下げられています。タイトルに「写真で見る」とついているように、豊富な写真資料が入っていますが、特筆すべきは文章の面白さ。それぞれの著者の、ホームズ愛とロンドン愛が、ひしひしと感じられる一冊です。