読書『ヴィクトリア朝ロンドンとシャーロック・ホームズ』(原書房)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『ヴィクトリア朝ロンドンとシャーロック・ホームズ』(原書房)

映画をDVDで観て、小説を読んで、シャーロックホームズ博物館に行って、帰ってきて関連書籍を読んで…。シャーロックホームズが特別好きなわけではありませんが、体験がつながっていく面白さを楽しんでいる今日この頃です。

『写真で見る ヴィクトリア朝ロンドンとシャーロック・ホームズ』(原書房)アレックス・ワーナー編

本書はロンドン博物館で開かれた展覧会を機会にまとめられた小論集。編者をはじめとしたキュレーター、文学博士等の5名の著者によるものです。そういえばロンドン博物館も、地元の方から「おススメ」と教えていただいていたのですが、足を運べませんでした。これは次回の楽しみということで。

「はじめに」で「これほどたびたび映像化の対象となってきた架空のキャラクターは、ほかにいない」と書かれている一文が、心に刺さりました。確かに「架空の」キャラクターであるにもかかわらず、リアルに感じられる存在感。

シャーロックホームズ博物館を訪問して感じたのが、まさにそこでした。同行者が思わず口にした「ホームズこんなとこに住んでたんだね、もっと広い部屋だと思ってた」という言葉。まさに「架空」の存在を超えていることを物語っていました。いやいや、本のなかの話だし!と(笑)「コナン・ドイル博物館」ではないのです。

そんなホームズの魅力が、マニアックに掘り下げられています。タイトルに「写真で見る」とついているように、豊富な写真資料が入っていますが、特筆すべきは文章の面白さ。それぞれの著者の、ホームズ愛とロンドン愛が、ひしひしと感じられる一冊です。