読書『ネーミングの言語学』(開拓社)窪薗晴夫著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『ネーミングの言語学』(開拓社)窪薗晴夫著

商品・サービスに「わかりやすい名前を付ける」必要に迫られて、「ネーミング」に関する本を図書館で物色。いつもお世話になっているカメリア図書館は臨時休館中ですので、正しくは図書館ウェブサイトの「蔵書検索」で探しました。ウェブから予約を入れて、福津市図書館の窓口に受け取りに行けば借りることができますので、このサービスをフル活用しています。

何冊も借りてきたなかで、特にこれは面白い!と思ったのが、『ネーミング全史』(日本経済新聞社/岩永嘉弘著)と、本書『ネーミングの言語学』の2冊でした。で、本日は後者をご紹介。本書は開拓社から出ている「言語・文化選書」の第8巻で、このシリーズでは、日本語・英語をはじめとした言語文化についての様々な研究を、平易で読みやすいものにするのが目的となっているようです。

用途的に必要だったのは、マーケティング視点で書かれた本であったはずなのに、「言語構造・規則」を考察した学術的アプローチの本書にハマってしまいました。「韻を踏む」と言う、その「韻」なかでも単語の先頭に来る「頭韻」について、これでもかというほど用例が示され解説されています。本書の前半はすべてこの「頭韻」の考察。続く後半では「語順とリズム」、最後に「日本語の命名と言語構造」と続きます。語順とリズムについても用例多数。

読み終わってみれば、韻や語順とリズムが与えるイメージへの理解が深まり、大きな収穫でした。ネーミングにあたり、マーケティング目線の強い本の方が、直接的に参考になるのではないかと思っていましたが、さにあらず。構造や規則(パターン)を知ることで、より本質的な理解に近づいていくことは、これから言語と付き合っていくうえで、底力になると思いました。このうえで、マーケティング視点でのネーミングを知ることが大切ですね。ということで、明日に続きます^^