読書『この道の先に、いつもの赤毛』(早川書房)アン・タイラー著/小川高義訳

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『この道の先に、いつもの赤毛』(早川書房)アン・タイラー著/小川高義訳

我が家では、九州福岡のローカル紙・西日本新聞を購読しています。未だ「紙」版重視です。電子版も使ってはおりますが。西日本新聞では、毎週土曜日に書評面「読書館」が見開きであり、毎週末の楽しみです。

ひと月ほど前だったでしょうか。その書評面で読んだうちの1冊に、本書がありました。そのときは「面白そうな本」だと感じたのみで、探すには至らず。それがつい先週、図書館の新刊棚に並んでいるのを発見。わたしは本のタイトルを覚えるのは苦手なのですが、書評で読んだタイトルと、タイトルの裏話が面白かったので、珍しく覚えていました。

これは縁があるのだろうと、さっそく借りて参りました。やさしい文章で、サクサク読み進み、週末の一日で読了。なんてことのない、ある四十男の日常と、彼の現在の恋と、過去の恋のお話。読みはじめてすぐに、主人公のイメージがなぜか歌舞伎役者・尾上松也氏の姿に脳内変換されました。作者アン・タイラーさんはアメリカ人で、主人公もまたおそらくアメリカ人。年齢的には主人公よりも松也氏の方が若いのですが…。

ともあれ、なんだかとてもやさしい読後感の残る小説でした。こういうものを読んだのは久しぶりかもしれません。新聞で目にした書評にはストーリー概要も載っていたはずですが、覚えていたのはタイトルだけで、逆にもし概要を覚えていたら、手に取らなかった本だったかも、と思いつつ。こういう選び方がたまにあることで、読書傾向の固定化が防げそうです。