読書『彼女の思い出/逆さまの森』(新潮社)J.D.サリンジャー著/金原瑞人訳

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『彼女の思い出/逆さまの森』(新潮社)J.D.サリンジャー著/金原瑞人訳

サリンジャーといえば『ライ麦畑でつかまえて』。野崎孝訳が我が家にもあります。が、これまでに何度も読もうとしたものの、毎回途中で(それも、かなり早いタイミングで)閉じてしまっておりました。

本書『彼女の思い出/逆さまの森』は、サリンジャーの短編集。2022年7月の発行ですので、新訳版ということかな、と思いつつ、短編なら読めるかも、と気軽に手に取りました。短編が9つ。タイトルにもなっている『逆さまの森』はこの中では一番長いものでしたが、それでも中編というほどもない量でした。

全編に漂う、独特のブラックユーモアというか、毒というか、興味深く嫌いではない世界観でした。短編は、ひとつづつ完結させながら1冊を読むことが出来る良さがありますね。電車のお伴に最適です。隙間時間読書で、気がついたら読了していました。

収録されているすべての物語が面白く、今まで『ライ麦畑でつかまえて』を読み進めることが出来なかったのは、たまたまだったのかもしれないという気がしてきました。読了後さっそく何度目かの『ライ麦畑…』を手に取ることに。短編の読後感が余韻として残っている勢いで読めるだろうと思っていたのですが、やはり十数ページで脱落。うーん。

『ライ麦畑でつかまえて』が名著であるというのは古今東西の皆さまがおっしゃっていることなので、揺らぎようの無いものだと思います。でも、どうやらわたしには合わないようです。あるいは、もしかしたら訳との相性もあるのでしょう。試しに別の方の訳書を探して見ようかな、と思いました。

また本書を読んで初めて知ったのですが、サリンジャーは実は短編の書き手なのですね。訳者あとがきに、サリンジャー本人が「僕は短距離走者で、長距離は得意じゃない。」と言っている言葉が紹介されているのを読んで、ちょっぴりホッとしたところでした。ともあれ初サリンジャーで、短編のすごさに触れましたので、まずは他の短編も読んでみようと思います。