十一月、風炉から炉へ。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

十一月、風炉から炉へ。

昨日は、3週間ぶりにお茶のお稽古でした。お茶室に入ろうとして、ご挨拶をしたところで、目の前の景色に一瞬動きがストップ。なにかが違う、という感覚からお茶室をぐるりと見まわして、腑に落ちました。風炉から炉へと変わったお茶室の設えです。この変化が、十一月がお茶の新年であることを、毎年思い出させてくれます。

と同時に頭をよぎったのは、設えに合わせてお点前が変わることへの不安感。またイチからだ…と心の声が顔に出てしまったのでしょう、すかさず先生に「今日は皆さんいらっしゃるなりそんな顔をなさるんですよ」と笑われました。そして無言ながら「大丈夫よ!」と笑顔で頷いてくださる先輩方。皆さんの笑顔に後押しされて、お茶室に入りました。

窯の位置が変わる。たったそれだけのことなのに、あたふたしてしまう我が身の頼りなさです。現在わたしがお稽古をしているのは、奥点前のひとつ「盆点て」。設えが変われば、道具を置く位置が変わり、それに伴ってお作法の流れが少しづつ変わります。ひとつのお点前を1年間通してお稽古することで身に着けていくのですが、なかなか一筋縄には参りません。

いつもよりもさらに時間をかけて、一つ一つ確認しながらのお稽古となりました。春から続けてきた盆点てのお点前も、今月からまた新しいお点前のような気持で学び直しとなりました。ゆっくり取り組むことを受け止めてくださる環境に、心より感謝です。