読書『切手デザイナーの仕事』(グラフィック者)間部香代著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『切手デザイナーの仕事』(グラフィック者)間部香代著

子どもの頃の趣味に「切手集め」がありました。今もその名残の「切手帳」が3冊手元に残っています。小学校に上がる頃からだったと思います。自分宛てに届いた手紙の切手を切り抜くことからはじまり、家族宛てに来たものからも頂戴するようになり。わたしが子どもの頃はまだ手紙文化が残っていて、手紙のやり取りがなされていたからこそですね。

お小遣いをもらうようになると、使用済み切手ではなく、未使用の記念切手を求めて、切手を買うようになりました。少ないお小遣いのなかからの買い物ですから、1枚づつ。シートのものも、バラで少しづつ買っていました。たまにうちにいらっしゃるお客さまが「切手が好きって聞いたから」と、記念切手や珍しい海外の切手などをお土産に持ってきてくださることがあり、何よりうれしいプレゼントでした。いまだに手元に残っているものがあります。

というわけで、本書のタイトルを発見したら、手に取らないわけには参りません。「切手デザイナーっていう職業があるんだ!」という驚きとともに、ページを開きました。日本郵便の社員で、現在8名いらっしゃるということで、それぞれのデザイナーさんへのインタビューをもとに、本書は構成されています。

まず興味があったのは、どういう経緯でその職に就くことになったのか。8人8様で面白いです。切手デザイナーという仕事に対する想いやスタンスも、それぞれ。そしてそれぞれが手がけた切手の写真が載っています。見たことあるもの、使ったことのあるもの、今まさに手元に持っているものがたくさんあり、テンションが上がりました。

わたしは相変わらず切手が好きで、記念切手を買うのですが(収集用ではなく、実用に)、好きなデザインとそうでないものとがあり、当たり前かもしれませんが、好きなものしか買いません。でも「誰がデザインした切手か」という視点は、これまで全くありませんでしたから、不思議です。デザイナーがいるという観点が抜けていたのですね。本書を読んで、自分が好きな切手をデザインをした方がどんな方なのか、少し知ることが出来たのは、嬉しいことでした。

現在わたしにとっての一番のお宝切手は、1981年に発行された「英国王室チャールズ皇太子ご成婚記念」切手です。チャールズ国王と、今は亡きダイアナ元妃のツーショット。このときは、頑張って2シート購入したのでした。当時、日本での販売価格がいくらだったかは覚えていませんが、切手の額面は14ペンスと25ペンスが1組になっています。

なんてことを思い出しつつ、久しぶりに切手帳を開きつつ、楽しんだ一冊でした。