こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。
なるほど、神無月。
いつもなら九月の終わりごろから、太鼓のお稽古の音が響いてくるはずでしたが、今年は静かでした。おくんち(秋季大祭)の行列と、子ども相撲が行われていたはずの週末。写真は数年前のおくんちの行列の様子です。
でも、おくんちのお祓い神事は行われていました。お神輿が出て、御旅所二か所で神事。ふだんは地域総出のお祭りですが、今回は氏子総代と呼ばれる係の人たちだけで行われました。持ち回りで神社のお手伝いをしているダンナは、前日から掃除とお神輿の準備に駆り出され、当日も社務所で参拝客への案内係。
今年はお神輿の練り歩きがないので、参拝する人もほとんど無いかと思いきや、神社にお参りにいらっしゃる方があったようです。毎年のことですから、自然と足が向くのかもしれませんね。ダンナの役目はというと、お神輿が御旅所にまわっている最中に、いらした参拝者に「今、神様はここにおりません」と説明すること。
最初その役目を聞いたとき、すぐに理解できず、思わず聞きなおしました。つまり、神社の神様をお神輿に乗せて、御旅所での神事に回るので、その間は神社には神様はおられないのだということ。お神輿が神社に戻ってきて初めて、神様も神社に戻られるということなのですね。
それを聞いて「神無月だ!」と合点。神無月の語源を「出雲大社に神様が集まるから、地元に神様がいなくなる」という大雑把な理解で納得しておりましたが、なるほど10月は秋季大祭・豊穣祭の季節。出雲までお出かけになっていなくても、神様がお神輿に乗ってあちらこちらで神事を行いに出かけているあいだ、神社に「神無」の状態ができるということが、現実感をもって感じられました。
それにしても、波折神社のおくんちを楽しんで9年目にして発見のトリビア。なんとなく接していて、実はわかっていないこと、まだまだたくさんありそうです。