宮地嶽神社の光の道。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

宮地嶽神社の光の道。

数年前にJALのコマーシャルで「嵐」が登場したことで、その名を知られるようになった宮地嶽神社(福岡県福津市)の「光の道」。

それ以前は「光の道」と呼んでいたかしら!?と思いつつ。参道からまっすぐ行った鳥居の向こうの海に沈む夕陽は昔からあったわけで、毎年春と秋にそのシーズンがやってくることを、わたしたちも、地元の方々に教えていただいていました。

有名になったことで、神社の階段を上った絶景スポットは「有料席」あるいは整理券の必要な席となり。それまで気軽に出かけて眺めていた地元民的には「なんだかなぁ」という気持ちもありつつ、人が増えた今となっては、事故を防ぐためにも必要なことなのでしょうね。これを機会とした観光振興的な動きもあるので、福津市としては喜ばしいことなのだろうと思います。

さてその光の道、2019年秋は10月12日(土)〜10月25日(金)ということです。写真は、期間中に撮った写真。参道の一番端にある鳥居をくぐった砂浜からの景色です。ただ、この期間外であっても、海に沈む夕陽はきれいですので、福岡・福津宗像方面お越しの機会がありましたらぜひ一度ご覧になってみてくださいね。

休憩のタイミング。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

休憩のタイミング。

写真は宮司浜から津屋崎浜方面を眺めたところ。

「この週末からちょっと予定詰まり気味だなぁ」と思っていた矢先の金曜日に息子がケガをして、週末の予定をすべてキャンセル。一転してお仕事休憩の週末となりました。

厳密には休憩というよりは、まず心配だし、連日病院に連れて行き、学校に報告し、と気持ち的にも物理的にもバタバタしていたわけですが。ともあれ強制的に仕事頭から切り離されることになりました。

診療時間終了間際に駆け込んだ 整形外科。先生の手技による処置のおかげで、息子のケガは週明けから学校へ行ける程度におさまり、ひとまずホッとしました。

病院の待合室で方々に連絡メールをしながら、「少し俯瞰して眺めろということね」と感じます。いろいろ詰め込んでいたものをキャンセルすると「今の最優先順位」が自ずと見えてきます。

休憩のタイミングは、常に自分でコントロールできているのが一番ですが、それが出来ていないときに、外的な要因で気づかされることがあります。振り返ってみれば、今回もそんな感じ。忙しいと思い込んでいるときでも、スローダウンすることはできるのですよね。

困った時の、福岡アジアビジネスセンター。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

困った時の、福岡アジアビジネスセンター

藤吉憲典の上海個展(11月)、ロンドン個展(12月)を控えて、ちょっぴり気分があわただしくなってきました。展示作品の制作はほぼできたので、あとは事務方のわたしの仕事です。

国内外を問わず、展覧会準備では「無事に作品を会場まで届けること」が一番の課題です。海外向けは、破損を防ぐ梱包への注力に加え、インボイスをはじめとした必要書類の準備に神経を使います。

先日、インボイス作成で少し気になることがあったときに、ちょうど福岡アジアビジネスセンターから「海外輸出個別相談会」のご案内が届きました。福岡アジアビジネスセンターは中小企業の海外展開を応援する福岡県の出先機関。少しでも気になることは、専門家に確認しておくのが一番と、すぐに予約を入れました。

この仕組みを利用したのは、2回目。予約の際にあらかじめ相談内容を具体的に書いておくと、的確にお返事を用意してくださるので、助かります。今回もおかげさまでスッキリ解決。毎度ながらありがたいです。

「ふじゆりスタイル」ブログでキーワード検索に「福岡アジアビジネスセンター」を入れると、いくつも記事が上がります。それだけ使っているんですね。国際弁護士さんによる法務相談などもあります。

福岡アジアビジネスセンターが使いやすいのは、県の機関でありながら、専任の職員さんを外部から採用したところにも一因があると思います。親身に対応してくださる職員さんに、いつも助けられています。

福岡県内の事業所で、海外向けの仕事で困りごとがあるときには、ぜひ一度訪ねてみてください。事務所名に「アジア」とついていますが、アジア域外の相談にも対応してくださいます。

郷育カレッジ「世界遺産 新原・奴山古墳群を知ろう」参加報告。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

郷育カレッジ「世界遺産 新原・奴山古墳群を知ろう」参加報告。

「郷育カレッジ」は福津市民のための生涯学習の仕組み。様々な分野で年間約100講座あり、近年は満員御礼の人気講座もどんどん増えています。本日の講座もほぼ満席。福津市文化財課の池ノ上宏さんが講師を務めてくださいました。

「宗像・沖ノ島と関連遺産群」として新原・奴山古墳群が世界遺産登録されてから数年。同様のテーマで学ぶ機会は、座学・現地訪問等いろいろありますが、何回聞いても面白い。お話してくださる方の専門分野の違いによっても切り口が変わることや、発掘調査の進み具合によって新たな発見があったりするのも、その魅力かも知れません。

今回は個人的に、あらためて「世界遺産って何?」を考える時間となりました。「国や民族を超えて守っていかなければならない世界の宝物」に値するのかの判断の正否、世界遺産に登録することによって、ほんとうに「国や民族を超えて守っていく」ことにつながっているのか否か。

保存と公開・活用は美術館・博物館においても大きな課題のひとつです。教育普及の視点で考えると活用に目が向きがちですが、大前提として、「世界の宝物」を保存し後世に伝えていく使命があります。地域の人々がその価値を知り学ぶことが、まずは第一歩。

そのためには、地域の方がいつでも何度でも「新原・奴山古墳群」について 学べるよう、縦横無尽にいろいろな機会をつくることが必要だな、と思いました。

郷育カレッジもそのひとつ。福津市民の皆さまの講座参加をお待ちしています。

齋先生のブログを読んで考えた。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

齋(さい)先生のブログを読んで考えた。

学芸員の仕事のなかで「アート×教育」を学び実践しようとしたときに、わたしがもっとも影響を受けた先生が、齋正弘先生です。

初めて齋先生にご指導いただいたのは、2016年度の博物館学芸員技術研修会の「博物館教育」。それから毎年度、同技術研修会で受講の機会をいただき、齋先生の本拠地である仙台の宮城県美術館ではマンツーマンでワークショップを受け、昨年は津屋崎の浜辺で一緒に陶片拾い(笑)という、面白くありがたいご縁が続いています。

来月開催される今年度の「博物館教育」の講座を前に、事前準備のつもりで齋先生のブログを読んでいたら、日本での美術を取り巻く環境についてより深く考えねばと、課題を提起されました。

以下、備忘。


  • 生活の中にある極普通の美意識が、各個人に(意識的に)意識化されない
  • サブカルチャーが成立するためのカルチャーはどこに行ってしまったのだろうか。
  • なぜ絵(など)を描くのかについて、大人が考えなくなってきているのではないかと思える表現
  • 表現って、まず、見つめ続けたい対象を見つけ出すことから始まる。
  • 上手い絵の描き方ではなく、見えるものやことを使って、各自の頭の中にどのような世界を作るのかの練習
  • 善い作品は(中略)身の回りに溢れている。善いは、常に見る側の個人の内側現れるのだから。美意識ってそういうものではなかったか。
  • 何より対象をよく見ることから始める。まず出てくるものやことが、自分。
  • 図工ではない美術を伝える意識
  • 学校教育と社会教育の自覚と違い
  • 見ている人と同じ方向を意識的に見る。並んで見えるものだけが、使えるもの

(齋正弘先生のブログより)


齋先生が綴っておられる危機感は、わたしがモヤモヤと思ってきたことを明文化してくださるものでした。 わたしのアートエデュケーターとしての活動はまだ始まったばかりです。一人で出来ることはとても小さいかもしれませんが、まったくの無力ではないと信じて取り組んでいきたいと、あらためて思いました。

読書『ENGLISH JOURNAL November 2019』(アルク)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『ENGLISH JOURNAL November 2019』(アルク)

英語教材の月刊誌です。この雑誌があることを知ってはいたのですが、購入したのは、今回が初めてでした。

今号の特集は「教養のための美術英語」。このなかで記事を担当なさっているお一人が、『英語でアート』(マール社)の著者であり、アートエデュケーターの勉強会でお世話になっている宮本由紀さんということで、迷わず購入。

まず表紙で「お!」。ご存知ゴッホの「ひまわり」ですが、それもロンドンナショナルギャラリーのもの。「ひまわり」はいくつかありますが、これは現地で実物を見たので、その作品の英語解説を読めるとなると、嬉しさ倍増です。おまけに美術館のおすすめポイントも書いてあり(日本語で)。これを読んで、ナショナルギャラリーのガイドツアーに参加してみたいと思いました。

開いてみると、目的の記事以外にも、キアヌ・リーブスのインタビューやワールドニュースなど目を引くトピックス多数。この1冊を英語教材としていかに使うか、わかりやすいナビゲートで、その充実ぶりに驚きました。CD付。毎月1冊使い倒したら、力がついていきそうです。良い機会なので、まずはこの1冊を使っての学習にチャレンジしてみます♪

博多ライトアップ呈茶 2019。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

博多ライトアップ呈茶 2019。

こちらも秋のお楽しみ、博多ライトアップウォーク。例年十一月の開催でしたが、今年はラグビーワールドカップに合わせて十月の開催となりました。ライトに照らし出される寺社の景観が見どころです。

南方流茶道の円覚寺は、博多旧市街にあたる地域にあり、ライトアップにあわせて、二日間だけ有料の呈茶サービスを提供しています。お寺の庭を眺めながらお抹茶と生菓子をいただく至福の時間を、楽しんでいただけますように、と。

今年も、二日間とも、夕方六時の開始からご用意した生菓子がなくなるまで、ほぼ切れ目なくお客さまがいらっしゃいました。毎年の恒例になってきたので、この呈茶をお目当てにしてくださるお客さまも増えているようです。嬉しいですね。

ライトアップされたお庭はもちろん見所ですが、せっかく円覚寺の呈茶にいらっしゃったら、ぜひご覧いただきたいのが、床の間のお花。毎年趣向を凝らして季節を感じるお花が活けてあります。

この呈茶のお手伝い、正直なところ体力を消耗します。でも毎年手をあげて参加したくなるのです。普段のお稽古ではなかなかお会いしない先生や先輩方とも一緒に動くことで、学ぶことが多いのが最大の魅力であり、またお手伝いしつつ独特の空間をあじわうことができるのは、役得でもあり。

ともあれ今年も無事に終了いたしました。

音楽イベントふたつ。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

音楽イベントふたつ。

芸術の秋。音楽の秋。十月は地域の音楽イベントがふたつ。ひとつは地元・津屋崎の「音楽散歩」。 もうひとつは、お隣の宗像・東郷の「MUNAKATA JAZZ 2019」

津屋崎の音楽散歩は今年でもう10回目。有料チケットが要る会場が多いですが、チケット不要で楽しめる路上演奏もあります。お時間のある方は、お散歩がてら楽しみにいらしてみてはいかがでしょうか♪

音楽散歩

  • 会場:津屋崎千軒一帯
  • 日時:2019年10月14日(月祝)10時-16時半
  • チケット:前売1500円、当日2000円(中学生以下無料)
  • 駐車場:水産高校横(津屋崎4-46)
  • 問合せ:音楽散歩実行委員会090-8629-9099(受付9時-18時)

花祭窯は音楽散歩のエリアからすぐ近くなので、居ながらにしてその音や雰囲気を感じます。毎年、朝一番に津屋崎中学校の吹奏楽部がリハーサルをする音で「そっか、今日は音楽散歩だ」と気づくという。ちなみにこの日花祭窯は閉めていますので、お越しの際は、あらかじめご連絡くださいね♪

一方、2年目を迎える宗像ジャズ。たくさんの人に来て欲しいから入場無料!という、実行委員さんの心意気を感じるイベントです。お酒・フードの販売もあり、ドリンク片手に演奏を楽しむことができます。

MUNAKATA JAZZ 2019

  • 会場:統合停車場線(JR東郷駅宗像大社口からレガネット周辺)
  • 日時:2019年10月19日(土)16時-22時
  • 入場無料。
  • 公共の交通機関をご利用ください。
  • 問合せ:宗像ジャズ実行委員会(宗像市田熊4-11-23 Rococo内)

宗像ジャズは、実行委員の方々の熱意と地元愛、そこに共感する地元企業・店舗さんの協賛力の素晴らしさを感じるイベントです。企業も個人も公的機関も、垣根なく巻き込んでいくことで「わたしたちの街の、わたしたちのイベント」という意識を持つ方々が増えていく。地域イベントのあるべき姿を感じます。

福津・宗像エリアにお住まいの方はもちろん、そうでない方も、興味がありましたらぜひ足を運んでみてくださいね♪

十月の書道部。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

十月の書道部。

月一度「今月は何を書こうかな」と考えるのは楽しいもので。傍から見ると「なぜ!?」と思われる文字列も、それぞれ理由があることもあれば、まったく考え無しのこともあり。ともあれ決まりごとが無いのが、花祭窯書道部のよいところ。先日も同じ時間にお稽古している三名が、三様にまったく違うことをしていました。

今回のわたしのテーマは「不動明王」。思いがけず、この「動」の難しいこと。半紙を縦半分横半分に折って、中心線を意識しながら書くのですが、ブレます。「不動」の文字に反して動いてしまいます。十枚ほど書いて、これ以上書いても集中力が続かないな、というところでラスト一枚。

月にたった一度の書道部。そのうえ、わたしが集中して書いている時間は三十分もありません。「上達する」には程遠いお稽古時間ですが、それでもこの三十分のおかげで、文字や筆に対する姿勢が整えられるのを感じます。

読書『すごい論語』(ミシマ社)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『すごい論語』(ミシマ社)安田登

花祭窯は、創業地の近くに孔子廟(佐賀県多久市)があったことがきっかけで、なんとなく「論語」との縁が続いていています。 今回も、本書を読んであまりにも面白かったので、このところお休みしていた「論語を声に出して読もう!」を再開することを決めました。

論語に関する本ですが、これまでに出ているものと同様の解釈本だと思ったら、肩透かしを食らいます。著者の安田登さんは、論語の専門家ではなく、能の世界の人。対話によって、より深く、より真理に近づこうという本で、対話相手の方々、いとうせいこう氏、釈徹宗氏、ドミニク・チェン氏もまた論語の専門家ではありません。だからこその、真理への飛躍が面白い本です。

著者がプロローグで「社会資源としての『論語』」と書いていました。なるほど論語に限らず、時代も国境も超えて遺ってきている古典は、まさに社会資源。これらの資源をよく生かすことができるかどうか、いにしえの著者に試されているような気がします。

以下、備忘


  • 欠落をもつ者だけが「君子」になれる(いとうせいこう氏との対話より)
  • 文字は「言葉を定着させる」呪術的なツールである (いとうせいこう氏との対話より)
  • 「表」と「裏」片方だけではダメで、両方必要 (いとうせいこう氏との対話より)
  • 衣食住の宗教性(釈徹宗氏との対話より)
  • 分からないものに自分を合わせる (釈徹宗氏との対話より)
  • 芸能・アートの宗教性 (釈徹宗氏との対話より)
  • いかに内在時間を伸ばすか (釈徹宗氏との対話より)
  • 外在化(ドミニク・チェン氏との対話より)
  • ヒューマン2.0 (ドミニク・チェン氏との対話より)
  • 和して同せず (ドミニク・チェン氏との対話より)


読みはじめる前にお名前を知っていたのは、いとうせいこうさんだけでした。が、他のお二方との対話も素晴らしく面白かったので、これから気にかけていきたいと思います。

エピローグで著者が現代の日本の状況を『「俺が、俺が」の世界』と称しているのを見て、ずいぶん前に読んだ、中島らもの本のなかにあった一文を思い出しました。らもの本たくさん読んだので、どれに書いてあったのか記憶が曖昧ですが。

曰く「俺が俺がの『我』を捨てて、おかげおかげの『げ』で生きよ」。登場人物のセリフで言わせていたものです。ストーリー全体としてはギャグというか、笑いながら読んでいたなかに出てきたセリフで、ふと我に返らされたのを思い出しました。

ともあれ、これだけの備忘録では、わけが分からないかもしれませんね。興味のある方は、『すごい論語』ぜひ読んでみてくださいね。