波折神社の夏越し祭。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

波折神社の夏越し祭。

今年は7月28日(日)に行われました。半年の穢れを落とし、無事に感謝して茅の輪をくぐります。 「茅の輪くぐり」「夏越し祓い」「輪越し祭」 など呼ばれますが、半年が終わる6月30日に開催する神社も多いですね。

ここ津屋崎に越してきてから、すっかり我が家にとっても大切な年中行事のひとつとなっています。昨年作った我が家の輪を納め、今年くぐった輪の葦をいただいてきて、お守りにします。写真は我が家の今年2019年の夏越しの輪。輪を編むのはダンナの仕事です。輪っかをつくって八年目となり、だいぶ形も格好良く作れるようになりました。

毎年、人がどれくらい集まるかが気になりますが、今年はわたしの知っているなかでは最も多かったように思います。神職のお手伝いをしているダンナが「饅頭足りないかも…!」と(笑)

輪くぐりとお祓いが終わると、紅白のお饅頭をいただいて帰ります。今年は予想よりも参加者が多かったようで「一家族にひとつ」でなんとか間に合ったようです。でも、地域の方々がたくさん出て来てくださるのが嬉しいですね。

神主さんを先頭にぞろぞろとみんなで行列を作って輪をくぐるのは、神妙な神事でありながら、なんだかとても楽しいのです。心のなかで半年間の無事を感謝しながら。歩いて行ける地元の神社でこのような行事のあることが、毎回ありがたいです。

降りてきた!?

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

降りてきた!?

ものづくりをする人=ダンナ・藤吉憲典がときどき言うことばです。現在、11月からの上海個展と、12月のロンドン個展に向けて「創造脳」フル回転中のダンナ。

あきらかに手が動いているときは「仕事をしている」感じがありますが、仕事中なのだか休憩中なのだかわからないような状態も多々。でも、この(傍から見ると)ぼんやりした時間も必要な時間なのだと、20年以上一緒に仕事をしてきて、慣れてきました。

そんな「ぼんやりした時間」がスパッと切り替わるのが、「降りてきた」とき。手の動き方、集中の仕方がまったく変わるので、「降りてきたんだなぁ」と思っていると、案の定「降りてきたから」と。

写真は今朝「降りてきた」後に、グンと制作が進んだシマウマのレリーフ。 何ものかが降りてきて、いろいろなことがしっくりくると、どんどん進むようです。出来上がりが楽しみです。

九国に来たら、文化交流展示室。

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九国に来たら、文化交流展示室。

九州国立博物館に足を運ぶのは、特別展の企画内容に興味があってのことではあるのですが、毎回特別展同様楽しみなのが、常設展にあたる「文化交流展示室」。

最近は、まず足を運ぶのが、展示室6。仏像や曼荼羅図の掛け軸などが展示してあることが多いです。「アジア人の理想の姿」の部屋と名前がついていますが室名はさておき。今回はカッコいい四天王像が待っていてくれました。

そして、展示室10の「田中丸コレクション」。陶磁器のコレクションの部屋で、定期的に入れ替えられているので、毎回必ずチェック。そういえば、先日行ってきた福岡市美術館でも、田中丸コレクションが観れました。

この二部屋をまずは押さえて、あとはぶらぶらと回ります。土偶コーナーもお気に入り。文化交流展示のエリアはとっても広いのですが、休憩できる場所がしっかりあるので、ゆっくり何度も回ることができます。

文化交流展示室の構成はこちらでご確認できます(^^)

もう何度も何度も言っているのですが、九国にお越しの際は、ぜひ4階の文化交流展示室にもお出かけくださいね♪

室町将軍 戦乱と美の足利十五代@九州国立博物館!

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

室町将軍 戦乱と美の足利十五代@九州国立博物館!

ひさびさの九州国立博物館。夏休み、平日の朝一番に行って参りましたところ、ゆっくり楽しむことができました。

写真は、展示室に入ってまず目に飛び込んできた秀逸なパネル。わたしは普段、展示パネルをほとんど読まずに素通りするのですが、ここでは思わず足が止まりました!さらに出品目録とともに置いてあった、子ども向け(?)の「ワークシート」がこれまた素晴らしく、スタートから学芸員さんの熱意がバシバシと伝わってきました。

とっても面白かったです。その後の戦国時代などに比べて、なんとなくスポットが当たりにくい「室町時代」。なかなかどうして、見どころがたくさんありました。個人的には「勘合貿易」にまつわる品々に興味津々でした。そのほかには「寒山図」「肩衝茶入」など「お!」と目を引くもの数点。

そしてなんといっても、13体の足利将軍座像がぐるりと並んだ様は、迫力がありました。これは是非、京都の等持院で拝見したいな、と思いつつ。ひとつひとつを丁寧に見ていくと、顔つきに表れている人柄が感じられ、時代を追っての変容も面白かったです。初代尊氏像の厳しい顔つき、よかったです。

室町将軍 戦乱と美の足利十五代は、九州国立博物館にて9月1日(日)までです(^^)

コラム「日日是好日」提供中。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

コラム「日日是好日」提供中。

経営者の勉強会などでご一緒していた「 株式会社おつうじ屋 」さんのニュースレターに、コラム「日日是好日」を提供しています。「花祭窯おかみ・ふじゆり」として執筆中。先日、おつうじ屋さんのサイト内に、そのコラムを一覧でご覧いただけるページが登場しました!

おつうじ屋さんは、その店名からイメージする通り、腸内環境の改善に役立つお茶やもち麦を販売なさっているネットショップさん。ネット草創期に勉強会でご一緒してからのお付き合いです。代表の石井さんとおしゃべりするなかで、ストレスが体に及ぼす影響や、日常生活をいかに快く過ごすかという話題から、意気投合したのでした。

コラムのタイトルは「日日是好日」。ニュースレターは、ご購入なさったお客さましか読むことができませんでしたが、サイトではどなたでもご覧いただくことができます。

お茶のこと、 禅のこと、 花のこと、旅のこと、読書のこと、アートのこと…このブログと同様、日々のよしなしごとを書き綴っています。ちょっとしんどい時でも、視座を変えて穏やかに過ごせるような、そんなきっかけになる文章をお届けできたらいいな、と思っています。

ちなみにわたしは、おつうじ屋さんの扱っておられる「紫もち麦」が、大のお気に入りです(^^)

津屋崎祇園山笠2019、無事奉納。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

津屋崎祇園山笠2019、無事奉納。

例年、博多の山笠から1週間遅れて開催される津屋崎祇園山笠。このお祭りに参加して8年目となりましたが、前夜祭ともいえる裸参りが大雨のため中止になったのは、わたしにとっては初めてで、天気予報をにらみながら当日を迎えました。

スコールのような雨が降ったりやんだりの状況が前の晩から続き、福岡県内は大雨警報があちらこちらで出ていていました。が、当日の日中は奇跡的にほとんど降らず!おかげさまで無事お祭りが終わりました。

毎年のことながら、お祭りが終わったら即座に山車が解体される潔さが気持ちよく。約1か月(とはいえ、週末だけですが)のごりょんさんの裏方仕事も無事終了して、また来年です。

読書『マーガレット・サッチャー 政治を変えた「鉄の女」』(新潮選書)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『マーガレット・サッチャー 政治を変えた「鉄の女」』(新潮選書)冨田浩司著

「イギリスのことをもっと知りたい!」の気持ちがずっと続いていて、本を見つけては少しづつ読んでいます。図書館で新刊コーナーをチェックしていたところ、昨秋出たこの本を発見!

サッチャーさんといえば、わたしにとっては、70年代後半から80年代にかけての「イギリス・政治・女性リーダー」のアイコン的イメージです。彼女に対して自分が持っている表面的なイメージと、断片的な記憶を補足しようと手に取りました。

読んでよかったです。サッチャーさんのことを書くことはすなわち、戦後の現代史を紐解くことをも意味するのだと、分かりました。東西冷戦の時代の、なんとなく記憶に残っている、いろいろな事件の背景や、そのとき政治の世界でどういうことが起こっていたのかを、垣間見ることができました。

日本の小中高校での歴史教育が、近現代史にほとんど時間を割かないことはたびたび多方面で話題に上りますが、その一部分を埋めてくれる本の一冊だと思いました。レーガン(米)、コール(独)、ミッテラン(仏)、ゴルバチョフ(ソ)など、わたしの世代には耳なじみのある各国の政治家の名前が出てきたのも、読みやすさにつながりました。

そして、ここ数年なかなか落ち着くところの見えない英国のEC離脱問題についても、そこにいたるまでの時代の欧州とイギリスの関係を眺めることができました。

著者の冨田浩司氏は、外務省から研修留学と大使館勤務とで7年英国に滞在したという方。この『マーガレット・サッチャー』の前に『危機の指導者チャーチル』(新潮選書)を書いておられるとのことで、次に読むべき本が決まりました(^^)

小説家追っかけ読書:坂東眞砂子さん。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

写真は、なんとなくイメージ。

小説家追っかけ読書:坂東眞砂子さん。

ここ数年の追っかけ読書。思い返せば小説家のスタートは原田マハさんだったのかもしれません。カズオ・イシグロ氏平野啓一郎氏ときて、ここ2~3か月は坂東眞砂子さんの著書を読んでいます。平野氏の著書については、まだまだ読めていないものがたくさんありますが、いったん休憩中。

平野啓一郎氏の著作を数冊読んで「文体」の妙にひっかかり、読み辛さをも含めた魅力を感じていたところでしたが、今読んでいる坂東眞砂子さんの著作については、それぞれの著書を覆う「民俗学的なもの」に惹きつけられています。

坂東眞砂子=映画化もされた小説『死国』。彼女の著書を読んだことが無かったにもかかわらず、そのホラーのイメージに引っ張られてずっと敬遠していました。ホラーとかオカルト、苦手なのです。

なんのきっかけだったか一冊手にとったところ、全編にわたる民俗学的な雰囲気に、びっくり。ご本人が自覚なさっていたかどうかは存じませが、読みながら「民俗」「民族」「土着」という言葉が何度も頭をよぎりました。民俗学的フィールドワークを思わせる世界観。

わたしがここ数カ月で読んだものは、第二次世界大戦の影が濃いもの、3.11の影が濃いものが複数あり、それらは著者晩年の作ばかりであることがわかりました。これらの著作のなかで、小説家だからこそできる社会に対する問いかけの方法を見せられました。小説の姿を借りて描かれることで、むしろ真に迫るということがあるのだろうな、と。

亡くなられたときまだ55歳であられたことに驚き、それまでに出された著作の多いことに驚き、イタリアでデザインを学びタヒチにも住んでいたという経歴に驚き。

少し時代を遡って読んでみたいと思います。

福岡市美術館に行ってきました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

福岡市美術館に行ってきました。

今春リニューアルオープンした福岡市美術館に、やっと行って参りました。まずは2階の入り口につづく外階段エリアに、草間彌生の黄色に水玉のカボチャ発見。同じカボチャのキーホルダーを何年も前からリュックにつけているのですが、最近「これ知ってる!」と言われることが増えてきたのは、福岡市美術館リニューアル効果だったのかもしれませんね。

さて今回のお目当ては、新しくなったコレクション展示室。1階に古美術の展示室、2階に近現代美術の展示室。以前より、広く明るい雰囲気の空間になっていて、とても嬉しかったです。

古美術の展示室では、まず十二神将に出迎えられました。円形に配置された十二神将をぐるりと回って拝見。いいですね。続いての企画展示室では、グッドタイミングなことに田中丸コレクション「唐津と高取」を観ることができました。朝鮮唐津の徳利が特に良かったです。

松永記念館室では「松永耳庵(じあん)の茶」と題して、四つの茶席を再現した道具が展示してありました。床の間を模した展示スペースが良かったです。

2階の近現代美術展示室では、シャガールのニワトリがお出迎えしてくれました。休日の午後でしたが、観覧者はそれほど多くなく、じっくり見ることができました。常設の展示室はゆっくり観ることができるのが、なによりの魅力です。

コレクション展示室への入館料は、1階・2階含めて200円。展示室を出る前に「再入場したいのですが」と係の方に申し出れば、再入場用のハンコを押したチケットをくださいます。わたしは一度全部回った後に、再入場してシャガールをあらためてじっくり見てまいりました。

当日はあいにくの雨でしたが、館内にカフェスペースや、座って休憩できる場所があちこちにあって、ゆっくり過ごせそうです。コレクション展の展示入れ替えがあったころに、また訪問したいな、と思いつつ。

山口周講演会 in 福岡市美術館 ART FAIR ASIA 2019 プレイベントに行ってきました。

こんにちは。花祭窯おかみ・アートエデュケーターふじゆりです。

『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 山口周講演会 in 福岡市美術館 ART FAIR ASIA 2019 プレイベント』に行ってきました。

タイトルが長いですね(笑)

2017年に読んだ『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?」で、考え方が近いと勝手に親近感を覚えていました。その山口周氏の講演が福岡であると聞いて、これは必ず行かねば!!と。

期待以上の面白さでした。福岡に呼んでくださった、アートフェアアジア福岡2019実行委員の皆さんに心より感謝申し上げます。ほんとうにありがとうございました。

以下、備忘。


  • 日本は「美」の発展途上国(後進国)である。
  • コンマリが評価されるということは、近代が終わったということ。
  • 人間が世の中に出す価値はなにか?
  • マーケティングルールよりも、感性に根差した提案が勝つ状態。
  • 役に立たないけど意味がある。
  • 文明(役に立つ) vs 文化(意味がある)
  • 個人にとっての「意味」→意味の多様化→いろんな種類の嗜好品が求められる時代。
  • 目線を鍛える。
  • キャパシティを上げる。
  • (論理ではなく)ビジュアルとストーリーで動かす。
  • 顧客との関係性における「意味」。
  • 個人的な喜怒哀楽に根差したものかどうか。
  • 本当に強く思っていれば、はるか遠くからでも見つけてくれる時代。


山口周さん、本を読んだ印象では、もっと厳しい感じの方をイメージしていたのですが、思いのほか柔らかい雰囲気をまとった方でした。きっと、このしなやかさこそが、芯の強さなのですよね。言葉の選び方、話題の運び方、質問者への対し方、どれをとっても知的でクールな物腰で、わたしもこんなふうに話せるようになりたいなぁ、と。