信頼の根っこは「何をしているか」。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

信頼の根っこは「何をしているか」。

この1月から2月にかけて、仕事でもプライベートでも安心・信頼している友人と会い、話す機会を多く持つことができました。皆、しょっちゅう顔を合わせる間柄ではなく、たくさん話をしているかというと必ずしもそうではなく。それでも信頼感が続いているのは、なぜだろう?と、考えてみました。

物理的に離れている間柄でも、フェイスブックなどのSNSのおかげで「その人がしていること」を目にするのが容易になったのも、要因として大きいと思います。彼や彼女が、今どんな仕事や取り組みをしているのか、あるいは何気ない日々の行いでも、その行動を見知ることは、言葉での説明を聞くよりも、その人を知る近道になっているかも、と。

もちろん、普段そんな眼差しでチェックしているわけではありません。SNSに流れてくるニュースをチェックするときは、ほぼ無意識。それでもやっぱり、価値観に共通点を感じる行いを目にしたり、さりげない行動に敬意を感じたりすることで、友人への信頼感が維持されたり、増しているのだと思います。

「何を言ったか」も大切かも知れないけれど、むしろ「何をしたか」。これはそのまま、自分が他者からどう見られるか、というのも同じことですね。ともあれ、そのように尊敬・信頼できる仲間・友人がいるありがたさや幸せを、あらためて感じた年初です。

読書『個をあるがままに生かす 心理学的経営』PHP研究所

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読書『個をあるがままに生かす 心理学的経営』PHP研究所

『経営者の条件』(岩波新書)に引き続き、大沢さんの著書。1993年発刊の『心理学的経営』が電子書籍として復活したものです。その紙書籍版で、26年ぶりの復刊。これまた新陳代謝の激しいビジネス書分野のなかでは、異例のことではないでしょうか。

本書が創刊された1993年は、わたしが大沢さん率いる人事測定研究所(現・リクルートマネジメントソリューションズ) に入社した翌年のことです。入社前から「大沢イズム」を直接的に学ぶ時間と機会をたびたび得ることができたのは、贅沢なことだったと思います。

「人間をあるがままにとらえる」「個性差(ちがい)を大切にする」ということが、大沢さんのおっしゃることの芯にあります。産業心理学や組織管理論を少しでも学んだ方なら目にしたことのある研究や理論も下敷きにしつつ、学究的な側面だけでなく、実際の経営組織の現場での実務があるからこその説得力を感じます。

心理学の専門家や関心のある方、企業経営やリーダーシップ論に関心のある方、どちらにも興味深く読んでいただける本だと思います。

着々と納品中。

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着々と納品中。

ダンナ・藤吉憲典が今年の書き初めで 「目の前のことを丁寧に一つずつ」 と書いたとおり、昨年からお待たせしていたご注文品の制作・納品が、ひとつづつ進んでいます。この上半期は特に、そこにしっかり注力してまいります。

お客様に器や作品をお届けできるのは、やっぱり嬉しいです。お届け前に「お待たせいたしました」と発送のご連絡をすると、皆さん喜んでくださいます。つくり手を信頼してお待ちくださっていることが伝わってきて、ありがたいなぁと、つくづく思います。

特に和食器は、季節にタイミングよくお使いいただけるよう順番を意識したり、お店のオープンに合わせてお送りできるようにしたり、出来るだけ心配りしたいと考えています。一人でつくる=限られたキャパシティのなかで、どう割り振りするか。

「待った甲斐があった!」とおっしゃっていただけると、「よかった!」と安堵します。器もアートも、旧作も新作も、ご期待以上のものを作ってお届けしたいと、全力で取り組んでいるつくり手の姿を見ているので。

ご注文をくださっている皆さま、ぜひ楽しみにお待ちいただけると幸いです。

読書『デヴィッド・ボウイ インタビューズ』(シンコーミュージック・エンタテイメント)

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読書『デヴィッド・ボウイ インタビューズ』(シンコーミュージック・エンタテイメント)

日常的に、仕事上の資料探しに図書館を使っています。書籍タイトルがはっきりしているものでなく、「こんな感じの内容」とジャンルで探すときは、やっぱりネットではなく本屋さんなり図書館なりで、書架の前をウロウロ探すのが性に合っています。なにより、楽しい。

我が家から近い順に、カメリア図書館、福津市図書館、未来屋書店。その先は博多に出て大型書店。徒歩・自転車圏内のカメリア図書館は、わたしにとって「まず、ここに行ってみる」場所です。

今回探していたのは、実は歌舞伎関係の本でした。「芸能関係」というとってもざっくりした分類の棚を眺めていたところ、目に留まったのが本書『デヴィッド・ボウイ インタビューズ』。思いがけず見つけてしまいました。

デヴィッド・ボウイの音楽に出会ったのは、中学2年生の時。80年代の「レッツ・ダンス」から、70年代、デビュー期へとさかのぼってレコードを聴いたのを思い出します。ラジオと深夜のMTVで追いかけ、ロンドンに行ったときにはマダム・タッソーで蝋人形のデヴィッドと一緒に写真を撮り(笑)

その音楽とパフォーマンスのカッコ良さに惹かれていたものの、「文字で彼を知る」機会は、これまであまりありませんでした。特に亡くなった後にたくさんの本が出ていることは知っていましたが、今回初めて手に取りました。

読み応えがあります。写真一切無しで650ページに及ぶ、折々の言葉。文字を目で追いつつ、音とビジュアルを脳内再生しつつ、楽しみました。

豆まき!

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豆まき!

2月3日は豆まきの日。ここ津屋崎では、地元の波折神社で毎年節分祭が行われています。曜日に関わらず2月3日開催。必然的に「その時、地元にいる人」が参加者になります。他所から来る人はほとんどなく、見たことのある顔ばかりであるのが嬉しい、地域に根付いたお祭りです。

境内はそれほど広くはないものの、豆を投げるのは人の手によるため遠投には限度があり(笑)必然的に皆が前へ前へと詰め寄せます。毎年、いざ始まると少々危険を感じることもあるので、今年は脇に除けてみたところ、運良く福豆をゲットすることができました。

鬼は外、福は内。神社の節分祭を楽しんだ後は、我が家での豆まき。家の内外が豆だらけになり、翌日の掃除はたいへんですが、これだけは譲れません。何日もあとに、思わぬところから大豆が出てくるのはご愛敬。恵方巻もイワシの丸かじりも無しですが、豆まきで祝う節分です。

読書『経営者の条件』(岩波新書)

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読書『経営者の条件』(岩波新書)

わたしにとって古巣である、人事測定研究所(現・リクルートマネジメントソリューションズ)創業者・大沢武志さんの2004年の著書。昨年末2019年に第6刷が「岩波新書新赤版一〇〇〇点」から出ています。新陳代謝の激しいビジネス書のジャンルにあって、15年も前に著された本書が今尚売れ続けていることに、大沢さんの理論の普遍性を感じます。

とはいえ、本書のなかで大沢さんが警鐘を鳴らしている内容が、いまだ古びていないこと(すなわち、企業経営における同様の過ちが繰り返されていること)は、喜べることではなく。

表紙カバー裏にある添え書きに「雪印、三菱自動車などの相次ぐ不祥事で経営陣の責任が問われる一方、日産、ヤマト運輸などのトップが、今名経営者として称賛されている。」(『経営者の条件』岩波新書)とあります。2004年時点での評価ですね。現在の日産やヤマト運輸の評価を思うと、時代の流れを感じます。

現場体験に基づいた『経営者論』です。昭和から平成の時代にかけての企業・経営者の実際をもとに論じられていて、その時代を生きてきた人たちにとっては、生々しく振り返りができます。そのなかには、もちろんリクルート江副さんを取り巻くエピソードも。個人的に、大切にしたい一冊です。

日本で、藤吉憲典のアートを。

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日本で、藤吉憲典のアートを。

ご覧いただき、お買い上げいただける場所ができました!

これまで海外個展用か、特定のお客さま用に作ることがほとんどでしたので、津屋崎の花祭窯にお越しくださっても作品をご覧いただけないこともありました。「国内ではどこに行けば見れるの?」とのお問い合わせに、ようやくお返事できることを嬉しく思います。

「インテリアアート」を提唱する、インポートインテリア・DONO(ドーノ)さん。東京・青山エリアにあるDONOさんのショールームで、ご覧いただくことができます。 数は多くはありませんが、藤吉憲典の作品世界と、アートを自分の生活空間に採り入れたときの豊かなイメージを感じていただける場所です。

オーナーの上田桐子さんのアートに対する考え方は、これまでのわたしたちのスタンスと共通点がとても多く、ぜひ作品をお任せしたいと思いました。藤吉憲典のアート作品は、特別な展示スペースを必要とするアートではなく、ふだんの生活空間・仕事空間を彩るアートが多いです。桐子さんから「インテリアアート」という言葉を聞いたとき、そのコンセプトがぴったりと理解できました。

日本でのアート作品紹介はここがスタート。これからの展開がとっても楽しみです。

「会いに行く」春節。

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「会いに行く」春節。

2020年の旧正月元旦は1月25日。大みそかにあたる1月24日から1月30日までの1週間が春節と言われています。写真は、なんとなくおめでたいイメージで、藤吉憲典の描いた雲龍図。

思いがけず、親しい友人・大切な人たちに「会いに行く」春節となりました。きっかけは勤め人時代の会社の30周年パーティー。せっかく上京するならばと「今、会いたい人」に連絡したところ、それぞれに、久しぶりにゆっくりおしゃべりする時間を持つことができました。

お互いの価値観を尊重できる友人とのおしゃべりは、話題のジャンルに関わらず、くつろいだ至福の時間になりました。仕事で関わっている方とでも、仕事とは無関係の友人とでも、古くからの友人とでも、最近知り合った方とでも、違いはありません。お互いに対する敬意が、その鍵なのだと思います。

SNSはじめコミュニケーションツールが進化し続けている今にあっても、物理的に同じ空間で顔を見て言葉を交わす場に生まれる「言葉を超えた理解をもたらす空気」には代えがたいものがあります。だからこそ、出来るだけ「会って話をする」を大切にしたいと、あらためて思いました。そしてもうひとつ、一人と一人で目の前の相手に集中しておしゃべりする時間の貴重さと嬉しさも、あらためて感じました。

ふだんの仕事一辺倒の東京出張から離れて、少し別の視点を持つことができた、とってもいい二日間でした。

アートイベント「買える、若冲」に行って参りました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

アートイベント「買える、若冲」に行って参りました。

東京青山のB&B Italia Tokyoで開催された、伊藤若冲の水墨画掛け軸特別販売会に足を運んでまいりました。このイベントで販売を担当なさったインポートインテリアDONO(ドーノ)オーナー上田桐子さんからお話を聞き、ぜひ自分の目で見たい!と思っての訪問でした。

アートイベント「買える、若冲」

今回のイベントは、creative design officeの鬼澤孝史さん、DONOの上田桐子さん、場所提供のB&B Italia Tokyoさん、古美術商さんなどの協力により実現したそうです。

「イタリア家具ショールーム」という場所での展示は、「現代の生活空間にアートがどうフィットするか」のイメージを膨らませるのに、とても良かったです。ソファに腰かけ、ふと目線を挙げたときに視界に入る水墨画の高さがちょうどよく、思わずニヤリ。隣の部屋に進む角の踊り場的小スペースに、縦長の掛け軸の存在感を感じ、ニヤリ。

「掛け軸=床の間」の固定観念は、日本人特有のものかもしれません。掛け軸もまたひとつの絵画だと思いだせば、あらゆる壁面が装飾のステージになり得ます。そんな、シンプルで本質的なことを、視覚的・体感的に理解させてくれるアートイベントでした。

桐子さんが提唱する「インテリア・アート」の考え方は、花祭窯創業以来わたしがずっとモヤモヤと思っていたことに重なります。すなわち「必需品ではないけれど、それが側にあることで嬉しくなる(豊かな気持ちになる)もの」の意味。生活のなかにあってこそのアートの意味・価値を楽しむ方々が、どんどん増えたらいいな、と思っています。

今回のイベントを皮切りに「日本文化を日々の暮らしに採り入れる」提案をますます展開して行かれるようです。どんなイベントが飛び出すか、これからもとっても楽しみです。

仕事の考え方の根っこにあるもの。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

仕事の考え方の根っこにあるもの。

週末は、わたしに社会人としての基礎をたたき込んでくれた会社のパーティーに参加してきました。勤務していたのは、新卒からたったの4年余り。けれど、この間にわたしが学び、得たものはとてつもなく大きく、今尚たいせつな宝物です。

わたしが大沢さん率いる人事測定研究所(現・リクルートマネジメントソリューションズ) に入社したのは1992年。オープニングで、今は亡き創業者の、折々でのスピーチを振り返る映像が流れました。その言葉の一つ一つを反芻しながら、自分の「仕事」や「経営」に対する考え方、「人」に対する考え方の根っこに、信念がしっかりと刷り込まれていることを最確認。

130名を超える方々が、全国から集まっていました。人として尊敬を寄せてきた上司、先輩、同僚、後輩たちと顔を合わせるのは、やはり嬉しいものです。公平であり、自由であり、尊重され、任され、だからこそ厳しいなかで、一緒に仕事をしてきた仲間。新卒で入った会社がここでよかったと、あらためて思いました。そういう場所があるというのは、とても幸せなことですね。

写真は、その創業者・大沢さんが著した本。あらためて読み直すことにいたします。

読書『経営者の条件』(岩波新書)大沢武志著

読書『個をあるがままに生かす 心理学的経営』PHP研究所 大沢武志著