読書『失われたものたちの本』(東京創元社)ジョン・コナリー著/田内志文訳

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『失われたものたちの本』(東京創元社)ジョン・コナリー著/田内志文訳

同著者の『キャクストン私設図書館』(東京創元社)を読んだのは、つい2週間ほど前のこと。『キャクストン…』は本書『失われたものたちの本』のスピンオフ版だということを知り、ならば本家を読まねばと探し求めたのでした。幸運にもいつものカメリアステージ図書館に所蔵されていたので、すぐに予約。

前著でも本書でも、「訳者あとがき」から「ジョン・コナリーの著書が多産の割に日本ではあまり翻訳されていない、もったいない!」との熱い思いが伝わってきます。著者・著書に惚れ込んだ訳者による日本語版。翻訳をしてくださる方があるからこそ手に取ることができるありがたさです。

主人公が物語の世界のなかに入り込んでしまう、というストーリー展開は、それほど目新しいものでは無いかもしれません。でも主人公がそうなってしまうに至る背景や、入り込んでしまった物語のなかで体験していくことのさまざまが、これまでに読んだことのない独特の世界観をつくりあげています。冒険小説と言ってしまうには憚られる、ある種の重苦しさ、ダークな雰囲気。もっと正直にわかりやすく言えば「おどろおどろしい」描写が少なくなく、好き嫌いがはっきり分かれる本だと思います。

本の物語の中に入り込むという空想(妄想)は、誰しも経験したことがあると思います。そういう意味では「ちょっと懐かしい感覚」もする読書でした。『本当は恐ろしいグリム童話』をはじめ、古典的な物語に潜む真意の恐ろしさを暴く(あるいは新解釈する)手の本が流行ったことがありましたが、そのように、元の物語の「解釈」を考えさせるストーリーでもあります。

藤吉憲典のAnimal Boxesシリーズに新展開。

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藤吉憲典のAnimal Boxesシリーズに新展開。

今年末のロンドンSladmore Galleryでの個展に向けて、じわじわと制作を開始しています。いつものことながら面白いなぁと思うのは、アート作品に取り掛かったときの作家・藤吉憲典の集中力。この人にはこんなに集中力があったのか!?というほどの熱中ぶりを見ることができます。作る人が一番楽しんで作ったモノ。楽しく作られたものは、その楽しさを見る人たちに伝えていきます。

そんな藤吉憲典が昨年来からチャレンジをはじめていた新展開が、ようやく形になりそうです。藤吉憲典の作る陶箱作品Animal Boxesは、箱の上に動物が載っています。これまではそのサイズが「箱>動物」だったのですが、「箱<動物」となります。「たったそれだけ!?」と思われるかもしれません。でも「磁器」という素材の性質上、この変化はかなり大きなものでして、技術とセンスが求められます。

その写真がこちら。クリックすると大きな写真を見ることができます。

藤吉憲典 キリン陶箱 野兎陶箱

現在、赤絵(上絵)をつけている最中です。向かって左のウサギ陶箱と、向かって右のキリン陶箱をご覧いただくと、その「箱:動物」のバランスの違いがお分かりいただけると思います。「箱<動物」のキリン、これまでにない存在感です。

これから、赤絵窯で焼成して、また赤絵をつけて、また焼成して…を数回繰り返して完成。出来上がりがとっても楽しみです。

2021年度学芸員研修「美術館 de やさしい日本語」勉強してまいりました。

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2021年度学芸員研修「美術館 de やさしい日本語」勉強してまいりました。

いつもたいへんお世話になっている博物館学芸員技術研修会。なかでも個人的に今年度一番楽しみにしていたカリキュラムが開催されました。コロナ禍で延び延びになっていましたが、難しい状況のなか、Zoomではなくリアル開催を決定してくださった事務局の九州産業大学緒方先生に心より感謝いたします。

久しぶりのリアル研修会は、休館日の福岡市美術館で。丸一日の研修会は、ふだん家でマイペースで仕事をしている我が身には長すぎるか!?と思いきや、一瞬も目を離せない内容で、あっという間の7時間でした。

「文化芸術事業における多文化共生・多言語アクセシビリティを考える」。今どきの言い方をするとこんな風になりますが、要は、美術館に来た人たちにいかに楽しんでいただくか。そのためのツールのひとつとしての「やさしい日本語」です。「やさしい日本語」は、在留外国人の方々への配慮として近年広がってきています。わたしは常日頃ラジオでLOVE FMを聴いているのですが、そのなかに「やさしい日本語」のコーナーがあります。実のところ日本語を母国語とするわたしたちにとっても「やさしい」ものになります。

講師をしてくださったのは、国内では最も取り組みの進む東京都で事業をけん引しておられる生活文化局都民生活部職員の村田陽次さんと、多文化共生プロジェクトに取り組みたくさんの実践事例を積み上げておられる多摩六都科学館研究・交流グループリーダーの高尾戸美さん。

以下、学び備忘。


  •  東京都では芸術文化施設における「やさしい日本語」への取り組みが進んでいる。
  •  文化事業における取り組みが重視されているのは、地域でリーダーシップをとる施設(都の場合は東京都美術館)の存在が大きい。
  •  文化事業と多文化共生(多言語アクセシビリティ)の目指すものは親和性が高い。
  •  正解はそれぞれ。まずやってみる。
  •  トライ・エラー・フィードバックの繰り返しが「やさしい日本語」の取り組みを進め・広げる推進力になる。
  •  「覚悟」を持って取り組む&一人でも多くの理解者を巻き込んでいくことが大切。
  •  「やさしい日本語」は方法のひとつ。
  •  根っこにあるのは「社会的包摂」の理念。
  •  言語以外のコミュニケーションの役割。図説・ピクトグラムやボディランゲージなど、いろいろな方法がある。
  •  いずれも根底にやさしい気持ちと「伝えたい」という熱意があってこそ。
  •  対象者の反応に応じて修正していく継続性が要。
  •  作品解説を「やさしい日本語」で作成する過程をとおして、言葉を選ぶことはその言葉の受け取り手をイメージして心を配ることだと理解。難しいながらも楽しい作業。
  •  自分が「やさしい日本語」だろうと考えているものと、ガイドラインの評価とでは、かなり食い違う恐れがある。
  •  だからこそ、チェッカーの存在は重要。
  •  専門用語は専門用語(固有名詞)として残すこと、見て分かるものは、そのイメージを表す言葉として理解してもらうことなど、方法は単純に「やさしい言葉遣いにする」だけではない。
  •  「やさしい日本語」による内容と目的を明示することによって、外国人向け、子ども向けというように対象を限定しなくても、それを必要とする人々が美術鑑賞に興味を持つきっかけを提供できる。

これはひとつでも多く実践していくことでしか、その技術を習得する道はありません。この講座をきっかけに、「やさしい日本語」での鑑賞ワークショップの可能性が見えてきました。

ご近所1ブロック内で見つける春。

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ご近所1ブロック内で見つける春。

日の出が少し早くなり、日の入りが少し遅くなって、明るい時間が増えています。とはいえ、毎年2月は一番寒い(笑)。今週はここ津屋崎でも雪がちらちらと舞いました。そんななか、ご近所散歩中に春を見つけると、無条件に嬉しくなる今日この頃。

まずは蝋梅(ロウバイ)。お正月にご近所さんからいただいていけて生けていたので、すっかりシーズンが終わったものと思っていたら、まだ良い香りをさせていました。植えてある場所により、少しづつ花の時期はことなるもので、ラッキーでした。

ちょっとぼんやりした感じの色合いが可愛らしい木瓜(ボケ)。花祭窯の庭にも欲しいなぁと思いつつ、植えるスペース確保ができるかどうかで検討中。わたしがあまりにもじーっと見ていたもので、ご近所のおじさんが「木瓜は枝を挿しておけば、根がつくよ」と教えてくれました。なるほど、それならまずは鉢植えで根付くかどうかチャレンジしてみようかな、と。

そして、目に嬉しい、お向かいのお庭の水仙の群生。ここ津屋崎に越してきてから毎春、まぶしいほどの水仙の景色が楽しみです。数年前に新しい方が越してきた時、熱心にお庭をいじっておられたので、水仙を残しておいてくれるといいなぁ、と願っておりました。おかげさまで今年もたくさんの水仙が香っています。

春はもうすぐ!

念願の、電子図書館デビュー。

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念願の、電子図書館デビュー。

おとなりの宗像市の図書館が電子図書館をスタートしたのは、もう数年前のことだったと思います。宗像ユリックス内にある図書館は市外在住でも使えるものの、電子図書館の利用者は宗像市民限定ということで、仕方がないもののがっかりしていたのでした。

ついに我が福津市でも電子図書館がスタートするというニュースを知ったのは、昨年末。とってもワクワクしました。わたし自身は「紙派」で電子書籍もほとんど読みませんが、本に出合う場として電子図書館が選択肢に増えることは、とっても嬉しいのです。そして、この2月1日ついに福津市電子図書館がオープン

さっそく利用登録をいたしました。わたしの場合、電子図書館を使用する場面は、ほぼ外出中になるかと思ったので、まずはスマホでアクセス。実際に試してみると、外出中だけでなく、在宅で仕事をしているときにも、使えそうな感触です。急に資料を調べたりしたくなったら、その場で探せます。あとは電子対応している書籍がどれほどあるか、ではありますが、蔵書が増えてきたら重宝すること間違い無し。めちゃめちゃ期待しています。

今のところ(2022年2月現在)一度に借りることができるのは3冊までと多くはありませんが、15日間借りることができます。冊数の少なさは、必要な都度「返す・借りる」をマメにすればよいこと。スマホやタブレットやパソコンなどのデバイスさえあれば、いつでもどこでも貸し借りができますので、便利です。電子図書館の特性として、うっかり返却を忘れていても、期限が来たら自動的に返却になるというのも助かります。

紙派のわたしとしては、基本的には「図書館に行って、本を棚から探して借りる」スタンスです。そのうえで、一昨年来コロナ禍で図書館の長期閉館を経験した身としては、「いざとなったら電子図書館がある!」というのは、なんとも心強いもの。身近な図書サービスがどんどん充実して、とっても嬉しい今日この頃です。

福津市民の皆さん、ぜひ使ってみてくださいね♪

読書『美術展ぴあ2022』(ぴあMOOK)

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読書『美術展ぴあ2022』(ぴあMOOK)

今年もスタートして既に2月半ばということで、少々出遅れ感はありますが、2022年の美術展チェック。毎年末、翌年の美術展の予定や見所を紹介する雑誌がいくつも発行されていますが、ここ数年は『日経おとなのOFF』から出る美術展本を手に取っていました。先日久しぶりにゆっくり歩いた本屋さんで、今年はまだチェックしていなかったことを思い出し、数冊を比較検討。今回は「ぴあMOOK」版をゲットしました。

ぴあMOOK版の何が気に入ったかというと、誌面の紙質です(笑)。「そこ!?」と言われそうですが、全ページカラーで美術作品の写真がいくつも載っているとなると、わたしにとって「紙質」はけっこう大切な要素。

それではさっそく『美術展ぴあ2022』から、わたしが個人的に「今年ぜひ観に行きたい!(足を運べるかどうかは別として)」と思っている美術展5つをご紹介。


1.フランソワ・ポンポン展

磁器彫刻家・藤吉憲典と「動物彫刻」という共通点があるポンポンの展覧会。よくぞ日本で開催されたと思います。既に二か所での展覧会が終了しており、残るチャンスは、千葉の佐倉市立美術館か山梨県立美術館。

2.特別展「ポンペイ」

ポンペイに行ってみたい!です。でもいつ行けるかわかりませんので、まずはポンペイ遺跡の至宝の数々を見ることのできる機会はありがたいです。なかでも楽しみなのはモザイクとカメオ・ガラス。幸い九州国立博物館に来てくれますので、足を運べそうです。

3.スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨人たち

英国エディンバラにあるスコットランド国立美術館からマスターピースの数々が来日。秋に北九州市立美術館に巡回予定なので、これはぜひ足を運びたい。そして次回渡英の際は、エディンバラに足を延ばすことが出来たらいいなぁ、と。

4.日本画オールスター

足立美術館は、特別展に関わらず足を運びたい場所のひとつ。庭園散策と美術鑑賞だけを目的にゆっくり訪問したいところです。至福の旅行計画を立てたいですね。

5.森村泰昌:ワタシの迷宮劇場

京都市京セラ美術館の開館1周年記念展です。京セラ美術館もまた、特別展に関わらず足を運びたい場所のひとつ。わたしにとって森村泰昌氏の作品は「これぞ現代アート」です。面白さがあり、美しさもあり、そしてちょっぴりもの悲しさもあり。


このほかに、展覧会(特別展)に関わらず足を運びたいなぁと思っているのは、この2月にオープンした大阪中之島美術館。大阪に住んでいたころに大好きだった中之島界隈。レトロな建物の街並みが素敵なのはもちろん、図書館や東洋陶磁美術館も嬉しく。そこへまたまた素晴らしいスポットが誕生とあり、訪問するのがとっても楽しみです。大阪といえば、あべのハルカスの美術館にも行きたいです。

こうして「おススメ」していながら、振り返ってみたら、昨年はほとんど「展覧会」を観に行けていませんでした。今年はゆっくりじっくり観覧する時間をとりたいと思います。

以下は、どれにしようか物色した美術展ガイド3種。

初心に戻ってお勉強、「女性起業塾」に参加しています。

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初心に戻ってお勉強、「女性起業塾」に参加しています。

福岡商工会議所からのお誘いで「女性起業塾」に参加することに。今の時代に「女性」を冠をつけた起業塾…と、最初はタイトルにちょっぴり違和感がありましたが、参加者のみならず、期間中事務局を担当してくださるスタッフさんも女性なら、メイン講師を務める中小企業診断士の先生も女性ということで。

日曜午後の半日(4時間)を使い、2月から3月の二カ月で計17時間のZoom講座。創業の事業計画書を作成していきます。花祭窯は今年6月で25周年を迎えますが、それを目前に、今更ながらの「起業塾」。毎年経営指針書はつくっていますし、融資や補助金申請などのタイミングにはかなり詰めた事業計画書を作りますが、作り方に慣れてきてルーチンになってはいないか(口先ばかり上手くなっていないか)?という自戒があります。

先日第1日目が終了しました。おそらく参加者最年長!?ちょっぴり懸念していた「場違いかも」はまったく無く。Zoom画面の向こうにいる、講師の先生と、受講者20数名の皆さんの熱意を、ビシビシと感じました。先日、長年の勉強会つながりでのお友だちとの交流で学んできたばかりでしたが(そういえばこちらも「女子会」でした!)、新しい場所に(今回はZoomではありますが)自ら足を踏み入れると、これはこれで気分がピシッとなるものですね。

カリキュラムの最後にはビジネスプランの発表会があります。どこまで詳細に具体的に、実現可能性を計画書に落とし込めるか。頑張ります!

「丁寧に作られたおいしいもの」をいただくと、涙が出てきたり、笑いが出てきたりする。

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「丁寧に作られたおいしいもの」をいただくと、涙が出てきたり、笑いが出てきたりする。

福岡県内は引き続き「マンボウ」下です。コロナ禍で会食機会の設定に神経を使うなか、「誰かと一緒にご飯を食べる」のは、今や気軽な楽しみというよりは、とても贅沢な時間になってきています。機会が減るほどに、「どなたとご一緒するのか」「どんなお店でお食事をいただくのか」、要素選択の重要性がどんどん増すのを感じます。そして、今は飲食機会に顕著にあらわれつつあるこの傾向は、すぐに「モノ」の選び方にも波及するように思います。

さてそんななか、久しぶりのランチ女子会。勉強会つながりで長年お付き合いのある女性経営者のお友だち数人と、ご一緒することができました。場所は宗像のフレンチの名店FRANCE-YAさん。信頼する方々と、信頼するお店でのお食事会です。

気心の知れた皆さんとの近況報告。「おしゃべりは控えめに」のなか、交わされる会話は心にしみてくるものですね。そこに、気持ちを解きほぐすようなおいしいお料理。心も体もほっこりと温まって、涙ぐんだり笑ったり。場を作り上げる料理の力を感じる、とても幸せな時間となりました。

「丁寧に作られたもの」を手に入れると、丁寧に使おうと意識が働くので、長持ちにつながる。とブログにアップしたのはつい数日前のことでしたが、このたびは「丁寧に作られたおいしいもの」をいただくと、心も体もフルに五感で喜ぶと実感。分野を問わず、丁寧な仕事をする方々が周りにいらっしゃるので、とても恵まれています。あらためて、ありがたいなぁと思いつつ。

読書『キャクストン私設図書館』(東京創元社)ジョン・コナリー著/田内志文訳

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読書『キャクストン私設図書館』(東京創元社)ジョン・コナリー著/田内志文訳

いつものカメリアステージ図書館の新刊棚で見つけた本。タイトルに「図書館」とついているのを見ただけで迷わず手に取り、表紙の雰囲気に惹かれて中身をろくろく確認もせずに借りてきた一冊。こんな選び方が気軽にできるのが、図書館の良いところです。そしてこのような選び方でも、中身を読んで期待を裏切られることの方が少ない今日この頃。今回も大当たりでした。選書を担当する司書さんに感謝です。

さて中身は中編が4篇。表題にもなっている『キャクストン私設図書館』が冒頭に入っていました。ページ数にして70頁と短いながらも、まあ面白くて引き込まれました。古典的名著の登場人物が、実在の人物として目の前に現れたら…考えただけでもドキドキする舞台設定です。続く3つの中編も1日のうちに読破。サスペンスっぽかったり、おどろおどろしかったり、非日常を感じるストーリーながらも、本好きにはなんとなく親しみも感じるもので、不思議な読後感がありました。

上の写真は、前回ロンドンに行ったときにシャーロックホームズミュージアムで手に入れた、シャーロックホームズの名刺。『キャクストン私設図書館』では、シャーロックホームズも現実の世界に現れてきます。

読み終わって解説をみれば、本書は同著者の『失われたものたちの本』なる小説のスピンオフ版であったと判明。これは「元」である本を読みたい!と、さっそくカメリア図書館で蔵書検索をかけたら出てきました。即予約。ほんとうに便利ですね。

著者は1968年アイルランド生まれということで、わたしとほぼ同い年。今回読んだ中編集ではストーリーの舞台に英国が登場し、知った地名がいくつも出てくるのも嬉しく読みました。初めての著者でしたが、今後注目していきたいと思いました。すぐに著者名を忘れてしまうので、「ショーン・コネリーではなく、ジョン・コナリー」と覚えることに。ともあれ、まずは『失われたものたちの本』を楽しみにいたします。

コラム「日常の禅語」は、素人による素人のための禅語考。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

コラム「日常の禅語」は、素人による素人のための禅語考。

お友だちが経営する株式会社Natu Rise(ナチュライズ)さんが発行するニュースレターに、コラム「日日是好日」の提供をスタートしてもうすぐ3年になります。毎月A4に1ページ分の文章。そのなかで読者の方々の意識が「ストレス解消」や「心地よさ」に向かうきっかけとなるテーマ提供を心がけています。

というのも、ナチュライズさんはその商品を通して「健康を実感する幸せ、こころが安定している幸せをぜひ感じていただきたい」と願っておられるから。最初にコラム執筆の打診をいただいたときに、その熱意をとても感じました。文章を通して、心と体が快い状態に近づいていくお手伝いが少しでも出来ればと。

そのコラムのなかに<日常の禅語>コーナーがあります。わたしは素人なので、当然、禅の教えを伝えるということではありません。市井の一般人として、なにげない日常のなかでの体験と、出会った言葉とが結びついた話題を提供できればと思っています。日々出会う数々の言葉のなかに、たまたま禅語がある、ということ。禅の道にある方々から見たら邪道に映るかもしれませんが、素人の立場で真面目に向き合っています。

これまでに取り上げた言葉は、日日是好日、市華開五葉、拈華微笑、行雲流水、本来無一物、洗面、歩歩是道場、一期一会、晴耕雨読、〇△□、脚下照顧、不立文字、色即是空、諸悪幕作衆善奉行、一掃除二信心、一、一笑萬人賀などなど。ひとつひとつに、わたしの個人的なエピソードがあります。最初は1年(12のストーリー)で完結と思ってスタートした<日常の禅語>でしたが、まだまだネタは尽きず、書いている本人が一番楽しんでいるところです。

ふじゆりコラム「日日是好日」

ふじゆりの<日常の禅語>は、コラムページ下方でご覧いただくことができます。