読書『アンダークラス』(小学館)相場英雄 著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『アンダークラス』(小学館)相場英雄 著

お盆読書記録が続きます。お友だちが読んで感想をSNSにアップしていた本から興味を持った一冊。いつものカメリアステージ図書館にありました。気になったときにすぐに探すことが出来て、たいていは見つかり、すぐに予約出来るありがたさ。図書館で予約しましたが、数人待ちでした。予約待ちは、ふだんわたしが読もうとしている本には珍しく、注目度の高さが伺えました。

ひとつの殺人事件を解決するまでを通して、「下級国民」へと突き進む日本の現実を描き出しています。派遣労働・外国人技能実習生・超格差社会の問題を、外資系IT(流通)企業を通して浮き彫りにしています。ストーリーに登場する外資系企業は、読めばどこがモデルになっているかすぐにわかるでしょう。本書はフィクションですが、そのフィクションの背景にある現実を突きつけられ、うすら寒い思いがしました。

「これから、日本人が景気の良いアジアに出て、仕送りする日がくるね」というセリフが出てきます。すぐそこまで来ている現実でしょう。コロナ禍が明けて、海外からの観光客が増えてきた博多駅周辺を見ていると、そのひとつの傾向が見てとれます。コロナ禍前から多かった韓国・台湾・中国からの旅行者と同じくらい、欧米諸国からの旅行者の数が増えているのです。これは、日本の人気が高まったからではなく、相対的に「日本への旅行が安上がり」だからだと、旅行業に携わる友人が教えてくれました。

発行元の小学館のサイトを読んだところ、本書は『日本経済の末路を予言した「震える牛」シリーズ』の最新刊と位置付けられるということで、著者・相場英雄氏が社会的なテーマでこれまでにも著しているようです。相場英雄さんの著作を読んだのは今回が初めてでしたので、ちょっと遡って読んでみたいと思います。

『アンダークラス』(小学館)相場英雄 著

映画『バービー』を観て参りました。

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映画『バービー』を観て参りました。

2023年の映画6本目は『バービー』。上の写真は、映画の公式サイトトップページの一角。マーゴット・ロビー主演と聞いて、これは観に行かねば!と決めていた作品でした。映画『アムステルダム』でその美しさに惚れ惚れし、その後『バビロン』があったものの、あまりの上映時間の長さにパスしてしまったので、今回は必ず見たいと思っていました。

さて『バービー』、映画館から帰ってきてからダンナに「どんな映画?」と問われ、はて、と考えました。ちょっと一言で説明するのは難しい映画です。公式サイトでは「ドリームファンタジー」となっていますが、わたしはむしろ「ブラックユーモアコメディ」と受け取りました。かなりの社会批判が込められた映画で、コメディ仕立てに仕上げたもの。考えさせられるキーワードが次々飛び出す一方で、吹き出しそうになり笑いをかみ殺す場面も多々ありました。

そして、やはりマーゴット・ロビーはとっても美しかったです。「完璧」なバービー人形の世界観を地でいく美しさ。眼福の2時間でした。あと、音楽もかなり良かったです。ただ、絶対に映画館のスクリーンサイズで見るべき映画かと問われると、そこは少々「?」かもしれません。それを思うと、むしろ『バビロン』こそ映画館で観ておくべきだったのかもしれません。

前回の映画ブログで「今年上半期は、最寄りの映画館で「これ観たい!」と思える映画が少なく」と書いておりましたが、下半期はこの『バービー』を皮切りに、観たい候補が続きます。まずは今月下旬公開の映画『エリザベート1878』。楽しみです♪

読書『絵師金蔵赤色浄土』(祥伝社)藤原緋沙子著

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読書『絵師金蔵赤色浄土』(祥伝社)藤原緋沙子

お盆休みをガッツリとっているわけではないのですが、なんとなくお休みモードでゆっくりしていることもあり、読書が進んでいます。

いつものカメリアステージ図書館新刊棚で、真っ赤な表紙に白抜き文字の「絵金」が目に入り、あれ?これは四国の…と、ぼんやりと記憶が反応。年初めにチェックした、2023年絶対見逃せない美術展のなかに絵金さんの展覧会があり、「これは観たい!」と思ってリストアップしていたのでした。

展覧会「幕末土佐の天才絵師 絵金(あべのハルカス美術館)」。足を運べないまま、すでに会期は終了していますが、それだけに、本書に出会えたことはラッキー!でした。幕末動乱期の四国。地方の藩においてもあらゆる身分の人たちが時代に翻弄され、そのなかで「絵師」という身分がどのように扱われたのかが伺える小説でした。

当時のいわゆる正統派である「狩野派」のお墨付きを得た主人公・金蔵が、次第に歌舞伎や人形浄瑠璃といった市井の風俗に惹かれ、それらを題材とした作品を描かずにいられなくなっていく様子には、絵描きという人種の持つ衝動の激しさを感じました。

本書を読み終えて、あらためて、絵金さんの展覧会を観たかったなぁ、と。ならば、高知県香南市にある絵金蔵に行くのが良いかもしれませんね。現地で見るのが一番ですから、ちょっと真剣に検討したいと思います。

『絵師金蔵赤色浄土』(祥伝社)藤原緋沙子

読書『畦地梅太郎版画集「山男」』(山と渓谷社)

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読書『畦地梅太郎版画集「山男」』(山と渓谷社)

畦地梅太郎氏の木版画シリーズを福岡市美術館で初めて見たのは、つい先日のことでした。「山好きな画家たち」のテーマでコレクション展示室にあったのを見つけ、ひょうきんな人物描写とポップな色使いに「こんな版画家がいたんだ!」とびっくりしたのでした。

それから10日も経たないうちに、その畦地梅太郎さんの版画集を、カメリアステージ図書館で見つけたのですから、なんとまあ、偶然って面白いものです。あるいは、図書館司書さんのなかに、福岡市美術館での展示をご覧になっていた方があったのかもしれません。ともあれ、即借りて参りました。

出版社が美術書を出すようなところではなく「山と渓谷社」であるところが、ミソです。「山」「山男」の版画といえば…と、版画家としての立ち位置を決めて制作に励んだことが伺え、それがちゃんと奏功しているなぁ、と思いました。上の写真は、本書に掲載されている版画の一覧。

全ページカラーで76作品が載っています。カラフルで武骨な感じのする版画は、風景画と人物(山男)画があり、それぞれにかなり趣が異なり、好みも分かれるかもしれません。わたしは個人的には、山の風景を描いた版画がとても気に入りました。きっと畦地梅太郎さんといえば「山男」の版画なのだろうな、とは思いつつ。

こうなると、福岡市美術館にはほかにも所蔵作品があるのではないかと期待が膨らみます。また常設展示される機会に観ることが出来たら嬉しいな、と。畦地梅太郎作品の常設展示は、東京町田にある畦地梅太郎ギャラリー「あとりえ・う」愛媛宇和島には「畦地梅太郎記念美術館」もあるとのことです。町田にある町田市立国際版画美術館にも、収蔵されているとのこと。版画は複数枚することが前提ですから、これが可能なのですね。機会があれば足を運びたいと思います。

読書:「奥田英朗をより深読みするには」その2、その3。

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読書:「奥田英朗をより深読みするには」その2、その3。

お友だちから頂いた「奥田英朗をより深読みするには」リスト。

  1. 『最悪』『無理』『邪魔』
  2. 『延長戦に入りました』『泳いで帰れ』『用もないのに』
  3. 『イン・ザ・プール』『空中ブランコ』『町長選挙』

その第一弾を読み終わったのは、ちょうど約一か月前のことでした。

その後、グループ2.と3.から数冊づつに加え、上記リストに入っていないものまで数冊読み終わったところです。どれもが面白く、一気に読んでしまいました。

1.グループで感じた「社会に対する絶望や救いの無さ」を飛び越えて、向かったのは、お気楽でユーモアあふれるエッセー。わたしはあまりエッセーは好んでは読まないのですが、いや、面白かったです。そしてドクター・伊良部シリーズに代表されるコメディ小説は、思わず声を出して笑うレベル。その前に読んでいた家族小説シリーズといい、いやほんとうに、著者の引き出しの多さには脱帽いたしました。

というわけで、一冊一冊おススメ、というよりは「奥田英朗」を読む!というのがおススメです。伊良部シリーズはこの5月に最新刊が出ています。こちらも読むのが楽しみです。

文春・直木賞受賞の〈伊良部シリーズ〉

今年も参加して参りました-選書ツアー2023-

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今年も参加して参りました-選書ツアー2023-

年に一度のお楽しみ。カメリアステージ図書館の「選書ツアー」に、今年も参加して参りました!大学図書館ではずいぶん前から一般的らしいのですが、一般の公的図書館での開催はまだまだ珍しい選書ツアー。「図書館に所蔵して、長く読んで欲しいと思う本を選ぶ!」とっても魅力的なイベントです。もちろん、選んだ本すべてが蔵書となるわけではありませんが、司書さんのチェックを経て、毎年2冊程度は入れていただいています。

選書場所は、昨年に引き続き「丸善 博多店」、JR博多駅直結でアクセス至便です。アクセス至便とは言いつつも、やはり電車で出かけるというのがネックになるのか、あるいは夏休みの平日お昼時というのが厳しいのか、今年も参加者募集には少々苦戦したようです。5名の定員に対して4名の参加者で選書してまいりました。

選書用時に使うISBNコードリーダーの機械がちょっと進化している!などと細かい発見も楽しみつつ、1時間で10冊程度の候補本を選びました。選書ツアーは「自分が読みたい本」以上に「図書館に来る人に読んで欲しい本」を基準に選ぶので、ふだん自分用に本を探すときにはなかなか立ち寄らないようなコーナーもチェックします。これがまた楽しい。本棚や平積みの顔ぶれは、時事を反映していることも多く、ふだんあまり見ない分野の棚を回っていると、心のなかで「へぇ~!」の連続です。

今回参加の4名は、それぞれに得意分野がばらばらだったようで、選書中に同じコーナーで鉢合わせることもなく、1時間が経過。選書を終えた後の皆さんのお顔を拝見すると、満足感の高さを感じました。いろいろな人が選書に参加して、多様な本が選ばれることが、このツアーの一番の良さだと思います。だからこそ、定員割れはとても残念。開催の日にちや時間帯、あるいは告知方法など、工夫をしながら継続して行っていただきたいイベントだと、つくづく思います。

ともあれ個人的には、今年も大満足の選書ツアーでした。本を選ぶのってなんでこんなに楽しいのでしょうね。お世話になったカメリアステージ図書館のスタッフの皆さまに、心より感謝です。ありがとうございました!

学芸員研修会「回想法」に参加して参りました。

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学芸員研修会「回想法」に参加して参りました。

九州産業大学の緒方泉先生が中心となって開催してくださる令和5年度文化庁「大学における文化芸術推進事業」の学芸員研修会、第一弾「回想法」に参加して参りました。これまでにも「博物館リンクワーカー養成講座」などで学んできた「回想法」。今回は初めての対面での研修となりました。

今回の研修会場は、大宰府にある九州国立博物館。昨年の学芸員研修では「ユニバーサル・ミュージアム」の会場としてお世話になりました。

研修スタートは、「博物館浴」の実験から。九州産業大学・緒方先生がデータを収集している「博物館浴」の実証実験、その被験者を初体験。美術(博物)鑑賞をする前と後とで、血圧や脈拍、本人の自覚症状がどのように変化したかを測定し、有意差があるかどうかを調べるものです。これまでに全国50館以上の美術館・博物館での実験データを集め、全国的に関心を集めている実証実験です。今回は、データをとるところまでで、実験結果の考察は、また別の機会になります。

続く本日のメインイベント「回想法」講師は、北名古屋市歴史民俗資料館専門幹の市橋芳則先生。館の愛称が「昭和日常博物館」。細部にまでこだわった資料収集は1993年からスタートし、「昭和の回想」が可能な館を作り上げてこられています。筋金入りの実践者。昭和日常博物館での「回想法」の実践と積み重ね、継続の仕組みには、他の追随を許さない専門性を感じます。

以下備忘。


  • あらゆる博物館で可能になる「対話ツールとしての」回想法。
  • 「回想法」の再定義。
  • わたしの考え:すべての博物館資料は顕在的・潜在的に「人間のルーツ」に関わるものである。
  • →だからこそ、あらゆる博物館資料が、回想法の材料となり得る。
  • 対話ツールとしての回想法:来館者と展示、来館者とコミュニケーター(学芸員や支援者)、来館者と来館者…
  • それぞれの「知識・経験」をもとに解釈する=同じものを観ても、そこから受け取るものはそれぞれ。
  • =対話型鑑賞法と同じ。
  • 博物館資料・展示を、参加者の経験のなかに入れ込む。
  • 必ず「参加者は何に興味があるのか?」からスタートし、そこに立ち返ること。

学芸員研修会「回想法」北名古屋市歴史民俗資料館専門幹の市橋芳則先生 より


そして今回も、リアル会場での研修だからこその、グループワークを楽しみました。会場は大好きな九州国立博物館4階の文化交流展示室とあり、何度も来たことのある場所ですが、他者の目に見えているものを共有することで、新しい気づきがたくさんありました。各地の館の学芸員さんのお話を伺うのは、とても楽しく学びも大きく。

いつもありがとうございます!

読書:「奥田英朗をより深読みするには」その1。

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読書:「奥田英朗をより深読みするには」その1。

お友だちから頂いた「奥田英朗をより深読みするには」リスト。

  1. 『最悪』『無理』『邪魔』
  2. 『延長戦に入りました』『泳いで帰れ』『用もないのに』
  3. 『イン・ザ・プール』『空中ブランコ』『町長選挙』

3冊づつの3ジャンル。この順番で読むと面白みが増すとの教えに従い、その第一弾『最悪』『無理』『邪魔』を読み終わりました。

いずれもひたすら「社会の底辺」と「救いの無さ」が、これでもかと描かれています。そもそも、奥田英朗著作の最初に読んだ『罪の轍』が、わたしが著者追っかけするきっかけとなったのですが、その最初のイメージも「社会の底辺」と「救いの無さ」でした。

そんな二つのキーワードは決して小説上の他人ごとではなく、自分自身の生きている場所が、常に隣り合わせであることを思いながらの読書となりました。特に『最悪』に登場する川崎の町工場の社長が陥る窮地は、零細の自営業者なら容易に実感をもってイメージできるものであり、もし自分がこんなふうに追い詰められたらどのように変貌してしまうだろうかと思うと、かなり怖いものを感じました。

いずれの三冊も、一気読みです。ここから「奥田英朗をより深読みするには」その2、に入ります。

読書『長谷園「かまどさん」で毎日レシピ』(河出書房新社)サルボ恭子著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『長谷園「かまどさん」で毎日レシピ』(河出書房新社)サルボ恭子著

久しぶりに料理本。

本書タイトルにある「かまどさん」というのは、伊賀焼の窯元・長谷園さんが作っている土鍋だそうです。わたしは商品名ずばりのかまどさんは使っていませんが、毎日のご飯は土鍋で炊いています。水炊きやちゃんこ鍋などのいわゆる「鍋料理」以外に土鍋を使うようになってから、たぶん20年ほど。現在は、ご飯用と煮込み用2種類の土鍋を、ふだんの料理で使っています。

わたしが使っている土鍋は、ネットショップで買ったこともあれば、近所のホームセンターで買ったこともあり、いわばどこででも売っているようなもの。「○○焼」あるいは「○○窯」などのブランドには、まったくこだわっておりません。もちろん購入時にどこが作っているものか、どんな作りになっているか、商品のチェックはしますが、「変なものじゃないといいな」というくらいのもの。特別なものは使っていなくても、土鍋で炊いたご飯の美味しさ手軽さを知ってからは、もう電気炊飯器には戻れませんし、煮込み料理での使い勝手の良さも、土鍋が手放せない理由になっています。

ということで、本書のタイトルは「かまどさん」ですが、広く土鍋料理ということで手に取りました。

基本の白ご飯、お粥、玄米の炊き方にはじまり、各種炊き込みご飯の作り方、煮込み料理をはじめとした土鍋で作るおかずのレシピなど、土鍋の活用法がたくさんで、ワクワクしました。わたしの土鍋歴はそこそこ長いと思っていましたが、ぜんぜん使いこなせていませんでした。メインの料理レシピのほか、ちょっとした工夫も載っていて役立ちます。わたしは特に「ご飯を炊きながらゆで卵を同時につくる」の提案に感心しました。近年読んだ料理本のなかで、かなり好感度高い本となりました。

著者のサルボ恭子さんは、料理研究家だそうで、わたしは本書で初めてお名前を知りました。こうして道具の作り手さんと組んだ料理本を出すあたり、とても戦略的ですね。わたしなどは、自分が持っている土鍋を活用する方法として本書がとっても役立ちましたが、「この道具でこれを作れますよ」という提案だからこそ、実際に生かせると感じる方もいらっしゃるのだろうと思います。と思って巻末の著者紹介を読んでいたら、どうやら「ストウブ」によるレシピ本も売れている様子。

図書館で借りてきた本でしたが、これは手元に欲しい一冊です。

映画『大名倒産』を観て参りました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

映画『大名倒産』を観て参りました。

2023年5本目は、4本目に続き邦画となりました。原作は浅田次郎著の時代小説。そういえば、本作に限らず浅田次郎さんの小説を読んだことが無いことに気がつきました。

キャストがなんとも贅沢です。そもそも観てみようかなと思ったのは、その顔ぶれゆえ。正直なところ、本を読んでいなくても先が読めるストーリー展開でしたが、わかっていても面白く楽しめたのは、クセのある登場人物を力いっぱい過剰に演じる役者さんの力にほかなりません。競い合うように楽しんで演じているなぁ~と。

松山ケンイチの弾け具合、浅野忠信のオタクっぽさ、勝村政信のやりすぎメイク、コントにしか見えない梶原善など、数え上げればきりがありませんが、本作でわたしが個人的に一番でハマったのは、桜田通の変な存在感。テレビをほとんど見ませんし、邦画もあまり観ていませんでしたので、この役者さんのこと知りませんでしたが、映画を観終わってすぐに思わず「あれは誰!?」とググりました。とてもよかったです。

実は今年上半期は、最寄りの映画館で「これ観たい!」と思える映画が少なく、はてどうしたものかと思うこと少なからずでした。が、そのおかげで(!?)邦画に目が向きました。原田マハ著の『キネマの神様』文庫版のあとがきで、片桐はいりさんが邦画のスケール感について、「家でビデオで見ればいいや、と思われるようなものを想定して作っている監督など一人もいない。皆、映画館の大画面で見てもらうためのものを作っている」というようなことを書いていたのを思い出しました。

とはいえそろそろ、大画面だからこその「画」を観たくなっているのも確か。この先8月以降は、観たいものが次々に封切りされそうなので、楽しみです。