読書『預言者ノストラダムス』より、「預言」と「予言」の違い。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『預言者ノストラダムス』より、「預言」と「予言」の違い。

先日アップしたブログ「読書『預言者ノストラダムス 上・下』(集英社)藤本ひとみ」で、『「預言」と「予言」は違い、その違いはとても大きいのだということも、本書内のノストラダムスのセリフによってわかりました』と書いていたところ、「どう違うの?」というご質問をいただきました。そうですよね、気になりますよね。

一般的にはどのような理解なのかをいくつかの辞書で調べてみたところ、おおよそ次のようなことが書いてありました。

  • 【預言】神からの啓示を受けた人が「神の言葉」として伝えるもの。
  • 【予言】未来のものごとを予測して伝えるもの。宗教的な意味合いは無い。

「預」は「預(あず)かる」で、神さまから預かった言葉、ということですね。主に一神教のユダヤ教やキリスト教で用いられる概念のようです。それに対して「予」は「予測」であり、「科学的推論や統計学的推論により」というような前提が入ると考えると、その違いが分かりやすいと思います。例えば天気予報は科学的推論に基づく予言、占いは統計学的推論に基づく予言、と言い換えることができそうです。

『預言者ノストラダムス』のなかでは、ノストラダムスの時代における「預言(者)」と「予言(者)」の違いが意味するものは、当人の命にかかわることでした。当時の宗教観のもとでは「神(キリスト)の言葉を伝える預言者」であれば(そしてそれがちゃんと当たっていれば)大切に重用されますが、「(科学的・統計学的に)予言」できるとなると、神の存在を否定するものとして異端視されかねないということになります。

そのような背景があっての、読書『預言者ノストラダムス』での登場人物たちの駆け引きでした。こうしたちょっとしたこと(でも、大きなこと)を知ることが、歴史小説の面白さを倍増させていきますね。

読書『まちの魅力を引き出す編集力』(同友館)桜井篤 著

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読書『まちの魅力を引き出す編集力』(同友館)桜井篤 著

魅力発掘プロデューサー・桜井篤さんの初の著書。桜井さんと出会ったのは、2010年のことですから、10年以上のお付き合いになります。と書いて、まだ10年ぐらいしか経っていないことにびっくり!…と感じるぐらい、お世話になっています。その桜井さんの著書をこのブログでご紹介できるのが、とても嬉しいです。

表紙に「地域の“面白さ”を発掘して、観光商品化&プロデュース」とあるとおり、観光振興のプロ。ただ、日本各地に数多いる「観光コンサルタント」や「町おこしコンサルタント」的な人たちとは、まったく違います。任された地域にかける「ハラの座り方」「愛情の注ぎよう」「フィールドワーク力」「文献へのあたり方」…その徹底ぶりは他の追随を許さないものがあるのではないでしょうか。「何がどう違うのか」その圧倒的な違いは、本書を読めばご理解いただけると思います。

事例も豊富なら、実際に取り組んでこられた成果(エビデンス)に基づく理論も明快です。桜井さんの持つHow to とWhyが惜しげもなく公開されています。タイトル『まちの魅力を引き出す編集力』は、『○○の魅力を引き出す編集力』といろいろなものに置き換えて考えることも可能です。商品であったり、人物であったり、いろいろなことを当てはめて考えることができます。実のところ、わたしが桜井さんに出会った一番最初のきっかけは「花祭窯の魅力を引き出す編集力」を学ぶためでした。

「○○の魅力を引き出す編集力」とはつまり、いろいろなものに当てはまるブランディングの教科書であるということです。観光振興に興味のある方も、そうでない方も、ぜひ^^

STEAM教育って?の続き。

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STEAM教育って?の続き。

「STEAM教育」なる単語が気になったのがつい先日。さっそく本や雑誌などから情報を集めています。実は、昨日ご紹介した絵本『アートのなかでかくれんぼ』シリーズも、表紙の端の方に「STEAM教育のAをのばす!」と書いてありました。A=Artですね。「SDGs(持続可能な開発目標)」もそうですが、時流に乗る言葉(概念)は、すぐにこのように便利に使われるのですね(笑)。

さて調べ始めてすぐに「あら」と思ったのが、「STEAM教育」が提唱され始める前にはに「STEM教育」であったらしいということ。STEM教育が提唱され始めた後に「Artも必要だよね」ということになったのでしょう。ということは、やはりオードリー・タン氏が著書『オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る』で書いておられたように、今後は「+D」すなわちDesign(デザイン)の概念も加わるのでしょうね。上の写真は、その目次。

関連本を調べていて出てきた書籍のなかに、山口周さんの『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」』(光文社新書)を発見。かの本は繰り返し読みましたので、なるほど概要がつかめたような気がします。『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』では、「STEAM」のなかでもとくに「A」が強調されていましたが、2019年に福岡市美術館で開催された講演会でのお話を合わせて考えると、「アートとサイエンス」というつながりが少し見えてきました。

次の段階としては「実際にどのような教育を、どのように実践するのか」が気になります。これについては、雑誌AERA(2021年2月1日号)に特集記事を見つけました。日本国内で実践している高校(・中高一貫校)の事例なども載っていて、興味深い内容でした。以下備忘。


  • 思考の「言語化」
  • 「知る」と「創る」の循環
  • 身体性
  • 五感を使って
  • 面白いからやる
  • 他者と協働できるコミュニケーション能力
  • 教科横断
  • 研究者であれ
  • 当事者意識を持って課題解決に挑める人材
  • STEAMライブラリー事業
  • オープンイノベーション

雑誌AERA(2021年2月1日号)より


国内で関連書籍や実行組織がさらに充実してくるのは、今からなのだろうと思います。またこれもSDGs同様ですが、そのような言葉や概念が無い時代から、すでに実践されていることはたくさんあって、そういうヒト・コトにスポットライトが当たってくるのだろうな、と思います。

読書『アートのなかでかくれんぼ1 ルーブル美術館でさがせ!』(フレーベル館)

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読書『アートのなかでかくれんぼ1 ルーブル美術館でさがせ!』(フレーベル館)ニコラス・ピロー作/木村泰司日本語版監修

とっても面白い絵本を見つけました。「世界的に有名な美術館蔵の作品のなかに、その美術館の人気者を紛れ込ませて探す」遊びの絵本。美術館版の「ウォーリーを探せ」と言えば伝わりやすいでしょうか。

現在3種類出ているシリーズものです。そのひとつめが、ルーブル美術館蔵のヒッポ(Hippo=カバ)を探せ!というわけで、思わず手に取りました。上の写真は、藤吉憲典の作るHippo。エジプトの遺跡から出土する副葬品(と考えられている)Hippoはロンドンの大英博物館にもありますし、キャラクターとして有名なのはニューヨークにあるメトロポリタン・ミュージアム(MET)です。

ルーブルに足を運んだのは、もう20年以上前になります。「ヒッポを探せ!」をやりながら、また行かねば!の思いも新たになりました。ヒッポ探しは比較的簡単にミッションコンプリート。

続く2作は、オルセー美術館バージョン。こちらでは「シロクマのポンポンを探せ!」になっています。オルセーには足を運べど休館中、ということが2回もあって、未だなかに入ったことがありません。日本で開催された「オルセー美術館展」には足を運んだことがありますが。

シロクマのポンポン探しは、ヒッポ探しに比べると、難易度がやや上がりました。少しづつ目が慣れていくので、焦らず取り組めば見えてきます。

実際にチャレンジしてみて(探してみて)、作品に目を凝らし端から端まで眺めるので、たしかに「見る」訓練になると思いました。が、同時に「一生懸命探す」と「絵や彫刻作品をじっくり見る」は同じではないとも思いました。美術鑑賞法のひとつとして楽しいのは間違いないので、「見る」練習としてプログラムを作るのは面白そうです。世の中のすべての美術館で、自館バージョンの「○○を探せ!」を作ったらかなり面白いことになるはずです。

作者のニコラス・ピローさんがどんな方なのか、調べることができなかったのですが、日本語版を監修した木村泰司さんは美術史家でいらして、著書を読んだことがありました。美術教育関連の本や絵本がどんどん出版される今日この頃ですが、久しぶりに純粋に面白がって読む(遊ぶ)ことができた絵本でした。

STEAM教育って?

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STEAM教育って?

「STEAM教育」なる単語が目につくようになったのは、わたしにはごく最近のことで、あまり気に留めていませんでした。が、先日読んだ『オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る』(プレジデント社)のなかにその概要を説明する一節を見つけました。途端に興味がわいてくるのですから、我ながらなんとゲンキンなのだろうと思います。

『オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る』によれば、S=Science(科学)、T=Technology(技術)、E=Engineering(工学)、A=Art(美術)、M=Mahtematics(数学)を総合的に学習することの重要性を説いたもの。最近はさらにD=Design(デザイン)を加えて、「STEAM+D」教育ともいわれるのだそうです。

この説明を見たときに思い浮かんだのは「リベラルアーツ」でした。リベラルアーツの起源は、自由七科「修辞学」「論理学」「文法学」「数学」「幾何学」「天文学」「音楽」からなる、幅広い内容だと言われています。日本語では「教養」とされることが多く、その「教養」がさらにさまざまに解釈されています。個人的には「リベラルアーツとは、人間の思考基盤となる基礎学問や教養」というような説明が、今のところ一番使いやすく感じています。

少々乱暴な解釈かもしれませんが、「STEAM」教育とは、デジタル時代となった現代におけるリベラルアーツなのかしら、と。「STEAM+D」教育の重要性を説明するオードリー・タン氏のことばが、とても理解しやすかったので、以下に共有しますね。


  • サイエンスやテクノロジーをイノベート(革新)していくためには、創造性が不可欠なのです。
  • 根幹は科学と技術(SとT)にあります。(中略)それはソーシャル・イノベーションの出発点となる場所であり、ここから社会は発展していくからです。
  • 科学技術では解決できない問題に対処するために美意識を養う
  • 直面した問題が非常に大きかったり、複雑だったり、たとえば気候変動のような問題に対処する場合に、サイエンスやテクノロジーのような直線的な思考だけで問題を解決することは、不可能です。
  • そうしたときに、既存の枠から飛び出すことや、創造力を発揮することが非常に重要になります。
  • プログラムをどれだけ上手に描けるかどうかは、母国語の運用能力がどれほど優れているかにかかっている
  • デジタルの時代になればなるほど、文学的素養は欠かせず、重要性を増すのです。

『オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る』(プレジデント社)より


「STEAM+D」教育に関する情報に、これからちょっと注意を払っていきたいと思っています。

読書『預言者ノストラダムス 上・下』(集英社)藤本ひとみ

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読書『預言者ノストラダムス 上・下』(集英社)藤本ひとみ

一人で勝手に「藤本ひとみ祭り」継続中。約1か月ぶりの藤本ひとみさん。タイトルは「ノストラダムスの大予言」のノストラダムス。そういえば、ノストラダムスの名前は子どもの頃から知っているのに、「大予言」のイメージだけが独り歩きして、彼の生きた時代や地域については何も知らなかったことに思い至りました。

本書の舞台は16世紀フランス。ここまで『皇妃エリザベート』『王妃マリー・アントワネット<青春の光と影>』『王妃マリー・アントワネット<華やかな悲劇のすべて>』『アンジェリク』『ハプスブルグの宝剣』と17-18世紀ハプスブルグ家周りのストーリーが続いていましたので、それらより少し前の時代となります。読後にメディチ家、ハプスブルグ家の家系図と、ヨーロッパ地図を確認し、時代的地理的にどのあたりになるのかを確認。

さて『預言者ノストラダムス』、もちろんノストラダムスは登場し重要な役割を果たすのですが、ノストラダムスの物語というよりは、時の皇帝アンリ2世の皇妃カトリーヌ(前半でアンリ2世は亡くなるので、そこからは元皇妃)の物語でした。

国同士の争い、宮廷内での争いなど、藤本ひとみさんっぽいストーリー展開に引き込まれ、あっというまに読了。当時の宗教観(カトリックとプロテスタント)、占星術・占星術師の位置づけが、物語により深く織り込まれていたのが、既読のものと異なっていると感じました。

占星術師や預言者(予言者)の、当時の政治における役割が垣間見えました。彼らを使う側の思惑だけでなく、使われる側の思惑も当然ながらあることに、あらためて思い至り。手厚く重用されることと異端視されることが紙一重の立ち位置にあって、いかに自らの立場・命を守っていくか。例えば「預言」と「予言」は違い、その違いはとても大きいのだということも、本書内のノストラダムスのセリフによってわかりました。ノストラダムスをもっと中心に据えた物語もぜひ読んでみたいと思いました。もちろん著者は藤本ひとみさんで。

↓ちなみにアマゾンではすでに中古本のみの扱いでした。

上下巻、合わせて約700ページです^^

読書『オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る』(プレジデント社)オードリー・タン

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読書『オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る』(プレジデント社)オードリー・タン

今年は春から「オードリー・タン読書祭り」になっておりました。1冊目『オードリー・タン 天才IT相7つの顔』は本国台湾で刊行されたものの日本語訳2冊目『オードリー・タンの思考 IQよりも大切なこと』は台湾在住の日本人ライターさんによるもの3冊目『自由への手紙』はご本人の語り(クーリエ・ジャポンのインタビュー)によるものでした。そして本書は満を持してのオードリー・タン氏ご本人の自著です。

本人へのインタビューをもとにした本と、自著と。何が異なるかといえば、インタビューはあくまでも「インタビューする側が聞きたいこと(知りたいこと)」を中心に構成されるのに対し、自著はご本人が伝えたいこと、伝えるべきだと思っていることが前面に出ることです。だからでしょうか、これまでの3冊で出来事として知っていた内容も多かったにも関わらず、強いインパクトがありました。

以下、備忘。


  • 自分の精神が健全で安定していれば、自然とスマートで礼儀正しい人間になれる。
  • 「私の知識をシェアした人が、その知識を用いて私の望まないことを行わない」という信頼関係(中略)。その信頼関係をどのようにして構築するか。
  • 命令などの強制力がないことが重要
  • 何事も独学が可能なのだ
  • みんなのことを、みんなで助け合う
  • 他人から学び、考える
  • すべては学習を行う本人次第
  • 生涯にわたる「学習能力」
  • (デジタルに関する)「スキル」ではなく「素養」
  • (基本になるのが)プログラミング思考であり、デザイン思考であり、アート思考
  • 科学技術では解決できない問題に対処するために美意識を養う
  • 「こんな不正義が二度と起こらないために、私は社会に対して何ができるだろうか」

『オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る』より


これまで読んだ4冊を通して、やはり彼女が根本的に大切にしていることは終始一貫していると思いました。人物にスポットをあてた本は、ときに本人ではない第三者が書く方が、客観的で読みやすい(伝わりやすい)こともありますが、ことオードリー・タン氏に関しては、そんなことはまったく無いようです。わたしが読んだ4冊のなかで一冊だけを誰かにオススメするとしたら、この『オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る』になります。

読書『アルケミスト 夢を旅した少年』(角川文庫)パウロ・コエーリョ

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読書『アルケミスト 夢を旅した少年』(角川文庫)パウロ・コエーリョ

気になっていながら読んでいなかった本の一冊です。あちらこちらの書評で目にして、てっきり哲学書の類かと思い込んだまま、時間が経っていました。日本語訳の初版は地湧社から1994年となっていますから、30年近くも前なのですね。今もずっと出ていますから、ベストセラーのロングセラー。

わたしはパウロ・コエーリョの著書を読むのは、これが初めてでした。書評で、サン・テグジュペリの『星の王子さま』と並べて語られるのを何度か目にしましたが、なるほど最初の方から、教訓めいたセリフや心の声がちりばめられているのが、その理由かもしれません。個人的には、主人公の少年の自問自答を含む、数々の問答が面白かったです。物語のなかに説教臭い文章が入り込むと、あざとさを感じてうんざりすることもありますが、物語のなかに溶け込んでいればさほど気になりません。

そもそもタイトルが「アルケミスト=錬金術師」。哲学的な受け取り方、自己啓発的な受け取り方、スピリチュアル的な受け取り方、読む人によりそれぞれですね。わたしは単純に「羊飼いだった少年の冒険のお話」と読んで面白かったです。そういう意味では、読む前に持っていた「哲学書かしら?」という思い込みは当たりませんでしたが、それもまた良し。本書に限らずどんな小説にも、教訓的なエピソードや名言(名セリフ)を読み取ることができるので、これだけが特別という感じはしませんでした。

『アルケミスト』英語版も出ているので、英語と日本語との表現の照らし合わせをしてみても面白いかも、と思いました。

読書『世界で活躍する仕事100』(東洋経済新聞社)

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読書『世界で活躍する仕事100』(東洋経済新聞社)

サブタイトルに「10代からの国際協力キャリアナビ」とあります。三菱UFJリサーチ&コンサルティング編。

少し前に、いつものカメリアステージ図書館で、たまたま見つけた良書です。ちなみにカメリアステージ図書館は、緊急事態宣言により現在臨時休館中。5月12日から始まった休館は、緊急事態宣言の延長で、6月20日までと1か月以上にわたることになりました。

気になること調べたいこと発生→とりあえず図書館行こう→そっか図書館閉まってるんだった(涙)…のループが続いています。自分にとって図書館が仕事上もプライベート上もすっかり日常の一部になっていることがあらためて分かります。コロナ禍以降「芸術は『不要不急』ではない」という議論が沸き起こりましたが、図書館だってまさにそうだと思うのはわたしだけではないと思うのですが…。

それはさておき、『世界で活躍する仕事100』。今はこんなに好い資料が一般に出ているのだなぁ、とつくづく感じた一冊でした。実際に国際協力分野で仕事をしている人たちが、どのようなキャリアを経てそこに至っているのかが書いてあり、巻末にはその足掛かりとなりそうな機関や学校や奨学金情報のリストまでついています。「10代からの国際協力キャリアナビ」とあるとおり、子どもが将来の仕事としてそのような方面に興味を示したときに、ぜひ教えてあげたい本です。

すべての小中学、高校の図書室にこの本が1冊あるといいな、と思います。子どもたちが、興味を持った時に「どうしたら、そうなれるのか」手掛かりがつかめることは、とても大切だと思います。「どんな仕事なの?」から一歩進んで「そのためには何を勉強したらいいの?」や「どうしたら・どこに行ったら、その勉強ができるの?」の具体例が載っていて、素晴らしく実践的です。

わたしが読んだのは2018年の発刊で、AmazonではすでにKindle版と中古だけになっていました。願わくば、2021年版が出ると嬉しいなと。欲を言えば、旅行ガイド本のように、1-2年おきに最新情報に改定されて刊行され続けて欲しい本です。

続・読書『英語の品格』第4章(インターナショナル新書)ロッシェル・カップ/大野和基 著

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続・読書『英語の品格』第4章(インターナショナル新書)ロッシェル・カップ/大野和基 著

読書『英語の品格』の続き、最終章です。たくさん掲載されている文例のなかから、自分にとって使い勝手の良さそうな例文を「わたし用」にまとめています。「第1章日本人英語の非常識」「第2章自然な英語を目指して」「第3章品のある英語に仕上げるためのスパイス」に続いては、「第4章品格のある英語で好感度を上げるコツ」です。


  • In other words, … / What I mean is …
  • It’s not urgent. / It’s no rush.
  • Let me make sure that I got that right.
  • Let’s keep in touch.
  • It’s been a long time.
  • There was some room for improvement.
  • We would have liked it to be better.
  • I’m grateful for your assistance.
  • I appreciate your help.
  • That’s very kind of you to say.
  • It makes me happy to hear you say that.
  • I’m so glad to hear that.
  • I hope everything goes well.
  • I’m crossing my fingers for you.
  • It was really great talking with you.
  • I’m so glad I got the chance to meet you.
  • I learned a lot from talking with you.

『英語の品格』(インターナショナル新書)ロッシェル・カップ/大野和基 著より


個人的には、会話よりもメールで英語を使うことの方が多いのですが、メールでの言い回しにもそのまま使える表現がたくさんありました。これから英文メールを書くたびに、お世話になること間違いなしです。たくさんの文例のなかから、まずは自分の使いやすいものをひとつづつ、自分の表現として身に着けていきたいと思います。