ももふくさんでの藤吉憲典展2020。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

ももふくさんでの藤吉憲典展2020。

11月21日(土)初日を迎えた、町田ももふくさんでの藤吉憲典展は、本日が中日、折り返し地点です。

町田ももふく 藤吉憲典展2020

藤吉憲典展(磁)
2020.11.21(土)‐11.27(金)12時-18時(最終日は17時まで)
ももふく 町田市原町田2-10-14#101 TEL042-727-7607

初日から二日目と作家・藤吉憲典が在廊してまいりました。東京都内もコロナの感染者数が増えてきたところでしたので、対策に注意を払っての出張準備。「連休とはいえ皆さん外出は控えるかもしれないね」と話しつつ、ギャラリーオーナーの田辺さんにご挨拶するだけでもよいのだからと、予定通り上京することに。

ふたを開けてみれば、ありがたいことに初日も二日目も、たくさんの方がいらしてくださったとのこと。作家のいる二日間とも顔を出してくださった方もありました。日ごろからのももふくさんのお店のありようが、お客様からの揺るぎない信頼につながっているのですね。おかげさまでたくさんご挨拶ができたと、作家も喜んでおりました。お客さまに直接お会いしてお話できる機会があるのは、作り手にとって大きなモチベーションになります。

昨今は、各ギャラリーさんがウェブ上での展覧会や販売も力を入れておられます。ももふくさんは、ギャラリーさんのオンラインショップ運営としては、先駆け的な存在。個展のあとにはオンラインでご覧いただける器も出てくると思います。でもやはり、できることならば実物を手にとってご覧いただきたいもの。実際に手に取ることで伝わるものは、とても多いです。

蕎麦猪口、飯碗、マグカップなどふだん使いのものを中心に、残りの数がだいぶ少なくなっているようですが、まだ楽しんでいただけると思います。お正月に向けたハレの器もございます。「家時間」を豊かにする器、たくさんお届けしています。お近くの方は、ぜひ足を運んでいただけると嬉しいです^^

藤吉憲典展(磁)
2020.11.21(土)‐11.27(金)12時-18時(最終日は17時まで)
ももふく 町田市原町田2-10-14#101 TEL042-727-7607

英語学習について考えた。

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英語学習について考えた。

「海外アート市場に進出する!」と決めて、英会話教室通いをスタートして6-7年ほどになると思います。週1回のネイティブクラス。おかげさまで、口から英語が出やすくなりました。けれども「上達した」というよりは、「英語度胸がついた」というのが実感です。ふだんの生活の中で英語を話すチャンスがあれば、積極的に口を開くようになりました。それはそれで、大きな成果。

でもやっぱり、英語学習を再開して6-7年経つのだから、もう少しスムーズにしゃべれるようになってもいいよな、とも思います。学習を続けている期間ではなく、実学習時間とその方法が問われるよなぁ、と反省。そんなわけで、週末はあらためて英語学習について考えつつ本を乱読していました。

その結果出した個人的まとめが、5つ。

  • 英語で三行日記。
  • 英語誌定期購読。
  • 映像+シャドウイング。
  • まずは音から。
  • BBC。

を導きだすのに役立った参考書籍・ウェブサイトなどは以下の通り

海外渡航が難しくなり、今まで以上に「ロンドン行きたい!」の思いが募っています。次回渡英時には、今より少しでも英語が喋れるように頑張ります。

花祭窯の十一月の庭。

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花祭窯の十一月の庭。

ツワブキ

11月の庭で目を楽しませてくれたのは、ツワブキとサザンカです。

サザンカ

今年は梅雨の長雨に猛暑で、花にも野菜にも虫がたくさんついたと、ガーデナーのお友だちが教えてくれました。我が家のサザンカも例に違わず、8月下旬から9月にかけてチャドクガ(茶毒蛾)がついてしまいました。お茶の木によくつくことからこの名前がついているそうですが、椿やサザンカの害虫としても有名ですね。

チャドクガの駆除はしたものの、刺された時のことを考えると、ついつい「サザンカは毛虫がつくからなぁ…」と近寄りがたくなってしまうのも正直なところ。でも、季節が移って、こうして華やかな色を見ると、うちの庭にサザンカがあってよかった!と思うのですから、我ながら勝手なものです。

ツワブキの黄色も、サザンカのピンク色も、力を感じる鮮やかさ。日のあたる縁側でぼーっと眺める休日です。

読書『最後のダ・ヴィンチの真実』(集英社インターナショナル)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『最後のダ・ヴィンチの真実』(集英社インターナショナル)ベン・ルイス著、上杉隼人訳

そういえば、少し前に読んだ鑑賞教育関連の本『知覚力を磨く 絵画を観察するように世界を見る技法』(ダイヤモンド社)の著者・神田房枝さんの肩書は、ダヴィンチ研究所ディレクターでした。本書『最後のダ・ヴィンチの真実-510億円の「傑作」に群がった欲望-』は、偶然図書館の新刊棚で見つけたもの。このところ、思いがけずダ・ヴィンチづいています。ダヴィンチに関する本はフィクション・ノンフィクションともにたくさんありますが、あらためて、世界中にダ・ヴィンチ研究者がたくさんいることを思いました。

表紙裏に書かれた「13万円で買われた絵は、なぜ12年で510億円になったのか」のフレーズが、この本を物語っています。最初に「本書はノンフィクションであるが、ミステリー小説のように楽しめるので」と書いてある通りの本です。アート関係者としては、発見された名もない絵が「傑作」として認定されるまでの過程がとても興味深く、ドキドキしながら読みました。

作者も来歴もわからない美術品の中から、「眠れる美術品」を見出す才能は、まさに審美眼と呼ぶべきものでしょう。その才能はまた、美術史とその周辺の膨大な知識・教養に裏付けられたものであり、どれだけたくさんの美術品を見てきたかの結果でもあります。そのような審美眼を持つ「発見者」の存在は、本来美術の表舞台には出て来にくいだろうと思います。この本で一つのリアルな物語を見ることができたのは、わたしにとって貴重なことでした。

名もない絵が「傑作」として認定されるまでの過程を眺めるにつけ、「誰に発見され(見いだされ)、どこでどのように評価されるか」が、その作品と作者の行く末を決めるのは、古いものも新しいものも同じことだなぁと、つくづく感じました。署名が無いがゆえに名作と認定されず廉価で取引されるオールドピースの数々と、無名であるがゆえに評価の土俵に上がることさえできない現代アートの作品たち。

生まれても日の当たる場所に出ないままに忘れ去られていくアーティストや作品たちが、世の中にどれだけあるでしょう。古今東西、そういうことが繰り返されてきているのだと思うと、やっぱりまずは土俵に上げるための努力をしなければならないと痛切に感じます。美術史に残っていけるのは、ほんとうに、ほんの一握り。「いいものをつくれば、いつか日の目を見る」は、よほどのラッキーであって、「知られなければ、存在しないのと同じ」が実際だと、あらためて思いました。

Meet Me at Art コラージュ講座。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

Meet Me at Art コラージュ講座。

コラージュ講座のインストラクションをしてまいりました。今年は全国的に、オフラインでの各種講座の開催は様子を見ながらでしたので、Meet Me at Artとしても、美術教育のプログラムは焦らず安心して計画できるようになってから、と思っておりました。そんなわけで、久しぶりのインストラクション。

「美術的アプローチでのコラージュ」との出会いは、約2年半前。2018年度の「博物館マネジメント人材育成事業」の一環である連続講座「2025年問題に向けた高齢者の健康と博物館の役割」の第1回で「美術館でコラージュ療法」を学び、その魅力に惹かれました。アートセラピーとしてのコラージュを、美術的アプローチに重きを置くことによって、もっと気軽に誰でも実現できる創作体験として広めていく。その可能性に、ビビビッと来たのでした。

今回は、福津市の生涯学習の仕組み「郷育カレッジ」の講座のひとつとして開催したもの。多様なジャンルの講座を抱える郷育カレッジですが、美術系の講座はそれほど多くありません。コラージュも今年度が初めてでした。約1時間半の講座は、皆さんの意欲的な姿勢に支えられ、サクサクといい感じに進みました。

昨今のご時世を鑑み、グループワークによる意見交換「分かち合い」の時間は割愛することになり、それが少し残念でしたが、その分、自分自身の内面と向き合う時間をしっかりとることができればと思いつつ。後日、講座終了後のアンケートに書かれた感想をフィードバックしてもらったのですが、受講者の方々がその意を汲んでくださっていたことがわかり、ホッとしました。

いただいたご感想を要約すると…

  • 初めてやってみたけれど、新鮮だった。
  • 集中して一人静かな時間が持てた。
  • コラージュ制作を通じて、自分の好きなことに改めて気づくことができた。
  • 自分で考えを創作していく過程に、希少価値を感じた。
  • 今自分が表現したいことが明確に出て、面白かった。
  • やりだしたら、ついついはまり込んだ。
  • 空間で何かを表現したいという思いが出てきた。

などなど。

このように皆さんが感じてくださったことこそが、Meet Me at Artコラージュの面白さであり、目指しているところです。このようなご感想をいただけたということは、コラージュの深さや面白さを感じていただけたということ。ほんとうに嬉しかったです。久しぶりのインストラクションで、コラージュの可能性をますます感じました。

真似からはじめる。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

真似からはじめる。

お友だちとおしゃべりしていたときのこと。「尊敬している人、すごいなと思う人はたくさんいるけれど、この人のようになりたいと思えるかというと、けっこう難しい」という話題になりました。これは、わたしが社会人になってすぐのころから30年近く、ずっと持ち続けていたテーマです。「あの人にあこがれていて、あんなふうになりたい!」とはっきり言える人に会うと、その率直さをまぶしく感じていました。

わたしの社会人デビューは、人材育成のプロフェッショナルとして知られる会社でした。最近でいうところの「メンター」の考え方が、当時既にしっかりと根付いている会社で、新人時代に先輩や上司からよく言われたのは、「お手本を見つけて真似る、目指す」ことの有効性。「目標とする人ができると、伸びるのも早いよ」と、よく言われていました。その考え方は、花祭窯を創業して自営業を営むにあたっても、ずっと生きています。課題にぶつかったときは、うまくいっている人に教えを請い、真似るのです。

わたしが自分の人生でとても恵まれていると思うのは、会社員時代から独立後もずっと、仕事プライベート問わず、尊敬する先輩や友人が常に身近な周囲にいることです。「今この輪の中にわたしがいるのは奇跡だ」と感じるような人とのご縁に恵まれていると思います。それにもかかわらず、「この人は本当にすごい。でも、そんなふうに生きたいか、生きることができるかと問われたら、ちょっと違う」という思いを繰り返してきました。

ところが、いつの頃からか「この人のような生き方をしたい」と思う人が自分のなかに明確にあることに、最近気づきました。それに気づいたとき、とても嬉しくなりました。その人の目線は、いつも自然や美術・アート的なものに向いています。肩の力が抜けていて、つねに遊びながら学んでいて、好きなことに向かって真っすぐで、家族との時間を大切にしていて、さりげない贅沢を日常に取り入れておられるのです。

ご自身の感性を十分に信頼して自由に生きておられる様子を拝見しているうちに、「よし、わたしもこうなろう!」という気持ちになっていました。できることからひとつづつ、その方の「真似」をしています(笑)

写真は、あこがれる生き方を目指して自分のステップアップをしていきたいという気持ちを重ねて、いい感じの階段♪

御料理古川さん。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

御料理古川さん。

博多住吉にある懐石料理屋さん「御料理古川」さんにおじゃましてまいりました。

2018年7月のオープン。店主の古川さんが大阪の「味吉兆ぶんぶ庵」で修業をなさっていたころからのお付き合いです。修業中の当時から、藤吉憲典が大阪で個展をするたびに、独立したときのための器をお買い求めくださっていました。郷里の福岡県でお店をお持ちになるということで、オープンに向けての器をご用命いただいたのは、もう3年以上前になります。

ずっと気になりながら、やっと訪問。オープンから2年で福岡佐賀版のミシュランに載り、『家庭画報』をはじめとした雑誌掲載も多く、あっという間に「予約の取りにくいお店」になっていました。何度か問い合わせて予定が合わないことがありましたが、順調に発展なさっているご様子を嬉しく拝見していました。

カウンター6席に4名個室が二つ。訪問した平日のランチタイムは、100%女性客でした。カウンター・個室ともに皆さん常連さんのくつろいだ雰囲気で、とても楽しそうでした。お料理は、味がおいしいのはもちろん、どれもスッと体に染みわたりました。最後のお菓子とお抹茶まで、気持ちよく完食。食べ終わって気がつけば、実はお腹一杯になっていた、という感じでした。

お食事後、カウンター席のお客様は、それぞれ次のご予約を入れておられました。古川さんのお席が空いている日に合わせて、次の会食日を決める。お店がとても愛されていることがわかりました。お料理のおいしさ、接客の良さはもちろんのこと、店主古川さんと奥さまの明るく飾らないお人柄あってのことと、伝わってきました。

友人との久しぶりのランチに使わせていただきましたが、とてもよかったです。大満足でした。次は夜のお食事におじゃましたいと思います。

読書『「自宅オフィス」のととのえ方』(主婦の友社)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『「自宅オフィス」のととのえ方』(主婦の友社)

図書館の新刊棚で偶然発見。ちょうど週末にメインPCの入れ替えをし、この機会にデスク周りを少し整理したいな、と思っていたところでしたので、グッドタイミングでした。やはり、気にかかっているテーマに関する本は、無意識に視界に飛び込んできますね(笑)

この春以来、在宅勤務への移行が進んだのでしょう、この手の本がたくさん出てきたように思います。なかでも本書では、実際に「自宅オフィス」で仕事をなさっている方々のお部屋のカラー写真がメインで、こだわりポイントがテキストで添えられていました。さまざまな職業の方が紹介されていましたが、ほとんどの方が、もともと在宅ワークやワーケーションと親和性が高いだろうと思われる方々。それだけに、こなれているとでもいいましょうか、手軽に取り入れられそうな「小技」が随所にあり、参考になりました。

面白かったのは、あえて狭いスペースにこだわったり、一見無駄そうなものを大切にしていたり、オフィスインテリア・レイアウトという枠を超えて、「自宅オフィス」の要素が語られていたこと。そしてそれらが、実際に「自宅で仕事をする」を実践しているからこそ、説得力を持っていたことでした。例えば、アロマ(香り)やグリーン(観葉植物)、音の切り替え(音楽)などの有効性もそれらのひとつ。

がっつり「ホームオフィスの構築を検討したい!」という方には、少々物足りないと思いますが、今回のわたしのように、ちょっとしたヒントがあれば…という向きには、ちょうどよいと思います。わたしはこの本を見て、自分が仕事スペースを考える際に重視するポイントがなんとなく見えてきました。そうすると、さらに同様のジャンルの別の本も探してみる、という楽しい連鎖につながります。

仕事スペースの模様替えは、そのまま仕事のモチベーションへとつながります。わたしと同じように、台所スペースに「自宅オフィス」スペースをつくっている方もあり、親しみを感じつつ、ちょっとしたヒントをいただいた一冊でした。

山歩き、海歩き。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

山歩き、海歩き。

筋力をつけたいなと思い、部活動では陸上長距離をしていた息子に相談。体重もどちらかといえば増やしたいと申し添えたところ、筋力を増やすためのウォーキングを提案してくれました。要は、ただ歩くのではなく、負荷をかければよいということ。

まずは、山。近所の花見スポットである大峰山は、ハイキングコースとして人気です。約1時間で歩いてこれるということで、チャレンジすることに。実際に歩いてみると、花祭窯からスタートして、帰ってくるまでちょうど1時間。久しぶりに高低差のあるコースで、途中でバテるのではないかと心配しましたが、気持ちよく歩くことができました。

翌日は、海。高低差こそないものの、やわらかい砂浜を歩くのは、けっこう脚力のいるもの。潮が引いてすぐの砂浜は比較的固く歩きやすいのですが、目的は「筋力をつける」なので、砂浜に足を沈ませつつ歩みを進めます。津屋崎浜から宮地浜へと進み、福間海岸の手前で折り返して帰ってきたら、ちょうど1時間でした。

山を歩いていると、自然と視線が上や遠くに向きます。鳥や木の実や草花が気になりますが、足を進めながら眺めることができ、視界も広がります。それに対して、海を歩いていると、貝殻やら陶片やらが気になり、うっかりすると視線が足元に向かいがちになります。今は姿勢良く歩くのが目的!と自らに言い聞かせつつ、海原の向こうを意識しながらのウォーキング。

ともあれ「歩こう」と思ったときに、海と山のメニューが選べる贅沢環境。思い立ったが吉日、三日坊主にならないよう、さっそくウォーキングシューズも購入。三日坊主になったら、また一から始める、を繰り返そうと思います。写真は海ウォーキングのご褒美、海に沈もうとしている夕日。ありがたいです。

着々個展準備中。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

着々個展準備中。

町田のももふくさんでの「藤吉憲典展」が一週間後に迫ってまいりました。

町田ももふく 藤吉憲典展2020
藤吉憲典展(磁)2020.11.21(土)‐11.27(金)12時-18時
ももふく 町田市原町田2-10-14#101 TEL042-727-7607

個展が開催されるまでの、作家側の準備は、どれくらいかかるのでしょうか?とご質問をいただくことが、ときどきあります。会期の長さ・スペース・ギャラリーオーナーさんのお考え、作家のスケジュールなど、いろいろな要素があるので、一概には言えません。というのが、お返事なのですが、それでは答えにならないので「例えば」でお話しすることが多いです。

例えば、今回のももふくさんの個展。1年以上前にお話をいただいてからずっと、「2020年の年末ごろにももふくさん」と頭に入っていますので、広く考えると、そこから準備が始まっています。ギャラリーさんにより、オーナーさんのお考え、その先にいらっしゃるお客さまの期待などが異なります。作家・藤吉憲典のやりたいことを押し出しつつも、その場に来てくださる皆さんに楽しく喜んでいただけるように、という気持ちが一番。ですので、同じ「和食器」という範疇であっても、個展開催場所によって、並ぶものの顔ぶれは少しづつ変わってきます。

いろいろなものを作りながら、「これは、ももふくさんに良さそう」というものを少しづつ増やしていき、開催2か月前頃には案内状用の候補となる器をお送りします。そのころに一度「ももふくさんでの個展用」の器をざっと並べてみると、「足りないもの」が見えてきますので、そこで作り手はギアを一段アップ。オープンまでの2か月で、充実を図っていきます。

約一カ月前には、案内状が出来上がってきます。その案内状を見ると、オーナーさんの期待が伝わってきます。少しでも多く期待に応えることができるよう、ラストスパート。あとは、時間との勝負になってまいります。ひとつでも数多くご覧いただきたいと思う気持ちと、ひとつひとつにしっかり手間と時間をかけて丁寧に作っていく姿勢と。

会期1週間前ともなると、ある程度目途がついているものの、ギリギリまで窯を入れるのは、「ひとつでも多く、よいものを」という気持ちの表れなのでしょうね。作家が「これでOK」を出したら、あとは出品リストの制作と梱包・発送の実務で、わたしの仕事です。個展の準備は、何年、何回繰り返しても緊張感がありますが、充実感のある仕事です。