お酒を呑みながら建築のお勉強・その7

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

お酒を呑みながら建築のお勉強・その7

すっかり恒例行事となってきました、隣町・宗像にお住まいの建築家、株式会社藤井設計室・藤井さんご夫妻のご好意で開催されるスライドショー&勉強会。

今回は番外編。つい先月、フランス・スイス・イタリアの建築視察旅行をしてこられた相良友也建築工房の相良さんによるスライドショーでした。相良さんが現地で撮ってきた写真と、その建築物に関する資料をスライドで紹介してくださり、藤井さんがコメントを付けてくださるという、これまた贅沢な時間となりました。

前座として、陶芸家・藤吉憲典のロンドン個展にともなうロンドン旅行と、相良さんと偶然同時期にギャラリー訪問で出かけていたフィレンツェの写真もご紹介。

今回一番面白かったのは、職業の異なる二人の撮ったものを続けて観ることによって、「撮る人の目線の違い」の大きさがあからさまに画面で見えたことでした。同じものを撮ったのではなくても、写真を見ることによって伝わってくる、「何を見ているのかの違い」発見の面白さがありました。

思えばこの勉強会、呑みながら、食べながら、おしゃべりしながら、大笑いしながらで、一見ふざけているような景色なのですが、実は審美眼への影響力の大きさを感じている今日この頃です。藤井さんのお話のなかで、建築の知識もたくさん教わっているのですが、知識は気がつけば忘れてしまっていることが多く‥(汗)ところが「どこを見るか」「なにを見るか」というときには、自分の視点が無意識に影響を受けているのがわかります。

今回もたいへんお世話になりました<(_ _)>

 

図書委員。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

図書委員。

というと、なんだか小学校や中学校の係のようですが(笑)

福津市には「福津市立図書館協議会」というものがあって、市立図書館の運営について年に数回、有識者・図書に関わる地域の諸団体・市民による、よりよい図書館運営のための意見交換が行われています。今年から参加の機会をいただいています。

従来からある「福津市立図書館」と、今年完成した「カメリアステージ図書館」。人口6万人規模の自治体で、「本館と分館(あるいは支所など)」というのではなく、しっかりした図書館がふたつあるというのは、全国的に図書館はじめ文化的な支出がどんどん減らされる傾向が強いなかにあって、とても有難いことなのだそうです。幸せなことですね。

「この2館でいかに相互連携をとっていくか」というのが課題なのだそうですが、実際に利用している市民目線で見れば双方の違いは既にはっきりしていて、「相互補完」が上手いこと実現できるだろうなと、期待大なのです。

王道的な図書館運営を期待される市立図書館に対し、新しいカメリアステージ図書館は指定管理者制度での運営であり、だからこそ自由な発想でのさまざまなチャレンジが期待されているようです。「滞在型」「イベント」「連携」「市民参加」などなど、いろいろなキーワードで可能性を追い求めることができそうです。

2館体制は始まったばかり。これからがとっても楽しみです(^^)

 

「驚異の世界展」で片桐仁。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

「驚異の世界展」で片桐仁。

「神聖ローマ帝国皇帝ルドルフ2世の驚異の世界展」の続き。

主催者のひとつ西日本新聞が、展覧会イベントの講演会を募集している広告に「片桐仁」の名前を発見。即、申し込み(笑)抽選でしたが当選ハガキが届き、ニンマリ。ラーメンズのライブを観に足を運んでいたのは、もう二十年近く前!?のことですが、ひさびさに「生」片桐仁を観て、ではなくトークを楽しんできました。

アルチンボルトが大好きだという片桐仁。自らも造形活動をなさっているので、展示されている作品や描いた(創った)アーティストの「何がすごいか」「どうすごいか」を語る内容・切り口がとても面白く、なるほどと共感するものでした。

展覧会はたいてい3周するという片桐仁。1周目はイヤホンガイドを使わず、自分の感性だけで作品に向き合ってほしいという話の内容は、あまりにも普段自分が考えていることと同じで、思わず「そうそう!」と声が出そうでした。わたしはたいてい2周で、イヤホンガイドは余程の時(みうらじゅん&いとうせいこうの音声ガイドにはさすがに釣られましたが‥)でないと借りません。

現在「ギリ展」が全国巡回中の片桐仁。ご当地ネタのアイデアが集まらないと嘆いておられましたので、我こそはという方は、ぜひ下記からご応募を(^^)

片桐仁 不条理アート年度作品展 ギリ展 ご当地「作品ネタ募集企画」

ルドルフ2世のコレクション、観てきました。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

ルドルフ2世のコレクション、観てきました。

上の写真はルドルフ2世のコレクションではなく、今回の展示に合わせて特別コラボレーションの現代美術作家フィリップ・ハースさんの作品です。写真OKでした(^^)

福岡市博物館で開催中の
神聖ローマ帝国皇帝ルドルフ2世の驚異の世界展。

面白かったです!

少し前に友人と「福岡市博物館の特別展示って、センスがいいよね」なんて勝手なおしゃべりをしていたのですが、ほんとうに今回も素晴らしかったです。

「美術品・工芸品の収集や学問の研究を通して宇宙の真理を追い求めようとした」(神聖ローマ帝国皇帝ルドルフ2世の驚異の世界展 公式サイトより)

それがひしひしと伝わってくる展示でした。

宣伝用には、アルチンボルトによる「ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世像」が最前面に押し出されていますが、わたし的見どころは…

ルーラント・サーフェリーの描く鳥や動物たち、作者不明のバベルの塔、オウム貝の杯、象の形をしたからくり時計、水彩で描かれた花や虫…と、今ぱっと思い出すだけでも盛りだくさん。展示場を3周しました。

ちなみに「ウェルトゥムヌス」って何?と思って検索してみたところ「ローマ神話に登場する果樹と果物の神」(Wikipediaより)だそうです。

福岡市博物館での会期は12月24日(日)まで。もう一回行けたらいいな、と思っています(^^)

 

九州国立博物館は「文化交流展」が面白い。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

九州国立博物館は「文化交流展」が面白い。

これまでにも何度も同じことを言っているような気もしますが、四階の文化交流展が大好きです。

文化交流展示室案内 http://www.kyuhaku.jp/exhibition/exhibition_info01.html

特に今回は、特別展の「新・桃山展」に合わせて、「展示室11:多彩な江戸文化」の部屋に関連する展示物を拝見することができたのが、とても面白くて良かったです。

さらにそのお隣の部屋「展示室10:九州陶磁の花(田中丸コレクション)」。こちらは毎回必ず覗く部屋であり、いつ見ても古伊万里の時代の肥前磁器の素晴らしさに嬉しくなる部屋なのですが、これまた「新・桃山展」と時代がかぶっていることもあって、さらに嬉しく拝見したのでした。

さらに今回は、文化交流展でも特別展示が開催されていました。

大分県国東宇佐 六郷満山展 ~神と仏と鬼の郷~

11世紀平安時代につくられたという木製の立像の不思議な立ち姿、特に腰つきに目を奪われました。

皆さん、九州国立博物館訪問の際は、ぜひ四階の文化交流展にも足を伸ばしてくださいね(^^)

 

黄金の茶室観てきました。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

黄金の茶室観てきました。

九州国立博物館で開催中の「新・桃山展」

戦国武将マニアの息子に急かされて、観に行ってきました。

先週末・今週末と、同展の関連イベントであるリレー講座に「陶磁器に見る文化交流―大航海時代がもたらしたもの」「桃山の茶湯-茶碗を中心に-」と、興味深いタイトルが並んでいました。わたしは残念ながら講座には足を運ぶことができませんでしたが、つまりこのような講座が楽しめる展示内容になっている、ということです。

個人的に、特に「おお~っ!」な展示物は、次の通りでした(^^)


  • 唐獅子図屏風
  • 白天目
  • 志野茶碗 銘 猛虎
  • 絵唐津菖蒲文茶碗
  • 銀地狛犬
  • 黄瀬戸福字鉢
  • 雲龍図屏風
  • 黒織部沓形茶碗 銘 わらや

このほか「聖フランシスコ・ザビエル像」が教科書で見た記憶のままで楽しかったり、螺鈿細工のものはどれもとても美しかったり、見応えのある展示でした。

欲を言えば、茶碗など、のぞき込んだ内側・背面・高台裏などもしっかり見ることのできる展示にして下さったら、もっとよかったのになぁ、と。展示ケースの後ろに回り込んだりして拝見しましたが、「観たいところが見えない」ストレスが若干残りました(笑)

また今回、屏風絵がたくさんあったのですが、屏風にバランスよく絵を描くというのは、ただ絵がうまいだけでは成し遂げられないものなのだなぁ、とつくづく思いました。というのも、部分的に見ると「すごいな、うまいな」と描けているものも、引いて見ると、全体としての絵が成立していない(構図が崩壊している?)パターンがとても多く見受けられ。大きな画面で、しかも分割された画面の連続により成立するという特色からでしょうか。

九国訪問いつものコースで、四階の常設展示・文化交流展にももちろん足を運びましたが、その報告はまた次回。

ちなみに、写真の「黄金の茶室」復元は、「新・桃山展」の特別展示室ではなく、1階ホールに展示されていました。特別展・常設展へのエスカレーターと反対側の方にあります。「写真OK」の撮影スポットになっています(^^)

 

花祭窯・藤吉憲典の紹介ハガキ。

こんにちは、花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

花祭窯・藤吉憲典の新しい紹介ハガキが出来上がりました。

津屋崎に工房を移転して以来、窯の案内と作家の紹介を兼ねた「紙もの」を、「作家陶歴」とは別につくるようにしているのですが、その最新作が昨日届きました。

ハガキサイズでつくったり、三つ折りの長形や正方形でつくったり、紙の厚さを変えてみたり、毎回試行錯誤です。限られたスペースに載せる情報の内容、現在の藤吉の取り組みが伝わる写真の選び方。文字情報も写真も、あれもこれもとつい欲張ると、紙面がどんどん大きくなってしまう(あるいは文字が小さくなってしまう…)のですが、今回は久しぶりにハガキサイズに戻してみました。

津屋崎移転六年目、その時々で「何をどう伝えたいか」が変わることを、身をもって経験してきたため、中身を変えたいと思ったときにすぐに変更できるよう、小ロットでの制作です。最近は印刷会社さんでの少ロット対応がとても増えてきたので、とてもありがたいです。

主に個人のお客さまからのご注文品をお届けする際や、花祭窯でお買い物をしてくださったときに、商品と一緒に同封しています。

花祭窯藤吉憲典

花祭窯藤吉憲典

図書館探検@郷育カレッジ

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

図書館探検@郷育カレッジ

福津市の誇る生涯学習システム・郷育カレッジが主催する図書館探検に行ってきました。場所は津屋崎に新しくできたカメリアステージ図書館。この図書館ができてから、わたしもここで常に本を借りています。つまり、かなり通っている状態。それでも、そこに「専門家の目」をお借りすることによって、「もっともっと活用できる」場所へのイメージを膨らますことができるのが、「探検」の意義であり素晴らしさです

「貸出型」の図書館に対して「滞在型図書館」を目指しているというカメリアステージ図書館。2階の図書館フロアにある学習室やAV視聴ブースや多目的室だけでなく、1階にあるカフェコーナーや歴史資料館と組合せて利用していくことで、活用場面がどんどん広がりそうです。

そういえば、今年の初めには仙台まで「美術館探検」に出かけており、12月にも場所を変えて美術館探検予定。わたしにとって「〇〇館探検」は、館の建物や施設自体の探検であると同時に、知的探検・脳内探検でもあります。

 

読書:『江戸百夢』(近世図像学の楽しみ)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

読書:『江戸百夢』田中優子著

サブタイトルが「近世図像学の楽しみ」

この八月に講演を聴くことができ、とても面白かった法政大学総長・田中優子先生。

講演会「グローバリゼーションと江戸時代」聴いてきました。

『江戸百夢』は2000年発刊。「江戸」といいながら、むしろ地理的には江戸のみにとらわれているわけではない内容だなぁ、と感じながら「あとがき」を読んで納得。もとは「朝日ジャーナル」に連載されたもので、その時のタイトルは「EARLY MODERN の図像学」だったのだそうです。

「図像学」とあるだけあって、豊富な絵図がとても楽しく、そこに添えられた解説というかエッセーというか、田中優子氏の文章がまたユーモアたっぷりで秀逸です。上の写真にある目次を眺めるだけでも、その片鱗を感じていただけると思います。

アーリー・モダンの視座が混ざっている結果として、「江戸」の時代的・地理的な特質やイメージが余計にくっきりと浮かび上がっているのを感じます。うまいなぁ、と思わず感嘆。


ちくま文庫から文庫版も出ていますが、絵図の面白さをより実感するには、単行本版がおすすめです。

 

花祭窯の縁側ーシュウメイギク。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

花祭窯の縁側-シュウメイギク。

外をのぞいたらシュウメイギクの明るい白が目に留まりました。数日前、つぼみがたくさんついていたので、そろそろかなと思っていたところ、昨日の雨のなか、いつの間にか開いていたのですね。

「白い花」はいろいろありますが、シュウメイギクの白を見るたび「白が濃い」と感じます。透明感を感じる白とは対照的に、ぽってりとした厚みを感じる白。花弁の白と、真ん中の、これも濃いめの黄色の組み合わせ。

花祭窯の狭小茶室「徳り庵」は、小さな窓からの光を採り入れるのみなので、曇りや雨の日はどうしても薄暗くなります。そんななかにシュウメイギクが一輪あれば、ちょっとした灯りのようにおさまるだろうな、などとイメージ。

ここ数日、すっかり涼しくなってきたので、そろそろお茶会を企みたくなってきました。