暖簾(のれん)到着。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

暖簾(のれん)が到着しました!

2012年に工房を津屋崎に移転したとき、お客さまにお越しいただける展示スペースを少し作ることができたので、初めて花祭窯の暖簾を作りました。その暖簾が昨年末で引退。というのも、花祭窯は海のすぐ近くにあるため、潮を浴びて生地の劣化が進みやすく、あちらこちら破けてしまったのです。

津屋崎の海

ご近所でご商売をなさっている方から「のれん、外に出してると潮ですぐ破けやすくなるよ~!」とお聞きしてはいたのですが、ほんとうにそうでした。破れたり引っ掛けたりするたび、裏に布を当てて繕ってきましたが、その箇所が増えてだんだん追いつかなくなり、創業20周年を前に新調することにいたしました。

潮は仕方がないにしても、少しでも長持ちするものをと思い今回ご相談したのが、仙台にある永勘染工場(ながかんそめこうじょう)さん

明治20年創業の永勘染工場さんがあるのは、江戸時代初期に整備された染師の町・南染師町。わたしはまだ訪問したことが無いのですが、お友達が訪問した時の様子を教えてくださり、またメールでのやり取りのなかで、わかりやすく的確なご提案をいただいたことが決め手となって、暖簾制作をお願いすることにしました。

で、本日到着したのが写真の暖簾。生地は厚地天竺、色は「棗紫」というのだそうです。なつめむらさき、と読むのかなと思ったら、ツァオ・ツーと読む中国の伝統色のようですね。中国でも紫は天帝の色として人気の色。ばっちり気に入りました(^^)

花祭窯へお越しの皆さま、これからこの暖簾が目印となります。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

福。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

あちらこちらで節分の恵方巻の宣伝を見かけます。そろそろ我が家でも豆まきの準備が気になってきました。

豆まきといえば

鬼は外、は内。

この「福」の字、やきものの文様として古くから親しまれ、好まれています

やきものの文様については、中国文化の影響を大きく受けている肥前磁器。中国でも「福」の文字はたいへん喜ばれる文字なのですね。

一例として、中国ではコウモリが「福を呼ぶ」としてたいへん人気で、コウモリ文様がおめでたい吉祥文様として定着しています。その理由は、

コウモリを漢字で書くと「蝙蝠」 で「蝠」が「福」の字に似ているから。

それほどに「福」という字に愛着があるのですね。

 

赤絵蝙蝠文蕎麦猪口(藤吉憲典)
赤絵蝙蝠文蕎麦猪口(藤吉憲典 作)

蝙蝠(コウモリ)の字だけでなくデザインそのものが吉祥文様となっています。上の写真は古伊万里の時代から人気の古典文様。もともとは中国磁器の人気文様を写したものです。向かい合わせの蝙蝠も福々しさに魔除けの赤。現代でも通の間で根強い人気です。

染付福鬼文蕎麦猪口(藤吉憲典)
染付福鬼文蕎麦猪口(藤吉憲典)

こちらは、藤吉憲典オリジナル文様の「福鬼文」。お多福さんの反対側は、鬼の絵になっています(^^)

 

金柑炊いてます。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

今、金柑炊いてます。

創業地・佐賀県江北町にある花祭は自然豊かな山間地です。傾斜地ではありましたが、庭というか山というかちょっとした土地があったので、嬉しくて木をたくさん植えています。食いしん坊なので、実の成る木ばかり(笑)。そのなかのひとつが、金柑です。

植えてから20年ほどになります。金柑の木は1本だけですが、毎年たくさんの実をつけてくれて、この冬も豊作でした。年末から年始ごろ、色づいてきたら収穫してきて、甘露煮にするのがすっかり習いになりました。

この金柑、今でこそ毎年数え切れない数の実がつきますが、小さな苗を買ってきて地植えした最初の三年間は、花は咲けども実はつかず。やっぱりもう1本増やしてあげたほうがいいのかなぁ、と思いはじめた矢先に最初の3粒が実りました。このときの嬉しかったことは言うまでもありません。

その翌年には9粒。そのまた翌年には15粒を超え、そのあとは毎年どんどん実が増えていきました。花祭は野鳥がたくさんやってくる場所でもあるのですが、その野鳥も南天・モチノキ・ピラカンサスなどの赤い実の次に、金柑をねらって飛んでくるようになりました。

というわけで、今年も金柑炊いてます。

のどの痛みや風邪に効くといわれていますよね。効果のほどはよくわかりませんが、とりあえず、おいしいので冬の楽しみの一つです。ただ毎回量が多いので、甘露煮以外にも簡単で美味しいレシピ無いかな~、というのが正直なところ。

金柑レシピご存知の方、ぜひ教えてください!

 

 

 

波折神社でお宮座。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

今日は年に一度の地域の安全祈願でした。

波折神社でお宮座。

津屋崎はいくつかの「区」に分かれており、花祭窯があるのは「新町区」。区がさらにいくつかの「組」に分かれていて、新年の安全祈願をするお宮座は「組」の単位で行われています。

時間前にご近所さんが声をかけてくださり、誘い合わせてお散歩がてら神社へ。神主さんの祝詞と太鼓に玉串の奉納、二礼二拍手一礼。毎年初めに安全祈願のお祓いを受けることができる、ありがたい時間です。

津屋崎の氏神様、波折(なみおり)神社。夏に行われる津屋崎祇園山笠も、秋に行われるおくんちも、波折神社のお祭りです。節分の豆まき行事もあります。子どもたちは日頃から境内で遊び、お祭りのたびに老若男女が集まり、文字通り津屋崎の中心。

神社の名前の由来は、


その昔、漁師3人が沖合で釣りをしていると、急に海が荒れ始めました。神様に祈ると三神が現れ、その助けによって、荒波を折ってやっと鼓島に漂着、波風が収まるのを待つことにしました。待っている間に食べ物がなくなると、また神様が現れて食べ物を与えられ、飢えをしのぐことができました。波風が収まり、神様が去ったあと、気が付くと船に三つの石があったので、漁師たちはそれを持ち帰って神体とし、社を建ててお祭りをしました。それで、波折神社というようになったとのことです。【福津市のホームページより】


波折神社にはじめてお参りした時、境内に見つけて驚愕したのが、波に乗ったウサギの姿を彫った石塔でした。神社の由来から、どなたかが寄贈なさったのだと思われますが、それがまさに、日ごろからダンナ・藤吉憲典がやきものに描いている「波兎文様」そのままの構図だったのです。こういう偶然があるのだなぁと、嬉しくなりました。

さてお宮座のあとは、ご近所のうどん屋さんでおしゃべりをしながらのお食事。これがまた、ご近所付き合いの楽しみの一つです(^^)

 

 

酒粕の愉しみ。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

寒い季節の楽しみのひとつ、あったかい甘酒。
ご近所の豊村酒造さんで、今年も酒粕の販売が始まりました。

酒粕の愉しみ。

酒粕を使っての甘酒は、飲みたいときにサッと作れる手軽さがなによりの魅力です。気分に合わせて粕の量を増やしたり減らしたりして、好みの濃さでいただけるのも嬉しい。「半インスタント」とでも言いましょうか、不器用なわたしでもまず失敗がありません。

この手軽さのおかげで「冬は酒粕で甘酒」がすっかり習慣に。毎年、酒粕でつくるのは甘酒ばっかり…という状態が続いておりました。

が、本日豊村酒造さんに立ち寄ったところ「甘酒の作り方」「粕汁の作り方」「野菜の粕漬の作り方」が書かれたチラシ発見!このところお手製ぬか漬けのおいしさにハマっている身としては、やはり「粕漬け」を外すわけには参りません。というわけで、さっそく試し漬け。数日後の漬かり具合に乞うご期待というところです。

 

ところで…写真の甘酒の器に目が行った方があると思います。白い甘酒を映えるように撮りたいな、と思って真っ先に頭に浮かんだのがこの器。

浅井純介さんのおつくりになった織部(おりべ)で贅沢にいただきました(^^)

 

取り扱いご検討のギャラリーさんへ。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。
今週末はまた寒くなるという予報。暖かくして過ごしたいですね。

さてこのところ立て続けにお問い合わせのお電話をいただきましたので、

花祭窯・藤吉憲典の器・作品
取り扱いをご検討のギャラリーさんへ。

花祭窯では、こんな考え方をしています。

1997年の独立創業当初から一貫して、商社を通さずギャラリーさんとの直接お取引をしてきています。最終的にお買い上げして使ってくださるお客さまのお顔・ご要望がきちんと見えているオーナーさんとお付き合いしたいという思いからです。

ギャラリーさんとの関係で重視しているのは、お互いに敬意をもってお付き合いできることと、その結果として生まれる信頼関係です。

そのため、具体的な商談の前に必ず、オーナーさんとつくり手・藤吉憲典がきちんとお話をできる場をもつようにしています。最近は工房にお越しくださる方が増えてまいりましたが、こちらからお店にお伺いすることも多いですし、その両方を経たうえでお話を進めることが少なくありません。

ものづくりに対する考え方、価値観、理念、目指している方向など、いろいろなことをお話しさせていただいて、「なにを大切にしているか」ベクトルが合いそうな場合に、お付き合いがはじまります。

これもまた創業当初から一貫している考え方です。

そもそも花祭窯は藤吉憲典が一人でものを作っているため、数をたくさんつくることはできません。その分ひとつひとつのものにしっかりと力を注いでいます。それを理解して、愛情をもって扱ってくださる方に託したいと思っています

どんなに有名であったり販売力のあるギャラリーさんでも、基本的な価値観のところですれ違っていたり、愛情をもって扱ってくださらない節が見えた場合には、お断りしています。つくり手である藤吉憲典と、売ってくださるギャラリーオーナーさんとの間での信頼関係が築けなければ、長いお付き合いは無理なので、そのようにしています。

逆にいうと、きちんとお話をしたうえでお互いに敬意をもってお付き合いできることが確認できれば、規模の大小や実績などは問わずにお取引をしています。

独立当初、なんの実績も後ろ盾もなくても「つくったもの」と「つくり手の姿勢」だけを評価して藤吉のつくるものを扱ってくださったギャラリーオーナーさんたちに救われました。そういう方々とお会いできたからこそ、こうしてやきものの仕事を続けることができています。わたしたちもずっとそういうスタンスでありたいと思っています。

このように商売上手ではありませんが、いただいたお仕事・かけてくださった期待に対しては、全力で応える用意があります。単純に売れたらそれでいいという考え方ではないので、もしかしたらほかの作家さんに比べたら面倒くさいかもしれません。それでも藤吉のつくるものを扱いたいと思ってくださる方、ぜひお問い合わせくださいませ<(_ _)>

 

 

ときどき、古典。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

ブログでときどき本を紹介することがありますが、比較的新しい本であることが多く、また「物語(小説)」でないものが多いと気づいたのが、年末に書いた「2016読んだ本ベスト5」の執筆中。

2016読んだ本ベスト5。

そこで、2017の読書に意図的に取り入れていきたいな、と思っているのが

ときどき、古典。

花祭窯には、書道家であったダンナのお父さんが遺してくれたたくさんの本があって、そのなかには「日本の古典」「昭和文学大全集」などのシリーズもあります。これらの本に対して、わたしは読み物としての面白さに加え、日本人であるという自分のルーツを無意識的に再発見させられるのではないかという勝手な期待をもっています。

これまでもときどき引っ張り出しては読んでいるのですが、気が付くと後回しになってしまうことがしばしばでした。もちろん「読みたい!」と思ったときに読むのが一番なので、それはそれでOKなのですが。

この手の本を読むことは、実用書を読むことと異なり、即効的な成果や効果を得られるものではありません。ついつい後回しになってしまうのは、きっとそれが原因ですね(笑)。でも、曖昧で目に見えにくいものだけれど、長い時間をかけて確実に自分の糧になるものだと、わたしは思っています。美術鑑賞など、芸術を楽しむことと同じですね。もちろん大前提は、「読んで面白い」

というわけで、2017年は「次は何を読もうかな」と思ったときに、すかさず「古典はどう?」と自分に聞いてみることにします。

図書館も本屋さんも大好きでよく行きますが、これらの古典はなんといっても最も身近な我が家の本棚にあって、豊富なタイトルから選べるのですから。贅沢なことですよね(^^)

 

 

龍とか鳳凰とか赤の意味とか。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

このところ中国とご縁のある方とお話をする機会が立て続けにありました。そのなかで「これ、いいですね」と言われたのが、写真のコーヒーカップ&ソーサー。赤絵で龍と鳳凰を描いたものでした。

龍とか鳳凰とか、赤の色の意味とか。

花祭窯・藤吉憲典のつくる肥前磁器は、1600年代初頭に朝鮮半島からもたらされた技術ではじまり、中国・景徳鎮(けいとくちん)窯の磁器技術などをお手本に発展してきたといわれており、中国の窯業技術・文化の影響を大きく受けています

その影響が見た目にわかりやすいのが、絵付です。中国の文化・思想を背景にした文様の題材がとても多いのです。なかでも龍や鳳凰(ほうおう)や麒麟(きりん)といった霊獣(れいじゅう)文は、中国で吉祥文様として古くからやきものにもしばしば描かれ、いまだに根強い人気を誇っています。

中国で神聖視された想像上の巨大な霊獣。特に龍は中国では皇帝の象徴であり、官窯(皇帝のお抱え窯)では、皇帝用の器に描く龍だけは爪を5本で描くことが許されるという決まりがありました。一般的には爪は4本で、今でもやきもの好きの間では、龍の文様を見ると真っ先に「4本ですね」などと爪の数を確認することが話題のひとつになったりします。

さらに赤は魔除けの色、転じておめでたい色とされています。「赤絵万暦」と呼ばれる絵付は、中国は明の時代に流行ったものでした。いまもなお赤絵で龍や鳳凰を描いたものは、中国にご縁のある方々にとって、とても吉祥の意味の強いおめでたいものとなることが、いろいろなお話をするなかで実感として伝わってきました。

あらためて、わたしたちが生業としている「やきもの」と中国との縁の深さを感じる年初めとなっています。

 

 

文化サロン@花祭窯、はじまります。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

文化サロン@花祭窯、はじまります。

「文化サロン」ってなんとベタな…と思うものの現段階でベストなネーミングを思いつかず(汗)いずれいい案が出てきたら名前が変わる可能性があります(笑)

もともと不定期の週末に実施していた

「論語を声に出して読もう」をリニューアル。

原則として2017年は2月から毎月第一土曜日の朝8時半から10時までの1時間半で予定。

内容は

  • 論語を声に出して読もう
  • 書道

を中心に、その時々の思いつきで。道具は全てこちらで用意します。

  • 参加費は、道具代としてお一人さま100円。

会員制ではなく、その都度募集をかけます。書道をしようと思うとスペースが案外必要なので、定員は毎回申し込み先着5名さまほど。自分たちの趣味で行うので、参加者がなくても実施いたします(^^)

ご興味のある方は、お気軽に花祭窯のフェイスブックページからメッセージくださいませ。

文化サロン@花祭窯への問い合わせはこちら。https://www.facebook.com/Hanamatsurigama/

ワクワク(^^)

蕎麦猪口と小皿豆皿。

おはようございます。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

先日、藤吉憲典の2017年の個展予定をご紹介しましたが

花祭窯・藤吉憲典2017個展予定など。

詳細の決まっていなかった熊本SUNNYさんでの企画展の内容が決まりました!

蕎麦猪口と小皿豆皿。

2017年熊本・SUNNY 4周年記念展は、蕎麦猪口と小皿豆皿。

期間は、6月24日(土)~7月2日(日)の9日間です。

蕎麦猪口と小皿豆皿は、花祭窯・藤吉憲典の定番ロングセラーな蒐集もの。いまやライフワークの一つとなっています。

藤吉憲典の蕎麦猪口・小皿豆皿が一覧できる 蕎麦猪口倶楽部 には、全国の蕎麦猪口好き、小皿豆皿好きの皆さまからご注文をいただいておりますが、たくさんの種類を実際に手にとってご覧いただける機会が、実はそう多くはありません。

SUUNYさんでは、昨年の3周年まで「蕎麦猪口展」として150種前後の蕎麦猪口をご覧いただくことのできる機会となっていましたが、今年は「小皿豆皿も見たい!」というお客さまのご要望にお応えすることになりました。

それぞれどれくらいの数の展示になるかは、これからの検討になりますが、2017年、藤吉の蕎麦猪口と小皿豆皿の実物をその目と手でご確認いただける一番の機会になることはまちがいないでしょう。

・・というのも、津屋崎の花祭窯にお越しになられたことのあるお客さまならお気づきかと思いますが、工房兼ギャラリーである津屋崎でも、蕎麦猪口や小皿豆皿の在庫が少ないことが多いのです。

ネットからのご注文ももちろんとても嬉しくありがたいですが、この機会にぜひ熊本にいらっしゃいませんか?まだ半年ほど先ですので、ぜひ今から日程をキープしてくださいね(^^)


熊本・SUNNY 4周年記念展 藤吉憲典の蕎麦猪口&小皿豆皿
期間:6月24日(土)~7月2日(日)
場所:熊本市中央区水道町4−39

※日程が近くなりましたら、ご希望の方にはご案内状をお送りいたします。