仕事がスイスイ進むときと、なんだか停滞してしまうとき。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

仕事がスイスイ進むときと、なんだか停滞してしまうとき。

ここ津屋崎の周りでも桜が満開に近くなってきました。菜の花やチューリップも咲いて、春っぽい空気が満ちています。パソコンに向かって仕事をしていても、なんとなく窓の外が気になりそわそわ(笑)。春は新しい芽が出る季節なのですね、頭のなかでも仕事の進め方や展開について、いろいろな発想が咲いてきています。

新しい方向性のアイデアが出てきたとき、まずは情報集めをするのがわたしの定番です。このとき最初の段階で、資料にあたるのではなく、できるだけ「人に聞く」ことを心がけています。ふだん一人で仕事をしているので、どうしても視野が狭くなりがちなのを、少しでも解消したいというのが、一番の理由です。情報プラス見解(意見)を聞くことが、大切だなぁと。そう思ったときに相談できる場があること、手を差し伸べてくれる友人がいるのが、なによりもありがたいです。そのおかげで今まで事業を継続してこれているのだとつくづく思います。

「知らないことは人に聞け」は、社会人になって一番最初に教えられたことでした。ところが「人に聞く」も、気分的にスッとできるときと、モタモタためらってしてしまうときがあります。性格的なものでしょうね。スッとできないときは、一度まったく別の仕事をしてみます。ためらいがあるときに無理に進めようとすると、無駄な時間がかかってしまうのが経験的にわかっているので、「今やらなきゃ」と焦る気持ちがあっても無理しない。一度気分を切り替えることで、結果としてスムーズに進むこともあります。実は今まさにその時間で(笑)「まずはブログを書いてから次に進もう」というところです。

幸い(!?)するべき仕事はいくらでもあり、その種類も多種多様。「何でもやらなければならない」は「いろいろなことができる」とも言い換えられ、最小単位の個人事業の良いところです。経営者のお友だちが「そろそろプレイヤーから卒業しないと」とつぶやくのを聞きながら、大きく伸ばすにはたしかにそうなのだろうなと思いつつ、わたしはいつまでもプレイヤーから抜けられないかなぁ、とも。

ともあれ、モタモタしているうちには別の仕事を進めることで、ひとつづつタスク解消。このブログを書き終えたら、また別の仕事に機嫌よく取り組むことが出来そうです^^

オンラインショップ「花祭窯 HANAMAYSURI GAMA 蕎麦猪口倶楽部」リニューアルオープンいたしました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

オンラインショップ「花祭窯 HANAMAYSURI GAMA 蕎麦猪口倶楽部」リニューアルオープンいたしました。

昨年末から続けていた、オンラインショップのリニューアル作業。今回は新しい仕組みへの引っ越しも伴ったので、慣れないことが多く、心配でなかなかオープンできずにおりました。ショップ制作のアドバイザーの方から「きりがないから、まずオープンしてその都度修正したらいいよ」というアドバイスをいただき、胎が決まりました。

2021年春分のスタート。偶然でしたが、験が良さそうです^^

ただ、お買い物いただける在庫がまだ揃っておらず、在庫と商品ページを追加している最中です(汗)ひとつでも在庫が出来次第、順次追加しています。また、デザインレイアウトの点でも、使いにくいところがあると思います。「もっとこうした方が、わかりやすい、注文しやすい」などお気づきのことがありましたら、お知らせいただけると幸いです。ひとつひとつ改善してまいります。

こんな調子ではありますが、今後ともご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。

お買い物方法について、リニューアルによって変わった点は、主に次の通りです。


〇クレジットカード決済が選べるようになりました。

これまではPaypalでのカード決済のみでしたが、Shopify paymentサービスの利用により、決済の選択肢が広がりました。引き続き、Paypal(ペイパル)銀行振込もご利用いただくことができます。

〇予約注文はお問い合わせフォームから承ります。

在庫切れ中の器の予約注文は、お問い合わせフォームから承ります。予約注文の確定からお届けまで、通常3-4か月ほど制作期間をいただいております。(ご注文内容・数量により異なります。)特に料理店さんオープンに向けての器選びなど、お時間に余裕をもってご相談いただけると嬉しいです。柔軟に対応できる場合もありますので、まずはお問い合せくださいませ。

〇ブログやインスタグラムからもご注文ができるようになりました。

ブログやインスタグラムでアップした写真から、直接カート(買い物カゴ)へと注文できるようになりました。オンラインショップでは、蕎麦猪口と小皿豆皿だけをご紹介しておりますが、ブログやインスタグラムからは、在庫状況に合わせて様々なアイテムをご紹介してまいります。これから少しづつ増やしてまいりますので、どうぞご期待ください。


「花祭窯 HANAMAYSURI GAMA 蕎麦猪口倶楽部」今後ともよろしくお願いいたします!

仕事柄、気になること―食器屋の場合。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

仕事柄、気になること―食器屋の場合。

仕事柄、気になってしまうことって、どんな職業の方にもあると思います。たとえば、日本料理人である友人と一緒に食事に行くとき、彼が選ぶお店はたいてい中華かフレンチになります。理由は、日本料理店だとどうしても仕事目線で厳しく見てしまい、純粋に食事を楽しむことが難しいから、と。

花祭窯は「食器屋」でもありますが、個人的には、どんな場面でも常に器が気になるということではありません。家庭で使う食器は、好きなもの、気に入っているものを使うのが一番ですし、好みは人それぞれ。飲食店であっても、それぞれの業態に合った器の選び方がありますから、「ひどく食べにくい」など実用的に残念なことがない限り、それほど気になりません。逆に「これは気が利いている!」という器使いに出会って、とても嬉しくなることはよくあります^^

ただ、やはり「いい料理屋さん」と言われるところに足を運ぶときは、やはり器使いへの期待も高まります。仕事で足を運ぶときは、料理を盛った状態の観察はもちろん、料理がお腹に収まったら、器を撫でまわし裏返し、しみじみと眺めます。お店の方に、どんな器なのかを教えていただいたりもします。現代ものと骨董とを取り合わせて使っておられるお店も多く、とても勉強になります。

プライベートでそうしたお店に足を運ぶときは、そこまでは致しません。が、先日あるお店に出かけたときに、無意識に器使いに対する目が厳しくなっていることに、気づきました。まずお料理が目の前に出てきた時の盛り付けが気になり、いただこうと手に持った時に取り扱いやすさが気になり、出てくる都度の器の種類が気になり…時間が経つにつれ、気になる箇所が増えて行きます。それらの「気になる箇所」は、そのまま自分たちの仕事へのフィードバック。結局、仕事目線になるのですね。

居心地の良い設え、温かくきめ細やかな接客、旬の食材を生かしたおいしいお料理。そこに、あとひとつ、器使いにももうちょっと心を配ってくれたら…!と。料理人さんは、独立前に修行先で器も含めて学んでおられる方が多いと思うのですが、「決まり事」を超えたところでの(食べる人にとっての)扱いやすさや、センスの良さを感じる器使いができるかどうかは、またさらに勉強や経験が必要なものなのかもしれませんね。

先日読んだ本「あらゆる事業は教育化する」を思い出しました。食器屋としてできることが、もしかしたらあるかもしれないな、と思いつつ。

九州農政局による、地域の和食文化ネットワーク九州。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

九州農政局による、地域の和食文化ネットワーク九州。

福岡県商工会連合会から、九州農政局が「地域の和食文化ネットワーク九州」を発足し、「和食文化」に関わる個人・団体の会員を募集しているとのご案内をいただきました。花祭窯はもともと和食器からスタートしていますから、和食の料理人さんとのつながりも多く、がっつり「和食文化」に関わっています。

最近、九州農政局が攻めている!という噂をよく目にしていました。近頃の「ウワサ」は耳にするものではなく、目にするものが多いですね。その一つが、農水省官僚による動画の発信、BUZZ MAFF(タガヤセキュウシュウ)。農水省の公式ユーチューブチャンネルです。九州の農産物を盛り上げていこうという取り組み趣旨の素晴らしさはもちろん、「農水省の官僚」が一気に身近に感じられてくる動画の数々がアップされています。

このユーチューブで九州農政局の好感度が上がりつつあったところに届いたご案内でしたので、「地域の和食文化ネットワーク九州」に参加してみることにしました。登録完了すると、メールマガジンで各種情報が送られてきます。文化庁による和食関連のシンポジウム情報一般社団法人和食文化国民会議の活動報告、そしてBUZZ MAFF(タガヤセキュウシュウ)の最新動画情報などが載っています。

内容を拝見しながら、自分たちの仕事や活動に生かしていけるといいな、と思っています。九州で和食文化に関わる仕事をなさっている方々と出会う機会にもつながるかもしれませんね。興味のある方はぜひ、九州農政局のサイトをご覧になってみてください。

「一人肥前磁器博覧会(仮タイトル)」プロジェクトスタート。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

「一人肥前磁器博覧会(仮タイトル)」プロジェクトスタート。

「博覧会」をWeblio辞書で検索したら「産業・貿易・学術・技芸などの振興・促進のために、種々の産物・文化財などを集めて展示し、広く一般に公開する催し。」と出ました。肥前磁器の歴史と文化を、一人の作り手の仕事を通して紹介していこうというのが、今回のプロジェクトの趣旨です。結果として、肥前磁器への関心が高まるといいな、と。

藤吉憲典が肥前磁器作家として独立し花祭窯を開窯して、来年は25年目に入ります。創業から四半世紀を前に、ここからさらに肥前磁器を深め、作家としてジャンプしていくための「おさらい」として、このプロジェクトに取り組むことにしました。藤吉憲典のミッション「伝統の継承を、生きた個性で形にする」ためにも、ガッツリ取り組むべき主題であり、彼にしかできない展覧会になります。

2020年10月、自然に出てきたアイデアでした。このアイデアを現実の展覧会にしていくために、具体案と概要を書き出しまとめてきました。年が明けて、2021年度の福岡アジア美術館の貸し館でギャラリーを1週間押さえることができたので、いよいよ動き出します。会期は11月、あと約半年で準備を進めて行くことになります。

藤吉憲典の展覧会(個展・テーマ展)は通常、主催してくださるコマーシャルギャラリーさんによる、販売を前提とした展示であり、ギャラリーのオーナーさんがすべてを取り仕切ってくださいます。今回のプロジェクトは自分たち自身が主催し、非営利(現地販売無し)で行います。趣旨も方法もまったく異なり、わたしたちにとっては、大きなチャレンジです。

これから、進捗状況なども時々こちらでご紹介していきたいと思います。

続・初めての「レンズとボディが別々のカメラ」-撮ってみた。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

続・初めての「レンズとボディが別々のカメラ」-撮ってみた。

昨日の、初めての「レンズとボディが別々のカメラ」の続編。実際に撮ってみました。

隼(はやぶさ)陶箱 藤吉憲典
隼(はやぶさ)陶箱 藤吉憲典
猟犬と草原陶箱 藤吉憲典
隼(はやぶさ)と矢羽根陶箱 藤吉憲典

初撮りにしては、まあまあですが、同時にまだまだ(笑)。もっとパキッとクリアに撮りたいものです。でも、撮るときのストレスは、これまでに比べてかなり軽減されました。これは大きな前進です。

カメラの設定をどう微調整していくかということも、もちろんあるとは思いますが、むしろ撮影セットの配置の問題であったり、光の加減の問題であったりする気もします。撮ったものを見ていただいて、アドバイスをいただいて、「撮る→修正する」の繰り返しが必要です。引き続き、チャレンジしてまいります♪

初めての「レンズとボディが別々のカメラ」。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

初めての「レンズとボディが別々のカメラ」。

インターネットで藤吉憲典の食器を紹介する仕事をスタートしたのは、約20年前のこと。もともと写真を撮ることやカメラに興味があったわけではなく、仕事の必然としてコンパクトデジタルカメラを手に入れたのでした。

この20年のあいだに、商品写真撮影の講座を(複数回)受け、上手な方のご指導を(何度も)仰ぎ、素人(=わたし)に参考になる書籍やカメラ周りの道具を教えていただき、試行錯誤の繰り返し。そういえば「撮影1000本ノック」なんてこともしていました。にもかかわらず上手にならない最大の理由は、「準備八割」の「準備」に集中できない大雑把さと面倒くさがりの性格故です。

周りの方々が次第に「一眼レフ」に移行していかれても、自分では使いこなす自信が無く、コンデジ(コンパクトデジタルカメラ)に頼ってきました。そのコンデジも、まったく使いこなせていませんが(汗)…「いざ!」の写真はプロに頼むことで解決するようになりました。

ずっと使っていたNikonの様子がおかしくなり、メーカーに持って行っても「(修理は)無理です」と言われ、通算5台目となるデジカメを買わねば!ということになりました。いざ!の写真はプロに頼むにしても、やはり手元で写真を撮る必要性はずっとあるもので、カメラは必需品です。商品撮影用の「物撮り」専用機として、用途固定・セッティング固定を前提に、コンデジを卒業することにしました。

その裏には強い味方、ご近所のゲームクリエイターでありカメラマンである日浦さんの、設定指導があります。日頃からアドバイスをいただいていて、藤吉憲典の動画も日浦さんが撮影してくださったものです。コンデジに逃げようとするわたしに、予算に合わせたカメラ選定から、カメラの機能説明、実際に撮るセットに合わせたセッティングまで、丁寧にご指導くださいました。「何を撮るのか」「何のために撮るのか」をよく理解してくださっているので、説得力があります。

ひとつひとつ作業を見せていただき、その理由もわかりやすく説明していただくと、なるほど納得のいくことばかりです。操作も難しいことはなにもなく、自分にも出来そうな気がしてきました。難しそうに見えることを易しく教える(伝える)ことのできる人って、すごいですね。さすがプロだなぁ、と思いました。

さあ、あとは撮るだけです。いただいたアドバイスを無駄にしないよう、購入したカメラを無意味にしないよう、さっそく今から撮影タイムです。

三月スタート、ちょっぴりホッ。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

三月スタート、ちょっぴりホッ。

三月三日桃の節句。先日、ご近所の「藍の家」のお雛様をご紹介したところでしたが、花祭窯にも毎年恒例のお雛様が登場しています。そういえば去年の今頃は、学校が突然の休校になり、我が家の息子も長ーい春休みを謳歌していたのでした。

さて花祭窯のお雛様。あいにく桃の花は身近にありませんでしたが、椿がまだきれいでしたので、牡丹唐草の花器を屏風に見立てて配置してみました。干支の丑(牛)も一緒に。大きな雛飾りでは、たくさんのミニチュアの道具類も魅力のひとつで、道具を運ぶ牛車や牛が含まれているものもあります。いつもはお内裏様とお雛様だけの我が家のお雛様も、牛が入って、ちょっと豪華な感じになりました。

雛人形 藤吉憲典

三月になってわたしがちょっぴりホッとできるか否かは、それまでに決算と確定申告を無事完了できたかどうかにかかります。確定申告の期間は例年2月15日から3月15日あたりですが、三月を「ホッ」と迎えるために、2月末までに申告を済ませることを毎年目標に掲げています。目標に掲げる、なんて書くと、ずいぶんたいそうな感じがしますね(笑)…花祭窯おかみの大切な仕事のひとつです。今年も無事終わり、ホッとして、お雛様。春を迎える準備を一つ一つ楽しむ季節です。

雛人形 藤吉憲典

ダンナの仕事場が、ときどき動物園のようになります。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

ダンナの仕事場が、ときどき動物園のようになります。

ロンドンにある藤吉憲典の契約ギャラリーSladmore ContemporarySladmore Galleryは、半世紀以上続く老舗のギャラリー。「Animal sculpture」分野のプロフェッショナルとして、近代から現代にかけての彫刻家の作品を扱い、その審美眼を信頼するクライアントが世界各地にいらっしゃいます。

昨年来、作家にオファーが届いた展覧会タイトルは、「Dogs, Cats and Other Best Friends」、「Sporting animals」、「Endangered animals A-Z」と動物をテーマにしたもの。これまではほとんどが「ソロ(個展)」でしたので、テーマも作品も作り手が自由に決めていましたが、ギャラリー主催のグループ展に参加するようになると、「あるテーマのなかでの自由な表現」へのチャレンジ機会が生まれてきます。

そんなわけで、磁器彫刻家・藤吉憲典の制作工房には、動物たちの姿があります。カバ、サイ、野鳥などの定番に加え、テーマをいただいたことで新たに生まれるキャラクターもあり、賑やかになってきました。最近の新顔は、猟犬、ハヤブサ、ペンギンなど。

藤吉憲典 箱シリーズ 犬
藤吉憲典 陶箱シリーズ
藤吉憲典 陶箱シリーズ

ここでご紹介した写真は、いずれも「素焼き」の窯から上がった状態のもの。ここまでの工程で、まず形が決まります。そしてここからは、色がついて行きます。染付の下絵から本窯焼成、赤絵(上絵)付をして赤絵窯へと、「絵付け→窯焚き」を複数回繰り返して、完成品となります。それまでは、仕事場に動物の姿がごちゃごちゃといる状態。

それぞれの作品がどのように出来上がるのか、最終形のイメージは作り手の頭のなかだけにあります。窯から出てきて「これで完成!」を目にするのが、とても楽しみです。

お茶のお稽古へのモチベーション。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

お茶のお稽古へのモチベーション。

暖かい一日となった先日、お茶の先生が花祭窯を訪ねてきてくださいました。花祭窯では現在「福岡県感染防止宣言ステッカー」に準じ、ご来店への対応をしています。ありがたく嬉しいご来訪。わたしが入門している茶道南方流では、2020年3月以降感染症防止対策でお茶のお稽古を中止していますので、先生方にも約1年ぶりにお会いすることができました。

お茶のお稽古では、密を避けることが難しいです。四畳半の茶室での稽古は、まさに「三密」。お濃茶はお茶碗を回していただくものですし、茶碗茶巾などのお道具を、一人一人使うたびに消毒するというのは、できないこともなさそうですが、あまり現実的ではありません。

とはいえ、他の流派では、これまでとやり方を変えてお稽古を再開しているところもあります。いろいろな考え方があるなかで、「やらない」という決断をし続けることも、我慢が必要なことでしょう。それができる南方流のお師匠さんは、やっぱりすごい方だと思うのです。

さて先生が花祭窯にお越しになり、まず最初にわたしが口にしたのは、恥ずかしながら「お稽古ができていません…」という言い訳でした。すると先生は「わたしも、お抹茶立てていただくぐらいで、ぜんぜんお稽古はできてないんですよ。なかなか難しいですよね」と。そして「はい、お土産」と、生菓子をくださいました。「これがあれば、お抹茶立てたくなるでしょう?」と。大好きな生麩饅頭です。

さすが先生です。おいしい生菓子があれば、お抹茶を立てたくなる。わたしの性格をよく見抜いておられます。そういえばこのところ、生菓子を買っていませんでした。「そっかぁ、生菓子が無かったからお茶のお稽古ができなかったんだ!」との結論に結び付け(笑)

狭小茶室「徳り庵」もご覧いただき、「一人でお稽古するのにちょうど良さそう」と先生がおっしゃると、どんどんやる気が湧いてくるのですから、我ながら単純なものです。お稽古が中止になってからの一年間、「家でもお茶のお稽古はできる」と思いながら、なかなかできずにいました。まずは日常的に「おいしい生菓子」を用意し、お抹茶を立てるところから、リハビリスタートです。