福岡県産業デザイン協議会の特別講演「創造性を組み立てる」を聴いて参りました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

福岡県産業デザイン協議会の特別講演「創造性を組み立てる」を聴いて参りました。

今年初めから3月までお世話になった、福岡県産業デザイン協議会の「デザイン開発ワークショップ」。

そこからのご案内で、特別講演「創造性を組み立てる」を聴いて参りました。

お話は、北九州のお土産として人気拡大中の「ネジチョコ」を開発した、オーエーセンター株式会社・代表取締役社長の吉武太志氏。ネジチョコはその開発経緯などをあちらこちらで耳にしたことがありましたし、実際に食べてみたこともありましたので、面白いなぁと興味を持っておりました。そこにご本人のお話が聞けるとあって、即申し込みました。

NTT西日本の特約店としてスタートした会社が、二代目になってどのようにスイーツショップの展開に到り、ネジチョコのメーカーとなったのか。そのストーリーが、とても面白かったです。特に多種多様な組織団体との協業(コラボレーション)による展開や、NPO法人として取り組んでいる地域との連携・活性化のお話には、現代の、そしてこれからのビジネスに必要不可欠な要素を強く感じました。もちろんたくさんのご苦労もあったはずですが、実に楽しそうに軽やかにお話なさる姿が印象的でした。コラボと地域連携。うちとしては、ずっと頭の片隅にありながら、なかなかうまく取り組むことが出来ずにいるところであり、大きな課題をいただいた講演会となりました。

会場は、福岡大名ガーデンシティ・タワー内の大名カンファレンスでした。スタートアップ拠点として知られ、福岡県・市の産官学の様々なイベントが開かれている場所であり、リッツ・カールトン福岡が出来たことで、ますます注目度が上がっているエリアです。気になりながら足を運んでいませんでしたので、これ幸いと当日は少し早めに到着して、エリア内を歩き回り、カフェでお茶しつつ、行き交う人々をウォッチ。こちらも刺激になりました。

花祭窯の磁器制作材料や道具は、佐賀県有田の陶磁器産業の方々にお世話になっています。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

花祭窯の磁器制作材料や道具は、佐賀県有田の陶磁器産業の方々にお世話になっています。

花祭窯の独立以来ずっと、材料や道具は有田焼の産地である佐賀県有田とその近辺にある関連産業の事業者さんにお世話になっています。そしてその多くは、藤吉憲典が独立前に、有田の複数の窯元で社員として商品開発をしていた時からお世話になっていたところ。つまり窯元勤め時代を合わせると、30年を超えるお付き合いがあるところも少なくありません。

独立前から、伝統工芸である有田焼はバブル期の割烹食器需要をピークに衰退の一途をたどっていました。花祭窯を開いたのは1997年ですが、当時、産地の方々からは「よくこんな景気の悪い時期に独立するね」と言われたものでした。その後も多くの窯元・メーカーが廃業するのに伴い、関連産業の事業者さんも廃業に追い込まれたところがたくさんありました。そんななか、堅実なお仕事で産地を支えてくださっている事業者さんのおかげで、今も安心して仕事ができることは、ほんとうにありがたいことです。

さて久しぶりに、有田への仕入出張にダンナと一緒に行ってきました。ダンナは1‐2カ月に一度くらいの頻度で有田に足を運んでいますが、わたしはここ数年足を運べず。前回は2021年かな…コロナ禍があったとはいえ、ずいぶんご無沙汰してしまいました。

久しぶりの有田は、街並み自体はそれほど変わったようには見えませんでしたが、連なるお店や会社の名前がずいぶんと変わったところもあるようでした。釉薬やさん、絵具やさん、筆や機械などの備品を扱う陶芸材料やさん、化粧箱やさん、梱包材やさん…陶磁器産業を支えるさまざまな事業者さんが集積しているのを見ると、やはりここは一大産地なのだなぁと思います。

磁器土を扱う陶土やさんだけは、有田からほんの少しだけ離れた嬉野市塩田川沿いにありますが、これは有田泉山の磁器土が採石できなくなってから、熊本天草で採石された原料土が水路で運ばれてきたからという地理的な理由があるようです。

さて必要なものを買い揃えたあとは、古くからの友人であり、陶芸作家としての先輩でもある、陶房七〇八・豊増さんの工房へ。連絡無しにふらりとおじゃましても、いつも嫌な顔一つせず、中国茶でもてなしてくださいます。久しぶりにご夫妻とお会い出来て嬉しかったうえに、ちょうど北京に行ってこられたという豊増さんに、現地情報をいろいろとお伺いすることができました。

佐賀に行くと、独立以来ずっとさりげなくサポートしてくださっている皆さんにお会いできて、初心に戻ります。そういう場所があることのありがたさを、あらためて感じた一日でした。

全国47都道府県に、INPITなる知財総合支援窓口があるんですって♪

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

全国47都道府県に、INPITなる知財総合支援窓口があるんですって♪

「公的サービス使い倒し術」に、新たな窓口が加わりました。知財関連のサービスを総合的に担うという、その名もINPIT(インピット)。これは組織名「独立行政法人工業所有権情報・研修館」の英文「National Center for Industrial Property Information and Training」から、主要なアルファベットを拾い出したものと、INPITのサイトに書いてありました。

そもそもはふた月ほど前のこと、中小機構九州本部の専門家相談を活用して、弁理士の先生にお世話になったのでした。

その際に「コピーライトポリシーを作る」ことを課題とし、ある程度出来上がったら、再度内容チェックで相談に伺うつもりにしておりました。が、相談したのは3月で、チェックをお願いしようと再度問合せしたのが5月。その間に新年度になっていて、中小機構九州本部さんの専門家相談の仕組みも新しくなり、知財関係の専門家がいらっしゃらない状態となっていました。

そこでわたしの状況を知った担当の方が紹介してくださったのが、INPIT。福岡の窓口となっているところに、電話をかけ状況説明までして繋いでくださいました。ありがたいことです。しかも電話をしたその日の午後がちょうど弁理士さんの相談日で、今日ひとつ時間枠が空いているけれどいかがですか?というラッキー。即、相談を申し込みました。福岡は博多区吉塚にある中小企業振興センターと、中央区天神の二か所に窓口があるということで、 今回は吉塚へ。支援窓口の支援担当者さんと、弁理士さんのお二人が待っていてくださいました。

いやあ、助かりました。わたし自身が持って行った相談内容だけでなく、うちのサイトを専門家の視点でご覧になったうえで、気づいた内容についてもアドバイスをいただきました。新たに出てきた課題を解決すべくどうしたらよいか、いくつかの具体的なご提案もいただき、とても助かりました。福岡の窓口では、弁理士さんによる相談と、弁護士さんによる相談とがあり、課題内容によって支援担当者さんが、割りふってくださっていました。専門家の先生はもちろん、この支援担当者さんの熱意と力量がすばらしく、ありがたかったです。

というわけで、知財関係で悩んでおられる経営者の皆さま、もしまだご存じなければ、最寄りのINPITたずねてみてはいかがでしょうか。全国47都道府県にあるということです^^

INPIT知財総合支援窓口


長年のお付き合いの料理人さんのご活躍が、とっても嬉しい。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

長年のお付き合いの料理人さんのご活躍が、とっても嬉しい。

連休二日目は、遠方から長年藤吉の器をご愛顧くださっているお客様がお見えになりました。長年のお客さまも、はじめましてのお客さまも、連休中だからこそ足を運ぶことができたとおっしゃっていただくと、通常営業にしておいてよかったと嬉しくなります。

長年藤吉憲典の器を使ってくださっているお客さまの、器についての考えをお聞きする機会はとても貴重です。実際にお使いになるなかで、藤吉の器のどこを気に入っていただいているのか、料理の提供において「もう少しこうだったら」という点があるのか、それらを踏まえて次はどのような器をオーダーしたいと思っているのか。作り手に敬意を払いつつ、率直な意見を言ってくださるお客さまは、ほんとうにありがたいです。

今回は、新しい店舗オープンに合わせての、食器のご相談でした。花祭窯で器を見ながら、どのようなお店になるのかを教えていただき、そこで使いたい器のイメージを共有し、ときに骨董や古い書籍などの資料を持ち出して具体的にどのように制作していくかを検討するのは、とても楽しい時間です。SNSが便利に使える世の中ですので、写真のやり取りや、テキストのやり取りである程度のことは決めていくことが出来ますが、やはり顔をあわせて実際に一緒にモノを見ながらいろいろなことを決めていくことが大切だなぁと、あらためて感じました。

実際にお会いして同じ空間の中で検討していくからこそ、新しいアイデアが出てきたり、小さな疑問点をやり過ごさずに案を詰めていくことが出来ました。イメージの共有において思い違いを防ぐのにも、やはり対面での検討が有効だと思いました。お店の設えがあり、料理があり、器があり、その器の中でも何人もの作家さんが参加するなかでの仕事。染付磁器はすべて藤吉さんにお任せしますとご指名いただくと、作り手ともども意気に感じます。

新店オープンのお知らせは、まだ少し先のことになりそうですが、またこのブログでもご案内いたしますね^^

黄金週間もほぼ通常運転です―花祭窯へお越しの際は必ず事前にご連絡くださいね♪

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

黄金週間もほぼ通常運転です―花祭窯へお越しの際は必ず事前にご連絡くださいね♪

この週末から連休に突入している方々も多いのではないでしょうか。人出の多いときに出歩くのが苦手なの我が家は、今年のゴールデンウィークも、通常運転でお仕事です。というか、ダンナは制作予定がぎっしりなので、お休み気分には程遠い感じでもあり。ちなみに去年は何をしていたかしら?と調べてみましたら、英国の雑誌『Homes & Antiques』から藤吉憲典へのインタビューの依頼があって、わたしはずっと英語と格闘していました。やはり連休=集中仕事、が向いているようです。

カレンダーより早めに連休に入られた方々もいらっしゃるようで、花祭窯へのご来店のお問い合せをふだんより多くいただいております。お越しをご検討中の皆さまは、ぜひお早めに電話にてご相談くださいませ。ゴールデンウィーク中のお問い合せへの対応は、花祭窯へのお電話、フェイスブックのメッセンジャー、インスタグラムのDM、メールの順に、確実性が高いと思います^^

昨日お越しくださったのは、若い二人組のお客さま。聞けば「窯のことも作家のことも知らなかったのだけれど、たまたまグーグルで見つけて」お電話で問い合せ下さいました。ちょうどタイミングよく接客のできる状態でしたので、ゆっくりご覧いただき、お買いものも楽しんでいただくことが出来ました。

基本的に一度に一組のお客様だけで、気兼ねなくご覧いただけるようにしております。ギャラリースペースは、アポイントに合わせて開けるようにしていますので、用事で留守にすることもございますし、工房で仕事をしていても、中に入っていただけないこともございます。アポ無しですと、せっかく遠方からお越しいただいても、玄関先でお帰り頂くことになってしまい、こちらとしてもたいへん心苦しいです。なので、必ず事前にご連絡をくださいますよう、お願いいたします。

ともあれ皆さま、どうぞ安全第一で良い休日をお過ごしくださいませ♪

花祭窯の露地の手入れをしてもらいました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

花祭窯の露地の手入れをしてもらいました。

2月頃に「そろそろ剪定お願いしないとね~」と思っていたのが、うっかりしていて、気がつけば4月も半ばになっていました。プロの手をお借りしての、露地の手入れ。2015年に花祭窯の露地を作ってくださった、ガーデナー・造園家のガーデンアルテさんに、年に1回ぐらいの頻度でメンテナンスをお願いしています。

が、今回はちょっと間が空いてしまいました。既に花が咲いたり、新芽が出てきているところもたくさん。そんななかでの剪定は、素人には「どこを切ったらよいのやら!?」です。安心してお任せできるプロの存在は、ほんとうにありがたいですね。

ガーデンアルテさんのインスタグラム 「花祭窯さんの剪定作業」

サザンカ、シラカシ、ザクロ、ヤマブキ、ヤツデ、キンモクセイ、サルスベリなど、ずいぶん伸びていた木を思い切って剪定してもらい、春の雨で元気よく茂ってきていた下草の手入れと、これから花のつく植物の皆さんへの栄養補給=施肥作業を完了していただきました。良いお天気のなか、丸一日がかりの庭仕事でした。

花祭窯の露地

あとは、増殖しているツワブキを適当に摘んで春の味を楽しめば、完璧。おかげさまで新緑の季節を清々しく迎えることが出来ます♪

九州EC勉強会で「ネットショップの動画・SNS・LINEの活用法」を学ぶ。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

九州EC勉強会で「ネットショップの動画・SNS・LINEの活用法」を学ぶ。

九州EC(九州ECミーティング)は、経営者・ECに取り組む方々が幹事となり、事業運営に役立つ情報交換・提供を行う会です。現在も完全ボランティアで続いている、稀有な勉強会組織です。今回の講師は、マーケティングコンサルタントの竹内謙礼氏。ネットショッピング黎明期から20年以上走り続け、日経MJ新聞への連載も10年以上という、経営コンサルタントさんです。

今回のテーマは「動画・SNS・LINEの活用法」でした。上の写真は藤吉憲典公式インスタグラムより。何をどう使うべきか、実践とデータに基づいた説得力のあるお話で、2時間あっという間でした。セミナーが終わったときには、何を止め、何を続け、何を始めるのか、はっきりと意思決定が出来ていました。

以下備忘。


  • 独自ドメインの存在意義←調べもの半分、買いたい気持ち半分。
  • SNS・動画の目指すゴール=「有名」にする。「ファン」をつくる。「商品力」の高さを理解してもらう。
  • 購買行動は、「知っているものを買う」or「知っている人から買う」のいずれか→お客さまにとって「知っている人」になることが大切。
  • SNS・動画を使ってできること=商品への理解度を上げる。コアなお客様を増やす。好感度を上げる。
  • FB→昔からのファンへの情報提供(現状維持)。
  • X→要らない。
  • インスタ→ファンづくり、露出、わかりやすさ。
  • YouTube→ファンづくり、わかりやすさ。
  • メルマガ→SNSからの落とし先。長くお付き合いしていくお客様のためのツール。
  • いかにプロフィールを読んでもらうか→いかにサイトに飛んでもらうか。
  • インスタ→エンゲージメント率のアップを狙う。
  • =役に立つ・ためになるコンテンツを制作。
  • =飽きさせないコンテンツを継続発信。
  • =「保存」「シェア」「滞在時間」をアップするコンテンツ作り。
  • =滞在時間アップ=例えば、1つの投稿に写真を最大(10枚)入れる。
  • =インスタを問合せの入り口に。
  • YouTube→商品の良さ・売り手の良さが伝わるコンテンツをつくる。
  • =サムネイルは重要。
  • =作家の個性をアピール。
  • =商品の特徴・他との違いをアピール。
  • =再生回数よりも、リアクション数。
  • =お客さまに理解してもらうための動画づくり。
  • SNSのノウハウは積み重ねていくことに意味が出てくるので、社外発注はNG。
  • 好きな人が専業でやるのが一番→インスタを好きになろう。
  • どれか一つに特化して取り組む=インスタ。動画→インスタ。
  • 誰かが勝手に紹介したくなるようなもの。
  • お客さまにいかに価値ある情報・経験を提供できるか。

笑いっぱなしの2時間でした。そういえば前回の九州ECも笑ってばかりだったような気がします。活気のある勉強会は、にぎやかで陽の気が会場に溢れますね。講師の方の力量に加えて、参加者の皆さんのモチベーションの高さ故でしょう。素晴らしい勉強会を企画運営してくださる九州EC幹事の皆さまに、心より感謝です。

【第108回九州EC】ネットショップの動画・SNS・LINEの活用法

「わたし(の仕事)は○○です」を、簡潔にわかりやすく伝える方法。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

「わたし(の仕事)は○○です」を、簡潔にわかりやすく伝える方法。

上の写真は、ロンドンのシャーロックホームズミュージアムで手に入れた、シャーロック・ホームズの名刺です。肩書の「Consulting Detective」は、DeepL翻訳の直訳によると「探偵」「顧問探偵」というところ。

これまで名刺に載せる「肩書」については、頭をひねらせたことがありましたが、その名刺を手渡しながら、自分が何者なのかをわかりやすく説明する努力をサボっていました。名刺交換を儀礼的な作業に終わらせてしまっていたのです。名刺を作るのにいくら工夫をしても、渡すときに機械的で無機質な挨拶をしていたら、相手の印象に残るはずもなく、せっかくの機会が水の泡です。

尊敬するお友だち「展示会活用アドバイザー」大島節子さんのブログで、今更ながらそのことに気づきました。彼女がブログを書き続ける姿に影響を受けて、わたしはブログを書き続けています。いわば「師」的存在。その彼女のブログの先日のタイトルが、『あなたは「何屋さんですか?」』で、「仕事内容を端的に言語化できていますか?」と問いかけられました。

できていません…!

これは、言語化せねば!と思いました。大島さんに直接たずねてみたところ、時間にして10秒前後・文字数に変換すると50文字程度を目安に考えるといいですよ、とのこと。大島さんが今一番使っておられる挨拶が「展示会活用アドバイザーの大島です。中小企業向け展示会セミナーの講師とコンサルタントをしています。」ということで、字数が句読点含めて48文字、読んでみたら9秒と、その通りでした。

ということで、さっそく考えてみました。


「花祭窯おかみ」の10秒挨拶

  • 花祭窯の藤吉と申します。主人が陶芸作家・彫刻家で、そのマネジメントと、キュレーションをしています。(51字/9秒33)

「花祭窯おかみ」の10秒挨拶 ちょっと長いバーション

  • 花祭窯の藤吉と申します。主人が陶芸作家・彫刻家で、そのマネジメントと、キュレーションを担当しています。国内外のギャラリーでの個展を中心に活動していて、わたしの仕事は、作品制作以外のほぼ全部です。(98字/15秒62)

「アートエデュケーター」の10秒挨拶

  • アートエデュケーターの藤吉と申します。フリーランスの学芸員で、美術を活用した研修や講座の企画・講師をしています。(57字/9秒75)

「アートエデュケーター」の10秒挨拶 ちょっと長いバージョン

  • アートエデュケーターの藤吉と申します。フリーランスの学芸員で、美術・美術館を活用した研修や講座の企画、講師をしています。ビジネスマンや経営者向けに観察力・創造力・表現力を養うプログラムなども行っています。(102字/16秒70)

「わたし(の仕事)は○○です」第一弾は、まずはこんな感じです。実際にしゃべるときは、その都度時間が変わりますし、言い方も変わりますが、このひな形が身に付いたら、とても楽になりそうです。ストップウォッチで測りながら思ったのは、意図的に少しゆっくり話してもいいかな、ということ。話し言葉では、場面や相手に合わせて変わっていくのが当たり前ですので、いろいろな場面で使っていくうちに、もっとスマートな表現や言い方に改良されていくはずです。

小倉鍛冶町・実南(みなみ)さんで春をいただく。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

小倉鍛冶町・実南(みなみ)さんで春をいただく。

このところ春の恒例行事となりつつある、小倉鍛冶町・実南(みなみ)さんでのお食事。今年も行って参りました。藤吉憲典の器を使ってくださっている料理人さんのところに食事をしに行くのは、この仕事をしている自分たちへのたまのご褒美であり、貴重な勉強の機会であり、大きな楽しみです。

カウンター5席に個室がひとつ。小さいながらも徹底的に無駄がそぎ落とされた空間は、一歩足を踏み入れると、背筋が伸びつつホッとします。まず目に留まった、大将・南さんの花生けは、どんどん大胆になってきているようです。空間に伸びる立派な枝ものが、紙一重で邪魔になりそうなところ、逆に広さを感じさせる演出となっている不思議。

実はこのところちょっぴり胃腸が疲れ気味でしたので、お店に入る前は「万全で来たかったなぁ」と思ったりもしていたのですが、最初の一皿を食した瞬間に、杞憂となりました。みごとにすべてのお料理が、しみじみと体に沁みる美味しさで、呼吸するようにすんなりとお腹に入っていきます。一皿一皿、「旬のもの」と「地のもの」に最大の心配りがなされているのを感じました。

お料理とおしゃべりと空間自体をゆっくり時間をかけて楽しむ贅沢。日本の料亭文化は「総合芸術」だと言われます。料亭と大げさに言わずとも、そのような美意識を五感で味わうことのできる実南さん。今回も大満足でした。

再読書ふたつ『暦と行事の民俗誌』(八坂書房)、『和のしきたり』(日本文芸社)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

再読書ふたつ『暦と行事の民俗誌』(八坂書房)、『和のしきたり』(日本文芸社)

仕事で必要のある本は、ことあるごとに何度も読み直すことが多いです。この2冊も繰り返し開き、使ってきた本。先日、藤吉憲典の器の常連さんから特注のご相談があり、久しぶりに本書を引っ張り出してきました。

江戸時代に広がった肥前磁器に描かれた文様は、朝鮮半島や中国大陸の文化の影響のうえに日本の季節の風物・風俗が反映されて、独自の魅力を創り出しました。それらの文様は肥前磁器のはじまりから400年以上を経た今もなお、描き継がれ高い人気を博しています。文様の背景や由来を知り、意味を考えてあらたに文様を紡ぎ出すことは、現代肥前磁器作家の使命であり、それをサポートするのがわたしの仕事でもあります。

『暦と行事の民俗誌』(八坂書房)佐藤健一郎・田村善次郎著/工藤員功写真

「暦と日本人」「行事十二カ月」「祭事の民俗」の三つの章立てです。最初に「暦とは」を知る手掛かりとなる解説があり、そのうえで十二カ月の行事・祭事を読むことが出来ます。モノクロながら資料写真も豊富で楽しい本です。

◆『和のしきたり 日本の暦と年中行事』(日本文芸社)国立歴史民俗博物館教授・新谷尚紀監修

監修者が「はじめに」で、「「しきたり」や「習わし」には、世代を超えた生活の知恵や技の結晶が詰まっています。」と書いておられます。そのような視点で読むと、尚深みを感じる本。「しきたりの背景」「年中行事のしきたり」「正月のしきたり」「人生儀礼のしきたり」の4章立て。こちらも理解を促すイラストや写真がちりばめられています。

日本文芸社のサイトを見てみたら、書籍検索で出てきませんでしたので、廃刊になっているのかもしれません。同監修者による別の本が電子書籍でありましたので、ご参考まで。

絵でつづるやさしい暮らし歳時記 (電子書籍)新谷尚紀監修

これら二冊に加えて、講談社の『日本歳時記』が手元にあれば、日本の季節の行事や祭事についてサッと知りたいおおよそのことは事足ります。好い本は長く使えますね♪