至上の印象派展@九州国立博物館。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

至上の印象派展@九州国立博物館。

ビュールレ・コレクション観てきました。

ルノワールの「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢」とモネの「睡蓮の池、緑の反映」が見どころとして大々的に宣伝されていた今回の展覧会。会期終了までわずかであったことも理由の一つだと思いますが、平日の午前中にもかかわらず、オープン前から入場口に列ができていました。

イレーヌは確かにとってもかわいかったし、睡蓮の池も大作でしたが、わたしの目に留まったベスト3は、次の通り(^^)

  1. 「ヴェルジュの庭の隅」エドゥアール・マネ
  2. 「二人の農夫」フィンセント・ファン・ゴッホ
  3. 「果物のある静物」ジョルジュ・ブラック

ジョルジュ・ブラックの作品3つが並んでいて、その中央がいかにもキュビズムな風情の絵「バイオリニスト」。これは、いわば彼のアイコン的な作風のものらしいのですが、わたしにはその隣にある静物画のほうが印象的でした。

展覧会全体の印象としては、なにか物足りない感じでした。これは作品の内容や展示点数うんぬんではもちろんなく、わたしは普段ほとんどキャプションやパネルを読まないのでそういう補助資料の充実度合いに対するものでもなく。

帰り道、何が理由なのだろうと自分なりに考えてみましたが、おそらく展示の並びに対する違和感だったのだと思います。章立ての仕方、各部屋の構成、全体の流れ。これらを自然と腑に落ちるように組み立てるのは、やはり至難の業なのだろうなぁと、つくづく感じました。

そして、特別展の後はいつもの「九博4階 文化交流展示室」。気がつけば、九博に足を運んだのは約10ヵ月ぶりとずいぶん間が空いてしまっていたので、文化交流展示室の内容も、かなり入れ替わっていました。今回もたっぷり見て回り、大満足で帰路につきました(^^)

 

九州国立博物館は「文化交流展」が面白い。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

九州国立博物館は「文化交流展」が面白い。

これまでにも何度も同じことを言っているような気もしますが、四階の文化交流展が大好きです。

文化交流展示室案内 http://www.kyuhaku.jp/exhibition/exhibition_info01.html

特に今回は、特別展の「新・桃山展」に合わせて、「展示室11:多彩な江戸文化」の部屋に関連する展示物を拝見することができたのが、とても面白くて良かったです。

さらにそのお隣の部屋「展示室10:九州陶磁の花(田中丸コレクション)」。こちらは毎回必ず覗く部屋であり、いつ見ても古伊万里の時代の肥前磁器の素晴らしさに嬉しくなる部屋なのですが、これまた「新・桃山展」と時代がかぶっていることもあって、さらに嬉しく拝見したのでした。

さらに今回は、文化交流展でも特別展示が開催されていました。

大分県国東宇佐 六郷満山展 ~神と仏と鬼の郷~

11世紀平安時代につくられたという木製の立像の不思議な立ち姿、特に腰つきに目を奪われました。

皆さん、九州国立博物館訪問の際は、ぜひ四階の文化交流展にも足を伸ばしてくださいね(^^)

 

ラスコー展でクロマニヨン人について考えた。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

ラスコー展でクロマニヨン人について考えた。

事前情報で「複製」「復元模型」の展示物が多いと聞いていましたが、「複製」「復元」だからこそ伝えられることもあるということを、学芸員資格課程のなかで学んでいたのを思い出し、「クロマニヨン人が見た世界」を体感しに行って参りました。

パネル展示・復元模型・復元画・レプリカ・再現展示・映像などなど、さまざまな展示技術・工夫を体感できる特別展でありました。

「ラスコー洞窟への招待」とタイトルのついた再現洞窟を楽しみにしていたのですが、期待していたより距離が短くあっという間に通り抜け。模型や映像資料では洞窟の規模がとても大きい(長い)のがわかるだけに、残念でした。ひとつよかったのは、再現洞窟なので、写真撮影OKだったこと。上の写真が、再現洞窟の内部です。

また、紹介されている壁画がごく一部に限られているのも、少々拍子抜けでした。あれだけの壁面があるのですから、おそらくもっとたくさん、さまざまなモチーフが描かれていたのではないだろうかと想像できるのですが、紹介されているものは、ウシ・ウマ・シカ・バイソン・トナカイ・マンモスなど、非常に限られていたように思います。

どのような顔料を用いて、どのように描いていたのかなど、その当時に思いをはせることのできる展示ではありました。

現在、ラスコー洞窟は限られた研究者以外立ち入りができません。いろいろと制限のあるなかで展示をつくりあげるのは、とても大変だっただろうな、と感じました。

 

九州国立博物館「タイ~仏の国の輝き~」

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

九州国立博物館「タイ~仏の国の輝き~」

黄金のゾウが見たくて、観に行ってきました。

今回入場口でまず目についたのが、「音声ガイドプログラム」の案内。実のところ、いまだかつて「音声ガイド」を借りたことが無く、借りようかな、と思ったこともなかったのですが、目に飛び込んできた文字が…

「特別出演:みうらじゅん いとうせいこう(タイ仏像大使)」

こんな飛び道具を繰り出されては、どうしようもありません。迷う間もなく「音声ガイド」を借りていました(汗)

お目当ての金のゾウは、期待通りの素晴らしさ。展示空間にひろがる明るい空気感は、タイの仏像の穏やかな表情のたまものと思われました。そして歩き姿の仏像や足跡など、軽やかな動きを感じる仏像との出会いは、とても新鮮で楽しいものでした。

 

ところで音声ガイド、ウキウキと音声のスイッチを入れると、落ち着いた女性の声。「えっ!」と思ってプログラムをよく読んだところ、みうらじゅんといとうせいこうによる解説は「特別チャンネル」という5カ所のみでした…。

おのれの早とちりを恨みつつ、この機会に「音声ガイド」なるものを体験しようとプログラムNo.1から順に観・聞きすることに。

初めての「音声ガイドプログラム」、正直な個人的感想は「音声は鑑賞をジャマする」でした。あくまでも個人的な感想です。しっかり鑑賞した後に、あとからの補足として音声を活用するのがいいな、と思いました。

みうらじゅんといとうせいこうの特別出演ガイドは面白かったですが、ちょっと物足りなさも(笑)九州国立博物館仕様でしたでしょうから、仕方がないですね(^^)

 

2016年11月、見に行きたいやきものの展覧会。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ) ふじゆりです。

今日から11月。文化の秋ですね。

この11月、特に見に行きたいやきもの関連の展覧会が3つ。

まずは

大阪市立東洋陶磁美術館
朝鮮時代の水滴 文人の世界に遊ぶ

水滴。書道具のひとつです。

企画展の案内に
『愛らしく 美しい、その小さき 粋の宇宙。』
とあります。

硯(すずり)に水を注ぐ水滴は、小さいながらも(小さいからこそ!?)
手の込んだつくり、絵付を施された名品がたくさん。
その姿かたち・文様銘文には、文人の理想や願望が込められています。

ちょうど最近、ダンナが龍の硯と水滴をつくったところで
文人の道具の面白さをあらためて想っていたところにこの企画展。

↓下の写真は磁器作家・藤吉憲典作の青磁の龍の硯(左)と水滴(右)。

青磁龍硯青磁龍水滴

大阪に足を運べたらいいな~と思いつつ。
大阪市立東洋陶磁美術館の水滴展は11月27日(日)まで。

ふたつめは

佐賀県九州陶磁文化館の特別企画展
日本磁器誕生

九州陶磁文化館は、今年有田焼創業400年事業の一環で
特別企画展を実施しています。

現在開催中の「日本磁器誕生」(11月27日まで)では
日本磁器400年の歩みと美を実感できる展示が行われているといいます。
その後は「日本磁器の源流」(12月9日より)として
中国磁器との相互の影響にスポットを当てての展覧会。

いずれも肥前磁器の仕事にかかわるものとしては、
有田焼の歴史の流れを学びなおす良い機会になるはずです。

佐賀は近いので、行かねば!と思いつつ。

みっつめは、この有田焼創業400年事業の一環でもある

九州国立博物館・文化交流展示室でのトピック展示
古伊万里 旧家の暮らしを彩った器

ホームページでの紹介には
「公家、大名家、豪商ゆかりの作品と、欧州の城館や宮殿を彩った名品を紹介し、
国内と海外それぞれの暮らしを彩った古伊万里の特徴や魅力の違いに注目します。」と。

花祭窯では今まさに、海外のお客さまと、国内のお客さま
それぞれがお持ちの、やきもの(磁器)への期待の違いを感じているので、
先人たちの通ってきた道は、とても興味深いものです。

が、会期は残り少なく11月6日(日)まで。

興味のある方、お時間のある方は、ぜひ足を運んでみてくださいね!

九州国立博物館の楽しみ。

こんにちは!ふじゆりです。

久しぶりに九州国立博物館に行ってきました。

現在、特別展「古代日本と百済の交流」展が開催中です。
訪れると一日遊べる、見所の多い九州国立博物館。
わたしたちが今回最も楽しんだのは、文化交流展示室の「大涅槃展(だいねはんてん)」。
http://www.kyuhaku.jp/exhibition/exhibition_pre123.html

色鮮やかな涅槃図は、眺め続けると新しい発見がたくさんあります。
一枚だけでも見ごたえがあるのに、それがいくつもあるのですから、いくら時間があっても足りません。

九州国立博物館は、特別展の宣伝にとても力が入っていますが、
実はこの4階の「文化交流展示室」かなり楽しいです。

==『日本文化の形成をアジア史的観点から捉える』をモットーに、
日本とアジア諸国との文化交流の歴史に焦点をあてた展示を行なっています。==
(九州国立博物館ウェブサイトより)

そして今回は、すぐ下にある「太宰府天満宮」にもお参り。
梅は三分咲きといったところでした。

写真はその太宰府天満宮から九州国立博物館へ上っていくエスカレーター。

太宰府天満宮から九州国立博物館へ

天岩戸と神の島

こんにちは!ふじゆりです。

近所で行われた公開講座に参加してきました。
タイトルは「天岩戸と神の島~古代人の他界観~」
九州国立博物館文化交流室長の河野一隆先生です。

現在、九州国立博物館で開催されている「大神社展」の地域講演会。
自分たちの住む町にある古墳などの遺産群とも関連の深い講演とあって
会場は満員御礼。

考古学出身という河野先生のお話はとても面白く
1時間半の講演会はあっという間に時間が過ぎ、
もっと時間をかけてお話を聞けたらよかったのに~!と思いました。

宗像の沖の島から津屋崎の古墳群。
495号線からの眺めは、見慣れた風景となった今でも通るたびにワクワクします。
神話の世界ともかかわりの深い古代史の背景が
海岸線の明媚な風景を、さらに趣のあるものにしています。

自分の住む場所の歴史を知る楽しさ。
知る機会をいろいろな形で提供してくれる福津市に感謝。

九州国立博物館大神社展は3月9日(日)までです。

 

https://www.facebook.com/HanamatsuriKiln